英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【長野】駒ヶ根ロープウェイに乗って中央アルプス千畳敷カールへ

2022年(令和4年)10月21日

 

全国旅行支援が始まったらしいと聞いたものの、特に行きたいところが思いつかなかったのに、ふと何度も計画しては断念していた中央アルプス千畳敷カール行きが頭をもたげました。

千畳敷カールというのは、木曽駒ヶ岳などの中央アルプスの登山口にある場所で、標高2,612m地点までロープウェイでビューンと連れて行ってもらえるアルプス入門編のひとつなのです。むかーし、大阪から高速バスで何度もお隣の伊那へ出向いており、千畳敷カール最寄りの駒ヶ根で泊まったこともあるのに、付近の観光はしたことがなかったことが残念な思い出として残っていました。でも、あらためて行こうとすると、いまひとつ目ぼしい宿泊先もないのよね。さらに、突如思いついたところで直近の週末など空きの宿泊先もほとんどなし。

それでも、この機会を逃したらもうチャンスはないかもしれないと、わずか残っていた旅館ふたつを予約して出掛けてきました。駒ヶ根へ行くのは高速バスが安くて速いのでおススメ。直前だったけどハイウェイバス.comのWEB割引で3,600円だったよ。

 

休憩は途中の双葉サービスエリアで20分ほど。普段車に乗らないので、サービスエリアへ来るチャンスはこんなときしかない。ランチ時間は山の上にいるはずだから、何か買っておかなくちゃ。

 

ゲットしたのはなぜか京都の鯖寿し。お米は丹後産米って、全然ここに関係ないやん(笑

 

中央道駒ヶ根インターバス停までは3時間23分。途中、道路の改修工事があって少し遅れましたが、乗り換えの女体入口バス停までは5分足らずなので余裕で間に合いました。下車したのは10名足らず。千畳敷カールに行く人って少ないんだなぁと思っていたらなんのなんの。途中の菅の台バスセンターでは補助席まで使って満員になりました。自家用車の乗り入れはここまでなので、全員ここからバスに乗るのです。

全員着席が必須だったのは、しばらく乗るとわかりました。途中から狭く険しい山道に入るのです。九十九折りの急勾配を慎重に運転するドライバーさん。途中で「カモシカを見つけました」とバスを停車してくれました。「カモシカと言うけれど、実はウシ科です」

カメラ目線の一頭と黙々と草を食むもう一頭、帰りにも遭遇しましたが乗客のひとりが「こいつらが高山植物を食い尽くすんだ」とも言っていました。難しい問題ですね。カモシカはとても好奇心旺盛な動物だそうです。

 

ロープウェイ駅のしらび平駅ではロープウェイの往復券と帰りのバスを合わせて購入することができます。菅の台バスセンターにもチケット売場があるので、乗車された人たちのほとんどがロープウェイの乗車券も既にお持ちでした。駒ヶ根駅から出発する場合はバス往復2,100円+ロープウェイ往復2,540円です。(2022.11月現在)

 

売店で冷蔵庫下段に日本酒を見つけました。私たちに登山の計画はないし、ランチのときにちょっと飲むのにいいかな。辿-sen-600円は、千畳敷カールの雪解け水を使って作られたお酒です。

 

ロープウェイは満員。臨時便も出すようでしたが、帰りも混むので最終時刻を忘れないようにとのアナウンスがありました。千畳敷カールの紅葉は終わっていて、ロープウェイから見える中腹に移っていると聞きましたが、うーん、私の立っていた側は常緑樹を残して落葉していたな。

 

日本一の高低差950mを7分30秒で千畳敷駅まで上がります。ここにはロープウェイの駅に併設してホテル千畳敷があるんだよね。高低差だけでなく、2,612mにある千畳敷駅も日本一高いところにある駅、ホテル千畳敷も日本で一番高いところにあるホテルだそうです。

 

逆光でうまく撮れなかったのだけど、そのホテルの外観がこちら。見てのとおりこじんまりとしたホテルは、たった16室しか客室がありません。

 

さて。ロープウェイを降りて外へ出ると急峻な山々が見えますが、一番高いのが剣岳2,931mみたい。

 

左手に尖っているそれ、ね。そして千畳敷カールの「カール」とは、氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形のことを指します。この角度ではお椀っぽく見えないかしら。

 

私のように軟弱に散策コースを回る人も、宝剣岳木曽駒ヶ岳などを登る人も、ロープウェイを利用した場合のスタートは同じ。信州駒ヶ岳神社から始まります。安全祈願してから気を引き締めて参りましょう。

 

ホテル千畳敷を横目に1周40分コースへスタートです。

 

目指すは下に見える剣ケ池。まさにお椀型のカール部分を歩いていくコースです。紅葉にはわずか1週間ほど遅かったようですが、それでも10数年の時を経てやっと来られたので気分は上々。

 

なるほど、これらがすべて色づいていたらさぞかしきれいだったことだろうな。

 

でも、この黄金色に輝く枯草もまた、この時期だけのものですもんね。正面に見えるのは南アルプス。あれ?遠く向こうに富士山が見える!右に薄く見えるそれです。

 

ちょうど真正面に富士山です。すごく薄い姿だけど、これならわかるかな?

 

私たちは富士山のある麓の方角ばかり見ていますが、多くの人はここから宝剣岳木曽駒ヶ岳への登山開始です。

 

ここからは登山の装備が必要と書かれていますが、ほとんどの人はそこまで重装備ではありませんでした。でも、特に上り始めが思いのほか危険で、負傷事故や落石が多いようです。下から見上げた印象は、自身の事故はともかく落石させるリスクも考慮すべきのようにも見えました。

 

登山者は稜線の凹んでいる箇所に向かって登っていますが、ゴツゴツとした岩場が続いています。歩き始めのこのあたりと同じような状態が続いているとすれば、事故多発地帯であることも頷けます。

 

どこを歩いているか案外確認しにくいでしょうか。これならどうでしょう。ジグザクとかなり多くの人が上を目指しているのですが・・・

 

木曽駒ヶ岳山頂までは2時間足らずで登れます。帰りはもっと早くて1時間半弱。なにしろ千畳敷カール2,612mまでロープウェイで運んでくれるわけですから、続く乗鞍浄土2,850m中岳2,925m木曽駒ヶ岳2,956mが比較的気軽にアタックできるのです。でも、3,000m近い山を登るわけですから、高山病にも要注意。慎重に行きましょう。

 

さて、お散歩コースの剣ケ池へ向かった私たちは、整備された道をのんびり歩きます。

 

登山者たちがいるのは右端の谷間部分。登山コースは木曽山脈の連なるところですから、木曽駒ヶ岳だけではなく方々へ向かうことができるでしょう。初心者から上級者まで混在しているので安易に先へ進まないことが大切だと思います。

 

剣ケ池からはホテル千畳敷が見えます。この池は夏の短い間にしか出現しないと書いてありました。雪解け水が溜まっているに過ぎないということでしょうか。このまわりにはベンチがあるので、お昼はここでいただきました。ロープウェイ駅で購入した日本酒を開けましたが、ふたりでたった180mlなのに標高が高いためかよく回りました。気軽に来られるとはいえ、なにかにつけ注意が必要ですね。

 

私たちの千畳敷カール滞在は2時間ほど。電車もバスも本数が少ないので早々に戻ります。ロープウェイには千畳敷カールから見える南アルプスの山が紹介されていました。向こうには3,000mを越える山が多くあります。伊那へ行っていたころの馴染みは仙丈ヶ岳3,033m甲斐駒ヶ岳2,967m

 

ちょうどロープで重なってしまったところに富士山が見えています。紅葉には遅かったけれど、いつもこんなに富士山が望めるわけでもないようだから、きっと恵まれた日だったでしょう。ありがとう。

 

紅葉はロープウェイの眼下あたりに移っていると言われていたとおり、帰りには色づいた景色も見られました。7分30秒の空の旅もおしまいです。

 

行きは急いでロープウェイ駅へ急ぎましたが、しらび平バス停まで戻ってくるとこの付近の紅葉もいい感じに色づき始めていました。

 

駒ヶ根駅まではバスで50分ほど。まだまだ早い時間帯だったので乗客も少なくて助かりました。

 

駒ヶ根駅から今夜の宿泊地の諏訪湖へ向かいます。駅近くのスーパーでGETしたのはお酒2種。ワインはこのあたりにありがちな甘過ぎタイプ。信州産巨峰を使用した㈱アルプスのその名も完熟と、西尾酒造㈱の木曽名物どぶろく風味の杣酒木曽のかけはし

 

電車は30分ほど遅れて到着しましたが、途中で竹の倒木があったためだそうで「伐採処理をしていたので遅くなりました」とアナウンスがありました。電車にノコギリが積まれているということか?車窓さんも大変だわ。