2022年(令和4年)4月
いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温の低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。
前回は飛行機の遅延と、ランチのお寿司の話を書いています。
弘前公園には52種2,600本もの桜が植えられており、桜の名所として名高いのは有名なのですが、満開の桜だけではなく桜が散ってお濠を花びらが埋め尽くしたときの美しさもまた有名で、その花筏を見るために出掛ける人たちも多くいます。満開の桜を見るか花筏を見るかは迷うところですが、どちらも外してしまっては困るので遠方から計画するのは本当に難しい。
幸いに満開予報に重なってくれたこの日、美しい桜並木と共にお濠に少し落ちた花びらが早くも花筏を作り始めているではないですか。
お濠の向こうにはまだまだ花びらはないにもかかわらず、お濠の端に滞留している花びら越しに桜並木を撮ってみると、もう立派に花筏っぽい。きれい~!!!
これだけでも桜の花びらの絨毯のようで歩きたくなるほどだったから、お濠の端まで花びらで埋め尽くされたら、どんなに美しいことでしょう。天候にも恵まれ、最高の見学スタートです。
弘前公園へはどこから入ればいいのかよくわからないけど、とりあえずお濠の南側に沿って歩きます。
左手に弘前市役所が見えている外濠には、ひときわ濃い色のしだれ桜も満開。
花筏になるのは満開の3日後あたり。とはいえ、樹々にも桜は残っていてほしいし、それでいて花筏もできていて、しかも晴天・・・そりゃ何年通い続けてもベストタイミングは難しいでしょう。今回の私のタイミングは上出来。
この外濠からは、弘前公園への入口のひとつ、三の丸追手門が見えます。
緊急事態宣言も蔓延防止措置もない弘前さくらまつりは3年ぶりのこと。絶好の日和がお花見を後押ししてくれています。
三の丸追手門は改修工事中で、写真が貼られたシートで覆われています。この方式、景観を損なわないし、雰囲気もわかるしいいですね。中へ入ると健康チェックがあり、代表者の住所と入園者の人数を書き込み、チェック済みのリストバンドのシールをもらいます。
園内は混雑防止のためにセンターラインが引かれて一方通行が求められていますが、歩けないような人混みではまったくありません。
紅しだれ桜などいくつかの桜が咲き乱れる市民広場では、レジャーシートを広げる人たちの姿もありました。飲食も許可されています。
さくらまつり期間中、中濠では観光舟も運行しており、お濠から桜を見上げて楽しむこともできます。うまく乗り場が見つかったら乗りたかったなぁ。
観光舟の航路の桜の様子はこちら。花筏の時期も美しいと思いますが、満開のこの時期も絶対にいい!ちなみに、ここまで入ってきても入園料はまだ必要ありません。弘前公園は太っ腹。
ここらあたりが花筏になると想像したら、天気予報とにらめっこして来年また見に来たいと思っちゃうわ~ と同時に、何重にもお濠が囲む弘前城、天守がどこがなのかいまだにわかりません。どこを目指して歩けばいいんだろう?
弘前公園には、いくつか名のついた古木があります。こちらはひときわ大きく聳え立つイチョウ。
根上がりイチョウといい、藩政時代に土塁の上に植えられていたものが、やがて土塁が消失して根が露出したようです。
写真を撮りつつ歩いているといえども、かれこれ30分経っています。お濠の外を半周ぐらい回ったように思うのに、これだけ歩いても天守が見えない。いったい弘前城ってどうなってるんだろう。
どの桜の幹も年季を感じさせる太さですが、本来、桜の寿命は60-80年とそう長くありません。弘前公園の桜は同じバラ科であるりんごの剪定技術を活かしたお手入れで、長寿のものが多いそう。これで樹齢100年ぐらいでしょうか。
西濠ではこの時期だけボートが出ており、皆が楽しんでいました。でも、大失敗。赤い橋は春陽橋という名の橋なのですが、これを渡ってしまうとお濠の外へ出てしまうので渡りませんでした。でも、この橋から西濠を撮るのが弘前城跡でもっとも美しい桜のスポット。なんという失態ーー;
春陽橋の手前からは露店も出て賑わっていましたが、それでも都会の人出とはまったく違いふつうに歩けます。有料区域の看板を見つけたので、露店の見学はパスして中へ入ることにしました。右側は蓮池濠で、見ごろの夏には見事な蓮の花が見られるようです。
入園券は主に本丸付近を見学するために購入します。お濠まわりの桜を眺めるだけであれば必要ありません。入園料は320円ですが、弘前城植物園、藤田記念庭園との共通券520円もあります。三の丸追手門近くで植物園の横を通ったので、あとで見に行こうと共通入園券を購入しました。
弘前駅発の電車には4時間後に乗る予定にしていました。たいていじっくり見学することのない私たちなので楽勝で見学できると思っていたのですが、実はその共通券は使わず仕舞いで弘前を後にしています。
時間切れで入れなかった藤田庭園は弘前市出身の実業家、藤田謙一が大正時代に造らせた別邸と庭園で、洋館・和館・匠館が建ち、岩木山を眺望する借景式庭園が見学できるようでした。弘前城植物園も8haと広大で、1500種12万4000本の樹木と草花が植栽されており、1時間ほどで見学できると書いてありました。弘前公園は思いのほか広大だったので、充分に見学時間を取ったほうがいいと思います。
弘前城有料区域内の話は、次回に続きます。