2021(令和3年)10月
緊急事態宣言が解除され、余っているANAマイレージを活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待ちました。
前回は、時間がなくて下船観光できなかった女木島アートのうち、船上から確認できたものをご紹介しました。
さて。いよいよ男木島上陸です。出迎えてくれるのは、男木島の魂。スペインの現代芸術家ジャウメ・プレンサの作品で男木交流館として使用されている男木島のシンボルです。
タコツボル TEAM 男気
町に移住者が増えつつあり、休校中だった学校も再開した男木島。数少ない子どもたちの遊び場として作られた作品。
なにしろ、62%が高齢者という男木島。島民の少なさにも驚かされますが、高齢者の割合の高さもすごい。
下りてすぐ、海征食堂を見つけました。緊急事態宣言解除直後でほとんどのレストランは休業中。あれこれ探していると時間がなくなってしまうので、ここで食べることに決めました。
ふむ。名物はサザエめしですと?なんでもワンコインですが、時間も遅かったのでサザエめしは最後のひとつ。もうひとつタコ天を頼みました。
このタコ天が美味しい!!!柔らかいしタコの旨みも出ていて、予想外の美味しさ。サザエめしもまずまず悪くありません。どちらもワンコインなら上出来です。
島の地図はざっくりで行ってみるしかないという感じでしたが、まずは豊玉姫神社の参道から歩き始めました。
男木島は車が通れる箇所はごくわずか。ほとんどが狭い路地裏のような小道です。
フェリーが到着したときに見ていたところ、住民は荷台をつけたトラクターに高松から買い出してきた大きな荷物を預け、徒歩で帰宅していました。それもそのはず。急な階段や坂道ばかりなのです。
だから、観光も徒歩のみ。もれなく全員が歩いて島を巡ります。
アートがどこにあるかはあちこちに案内がありました。でも、入り組んだ道はいまひとつわかりにくい。しかも、どれがアートか民家か区別のつかないような作品も多いのでs。
無用な立ち入りを防ぐために、あちこちに民家につき立入禁止の看板も、このスタイルで作られていました。自衛するのではなく、揃っているのでわかりやすくていい。町興しとプライバシーを守ることとの共存を町全体で図った成果でしょう。
さて。豊玉姫神社の参道は階段に移っていきます。先にも鳥居が見えるということは、かなり上。
ひとつめの階段を終えたところで振り返ると、男木港が見える絶景がありました。男木交流館の男木島の魂の屋根も見えます。
さらに鳥居が待ち受けています。日本の初代天皇となる神武天皇の祖母にあたるのが豊玉姫。豊玉姫を祀る神社は無数にありますが、私が印象に残っているのは、宮崎県の青島神社です。
豊玉姫神社に到着しました。上がり切ってしまうと逆に景色は望めません。島の南部には豊玉姫の夫である山幸彦を祀った加茂神社もあります。
豊玉姫神社の階段を上がる前にあるこの小屋は無料の休憩所として開放されていました。ここからの景色も素晴らしい。
似たような外壁の家はほかでも見かけました。ここは開放されていませんでしたが、休業中だったのかもしれません。
ほとんど壊れかけの家にアートを施したこちらは、路地壁画プロジェクト wallalley(眞壁陸二)。前のふたつもこのプロジェクトの一環なのかもしれません。島で集めた廃材などに風景のシルエットを描いていたものだそうです。ただ、こちらは強風のためか壊れてブルーシートをのせている箇所もありました。
どれがアートか、どれが民家かわからない代表的な作品がこちらの生成するウォールドローイング 日本家屋のために(村山悟郎)。
もともと駄菓子屋だった家屋だそうです。アクリル絵の具で描かれているのは植物などのモチーフだそう。
でも、私にはまったくこのアートは理解できん・・・ただ、日本家屋の良さがあるこの空間は特に外国人が好むようです。
島の反対側へ行きましょう。フェリーから確認したアートを見に行かねば。
それがこちら、歩く方舟(山口啓介)。ノアの方舟をモチーフとした作品です。
沖合にボートが接近してきていました。海上から見るプライベートツアーもあるのかもしれません。私のように点にしか見えない距離ではなく、これぐらい近づけたらまた印象深いことでしょう。
接近して前からの姿を見てみました。方舟が歩くのかぁ・・・芸術家って奇想天外な発想を持っていますよね。
後ろからの姿。笑えるような、物悲しいような、なんとも言えない感じ。だって、方舟は海を渡っていこうとしてるんだもんね。
瀬戸内海にはいくつか猫島として有名な島がありますが、この男木島は世界的に有名な動物写真家・岩合光昭さんが取り上げたことで一躍有名となっています。
どこの島とも同じく、こちらも去勢手術、避妊手術を行う活動をしているようです。
島民より猫の数の方が多くなれば、猫同士の争いやその鳴き声、排泄物などそりゃ大変ですもんね。
ゆっくり回って2時間、男木港まで戻って来ました。水に映える男木島の魂はなかなか映える。こんな小さな島で当たり前のようにアートに囲まれているとは。
さらにその後ろには、図書館や診療所施設も備えた新たなコミュニティーセンターの建設が佳境に入っていました。小さい島ですが、公共施設はまぁまぁ充実していると言えるんじゃないでしょうか。
民家の連なる最後に、豊玉姫神社の鳥居が見えます。あとの見どころは、面積1.34㎢のこの小さな島の北端にある1895(明治28)年に建てられた全国でも珍しい総御影石造りの灯台。見に行きたかったのですが、思ったよりも暑かったこの日はここで終了となりました。
男木島の防潮堤が見えます。女木島の石垣オーテに比べてこんなに低くて済んでいるのは、なにか地の利があるのかもしれません。
男木港にめおん号が入港してきました。女木島を経由して高松港へ戻りましょう。
次回は、高松での宿泊先についてご紹介します。