2022年(令和4年)4月
気が重くなることの多い近ごろ、少しでも楽しい気持ちになれることを探したくて、いつかは桜を見に行きたいと思っていた秋田県角館か、青森県弘前へ行こうと計画を立てました。はしごできれば尚よしだなと調べたのだけれど、どうやら満開予想が毎年5日ほどずれるのです。はて。どうしよう?以前角館の武家屋敷の方に教わったのは、お花見の通はニュースで取り上げられた翌日に日帰りで見に行くのがセオリーとか。
でも、そんなわけにはいかない。なんといったって航空券が取れないもの。だから、行先は行ったことのない弘前城にすることに決め、さんざん例年の開花日を調べ、今年の予想を各社見比べ、1ヶ月余り前に飛行機を押さえました。でもこのタイミングだと日々料金も上がるうえ、相棒と並び席も取れないほど残り少なかったので、ギリギリだったんじゃないかと思います。
去年10月、47都道府県を制覇した最後の県が青森でした。そんなにも行く機会がなかった青森へ半年余りのあいだに2度も行くとは!
さて当日。青森へはJALしか飛んでいません。SFC会員である私にとってはJALグループの入る第1旅客ターミナルはアウェー。ラウンジはカードラウンジしか入れないけど、時間もあまりなかったので入っていません。なんせ18番ゲートは遠かったのよ。
機内に入りドアもクローズド。定刻に出発するかと思いきや、計器に不具合があったとかで部品交換することになったとアナウンスがあり、20分ほど遅れて飛び立ちました。ANAが駐機しているのが見える。おーい。
北へ向かって飛ぶ機会はそう多くないので、眼下に見える景色も新鮮。未だに東京の地理は明るくないけど、もし見えるんならお台場かディズニーランドあたりが見えないかと思って睨んでいました。なんとなく撮っていたここ、お台場?拡大するとかすかにガンダムらしき姿が見えるんだけど、あいにく靄が濃く視界不良。今あるのはユニコーンガンダムなんだって?よくわからないけど、そんなに大きいのが立っているなら見てみたい。次回のチャンスを待とう。
スカイツリーも見えてきました。タイミングを計っていたのに、いざ撮ってみると右下にかすってるだけじゃないか。しまった。
蛇行する川も見えるのだけど荒川は過ぎたかな。利根川や鬼怒川にはまだ行き着いていない気がするけど。一時は通路側の席を選択していたぐらいだったのに、コロナ禍で2年近くの空白があった後の私ときたら、まるで初めて飛行機に乗る子どものよう。
おお~岩木山も見えてきました。前回の青森旅行では岩木山に上ることも選択肢に入っ
てたんだよ。標高は低いものの富士山に似た美しい姿です。
山桜が見えるので撮ったここは特徴的な道があったのでGoogleMapで確認すると、モヤヒルズというスキー場やローラーリュージュのある施設でした。
青森空港へはぐるっと左へ旋回して着陸したので、見えているのは八甲田山系かな。1時間のフライト、楽しみました!
地方の空港で助かるのは、空港バスの出発が飛行機の遅延に合わせてくれるところ。後方の座席だったので先のバスには乗れず、20分あとの便になりました。それでも満席。助手席のみならず、コロナ対策で空席にしていた最前列の座席も開放していました。
青森空港から弘前までの空港連絡バスの所要時間は約55分。でも、県道を通って国道7号線は一本道で、おそらく弘前城の桜を見に行く人たちの車で終始渋滞。飛行機の遅延もあったので、終点の弘前バスターミナルに到着したのは11時になっていました。
ちなみに、その手前の弘前駅で下車すると100円バスで弘前公園へ向かえます。歩くと30分ほどかかるのでほとんどの人がそこで下車していましたが、バスロータリーは大行列。私たちも降りようかどうか迷ったのですが、道すがらのお店でランチを予定していたので、終点まで乗りました。
地方都市のレストランレビューはあてにならないと聞いたことがあるのですが、あれこれ迷うよりは、そこそこレビュー数のあるお店ならハズレではないはず。弘前城にほど近いお寿司屋さんへ足を運びました。
11時の開店直後にして、すでに1階は満員。2階の奥の和室へ入るよう促されて階段を上りました。2階はこの部屋のほか、宴会にも使えそうな広い部屋があります。
おまかせにするほどでもないかもしれないと、上にぎり2,750円をお願いしました。
突き出しは貝と胡瓜との和え物です。日本酒を飲むつもりにしていたので、瓶ビール550円をチョイス。
マヨネーズで和えてあったと思うのですが、あまりなじみのない食感で、はじめは烏賊かと思ったのですが北寄貝あたりかなと想像しました。ヒモも入っていて烏賊よりも噛み切りやすく、なかなか美味しい。
上にぎりが運ばれてきましたが、ネタの説明はなし。聞ける雰囲気すらありませんでした。見てのとおりとも言えるかもしれません。右端の鯛はちょっとスジがあって噛み切りにくかったのですが、とびっこやボタンエビ、雲丹などなかなか豪華なラインナップ。ホタテの隣はツブ貝?バイ貝?地元産の貝類と思われます。コリッとした歯ごたえがありました。
日本酒は各種ありましたが、料理を追加注文する予定がなかったので瓶の冷酒を選びました。
地元弘前の六花酒造㈱のじょっぱり。ザ・火入れのお酒だったけど、まぁしょうがない。
2階に通されたのでメニューがなかったのですが、お支払いのときにランチメニューが置いてありました。あらま。美味しかったし、まぁいっか。
今年に入ってから値上げしたようでしたが、いわゆる昔ながらのお寿司屋さんなので驚きはないけれど、新鮮ないいネタを使っているかなと思います。
上にぎり2,750円×2+瓶ビール550円+日本酒880円=6,930円(税込)
カード払いもOK。明朗会計でした。
さて、今回の旅の目的は弘前さくらまつり。なかなか開花予想通りには開花しないもの。ポスターにあるようなこんな景色が見られるでしょうか。
常寿しから5分余りで、弘前市民中央広場に到着しました。広場には安寿と厨子王と母像があります。安寿と厨子王は童話のほか、森鴎外の小説、山椒大夫も知られていますが、磐城判官正氏の子である安寿と厨子王が人買いに騙されて丹後の山椒大夫に売られます。青森に伝わる伝説では磐城が岩木山のいわきであるとされ、逃げ延びた厨子王が岩木山に安寿を祀ったという伝承になっています。そのため、弘前藩の人は丹後出身者が領内に入ると安寿の怨霊によって災害が起こって人々を苦しめるとされ、江戸幕府巡見史を迎えるときにも丹後出身者がいないかどうかの紹介をするほど忌避していたそうです。
像の後ろ側には明治時代に建てられた旧第五十九銀行の瀟洒な建物があり、青森銀行記念館として公開されています。でもまずは桜を見に行かねば。
市民中央広場の正面には桜並木が見えていて、弘前城跡はすぐここから始まるようです。広場ではミネラルウォーターを配っていたのでいただきました。肌寒いとはいえ、晴天。助かります。