英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【香川】2日目-5 アートの島を巡る旅 ベネッセミュージアム

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。えぇ、待って良かったです。特に前回の家プロジェクトは歩いて回るので、季節を選んだ方がいいと思いました。

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昼からは直島にある3つの美術館を見学します。途中で、草間彌生黄かぼちゃ「南瓜」のあった海沿いを通りました。2021年8月9日に台風で流され割れてしまったので、今はありません。いつも悪天候のときはベネッセの職員が移動させていたそうですが、このときは予報が外れてもはや引き取れない状態だったそうです。

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(画像はベネッセ教育サイトから転載)

 

まずは、ベネッセが最初に手掛けたベネッセミュージアムに到着しました。

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安藤忠雄らしいコンクリート造りの建物は複雑な形状で、いったいどこにいるやら迷子になりそう。館内は一作品を除き撮影可能です。

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まずは屋外作品をひとつ。シップヤード・ワークス 切断された船首/ 船尾と穴(大竹伸朗)直島銭湯「I♡ 湯」のアーティストです。作品名のとおり、船の船首と船尾を置いたもので、向こうに海が見えるように配置されています。

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屋内には参加アーティストの写真が掲げてあります。

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草間彌生、キュートです。

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コンクリート造りの美術館ですが、コンクリートの隙間には植物も育っています。ほら、ガラス枠の隅にも。

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なーんてね。こちらは前回紹介した家プロジェクトの中の碁会所のアーティスト須田悦弘の作品、雑草です。碁会所では椿だけでなく手前に置かれていた竹もアートだったと書きましたが、これも同じ。たまに来れられてメンテナンスして行かれるそうですが、雑草の数が増えているとかいないとか(笑

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モナコを讃えてMC12(セザール)

ブリキのように見えますが木製で、水差しと書かれていました。すごい質感。

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瀬戸内海の流木の円(リチャード・ロング)

こちらは廃材を用いた作品。ガラスの外には同じ人の作品で、石を置いて円が描かれている十五夜の石の円、壁にも瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環が展示されています。アーティスト自身が材料を揃えると思いきや、助手にイメージを伝えて集めて来させて、本人はここで並べるんだって。そんなものなのかぁ。

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度肝を抜かれたのがこちらの壁の国旗が並んだザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990(柳幸典)

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各国の国旗にひびが入っているでしょう?注目すべきはそのひび。

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これ、アリの巣なんですって。今はもう生存していないようですが、当時は刻々とこの作品が育っていくというか、崩壊していったようです。アリには国境など関係ない、砂を運び国旗の模様を崩壊させて、そのことを訴えている作品なんだそうです。

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3人のおしゃべりする人(ジョナサン・ボロフスキー)

全員が前向いてしゃべってるんかい?コロナ禍で休止中だけど、どうも電動で動く仕掛けにもなっているみたい。

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ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990と、3人のおしゃべりする人の向こうにはもうひとつ作品があって、ガラスの向こうはコンクリートに囲まれた外。屋根がなくて空がぽかりと開いて見える空間でした。

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天秘(安田侃)

その空間に、つるりとした大理石の作品。靴を脱げば上ってもよく、座ったり寝転んだりして感触を楽しんだり、空を眺めたりして鑑賞する作品です。

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黄色と黒のボート

この作品のアーティスト、ジェニファー・バートレットは、作品をここへ置いてみたら、窓の外に同じ景色が見えて驚いたと語っていたそう。で、外にも同じように黒と黄色のボートを置いたんですって。

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こちらがその外の風景。外のボートは、向こうの砂浜にちらりと見えるんですが、どうかな?現地へ行くと、中と同じ風景が実際に見られるという楽しさ。

さらに左側の岩場にも一対となった作品があって、写真が一枚貼り付けられているんです。拡大してもちょっとわからないのだけど。

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それと同じ写真が、こちらのタイム・エクスポーズド(杉本博司)。これらの写真はどれも同じじゃないと聞いたと思うんですけど、杉本は風雨にさらされて経年劣化してこそ完成という考えだそうで、これじゃまだまだ、なんておっしゃっているとか。杉本ははじめに見た護王神社の設計者ですが、この人のテーマは光と影なんでしょうか。

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それぞれの作品の位置関係はこんな感じ。振り返ると黒と黄色のボートの作品が見え、海の写真とともども外と一対の作品になっています。

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エコ・エコー Ⅲ(ロバート・ラウシェンバーグ)

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最後が、建物の中心の空間にある100生きて死ね(ブルース・ナウマン)

消費社会を象徴するかのようなネオン管を用いて人間の行動、感情、人種、生理現象などを表す100個の言葉をand liveand dieで組み合わせ、feel and liveeat and dieなどと描かれています。ランダムに点滅を繰り返したあと、最後に全部点灯するんだって。

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ベネッセハウス宿泊者は、23時までこのミュージアムに再訪することができます。真っ暗な部屋の中で点滅するネオンを見てみたい。送迎もしてもらえるようなので、夜間鑑賞も楽しみです。この作品のことは、そのときにもう少しご紹介します。

次回記事はこちら。

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夜間鑑賞の記事はこちら。

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