2021年(令和3年)12月19日(日)
ANAの今週のトクたびマイルを利用し、6,000マイルで高知へやって来ました。前回は高知城をご紹介しています。
突然の旅行で大変なのが、最近はランチを食べるにも早くに予約しないと埋まってしまうこと。トクたびマイルのように、水曜日にフライトが決まるような急なパターンは難しい。
ましてや、高知のランチを調べるとトップに躍り出てくる座屋(いざりや)ともなると、無理でしょう。と思ったら、ネットで予約ができてしまったのです。予約後しばらく経って確認の電話が入り、「席はご用意できますが12時の予約は埋まっていて12時半になりますがいかがでしょうか」と尋ねられました。いや、願ってもないです。10時に日曜市を見始めて、高知城を見てからだとギリギリだと思っていましたから。
高知城見学後、日曜市をもう一度通りながら戻り、途中で江の口川方向へ北上すると大きな病院の隣に座屋のビルがあります。
1階のカウンター席は店主の岡添将人が腕を振るう将人という店に名を改めており、ご本人がいるときだけオープンするというスタイルを取っています。
2階は座屋として営業していて、ぐんとリーズナブル。食べログ 日本料理 WEST 百名店などに選出されています。座屋は高知のほか、銀座、神戸、スペインのマドリードにも支店を持っていて、銀座店も食べログ 日本料理 TOKYO 百名店に選出されるなど、どこも評判がいい。
辛口のレビューもありましたが、前回は皿鉢料理を食べているし、ひろめ市場のフードコートというのもいただけない。期待以上ではなくても、ハズレではないと目論んで予約しました。
居酒屋風と書かれてあったように思うのに、2階は7室すべて個室。
仕切りは外せるようになっているので、人数に合わせて部屋の大きさは調整できるようになっています。掘りごたつ形式だけど、足元は冷え冷えなのがちょっと残念。
天井に窓を設けているので、自然光が入ってくるところが狭さを感じさせない工夫になっています。
1階は16,500円のおまかせコースのみですが、2階は4,950円・7,700円・11,000円と3コースあるようです。ただ、HOT PEPPERを通して予約すると、ランチは1,650円の席のみ予約か、5,500円のコースになります。
まずは生ビールから始めます。
650円は、なかなか良心的な価格だと思います。こういうお店だと、俄然飲む気も出てくる。
スタートは茶碗蒸し。温かいものにいくらが入っているなんて初めて。でも、生臭さを感じさせることもなく美味しくいただけます。
このあとのアルコールのスケジュールも考えよう。日本酒はスタッフへ、ということだったので聞いてみると本日の地酒リストを持ってきてくれました。あ、生酒はないんだね。試してみてもいいけど、これなら気兼ねなくボトルワインを開けるほうが楽しめそう。
本日の地酒の裏側は、本日のおすすめグラスワイン。こちらも良心的なお値段です。
魚は藁焼きの鰹と烏賊と・・・しまった、またやってしまった。この魚はなんだっただろう。
鰹は、ぜひ塩とニンニクのみで食べてみてくださいとスタッフさん。鰹ってどうしても臭みがあるし、まったく期待していませんでしたがなんのなんの!!!なにこの美味しさ。近ごろ、美味しいお造りには出会えないと嘆いていたけど、高松のすし森山も同様に、そんなことないっ
そろそろワインにいきましょう。
最安値のクロード・ヴァル ルージュ。えぇ、これでいいんです。ボトルを置けば安心という程度の舌しか持ってないから。
ここからはメモを取っています。鰤の黒胡椒 サツマイモとヤーコン添え。血合のところも美味しいし、サツマイモの甘さも箸休めになります。ヤーコンはキク科の根菜。サツマイモはヒルガオ科、ジャガイモはナス科で、同じイモ科ってのはないのがややこしいよね。
ここで早くも登場したのが、釜。テーブルでご飯を炊いてくれる演出はいいけど、旅館の食事で出てくるあの青い固形燃料ひとつでうまく焚けるんだろうか?一抹の不安。
蓮根と海老のすり身のはさみ揚げ
白く見えるのが薄いペラペラとした塩で、塩味が強くないのでたっぷりまぶして食べてくださいと言われました。その塩の名前を控えてたのに、変換ミスか聞き違いか、調べてもそんな塩は出てない・・・この店で使っているなら、たぶん高知の完全天日塩、田野屋塩二郎のオリジナルブレンドのものだったかと。
蓮根と海老のすり身は黄金の取り合わせ、美味しくないはずありません。この塩もほんのり塩味を感じるだけのマイルドなテイストなので、おススメのとおりたっぷりまぶします。
鯛の蕪蒸し
予約のときに、基本のコースか高知産食材を多く含むコースか希望を出せるのですが、もちろん私は高知産。バンバン魚攻めですが、高知ってほんと食材が豊富。蕪も日曜市でたくさん見かけましたね。とろりと蕪蒸しは薄味で嬉しい。
最後はお肉、小豆島のオリーブ牛。
これもまた柔らかくて、添えられた粒マスタードとよく合う。
さて、最後のご飯がまたここのウリです。土佐ジローの卵かけご飯。高知でやたらめったら見かけるのが土佐ジローを使った〇〇といったもの。高知原産の天然記念物である土佐地鶏を掛け合わせた品種で、放し飼いで育てるなどの飼育条件をクリアした鶏の産んだ卵だそうだけど、実は私は卵かけご飯があまり好きではありません。
白身のズルっとしたところが苦手で、すき焼きでも目一杯混ぜないとイヤ。でも、ここでは5回程度軽く混ぜて終わりにしてください、と。
焚きあがったご飯は、私の不安もよそにピッカピカ。大野見米という四万十源流で作られるお米だそうです。店主のご実家かご親戚宅で作ってるんだっけな。
お醤油はご飯に直接かけるほうが、卵の味を損なわなくていいそう。ねぇもうあなた、一度食べたらやめられない美味しさ。なんだろう?ズルっとかそういうのも感じないし、ねっとりとした卵の旨味がもう奇跡的。お米の美味しさプラスで極上の味。全部食べ尽くしてしまいました。
デザートは、地元の山北みかんを使ったブリュレ。
全体に、バランスとしては野菜を使った料理が少なかった印象もあるのですが、思った以上にどれも美味しく大満足でした。いや、もう田舎ずしを買ったからだけじゃなく、プレミアムクラスをキャンセルしてよかったよ。もう、なんにも入らない。
コース5,500×2+生ビール650×2+ボトルワイン3,300円=15,600円
鰹は5月がおススメとのこと。絶対また日曜日に行きます。