2021年(令和3年)8月
負傷した足も回復していないのに、無理矢理屋久島行きを決行しています。緊急事態宣言中ですが、一応ワクチンは全員接種済み(言い訳)。
前回はヤクスギランドをご紹介しました。
ヤクスギランドから車でさらに20分走ったところに、樹齢3千年の屋久杉、紀元杉があるので行ってみましょう。屋久島では樹齢千年以上を屋久杉、それ未満を小杉(こすぎ)と呼びますが、3千年!!!
屋久杉で最もよく知られているのは、縄文杉だと思います。発見当初は樹齢7千年と言われた古木。でも、その縄文杉に会いに行くには、8~10時間かけての登山が必要です。それに対して紀元杉は車でチャッと行って、チャっと見ることができます。とはいえ、最も近い集落である安房地区からバスで1時間ほど揺られます。しかも、チャンスは1日2回。
バスの時刻表を見ると、ヤクスギランドと紀元杉へ行くバスは1日2本。
9:26 安房港 ⇒ 10:07 ヤクスギランド ⇒ 10:27 紀元杉
13:36 安房港 ⇒ 14:17 ヤクスギランド ⇒ 14:37 紀元杉
戻りのバスが、
10:45 紀元杉 ⇒ 11:05 ヤクスギランド ⇒ 11:48 合同庁舎前
14:55 紀元杉 ⇒ 15:15 ヤクスギランド ⇒ 15:58 合同庁舎前
紀元杉に到着してから18分後の戻りのバスに乗るというパターンです。
でも、紀元杉だけではなくて、ヤクスギランドも当然行きたいですよね?だとしたら、1日1チャンスしかありません。
9:26 安房港 ⇒ 10:07 ヤクスギランド ⇒ 10:27 紀元杉
10:45 紀元杉 ⇒ 11:05 ヤクスギランド
(ヤクスギランド散策 4時間10分)
15:15 ヤクスギランド ⇒ 15:58 合同庁舎前
9:26 安房港 ⇒ 10:07 ヤクスギランド
(ヤクスギランド散策 4時間10分)
14:17 ヤクスギランド ⇒ 14:37 紀元杉
14:55 紀元杉 ⇒ 15:15 ヤクスギランド ⇒ 15:58 合同庁舎前
先に紀元杉かヤクスギランドかという選択肢しかありません。しかも、1日がかり。やっぱりレンタカーを利用するのが現実的な屋久島ですが、西部林道のように狭い山道を走るなら、ツアーも組み合わせると安心して回れると思います。ツアーは私の利用したまつばんだ交通と、岩崎グループの屋久島交通のものがあります。
屋久杉の近くで車を停めます。雷か何かでそのまま伸びられなかった木が、やっぱり朽ちることなく枝を伸ばしているのは、いかにも屋久島らしいとガイドさん。
さて、紀元杉の案内板があります。車でチャっと行けて、チャっと見られるというのはどんなものかと言いますと・・・
ほら、すぐ隣に遊歩道があり、もうそこに立っているんです。
遊歩道に入るそばにはモミの伐採跡があります。老衰によって枯れたとみられるモミで、その寿命は455年。他に例を見ない高齢樹です。
屋久杉の千年超と比べると短命ですが、モミがそこまで育つのはごく稀だそうです。お疲れさま。
紀元杉のまわりはぐるりと遊歩道ができています。もしかすると、コロナ禍でなければ順番に歩いて行かなければならなかったのかもしれません。でも、このとおり無人。
確かに太い幹は周囲が8.1m、樹高19.5mですが、3千年という時を考えると引き締まった躯体かも。
樹齢7千年という説もある最古の縄文杉は幹周16.4m、樹高25.3mだそうなので、さぞ堂々たる姿なんでしょう。でも、縄文杉は20mほど離れたところからしか眺めることができません。それに対してこの近さは、嬉しい。
見上げてみると、やっぱり迫力がありますね。ほぼ水だけで何千年も生き続けるなんて、食いしん坊の私には考えられません。
樹高の19.5mも、さほど高くはありません。調べたところによると、植林による杉は50年ほどで伐採するそうなので、20mにするには100年もあれば足りるんじゃないかと思います。
それに引き換え屋久島の杉は、わずかな成長で生き続ける。確かに幹には貫禄があります。
しかも、ほかの木が寄生しているようですね。どこへでも根を下ろし、呑み込んでいく屋久島の植物。
いったい、どうなっているのか、どこからがなんなのか、さっぱりわからないこの複雑さ。3千年もの時をかけて、しかもゆっくり成長していった彼らには、彼ら自身もどこからが自分かわからないかもしれませんね。
苔生して、寄生されている木はあちこちにあります。倒れてもそこから伸びて、なにかに寄りかかって生きて、これからも生きていくのでしょう。
屋久杉を見るだけだったら、省くのもやぶさかではないと思っていましたが、見たそのときよりも、あとになってじんわりその存在感が思い出されます。誰も行かなかったことで、さらにその神秘の世界を味わうことができたかもしれません。
帰り道から見えた安房地区。西部林道を通っていたときに豪雨だったことなど感じさせない景色です。1周わずか130kmの屋久島ですが、場所によってまったく天気も変わってきます。
集落まで下りてきました。パパイヤの木が見えます。屋久島はタンカンとポンカンが有名ですが、ガイドさんのおススメはタンカンだそうです。
ノボタンも美しい。私も家に植えていましたが、引越した後に枯れてしまいました。丈夫な花だそうですが、熱帯や亜熱帯に分布しており、冬の寒さには弱かったのでしょう。関東では難しいそうです。
尾之間地区からよく見えるのがムッチョム岳。6年生のお別れ遠足で登るんだそうです。標高940m、子どもたちは楽々と登るそうですが、なんと親も同伴だそう。親子で登山、親離れ子離れの第一歩としての儀式なんでしょうかね。頂上にいる人たちが下から見えるようですよ。ここも登ってみたかったな~
17時過ぎ。ホテルまで送ってもらってツアーは終了です。昼食付5,500円/人で、この満足度。思わずわずかにチップを渡し、お別れしました。まつばんだ交通やくざる号、おススメです。
次回記事はこちら。