英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【青森】2日目-2 十和田湖から奥入瀬渓流を散策

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつりを見たいと計画した今回の旅行。次の目的地は、コロナ禍で一度断念した奥入瀬渓流です。

前回は青森市民の台所、市役所下に位置するアウガ新鮮市場と、八甲田山と温泉地を経由しながら走るJRバスの様子を書きました。

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前回、奥入瀬渓流行きを計画したのは2020年12月のこと。直前にGoToトラベルが中止になり、全47都道府県完遂を目前にしてキャンセルしています。再チャレンジにあたり、ANAユーザーにとってアクセスしにくい青森に行くならば、奥入瀬渓流だけでなく、できればその先の十和田湖だって見ておきたいと考え、コースを決定。

JRバスは、奥入瀬渓流に差し掛かりました。地図上ではどうなっているかさっぱりわからなかったこのルートですが、JRバス車内での観光ガイドによると、車道に沿って渓流があること、車道との高低差がほとんどないことが特徴ということでした。確かに。

 

奥入瀬渓流は14.2kmの散策路が整備されています。全行程5時間のところ、私の持ち時間は3時間。十和田湖を見ずに終わるのは心残りになりそうなので、まずは十和田湖まで行ってから戻ることにしました。選択から外れた下流域は川幅も広く、渓流美を堪能するというよりは森林散策のようなので、まぁいでしょう。

 

でも、渓流沿いに高低差なしに車道があるということは・・・十和田湖に到着するまでに、全部見終えてしまうということになるんです。しかもJRバスは観光ガイド付き。ここが散策終了候補地点のひとつ馬門岩だな。もう見ちゃったよ(笑

 

しかも、十和田湖といっても終点の乙女の像がある十和田湖休屋まで行ってしまうと散策時間がなくなるので、十和田湖が見える最初のバス停子ノ口で下車しました。十和田湖唯一の川が奥入瀬川で、子ノ口がちょうど奥入瀬渓流散策の始点になるのです。ところが、レストランや遊覧船があるはずなのに、船の形跡すらなく店もすべて閉まっているではないですか。

 

しかも、ここから見る十和田湖は湾内に迫り出す御倉半島が視界を遮り、あんまり湖からの景色も望めない。だーれもいない湖岸で呆然とする私。ランチはどうする?

 

案内図左端の子ノ口から、休憩所のある石ヶ戸までの所要時間は3時間。うまくいって到着は14時になっちゃうんだけど。

 

こちらの案内図を辿るならば、左側の十和田湖から右へ歩いて行くのが今回のルート。湖には遊覧船のマークも見えますよね。コロナ禍で運休としても、いったいどこへ行ったんだ?

事前に環境省国立公園へ出かけよう!と、十和田湖国立公園協会散策マップなどで所要時間を調べてから行きましたが、そこに記されている所要時間はかなり正確でした。3時間後、ランチにありつけるんだろうか。

 

前半はケヤキやブナの林を歩くだけで、見どころは特にありません。十和田湖を見るために子ノ口まで乗ったばっかりに、次の見どころまで30分も歩くんかーい。

 

しかも新緑には早く、緑あふれる奥入瀬渓流には程遠い。それと失敗したのは、奥入瀬渓流は流れに逆らって下流から歩く方が、流れの速さや美しさを体感できて断然いいということにも気づいてしまいました(涙

 

それでも上流域を1/3ほど歩き進めると、奥入瀬渓流の滝のほとんどが集中している瀑布街道のエリアに入ります。最初に現れたのは五両の滝

 

近づくと段々の岩のあいだを流れてくるカッコいい滝ではないですか。ここから始まる滝の連続に期待が湧いてきます。

 

続くは銚子大滝。子ノ口よりひとつ手前のバス停です。ここから散策を始めれば時短になったんだけど、私の性分だとやっぱり十和田湖を見ておくのは必須だったかな。

 

銚子大滝は奥入瀬渓流本流に唯一かかる滝で、高さ7m幅20mほどの滝です。

 

ほぼ直角に切り立っているため魚類が遡上できず、かつて十和田湖には魚がまったく住んでいなかったと言われており、魚止めの滝とも呼ばれています。

 

続いては、九段の滝。その名の通り九段あるかも。水量は多くありませんが、15mの落差があります。

 

姉妹の滝。並んで二筋流れていることからつけられた名前だと思います。

 

双子白髪の滝。散策路にはときどきベンチと椅子があり、私たちはお土産とペットボトルに移し替えた前日の日本酒で空腹を凌ぎつつ歩きます(笑

 

不老の滝。途切れることなく長く流れ落ちているからかしら。

 

対岸にあって近づけない白糸の滝。冬の厳しい寒さで、これらの滝は青く透明な氷の柱になり、冬の造形を創り出すそうです。冬の氷瀑ツアーも、渓流と並走した車道からなら可能だね。

 

白絹の滝

 

玉藤の滝。道路の向こう側にあるので全貌は撮れませんでした。瀑布街道はこのあたりで終わり。この先からは中流域になります。

 

中流域は、雲井の流れ白銀の流れなど渓流美に名前が付けられていますが、どこがそこというのは、いまひとつわかりませんでした。

 

雲井の滝。こちらも道路の向こう。でも、玉藤の滝とは違い道路に上がれたので、さらに近づいてみます。

 

高さ20mから豊富な水量で流れ落ちるので、これまでの中で一番激しく見応えのある滝です。

 

次の千筋の滝はバスからも見たのですが、なかなか印象的な滝です。

 

その名のとおり、流れ落ちる水が細かい筋になっていて、千筋と形容したくなるような美しい細い流れを作っています。

 

三脚を持った人にも尋ねられたのですが、「〇〇の流れ」と名付けられている場所は、どれがどれかいまひとつわかりません。ただ、このあたりがもっとも激しく美しい流れを作っていました。たぶん、飛金の流れのあたり。

 

続く九十九島阿修羅の流れがこのあたりだと思います。

 

行きに車窓から見た馬門岩バス停のそばにある屏風岩まで戻って来ました。バスの到着時刻まで30分あるので、休憩所のある石ヶ戸まで行きたい!所要時間は25分なのでギリギリなんだけど(汗

 

中流域の流れは変化に富んでいて流れも豪快、見応えがあります。

 

石ヶ戸の瀬のあたり。ツアーで訪れた場合は、このあたりを少し散策するようです。もし短時間で散策するのなら、雲井の滝バス停から石ヶ戸バス停までの2.8km1時間のコースがおススメ。

 

石ヶ戸バス停に到着。思いの外、近かったのでホッとしました。今はコロナ禍による減便で、八戸行き青森行きがそれぞれ1日2便、蔦温泉止まりが1便あるだけです。

 

石ヶ戸も見てきました。石ヶ戸いしけどと読みます。ケドとはマタギの言葉で小屋。幅10m厚さ1mの巨大な一枚岩がカツラの木にもたれかかるようにして、自然にできた岩の小屋を作っていることから名付けられています。

 

石ヶ戸休憩所では売店があったし軽食も取れるようでしたが、そこまで時間は残っていません。バスで奥入瀬渓流館まで行けばまたランチのチャンスがあるでしょう。

定刻より若干遅れてバスが到着。バスに乗ると、青森から同乗していた人たち数組が乗っていました。みんな目的地が違ったんだね。宿泊者以外は奥入瀬渓流館バス停を経て青森へ戻るのでしょう。

 

奥入瀬渓流館ではランチを食べるにも特に目ぼしいものはなく、徒歩5分の隣のバス停、焼山へ行ってみました。こちらも既にラストオーダーは終わっており、昼ご飯ナシは決定。しかも次のバスの時間まで1時間ありますorz

ここの売店は充実していました。お土産物だけでなく農産物もあり、朝採れのタラの芽が10個ぐらい入って350円!!!撮り忘れたのが残念。天婦羅にして美味しくいただきました~

 

焼山からは十鉄バスが出ています。JRバスのように観光客に向けたバスではなく、ローカルバスで、土日は1日3便。待ち時間でさらにお土産を食べ、お酒を飲み干しました。

 

もう後は飛行機に乗るだけですが、JRバスでも十鉄バスでも空港行きのバスには間に合いません。いずれにせよ、どこからかタクシーで向かうしかないのですが、それなら見たい場所があったので、1時間早い十鉄バスを選択しました。最後の目的地に向かいます。

 

【青森】2日目-1 青森市民の台所アウガ新鮮市場&八甲田山の温泉ルート

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつりを見たいと計画した今回の旅行。弘前ねぷたと青森のねぶたも見学し、青森駅近くで1泊しています。人気(ひとけ)はないのになぜか目ぼしい飲食店は満席という謎の青森駅周辺。

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朝食付きのプランではなかったので、朝から出掛けます。閑散とした青森駅周辺で何が食べられるんだろう?まずは、前日気になっていたアウガ鮮魚市場をチェックしに行きました。すごいと思うのは、なんと青森市役所の地下にあるのです。駅地下でもあり絶好のロケーション、本気で観光に力を入れていますよね。

 

前日行ったときは、まだ営業時間内だったのですがすべて終了していました。市場だもんね、やっぱり朝が早く夕方になる前には閉めちゃうんでしょう。

 

朝6時過ぎ、まだ開いているお店は少なかったのですが、ぼちぼち準備が始まっていました。アウガ鮮魚市場には40店舗以上が入っています。

 

地魚や筋子はもちろんのこと、塩干物、野菜や果物まであり、地元市民にも人気の市場です。残念だったのは、青森の地酒を扱っている酒屋があったこと。私たちは8:40のバスで出発するので、開店には間に合いません。青森の生酒、欲しかったな。

 

最近、私たちは出掛けるときに保冷剤や保冷バッグを持参するのですが、ここでは無料で梱包してくれるというので、メバチマグロや北寄貝等、買ってしまいました。結構長時間持ち歩くんだけど大丈夫かしら。

 

飲食店も4軒入っています。人気だったのは丸青食堂。料理の種類も多く、早朝からひとりでぶらりと立ち寄っているような人を何人か見かけました。ただ料理はちょっお高めで、2千円前後が多かったかな。

 

私たちが入ったのはすし処三國。この時間にお寿司はありませんでしたが、1,000円の格安メニューがあったから。でも、青森での朝ご飯と考えるとこれでも高めに感じます。

 

本マグロ中落丼(中トロ入り) 1,000円

 

青森産サーモン中落丼 1,000円

どちらも、美味しくいただきました。前日から3連チャンで魚づくし(笑

 

セットにお味噌汁は、たぶんトゲクリガニで取ったお出汁。

 

トゲクリカニとはこれ。4月下旬から5月下旬ごろに陸奥湾で獲れる、この季節ならではの毛ガニの仲間です。3杯1,000円は安いんじゃないかな。

 

食後、もう一度青森駅周辺を見に行ってみました。再開発中で、東西への連絡通路はきれいに整備されていますが、お店はコンビニのみ。残念。

 

駅前バスターミナルにある青森市観光交流情報センターから、次の行き先へのバスが出ています。

 

ここからは青森空港行きと、八甲田山酸ヶ湯温泉を経由して十和田湖へ行くバスが出ています。コロナ禍で減便しており1日2本しか出ていないので、先へ行くには宿泊するしかありませんでした。

 

思いの外、並んでいる人が多いと思ったら、空港行きのバスと出発時間が近かったためのようです。空港行きが先に到着しましたが、行先を間違えないように繰り返しアナウンスされました。次に十和田湖行きバス。残った乗客は20人程度ぽっちり。なんだ、もっと行くと思ってた。

 

まずは岩木山展望所へ向かって走ります。岩木山へ向かっているのかと勘違いしていましたが、八甲田から岩木山を眺めるってハナシだった^^; シャッターチャンスを逃してしまいましたが、両脇に桜がずらりと並んでいました。車内では景色を眺めるだけではなく観光案内のアナウンスが流れるので、さながらバスツアーのようです。

 

出発より45分、コロナ禍で休業していましたが、酸ヶ湯温泉直営の萱野茶屋バス停で10分ほどのトイレ休憩があります。八甲田山が見える!本当は八甲田山へ行きたかったんだよな~

 

でも、調べてみると八甲田山はGWまでスキーシーズンでした。そんな寒い中、次のバスまで3時間もあるので到底時間はつぶせないと思い断念。

 

なるほどスノーボーダたちがいましたが、バスを降りる人たちもちらほらいたので八甲田ロープウェーで上へ行くのでしょう。車窓からなので暗く見えますが、曇っているもののいいお天気です。この天候だったら行けたかも。

この時期はもう融けていますが、八甲田の樹氷山形県蔵王秋田県の森吉山の樹氷と共に日本三大樹氷に数えられています。でも、蔵王以外は知らなかったな。

 

ブナ林が広がる八甲田。木の根元の雪が解け始めていて、いかにも熊が出てきそう。でも、このあたりの目撃情報はそう多くありません。

 

薄手のダウンジャケットがあれば充分の気温でしたが、この雪の高さを見ると雪深い山奥であることがわかります。ここは酸ヶ湯温泉バス停。

 

酸ヶ湯温泉で有名な千人風呂はこの建物内。日帰り入浴を楽しむのでしょう、ここで降りる人もいました。乗客はどんどん減っていきます。

 

酸ヶ湯温泉を出てしばらく行くと地獄沼を通ります。速度を落として景観を楽しませてもらえました。沼内は90度の熱湯が噴出していて立入禁止。もちろん魚も生息していません。

 

車窓からは八甲田大岳が望めます。八甲田山とは総称で、八甲田大岳1,585mを主峰に18の山々で構成されています。その昔、八甲田雪中行軍遭難事件をもとにした小説、新田次郎八甲田山死の彷徨を読みましたが、充分な装備もない無謀な雪中訓練の末に悪天候で身動きが取れなくなり、210人中199人が凍死したという壮絶な話でしたね。

 

八甲田山の標高は1,600mに満たないものの、世界でも有数の豪雪地帯だそう。今でも時折、雪国でホワイトアウトによる遭難の話を聞きますが、当時の防寒ではなすすべもなかったことでしょう。

 

いかに雪が多いかを表しているのが、こちらの画像。樹齢が短い樹々は雪の重みに耐え切れず、地面と平行に生えていくのです。細かい枝が車道に伸び、バスの車体にガシャガシャと当たります。木に気を取られてセンターラインを越えてしまったら危ないよね。

 

続く休憩場所は萱野茶屋から1時間後、蔦温泉です。駐車場の松の曲がり具合が、豪雪地帯であることを物語っています。

 

ちょうど日帰り温泉の開始時刻の10時でした。この建物は1918年(大正7年)に建てられた本館で、今なお現役。

 

受付を終えた人たちが日帰り入浴に向かっています。羨ましい。このバスルートでは八甲田リゾートホテルの寒水沢温泉城ヶ倉温泉酸ヶ湯温泉猿倉温泉谷地温泉蔦温泉と続くので、宿泊はもちろんどこかで日帰り温泉を楽しむことも可能です。

 

最後の蔦温泉を出ると、15分ほどで私たちの目的地が始まります。私にとっての「青森といえばここ」という場所。青森に1泊することに決めたのは、ここへ来たいからでした。

 

【青森】1日目-6 HOTEL MYSTAYS 青森駅前&「すし居酒屋 樽」で地元の魚

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつりを見たいと計画した今回の旅行。津軽藩ねぷた村へ行ったあと、前回はさらに青森駅へ移動して青森ねぶた祭の体験館、ねぶたの家ラ・ワッセへ行った話を書きました。

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さて。日が暮れてきて、続々とお店も閉店していくけどお土産はどうしよう。観光案内所で百貨店の有無を聞いてみると、あるけどお土産物などはないと。青森ベイブリッジの前にあるA-FACTORYワ・ラッセ内の青森ふるさとショップアイモリーで調達するしかなさそう。

でも、今になって知ったことには、市内を歩いているとやたら目立つ三角形のライトアップされた建物が観光物産館、青森アスパムだったのです。漁連の直営店や、りんご、長芋、にんにくといった農作物とその加工品、その他もちろんお菓子などばっちり揃っていたみたい。そういえば、地図を見ていると湾に面した公園にはなにやら施設があったなぁ。大型ねぶたの制作小屋ラッセランドもここ。1泊するだけの青森駅周辺はチェックが行き届いていなかったよ。徒歩8分で行けたんだって。残念。

 

宿泊先HOTEL MYSTAYS Aomori Stationのエントランスです。駅前からのメイン通りとなる新町通りのアーケードを歩いて行くと奥まった場所にあるので、見逃してしまうかもしれません。

 

フロントは3階。青森駅周辺はビジネスホテルしかないので、比較的新しいホテルを選びました。1泊食事なし8,700円/2人という格安ホテル。

 

各部屋には歯ブラシ以外のアメニティが置いていないので、ラウンジにある引き出しから必要なものを持って行くというスタイル。合理的でいいと思います。使われなかったものが延々とそのまま置いてあるのかしら、なんて考えなくていいし。

 

ツインはすでに満室だったので、クイーンベッドのあるダブルにしました。窓がすぐそばなので、奥に寝ると腕が自由に動かせないのが圧迫感。スタンダードのダブルだとしんどいかも。

 

部屋に入ってすぐがこの状態。狭いのでドアは90度程度しか開きません。

 

それでも一応、冷蔵庫や机などは完備。椅子を移動させればテーブルで向かい合って座ることもできるのは、ちょい飲みするには案外便利。

 

冷蔵庫の隣のドアを開けるとバスルームとトイレ。このサイズの部屋でバスルームに洗い場があるのは優秀。

 

トイレと洗面所と脱衣室までも兼ねているという狭さだけど、17㎡という狭さの中で良く工夫していると思います。

 

夕食をどうするかは、航空券を押さえた時点から悩んでいたのだけど、弘前から戻れる時間がはっきりしていなかったので、結局予約せず。前日になってようやく数件電話したら、目ぼしいお店はすべて満席でした。恐るべし。

その電話では、すべて予約客で埋めているわけではないということを聞いたので行ってみると「少し待ってもらえれば」と言われました。でも、その一言を聞いたっきり、すぐそばをひっきりなしに行き来するスタッフの誰もが私たちには一瞥もくれず放置。ちょっとそれはないな、と店を出ました。評判の良いお寿司屋さんでしたが、またお寿司屋さんというのも諦める気になった要因かも。

もう1軒行ってみるも満席で、席が空くまで待ってもいいですか?と聞いたら、すでに2組待ってもらっているから難しい、と。でも早くに空いたら電話をもらえることになりました。こちらは女将さんが、そうまで言ってもらってありがとう、と感じよく対応してくれたので、温かい気持ちになれたな。ここもやっぱりお寿司だったけど(笑

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お土産に買ったお酒やおつまみを食べながらホテルで待っていると、結局40分ほどで電話がありました。思ったよりも早かったけど、もう人心地ついてしまっています。通されたのは奥の個室。お店に入るとすぐカウンター、奥には3-4部屋ほどありました。

 

メニューは達筆過ぎてちょっと読みにくい(笑

 

日本酒のラインナップはこちら。県内のお酒も県外のお酒も豊富に揃っています。

 

やはり県内のお酒からと思い、生酒がないかどうか聞きました。持ってきてくれたのは八戸酒造㈱陸奥男山。同じ酒蔵の二枚看板は陸奥八仙です。でもねぇ・・・残念なことに、生原酒なのに冷えてないんですよ。常温かぁ。

 

突き出しはアンコウの共和えと鰺のなめろう。もうこれだけでいいかも、というぐらい美味しい。

 

せっかくなのでお造りの盛り合わせは頼みました。1人前1,700円と書いてあって2人前頼んだのだけど、充実し過ぎ!!!

左上2段が陸奥湾の帆立とヒモ陸奥湾ヤリイカ赤貝タコの吸盤

中段が千葉の初鰹ホッケキンキ

下段が鯵ヶ沢ノドグロ大間のマグロシメ鰯 だったと思う。

 

でもお店の人には「グラム当たり一番高いのが静岡のワサビなので、残さずに食べてくださいね」と言われました(笑

 

せっかく美味しいお造りが運ばれてきたけれど、お酒の方はやっぱり常温だったので残念。青森県黒石市㈱中村亀吉の亀吉は、ほとんどが県内で消費のお酒だれど、逆に県内であればどのお店でも飲める人気のお酒らしいんだけどな。

 

もう一品頼んだのは、穴子の白焼きと刻みワサビ。これはふつう。お造りは美味しかったしお寿司も食べたかったけど、カウンターじゃないと頼みにくいな。お酒も常温だし、もうこれでいいや。

明細はわからないけど日本酒は亀吉が650円だったので、陸奥男山750円、突き出し1,000円だと合うかな。お造り、やっす。

お造り盛り合わせ1,700円×2+穴子の白焼き1,000円+突き出し+日本酒2種=7,800円(現金のみ)

 

青森の商店街は閑散としていて人もほとんど歩いていないしお店の閉店も早いのだけど、いざ飲食店に入ろうとすると満席という謎の青森。「すし居酒屋 樽」は中でも人気店のひとつなので、予約必須です。女将さんをはじめとするスタッフは感じがいいので、ちょっとぐらいの不満なんぞまぁいいかと思えてしまう良店。入店したのが私たちにとっては遅く、20時前だったということもあって早々に帰りましたが、お酒さえ冷えていたら居座っていただろうなぁ。

 

【青森】1日目-5 東北三大祭のひとつ、青森ねぶた祭を体験「ワ・ラッセ」

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温が低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。運よく弘前公園は期待をはるかに超えた美しい満開の桜で出迎えてくれました。

前回は津軽藩ねぷた村の様子を書いています。

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弘前で美しい桜を堪能したあと青森駅へやって来ました。晴れているので想像できないかもしれませんが、さっきまで桜を見ていたとは思えない、凍えるほど寒い風が吹きつけてくる。歯はガチガチと鳴るし話もできないぐらい。なんで~?駅から見える青森ベイブリッジのすぐ下は海。そりゃ寒いわ~!!!

 

弘前城本丸との共通券だった藤田庭園や弘前市植物園を諦めて青森へ急いだのには訳がありました。そう、こちらにもねぶたを展示しているねぶたの家ワ・ラッセがあるのです。青森駅到着が17:04、ワ・ラッセの最終入館時刻が17:30だったので、青森ねぶたを見学するにはあれが最後の電車でした。

 

秋田竿燈まつり 仙台七夕まつりとともに東北三大夏祭りに数えられる青森ねぶたまつり五所川原立佞武多館、弘前津軽藩ねぷた村を見たからには、青森のねぶたの家ワ・ラッセを見ないわけにはいかないでしょう。そう、青森ではではなくと発音します。入場料は620円。

 

弘前と同じようにこちらにも金魚ねぶたが吊り下がっています。

 

その両脇には、歴代の青森ねぶた祭で賞を取ったねぶたがずらりと展示されています。でも、奥の方からお囃子の音が聞こえてくるのですっ飛ばして先へ進みました。

 

お、おお~!!!でかい!!!平たい土台に人形型のねぶた。弘前ねぷたとは規模が全然違う。弘前に比べ道路幅は広いそうですが、それでも運行の都合上、最大サイズ幅約9m、高さ約5m、奥行き約7mという規定があります。でも、思った以上に大きい!!!

 

2階のバルコニー部分から見下ろすと、そのサイズの大きさに圧倒されます。20畳ぐらいの土台にねぶたが載っているのだから、五所川原立佞武多とはまた違う迫力。

この疫病祓い「スサノオ神話」は、疫病終息を願って作られており、2021年に運行する予定でした。眼に見えない毒息を吐く疫鬼に立ち向かう須佐之男(スサノオノミコト)と、それを見守る櫛名田比売(クシナダヒメ)が描かれています。

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2階には歴代ねぶた制作の名人の作品が展示され、その歴史も紹介されています。

 

青森ねぶたを見ていると、特に髪などはわざわざその筆遣いを残すように色付けしているなぁ。

 

2階の展示物を充分に見ないまま先に進んだのは残念でした。でも、太鼓の力強い音がどうしても気になったのです。1階では青森ねぶた祭の掛け声、ラッセラーラッセラに合わせてみんなで跳ねる体験をしていました。跳ね方は簡単なので、そこにいる全員が参加していました。青森ねぶた祭では、踊り手の跳人=ハネトの装束を着れば、旅行者でも誰でも参加できることも魅力のひとつでしょう。

 

2階で見た疫病祓い「スサノオ神話」のうしろ側へまわってみると、見送りの部分には斧を持った牛頭天王が疫病退散を祈願しています。

 

こちらも2021年に制作の「雪の瓦罐寺」。中国の物語水滸伝から、賊を成敗するという話をもとに作られています。

 

2021年は開催予定であったにもかかわらず中止になりましたが、2020年は当初から中止が決まっていました。代わりに、ねぶた制作者たちのモチベーションが下がらないように、14名のねぶた師がそれぞれ一体ずつ制作した人形を合作した作品「薬師如来玄奘三蔵十二神将」を作り上げました。

 

この合作ねぶたは、ねぶた師を収入面でも支援する目的で、クラウドファンディングによって費用が調達されました。なるほど他と違って土台の提灯には出資者の名前が所狭しと吊り下げられています。2,500万円の最終目標に対して、青森市内を中心に全国から3,564万円集まったそうです。

 

それぞれのねぶた師が作る躍動的な十二神将の中央に玄奘三蔵がいます。十二神将はどれも表情豊か。中止が決まったこの年への思いや翌年への思いが込めて作られています。この年、そして制作したものの開催されなかったそして2年目、どんな思いだったことでしょう。

 

ねぶたの大きさを示すために、足だけの展示もあります。これだけでもド迫力。

 

内部構造を見せるために、土台と針金や電気配線などが見える顔部分も展示されています。これもまたかなりの大きさ。

 

大型ねぶたから比べると小ぶりな作品でしたが、熊がド迫力。マタギと熊との攻防シーンだと思うのですが、追い立てているはずの犬に恐れがないどころか、むしろ人なつっこく絡んでいるみたいで笑える。

 

ねぶたは合作ねぶたにもあったように現在14名のねぶた師がいます。はじめからねぶた師がいたわけではなく、当初は有志で制作していて、やがて腕の立つものがねぶた師となって制作するようになりました。その系譜がこちら。青森が生んだ世界に誇る巨匠、版画家の棟方志功もねぶたを非常に愛していたことから、ここに掲げられています。

 

それぞれの経歴や作品の紹介もありました。中でも注目したのは、初の女性ねぶた師の存在。しかも明治のねぶた師、坂田金作を祖とし、初代、2代、6代と3名の名人を輩出している歴史ある系譜をひいています。

 

こちらの「雷公と電母」(2021年)がその北村麻子の作品。2021年はねぶた祭中止に伴い新作を無観客でお披露目し、それをライブ配信、そして各賞の発表を行うにとどまったのですが、この作品は金賞を受賞しています。

 

それぞれのねぶた師が作る面がずらりと掲げられていました。それぞれ得意とするものがあるのでしょうか。睨みを利かせた表情は、どれも迫力満点。

 

北村蓮明、北村春一は親子。左の蓮明が父、右が長男の春一の作品です。正面をにらんでいるものもある中、対の作品のようににらみ合っているところが面白い。北村蓮明は、2階から最初に見下ろした疫病祓い「スサノオ神話」の制作者。北村麻子の父、北村隆とは双子の兄弟です。

 

青森ねぶたは迫力満点。毎年新作が作られることからも資金力が窺い知れます。今年はなんとしても開催にこぎつけたいところでしょう。弘前ねぷた祭や五所川原立佞武多などとともに、青森を盛り上げていってほしいです。

青森ねぶた祭は毎年8月2-7日、弘前ねぷた祭は1-7日、五所川原立佞武多は4-8日に開催されます。泊まればハシゴができるので是非来てくださいと紹介していました(それぞれ日によって昼夜運行や夜間運行などがある)。人混みは苦手だけど、一度生で見てみたいなぁ。

これでねぶたの家ワ・ラッセ弘前津軽藩ねぷた村五所川原立佞武多の館の3ヶ所すべて回れて大満足。有名どころ以外でも、青森では40ヶ所以上の自治体でねぶた祭を開催しているそうですよ。

 

ワ・ラッセは18時で閉館ですが、お土産物コーナーは19時まで開いています。駅前は再開発中で弘前に比べると閑散としていて何もなく、ワ・ラッセの隣のA-FACTORYが充実しているようでした。弘前駅前ビルのアプリーズと同じ系列でJRが母体みたい。2階レストランで飲める青森県産のシードル工房に興味をそそられます。

青森ベイブリッジの向こうには今は船上博物館となっている青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸が係留されています。そして、A-FACTORYのすぐ前には新名所あおもり駅前ビーチが2021年7月にオープンしています。駅前にビーチ!!!夏になれば観光客も地元民も集まり賑やかになることでしょう。

 

駆け足の1日でしたが、充実していました。青森へはJALか新幹線でしかアクセスできないので、ANASFC会員の私には再訪する機会は少ないでしょう。せっかくなのでもう少し青森を回るために泊まることにしたのは、そういう理由でした。

間もなく時刻は18時。閑散とした町が、さらに静まっていきます。

 

【青森】1日目-4 憧れの弘前さくらまつりへ!津軽藩ねぷた村

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温が低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。運よく弘前公園は期待をはるかに超えた美しい満開の桜で出迎えてくれました。

前回は弘前城本丸の有料区域の様子を中心に書いています。

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桜の美しさを堪能したあと、弘前公園を出て外濠沿いを歩き津軽ねぷたへ向かいます。弘前中央高校前の出口から5分足らず。

 

16:15に弘前発の電車に乗る予定だったので、残り2時間を切って徒歩30分もかかる場所にいるのはちょっと気が急きます。津軽藩ねぷた村の外観等、まったく撮る余裕もなく入場しました。入場料は550円です。

 

中へ入ると、ねぷた祭で叩く太鼓の体験をしているところでした。希望者が挙手しているのが見えます。3人ずつ笛に合わせて叩かせてもらっていました。

 

こちらが笛の演奏者。後ろに人形型のねぷたがありますが、弘前ねぷたは扇型が特徴で、立体的なものはあまりありません。

 

青森では弘前ではと言いますが、これは単に方言の違いだそう。館内は五所川原立佞武多館と同じく、ねぷたを中心にスロープを下りてぐるりと見学するようになっています。迫力は圧倒的に五所川原立佞武多

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扇型の枠にずらりとキュートな動物のねぷたが並んでいます。

 

上の画像にも見られますが、弘前金魚ねぷた山口県の柳井へ行ったときに出会っています。柳井の商人が弘前ねぷたを見てお土産として持ち帰り、のちに柳井を金魚の町として盛り上げようと金魚ちょうちんを制作するようになったのです。

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画像を辿っていくと、どこにでも金魚ねぷたが見えるので、当時の柳井の商人もきっと印象的だったのでしょう。

 

弘前ねぷたまつりの特徴は、扇型のねぷたとその数の多さにあります。道幅や電柱による制限のためにそう大きくはないのですが、参加団体の総数が80前後もあるのです。

 

これは他とは違い、企業主催ではなく町内会や集落などの小規模なグループでの参加が多いためで、なるほどスポンサー広告がねぷたについていません。そしてこのねぷた、扇部分がでんでん太鼓のように半回転するんです。お囃子に合わせてぐるんぐるんと回るねぷた、楽しいです。

 

扇型のねぷたの前に、スイカや大根などの小さなねぷたも見られます。これは子どもたちが持ち歩けるように作られた子供ねぷた


スロープには、ねぷた制作者の名前とその作品が掲げられています。表側は鏡絵といい、三国志水滸伝源平盛衰記津軽為信などから勇壮華麗な武者絵が描かれています。

 

背景に見える大きな扇型はねぷたの裏側で見返り絵といい、唐美人や西王母、楽女のような女性が描かれます。手前の小さなねぷたは江戸時代の古典ねぷた。今では見ることのなくなったねぷたが飾られています。今とは違い四角い箱型で、鳥が飼われているような燈籠もまた品があっていいですね。

 

江戸末期から明治初期のねぷたのなかにも金魚ねぷたが見られます。今のよりも表情やウロコなどがはっきり描かれているかも。

 

スロープをぐるりと回ればおしまい。あとは順路に沿って進むと、青森県内のねぷたの紹介などがあり、日本庭園揚亀園(ようきえん)に出ます。

元の会場で津軽三味線の演奏時刻になっていたので聴きに戻りました。今回初めて津軽三味線の演奏の特徴を知ったのですが、たいていの弦楽器は左手はコードを押さえ、右手で弓やバチなどを使いますね。ギターなど爪弾くものもありますが、あくまで右手が主体。ところが、津軽三味線は左手でかなり爪弾くのです。むしろ左手の動きの方がハード。右手はじゃんじゃん掻き鳴らし、左手は絶え間なく爪弾き奏で、さながらふたつの楽器で演奏しているかのように聞こえるほど。利き手じゃないほうをあそこまで使うのは、ピアノ以上に鍛錬が必要じゃないかしら。

 

津軽三味線五能線リゾートしらかみでも生演奏を聴きましたが、物悲しいのはその歴史にあるようです。もともとは目が見えない人が、生活の糧を得るために流しの三味線弾きをしていたそうで、寒い外でかじかむ手をこらえるためにも、吹雪く中で音を届けるためにも、激しく打ち鳴らさなければならなかったのだろうという話でした。

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演奏が終われば、電車の時間まで残り1時間足らず。お土産も書いたいので、30分歩くよりもバスに乗りたい。ねぷた村の人に聞くと、文化センターからバスが出ているとのこと。私が事前に調べたときにはねぷた村からのバスもあったと記憶しているのですが、地元民は案外バス事情を知らないことが多いので、とりあえず教わった場所へ向かいます。先ほど弘前公園を出た弘前中央高校前を曲がったところにあるNHK前の文化センターバス停からの出発。

(私が調べた土手町循環バスためのぶ号の運行については未確認。弘南バスHPで確認のこと)

 

バスは乗車後すぐに出発しました。途中、1906年(明治39年)に建てられた日本基督教団弘前教会礼拝堂の前を通り、10分ほどで弘前駅到着。運賃は100円でしたが、お花見期間の臨時便だったのか、運賃箱もなく下車時に係の人に手渡しでした。

 

弘前駅でお土産を買う場合は、弘前駅ビルアプリーズの1階と改札口前のイートイン兼の売店ぐらい。でも、さくらまつりの時期ということもあって青森駅よりも全体的に活気がありました。というか、駅だけをフォーカスするなら青森駅にはなんにもない。

 

電車は座れない人もいるほど。50分揺られて青森駅へ向かいました。日帰り旅行が多い私たちには珍しく、1泊します。

 

【青森】1日目-3 憧れの弘前さくらまつりへ!弘前城本丸から眺める岩木山

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温が低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。運よく弘前公園は期待をはるかに超えた美しい満開の桜で出迎えてくれました。

前回は無料見学区域のさくらまつりの様子を書いています。

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有料区域に入ると、弘前城石垣普請番屋と書かれた建物がありました。入ってみると、石垣の修理箇所が見学できるようになっています。

 

グレーのシートが張られているのが石垣、奥の足場が組まれている場所が天守台の位置なのですが、そこを含めた石垣全体の耐震性が確保できていないということで、100年ぶりに10年がかりでの改修事業が行われています。

 

工事の解説があります。その前は明治中期から大正にかけて改修が行われているそうですから、なかなか進歩的ですね。

 

これが石垣の反対側から見た天守台です。階段は天守に入るためのもの。真下の石垣も改修工事の対象なので、天守は2015年に簡易的にここから下がったところへ仮置きされています。

 

工事箇所を石垣普請番屋と反対側から見ると、足場のところが天守台で角に建っています。右手の通路は本来お濠で、改修工事のために埋め立てられています。

 

今、曳屋された天守が仮置きされているのは、天守台から30mほど内側。しだれ桜の向こうに見える天守は、1810年に築かれた2代目のもので3層構造の小さなものです。

 

その当時、現在の場所にあった本丸辰巳櫓を解体して新造されたもので、あくまで天守の代用だったと言われています。仮置きで天守台もないので、さらに小さく見えます。

 

本丸の西側へ行くと、岩木山が見渡せる絶景の場所がありました。後日、青森がご実家という人に聞いたところによると、岩木山の頂上は雲に隠れることが多いそうで、こんなにきれいに見られるとは素晴らしいと感嘆していました。

 

この位置はちょうど蓮池の上になるので、夏の蓮の時期はここから眺めるのも悪くないかもしれません。

 

でも、桜とともに岩木山を眺めるのであれば、もう少し南側にある展望デッキからの眺めも素敵です。(岩木山弘前城の西にあるので、南側=上記画像位置より左側)

 

お濠から一段と高い位置にあるので、有料区域に入るとぐんと見晴らしがよくなります。案内板には五層の天守と書かれていますが、初代の天守は五層構造でした。

 

天守に入る人たちの行列が見えます。こんなに天守が小さいとは知らなかったので、わざわざ櫓に入ることもないと素通りするつもりでした。

 

でも、有料区域内にある建物がこれしかないということはこれが天守なのだ気づき、入ることにしました。人数制限をしているので並んでいますが、待ち時間は10分程度だったと思います。

 

初代五層の天守が築城後たった16年で落雷によって焼失したあと、幕府からの2代目新造許可までは180年以上もかかりました。地方に力を持たせないため、築城には厳しかったようです。

この天守も辰巳櫓の改修を名目にしており、幕府への配慮から天守とはみなさず御三階櫓と呼び、事実上の天守ではあったものの櫓として扱っていたそうです。なるほど、これまで他所で見てきたお城とは規模がまったく違うので、天守と気づかなくても仕方ない。それでも東北地方に唯一残っている江戸時代建築の天守です。

 

中は耐震工事がされ、天守曳屋の資料を展示するなど簡易的な公開となっています。

 

石落としが見られましたが、地面のタンポポが見えるほど低い。でも、弘前公園をぐるりと歩いた感想としては、幾重にもお濠がめぐらされているので、そもそも本丸に近づくのが容易ではなかったです。

 

この位置に天守があるあいだに楽しめるのはなんといってもこの景色。元の場所よりもたぶんさらに正面に岩木山が見えるので、あと数年、ここからの眺めも見どころのひとつでしょう。

 

模型をもとに説明すると、本来の位置は、模型にあるように左手前の角に建っています。今の仮天守は、天守の後ろにある広場の右端あたりに曳屋されています。

 

天守岩木山が一望できる展望デッキがあるのですが、さくらまつり期間中は混雑を避けるため、閉鎖されていました。

 

本丸をあとにするところに、印象的な形をした松の木があります。弘前公園内の古木のひとつ、樹齢300-500年と推定されるアイグロマツで、優美な老鶴形に仕立てられていることから鶴の松と名付けられています。

 

有料区域を出て二の丸東門へ向かいます。目当ては門の左側に見えるソメイヨシノ

 

1882年(明治15年)に植栽されたという、樹齢140年の弘前公園最長寿ソメイヨシノです。ソメイヨシノは成長が早い割に寿命が60-80年と言われているのですが、前回も書いたとおり、弘前公園では同じバラ科のりんごの剪定技術を活かした手入れにより長寿化に成功しており、樹齢100年を超えるソメイヨシノが400本以上今も立派に花をつけています。

 

二の丸丑寅天守への新造に使われた辰巳櫓と規模は同じぐらいじゃないかと思います。これを見れば、どれぐらい小ぶりな天守かがおわかりいただけることでしょう。

 

最後に、日本一太い幹周のソメイヨシノを見に行きましょう。

 

環境省が実施している全国巨樹巨木林調査により、日本一太い幹周のソメイヨシノを認められています。地上1.3mのところが幹周5.73mで、植樹時期は少なくとも1901年(明治34年)とのこと。高さは10mありますが、枝葉はほかのものに比べちょっと寂しめ。

 

外濠へ出てきました。水面に桜が映ってきれい。最後に見たこの逆さ桜は、桜の色こそ陰っていますが、この日に見た中で一番美しい光景ではないかとすら思いました。2018年にオランダへ行ったとき、こういうのをあちこちで見たなぁとと思い出しました。弘前の桜を満喫でき大満足です。

 

広大な弘前公園、足早に見学することが多い私たちでも2時間経っていました。まっすぐ先へ進めば元の位置に戻るので、共通券を購入した弘前植物園や藤田庭園を見学できるかな、という残り時間。でも、反対側へ進むと津軽ねぷたがあります。五所川原立佞武多館へ行った私たちとしては、ねぷたはやっぱり見ておきたい。こちらを優先することにしました。

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【青森】1日目-2 憧れの弘前さくらまつりへ!想像を超える美しさに感嘆!

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温の低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。

前回は飛行機の遅延と、ランチのお寿司の話を書いています。

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弘前公園には52種2,600本もの桜が植えられており、桜の名所として名高いのは有名なのですが、満開の桜だけではなく桜が散ってお濠を花びらが埋め尽くしたときの美しさもまた有名で、その花筏を見るために出掛ける人たちも多くいます。満開の桜を見るか花筏を見るかは迷うところですが、どちらも外してしまっては困るので遠方から計画するのは本当に難しい。

幸いに満開予報に重なってくれたこの日、美しい桜並木と共にお濠に少し落ちた花びらが早くも花筏を作り始めているではないですか。

 

お濠の向こうにはまだまだ花びらはないにもかかわらず、お濠の端に滞留している花びら越しに桜並木を撮ってみると、もう立派に花筏っぽい。きれい~!!!

 

これだけでも桜の花びらの絨毯のようで歩きたくなるほどだったから、お濠の端まで花びらで埋め尽くされたら、どんなに美しいことでしょう。天候にも恵まれ、最高の見学スタートです。

 

弘前公園へはどこから入ればいいのかよくわからないけど、とりあえずお濠の南側に沿って歩きます。

 

左手に弘前市役所が見えている外濠には、ひときわ濃い色のしだれ桜も満開。

 

花筏になるのは満開の3日後あたり。とはいえ、樹々にも桜は残っていてほしいし、それでいて花筏もできていて、しかも晴天・・・そりゃ何年通い続けてもベストタイミングは難しいでしょう。今回の私のタイミングは上出来。

 

この外濠からは、弘前公園への入口のひとつ、三の丸追手門が見えます。

 

緊急事態宣言も蔓延防止措置もない弘前さくらまつりは3年ぶりのこと。絶好の日和がお花見を後押ししてくれています。

 

三の丸追手門は改修工事中で、写真が貼られたシートで覆われています。この方式、景観を損なわないし、雰囲気もわかるしいいですね。中へ入ると健康チェックがあり、代表者の住所と入園者の人数を書き込み、チェック済みのリストバンドのシールをもらいます。

 

園内は混雑防止のためにセンターラインが引かれて一方通行が求められていますが、歩けないような人混みではまったくありません。

 

紅しだれ桜などいくつかの桜が咲き乱れる市民広場では、レジャーシートを広げる人たちの姿もありました。飲食も許可されています。

 

さくらまつり期間中、中濠では観光舟も運行しており、お濠から桜を見上げて楽しむこともできます。うまく乗り場が見つかったら乗りたかったなぁ。

 

観光舟の航路の桜の様子はこちら。花筏の時期も美しいと思いますが、満開のこの時期も絶対にいい!ちなみに、ここまで入ってきても入園料はまだ必要ありません。弘前公園は太っ腹。

 

ここらあたりが花筏になると想像したら、天気予報とにらめっこして来年また見に来たいと思っちゃうわ~ と同時に、何重にもお濠が囲む弘前城天守がどこがなのかいまだにわかりません。どこを目指して歩けばいいんだろう?

 

弘前公園には、いくつか名のついた古木があります。こちらはひときわ大きく聳え立つイチョウ

 

根上がりイチョウといい、藩政時代に土塁の上に植えられていたものが、やがて土塁が消失して根が露出したようです。

 

写真を撮りつつ歩いているといえども、かれこれ30分経っています。お濠の外を半周ぐらい回ったように思うのに、これだけ歩いても天守が見えない。いったい弘前城ってどうなってるんだろう。

 

どの桜の幹も年季を感じさせる太さですが、本来、桜の寿命は60-80年とそう長くありません。弘前公園の桜は同じバラ科であるりんごの剪定技術を活かしたお手入れで、長寿のものが多いそう。これで樹齢100年ぐらいでしょうか。

 

西濠ではこの時期だけボートが出ており、皆が楽しんでいました。でも、大失敗。赤い橋は春陽橋という名の橋なのですが、これを渡ってしまうとお濠の外へ出てしまうので渡りませんでした。でも、この橋から西濠を撮るのが弘前城跡でもっとも美しい桜のスポット。なんという失態ーー;

 

春陽橋の手前からは露店も出て賑わっていましたが、それでも都会の人出とはまったく違いふつうに歩けます。有料区域の看板を見つけたので、露店の見学はパスして中へ入ることにしました。右側は蓮池濠で、見ごろの夏には見事な蓮の花が見られるようです。

 

入園券は主に本丸付近を見学するために購入します。お濠まわりの桜を眺めるだけであれば必要ありません。入園料は320円ですが、弘前城植物園藤田記念庭園との共通券520円もあります。三の丸追手門近くで植物園の横を通ったので、あとで見に行こうと共通入園券を購入しました。

 

弘前駅発の電車には4時間後に乗る予定にしていました。たいていじっくり見学することのない私たちなので楽勝で見学できると思っていたのですが、実はその共通券は使わず仕舞いで弘前を後にしています。

 

時間切れで入れなかった藤田庭園は弘前市出身の実業家、藤田謙一が大正時代に造らせた別邸と庭園で、洋館・和館・匠館が建ち、岩木山を眺望する借景式庭園が見学できるようでした。弘前城植物園も8haと広大で、1500種12万4000本の樹木と草花が植栽されており、1時間ほどで見学できると書いてありました。弘前公園は思いのほか広大だったので、充分に見学時間を取ったほうがいいと思います。

 

弘前城有料区域内の話は、次回に続きます。