英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【シドニー】5ツ星ホテル無料ツアー編「The Fullerton Hotel Sydney」

2022年(令和4年)8月

 

2年半ぶりの海外旅行。今回のシドニーの主目的は、まだまだ感染者の多いコロナ禍、ホテル滞在にしようと、珍しく5ツ星ホテルを予約しています。前回は後半に宿泊したThe Fullerton Hotel Sydneyの朝食について書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

さて、このフラートンホテルが旧中央郵便局だった話は、何度かこの旅行記中で書いています。このホテルでは、旧中央郵便局が遺しているものを紹介するHeritage Tourがあります。開催されているのは火~土曜日、宿泊客は10時、一般の人も含めたツアーは11:45から。

予約確認のメールと共に案内が送られてきましたが、なんといっても英語ツアー。もしふたりきりだったらどうしよう・・・でも、せっかくの機会だから見学したいよね。立入禁止区域も入れるかもしれないし。

 

当日、参加人数がわからないので、ロビーで恐々待っていました。そんな雰囲気の人はいないなぁ。時間になっても召集はかからないし、もう戻ろうかと思っているとツアーガイドとなる女性が近づいてきました。もうひとり来るから待ってて、と。

総勢、8人でのこじんまりとしたツアーでした。もちろん、英語もわからないのに参加しているのは私たちだけ(滝汗

 

最初に30分近く旧中央郵便局の歴史について話をしていました。たぶん、囚人のうちのひとりが任命されてその業務を請け負ったというような話。イギリス本国からの郵便が届きますからね。

そのあと、外へ出て彫刻などについての説明がありました。ライトレールがそばを走るGeorge St.側です。

 

1874年に第一段階が完成したこの建物は、ハーバーブリッジ(1932年)やオペラハウス()1971年ができるまで、シドニーのランドマークとして認識されていました。

 

彫刻にはカンガルーとエミュー、そして中央にはライオンが施されていますが、カンガルーとエミューはオーストラリアの国章にも描かれている動物です。

 

隣のライオンとユニコーンは、ニューサウスウェールズ州の紋章の候補ともなりましたが、キャラクターとしてより毒のないカンガルーがユニコーンの代わりに採用されています。

 

そしてこの下が、かつて私が来たときにはまだ郵便局だった場所でした。名残りはこちら。まだポストだけが残っています。

 

マーティンプレイスに面した正面です。第一段階の工事後に延伸され、端から端まで114mもの長さのある建物になっています。時計台の建設は第二段階の工事で行われ、1891年に完成。

 

時計台の下に鎮座するのはビクトリア女王。こちらにもライオンとユニコーンが彫られています。

 

正面には各国の女王が彫られていると聞いたように思います。こちらはインド。

 

そして男性像は王でしょうか。右はターバンを巻いているので、やっぱりインド。でも、写すべきはここではなかったようです。郵便配達人などの日常の様子や風刺を描いた彫刻があったのですが、ここにはふさわしくないと大論争があったそうです。今となっては当時を知る貴重な資料になっていますけど。

 

この建物の特徴はぐるりと囲むアーケード。ツアー客のおひとりが、コロナ前はレストランがテーブルをずらりと並べていたと懐かしんでいらっしゃいました。あぁ、そうでした。私もその光景を覚えています。

 

建物の東側Pitt St.に面しているアーケードには、よく流行っているコーヒーショップがあります。

 

そのTwo Penny Blueがあるここだけが、階段なしにフラットでアーケードに入れる場所になっています。

 

アーケード内には多くのレストランがありましたが、すべて閉店していました。唯一開いていたのが画廊。

 

この天井も含め、常に改修し進化を遂げているのがこの建物なのだそうです。

 

男性の絵がちょっと渋くて気に入りました。なんとなくトム・ウェイツのイメージ。

 

雨の日の街を描いたこちらも素敵でした。

 

館内に戻ってきました。朝食会場の正面廊下を突っ切っていきます。

 

廊下から上を見上げると私が泊まっている新館のタワー塔と旧中央郵便局を大屋根で繋いでいるのがわかります。旧中央郵便局は中庭のある造りだったんでしょうか。

 

正面に見えていた階段へやって来ました。下に見える出入口は、ビクトリア女王の彫刻があった箇所。

 

元は1本の階段だったそうですが、改修工事のときにもっと華やかに見えるようと、天井と共にこんなにド派手にしたようです。

 

さらに6階へ上がりましょう。朝食会場のある2階と同じく旧中央郵便局の建物へ行く渡り廊下があります。

 

ガラスの大屋根が真上にあります。ということは・・・

 

そう、見上げると時計塔がそこにあるのです。(翌日に撮影した画像)

 

なかなかうまく改築したなぁと関心。

 

時計塔へ上る階段はもちろん立入禁止区域。

 

ちょっと気になるドアがあったりして、興味津々。今はここで制御しているんでしょうかね。20時台までだったかな、15分毎にチャイム音の鐘が鳴るんです。あまりに頻繁だしはじめは驚きましたが、やがて気にならなくなりました。慣れって怖い。

 

渡り廊下から新館と旧郵便局側の結合部分も見学しました。

 

旧郵便局側にも宿泊できるし、宿泊料金はタワー塔と同じです。ただ、こちらに泊まってしまうと時計塔が見られないので、そのあたりが好みということなのかな。予約時は私もまったくわかっていなかったけど。

 

左下に見えるのが朝食会場。

 

最後に地階へ行きました。ん?何か感じますよね?この気配。

 

そうなんです。コロナ前には、スパニッシュや寿司屋などの豪華なフードコートがありました。ほら、これはどう見ても回転寿司ですよね。でも、多くのスタッフと客で賑わっていた様子は、まったく窺い知れません。

 

アーケードにはレストランのテーブルが並んでいたと懐かしんでいたツアー客が、コンダクターに聞きました。「またここも元に戻るとあなたは思いますか?」と。「戻る準備はできている」と答えていましたが、それが事実なのか願望なのかは私の英語力ではわかりませんでした。でも、事実なのだと思いたいですよね。

 

レストランの奥には地下遺構があります。

 

この建物の地下には当時水路があったそうで、その様子が見られるようになっています。

 

ハイドパークからサーキュラーキーまで続く植民地への淡水供給水路だったそうで、今も一部は雨水路として使われています。

 

この地下水路の終点であるTank Stream Fountainはサーキュラーキー駅のそばにありました。

 

そのときはまったくわからずに通り過ぎたのですが、やたら凝った青銅造りの生き物の彫刻が目を惹きました。

 

ほら、蟹だってこんなにリアルなんです。

 

ツアーはこれで終わり。所要時間はたっぷり1時間半でした。最後にこんなプレゼントまでありました。1階ロビーにあるバーで使ってくださいねと、15AUD相当のスコーンセットの無料券です。

 

15AUDに相当するものならほかのものでもよかったようですが、まったくそれを理解していなかったので、ツアーガイドから聞いていたスコーンのセットをお願いしました。添えられているclotted creamがどんなものなのか気になったのですが、味のないクリーム状のホイップ?クリームティーには欠かせないと書いてありましたが、初知りでした。

 

ホテルでこのセットが15AUDだったらお得かも。紅茶もティーポットで1人ずつたっぷりあったし、美味しくいただきました。

 

宿泊客以外のツアーでもこのバウチャーがもらえるかどうかはわかりませんが、館内を案内してもらった上にスコーンセットだなんて絶対お得!!!普段は探索しないホテル内も楽しめたので、時間を作っての参加をお勧めします。