ふつう、家って何回買うものなんでしょう?
実は私は4回買い替えています。
新築マンションを3回、今の中古戸建てを1回。
最後のマンションは、購入後3年しか住んでいません。
転勤で転居を余儀なくされたからです。
私がそのマンションを購入したのは、発売初日の朝一番でした。
子どものころから家の間取りが大好きで、広告を見ながら自分にとってのベストを探すのが習慣になっているほど家へのこだわりがあったのですが、忘れもしないある土曜日、そんな私にとってまさに理想的なマンションが手に届く価格で売り出されたのを朝刊の折り込み広告で知ったのでした。
選択肢は一択。最上階2戸のうちの南東角部屋90㎡超。
南側のバルコニーにキッチン、リビングと洋室2室が並ぶという贅沢さで、20畳以上あるリビングの東側にはさらにそれ以上に広いルーフバルコニー。バスルームにも窓があって当時流行ったミストサウナ付き(ただし、2回しか使わなかった^^;) 。
駅からはフラットで3分と近いのに、もともとの位置が高台なので大阪平野が一望できる。なんと素晴らしいことか。
これは見ずにはいられないと宣言し、朝一番にモデルルームへ行って現地を確認して即決。歯医者へ行っていた相棒に電話して、その足でそぼ降る雨の中、手付金を持って確認にしに来てもらったのでした。
久しぶりにマンションを手がけたというその大手デベロッパーは、発売時の反響の高さに価格設定を間違えたと後でポロリと明かしていましたが、それぐらい立地と間取りに優れた理想的なマンションでした。
建築中に指定リフォーム業者を通して間取り変更もでき、収納を増やしたり扉をドアから引き戸にしたり。ああ、今でも当時を振り返るとあの楽しさを思い出す~ うっとり。
入居後は、夏になると毎日ルーフバルコニーで食事をして、都心の花火大会を眺め、ガーデニングも楽しみ・・・あんなに暮らしを楽しんだ日はなかったと言えるかもしれません。
なのに、たった3年で転勤。
今、思えば、残ることになった長男に住んでもらえばよかったんです。
でも、90㎡に10代の男子ひとり・・・あり得ませんよね?
ただ、手放したのにはマンションの限界も感じていたということがあります。
マンションは住む人によって価値を大きく左右するものだと思いますが、近くの社宅の取り壊しによって購入した人が多かったそのマンションは、社宅の延長線上の構成で、たとえば共有部分に平気で子どもの自転車を置くような住人が主流のドロ臭い暮らし。
よく、マンションは環境を買うのが大事と言い、その方法は「いいマンションの一番安い部屋を買うのが住民の質でいうとお得」と聞くのですが、一番いい家がうち。そりゃ、その程度の層が購入したことがわかるちょっと残念な部分がありました。
加えて、少し離れたところに見える大型マンションの屋上ルーフテラスがカラスの溜まり場で、うちもいつその被害にあうかとひやひやしていましたし、初年度は凄まじい台風が通過したのですが、ルーフバルコニーに置いたウッドデッキが飛ばされるのではないかと恐怖を感じました。
それでも、その後マンション相場は高騰。
当時でもそのマンションは値下がりすることなく購入価格で売却することができたのですが、今はさらに2千万円ほど高くなっていると思います。
それぐらい、その部屋は主に駅近と広さという点で、周辺と比べても圧倒的に条件が揃っていました。
当時は大阪へ戻ることもないだろうと思っていましたが、年々郷愁にかられることが増えている今、時折名残惜しく思い出します。
さて。
そんな私がマンションに限界を感じたこともあって、転勤後に初の中古戸建てを買い、リノベーションして住んでいるわけですが、リフォーム業者の選択ミスだった話を以前書いています。
でも、業者の選択ミスだけでなく、リノベーションというのは多額の費用をかけても売却時の評価は築〇年に過ぎないということを何度か痛感することがありました。
住宅取得控除も受けられなかったし、評価も低い。なにそれ?ちーん。
しかも、うちの場合は築40年。
注文住宅だったその家はしっかり造られていたし、スケルトンリフォームで美しくなりましたが、見た目はそこから数えて10年なのに、売却するとなるとあくまでも築40年。検索サイトでも引っかかりにくくなってしまうのです。
マンションは何度も買ったとはいえ、戸建ては初めて。
わかっていても価格との折り合いで目をつぶったことや、見落としていた点などいろいろありました。
そんなこともあって、毎度、終の棲家と思いつつ購入するものの、なぜか次へ目が向く私は、今の家も何度か売却を考えてきています。
特に娘が今年中に家を出るようで、老後はまたマンションもいいかも、とか。
そうそう。
どんどん話はそれていきますが・・・驚愕のこわーい話をひとつ。
旅行でもなんでも考え始めると猪突猛進の私。
マンションは気になるものがあれば即、現地を確認しに行きますが、昨年終わりにちょっといい条件のマンションを見つけました。
今と同じ路線で都心により近い駅近の中古マンション。
築15年というのはちょっと古めかと思いましたが、とにかくまず現地を確認しに行ってみると落ち着いた住宅地でとても気に入ったので、今の家を購入したときの担当者に連絡してみました(何度も購入や売却を考えているので、細々とお付き合いが続いています)。
早速、情報を集めてくれた敏腕担当者曰く。
事故物件です。
10数年前に持ち主が自死し、即、業者が買い取ってフルリフォーム。
次の持ち主が今まで住み、買い替えのため売却。
業者が買い取って、再度フルリフォームして売り出されている物件です。
無理です、私。
今でも夜中のトイレがちらりと怖いと思う日があるぐらいのビビり。
敏腕担当者に聞いていなければ、売買を繰り返しており告知義務の対象とはなっていないその物件の事実を知らず、購入しているところでした(敏腕担当者曰く、よくあることなので自分は気にならないとのことでした)。
ああ、中古物件のなんと怖いことか。
そうしてあれこれ物件を探していくうちに、結局建て直すほうが安くて納得いくかもしれないという結論に戻ってきた私。だって、果樹もやっと育ってきたしね。
ええ。猪突猛進の私は業者探しに没頭し、打ち合わせの予約を入れましたとも。
予算の関係上、どうなるかはわかりませんが、一歩前進してみます。
旅行に行けないなら家!
さて。実現するでしょうか。