2025年(令和7年)7月5日(土)
毎月飛行機に乗ろう!というコンセプトで選んだ7月は久しぶりの富山空港。前回は富山駅前にあるダブルツリーbyヒルトンの宿泊記を書きました。
一夜明けて、この日はランチを予約しています。前日の鮨 難波は私たちにはいまひとつだったので、期待をかけています。だからホテルは朝食もつけず。ただ、富山駅にあるとやマルシェで鱒寿司を買っておかなくちゃ。

とやマルシェの鯖寿しコーナーは預かってもらえるので便利。前日の鮨 難波の大将曰く、富山の人は「食べ比べ」という考えがなく、自分の家の推しが決まっていて、そこに注文するのが普通なのだそうです。

ついでに、ほんの少しだけ朝ご飯代わりの鯖寿司も。もちろん鱒寿司もあったけど、それは家でいただくので違う魚にしてみました。ちゃっかり日本酒 苗加屋(のうかや)もゲット。

ギリギリまでホテルで過ごし、12時半の一斉スタートを目指して富山ライトレールで向かいます。この路線は2019年に終点の岩瀬浜まで行ったことがあります。今回は、そのひとつ手前の駅まで約20分の乗車。途中までは路面電車として走ります。

岩瀬の町並みは次回に触れることにして、まずは今回予約したのはフレンチレストランCave Yunoki(カーヴ ユノキ)。前日の夕食で訪れた鮨 難波と同じくミシュランガイド北陸2021年特別版(北陸版はこれが最新)に選出されてます。食べログ3.73、百名店2023年と2025年など、同様の人気店。この蔵続きのところがお店らしい。右手の暖簾をくぐります。

GoogleMapを見て歩いていましたが、蔵をぐるりと回らないと入口に気づきませんでした。暖簾にはちゃんと店名が染め抜かれています。

おお!雰囲気あるアプローチだわ。蔵を改装したお店なのね。

入口はまさにCaveといった雰囲気。ちょっと早いけど、入っていいよね?でも、開けても人の気配がありません。

進んでいくと、男性スタッフが迎えてくれました。高い位置にひとつ窓があるだけの蔵の中、もちろんクーラーはかかっていますが、それ以上にひんやり感じます。

ソファに案内されましたが、あれ?私たちだけ?カウンターを見るとふたりぶんしか用意がありません。か、貸し切りか!

大きなテーブルが隣にあり、グループならここを使うのでしょう。

カウンターの席は全6席。

でも公式HPによると、MAXカウンター7席、テーブル席10名までいけるようです。劇場型カウンターキッチンに改装したのは2021年のこと。

カウンターに通されてから、先ほどまで自分たちが座っていたソファを振り返りました。江戸時代より北前船の交易で 栄えた築100年の廻船問屋の蔵、素敵。

グループ用のテーブルは、こうしてみるよりもずっと大きく重厚。ここで会食なんていいな。

でも、カウンターの魅力はさらに上回るわ。

格子の向こうには作業台があるようで、スタッフはそちらで準備していることが多かったです。

正面には熾火(おきび)用の薪窯。

ストウブやル・クルーゼが整然と並んだ棚はカラフルで、この店でのアクセントにもなっています。お手入れが行き届いてるわ。

カトラリーはポルトガル製のCutipol(クチポール)。高知の隠れ家レストランAnnata(アンナータ)で初めて遭遇して以来、ポルトガル旅行中にも見かけたよ。

飲み物は赤ワインをお願いしました。

フレンチレストランの場合、高いワインしかなくて困ることも多いのですが、ここは最安値に南アフリカBARNARDT BOYES(バーナード・ボーイズ)のピノタージュ2011を6,000円(税抜)で置いてくれていました。定価2,000円台ぐらいのワインだけど2011年産というのがなんかいいよね。

さて、料理のスタートです。ランチもディナーも22,000円(サ別)のコース一択。

1品目 富山県魚津産毛蟹のオードブル カリフラワーのピューレと毛蟹の卵
蟹からスタートとは、なんか期待値が高いわ。カリフラワーの主張は少なかったけど、全体的にまとまっていて美味しい~

2品目 鱒のコンフィ 赤キャベツ、涙豆、ビーツのキャラメリゼ

鱒は軽く焼いてあるのですが、冷たさが勝ってしまって中途半端な感じ。涙豆はエンドウ豆の若豆でふつうの1/4ぐらいの大きさ。なかなかいい働きをしていました。

3品目 魚津産岩牡蠣 ほうれん草のピューレ

-30℃の岩牡蠣もオンしてあるとの説明でした。ちょっと粉っぽく見えるのがそれ。立派な大きさの牡蠣で、ハートをつかまれる一品。

4品目 魚津産ニシバイガイ ズッキーニ・セルフィーユ・ディルを合わせて

順調な滑り出しだったのですが、このあたりからちょっと風向きが変わってきます。ハーブは間違っているのもあるかもしれない。でも、香りのものは好きなのでOK.

ただ、このニシバイガイというのが切れないんだわ。しかもチューイで食べにくい。調べてみるとつぶ貝と似た形の巻貝らしいんだけど、もっとサイズが大きい。

ここでパンが登場。スモークの香りをつけてあるとの説明。

向こうでは巨大な蛸の脚が出番を待っています。

外で熾してきた炭を入れ、蛸が投入されました。蛸は相棒が大好き。楽しみです。

5品目 魚津産真蛸 金時草、サンマルツァーノのトマトソース

サンマルツァーノはイタリアトマトの種類。透明のソースがそれだと思います。ただ、うーん、炭火で焼いた意味ってあるの?という、ただレアなだけの蛸だったの。またしてもチューイで。

6品目 魚津産甘鯛 満寿泉の米麹リゾット
日本酒、満寿泉を醸す桝田酒造店はCave Yunokiから目と鼻の先にある酒蔵。知らなかった~ その米麹をリゾット風にしていただくお椀。とても薄味だけど、日本酒好きの私たちにとっては興味深い一品でした。

7品目 黒部産仔山羊のロースト 小玉ねぎ、人参を仔山羊のソースで

羊は食べるけど、山羊は初めてだったような気がします。右が首部分。まったく癖がなくて柔らかい食べやすい肉質でした。

デザートに入ります。
温かいデザートだったと記憶しています。甘いサツマイモの味が美味しかったな。

8品目 上市町井川農園の紅ほっぺシャーベット ホワイトチョコレートのせ
最後はさっぱりとシャーベットで終了です。

珈琲をいただいたと思います。前日の鮨 難波と比べると、ぐんと味に変化があって楽しめました。ただ、ニシバイガイと蛸のマイナスポイントをかなり高く感じたのは、その価格にあったかと思います。富山まできてこれだったら、東京でじゅうぶんが食べられるよ、と。

トイレは外です。時折小雨のぱらつく日でしたが、とても蒸し暑かったです。

洗面ボウルは陶器。富山の焼き物を調べてみると越中瀬戸焼というのがヒットしたのだけど不明。

すこぶる明朗会計でした。
コース22,000円×2+ワイン6,600+消費税10%=55,000円
これが15,000円程度のコースであれば満足できたかもしれません。でも、都内よりも安く新鮮で美味しいものが手に入るだろうし、場所代も格段に安いはず。県内にフレンチレストランは少ないから競争がなく、確かに独り勝ちできるクオリティもあるでしょう。でも県外からは、せっかく足を運ぶ甲斐がなければ難しい思います。鮨 難波のときに比較した鮨し人が金沢に移転したのも、日本料理店 山崎が都内に移転したのも、そのあたりのジレンマだったんじゃないかと思います。近隣のお店と切磋琢磨して、全体で食を盛り上げないことには、この価格は単に高いだけにしか映りません。この考えが単にエラそうなだけなのか、近々都内フレンチレストランへ行ってみるつもりです。