2021年(令和3年)8月
負傷した足も回復していないのに、無理矢理屋久島行きを決行しています。
前回、屋久島はトレッキングが必須。でも、ツアー参加でもちらりと触れることができるので、そのあたりの方法をご紹介しました。
今回、私たちはまつばんだ交通のやくざる号のに乗りました。コースは以下のとおりですが、尾之間地区に宿泊の私たちは1番の千尋の滝(せんぴろのたき)は見学できません。
一番栄えているフェリーでの玄関口である宮之浦地区、そしてこちらもフェリー寄港地の安房地区のツアー客を迎えに行って千尋の滝(せんぴろのたき)を見学後、尾之間地区の私たちを迎えに来ます。安房地区はあんぼう、尾之間地区はおのあいだ、と読みます。
9時半のお迎えのはずが、早めに玄関口へ到着したときにはすでにワゴン車が停まっていました。それもそのはず、私たち以外はおひとりだけだったのです。計4人でのツアーです。
尾之間地区をしばらく行くと、イタリア人宣教師シドッチが降り立った場所を通過します。シドッチ神父は日本語も学んだうえ、髪を月代に剃り、和服を着て帯刀し、侍の姿に変装して屋久島へ上陸したのですが、屋久島の方言がわからず怪しまれ、長崎から江戸へ送られました。江戸でシドッチを尋問したのは新井白石です。
そうして、シドッチは小石川の切支丹屋敷で幽閉され46歳で亡くなりますが、2014年のこの屋敷跡の発掘で見つかった人骨のひとつがシドッチのものであるとわかったそうです。
そんな話を聞きながら、2番中間ガジュマルへ向かいます。中間はちゅうけんと読みます。尾之間地区から20分ほど車を走らせると到着です。中間川を渡ったところに中間ガジュマルがあるらしい。んん?
下調べで中間ガジュマルという名前しか知らなかった私は、ガジュマル林でもあるのかと思っていました。でも、中間ガジュマルはこれ1本のことを指しています。
これが観光地かいな・・・と思いきや、なんと樹齢300年ですと!
ガジュマルというのは、上から下りてきて地面に根を下ろすんだそうです。細いツルのようなものが多数見えますが、それが根。こういうのを気根(きこん)というそうです。
見上げると、複雑な表情が見えます。今なお続々と根を下ろしてきているのがわかります。
根が地上にがっしりと根を下ろしている様子は、ほかの樹木とまったく様子が異なります。ガジュマルは暖かい地方の木で、北限が屋久島と種子島なんだそうです。
対岸にもガジュマルが見えます。行ってみましょう。
こちらは樹齢70年。ガジュマルには年輪がないのですが、それでも樹齢がわかるのは、ガイドさんのおじいさまが植えたものなのだそうです。
屋久島ではガジュマルは防風林として利用されており、あちこちで見かけることができます。空気中の水分を吸収し、根を下ろしていくんですね。すごいなぁ。
でも確か、このワシャワシャしている根は、ガジュマルじゃなかった気がします。ガジュマルもその根をほかの木に巻き付けて締め付けていくんですが、こちらもなにかが寄生していると聞いたような・・・
向かいにもう1本大きな木が立っています。ガジュマルに似ているように見えますが、こちらはアコウ。やはり防風林に利用されています。
たった1本の木を見学だなんて、とがっかりした気持ちはどこへやら。すっかりこのツアーに没頭です。
さて。ここからさらに時計回りに15分ほど走らせると、大川の滝へ到着します。おうこのたきです。なぜツアーで回るとわかっていて、到着した日に見に行ったのかというと・・・間違えたんです。千尋の滝へ行けないのを、大川の滝と勘違いしたという、初歩的なミス(笑
ツアーでは、滝のすぐ近くまで車で連れて行ってくれます。ひょいと簡単に滝が見えてしまうと「なんだ、こんなものか」と思いがち。そういう意味では、バスに揺られてはるばるやってきた前日の大川の滝はとても見応えがありました。
でも、この日はところによって雨という天候だったので、また違った大川の滝を見ることができました。ほら、まずここ。
せっかく案内標識があるのに、滝がほとんど見えなかった前日の様子がこちら。
でも、この日は水飛沫が立っています。特に滝壺付近の様子が豪快・・・んん?わかりにくい?
ではこちらはどうでしょう。水量の多さがわかるでしょうか。
前日は、呑気に岩場で見物している人がいましたが・・・
この日は滝から離れた遊歩道にも水飛沫が飛んできて、目を開けているのもつらいほど。
少なくとも、のどかさはまったくありません。囂々と音を立てて流れ落ちてきています。
滝壺付近も同じで前日がこちら。美しい景勝地といった感じ。
この日は、近づくことすらできません。
全身ずぶ濡れになりそうだったので、ものの5分で見学終了です。
大川も濁流となって流れており、危険すら感じるほどです。
同じ場所を違う条件で見るのも興味深い。2度も来ることになりましたが、大川の滝はさすが日本の滝百選にも選ばれているだけあって、魅力的な川です。落差88mの豪快さも増していて、雨の日も悪くありません。
大川の滝のあとは、世界遺産エリアの西部林道へ入っていきます。
次回記事はこちら。