2025年(令和7年)8月10日(日)
今年の夏休みは5泊で東欧を回りました。前回はルーマニアの避暑地シナイアから日帰りで訪れた中世の街並みが見られるブラショフ旧市街のうち、黒い教会とスファトゥルイ広場の話を中心に書きました。
※Brașovはブラショフと発音すると思っていたのですが「ルーマニア語はスラヴ語のように語末の v が無声化して f になることはない」とはっきり書かれており、カタカナ表記はブラショヴが正しいようです。ただ、日本では圧倒的にブラショフと記載されていることが多いのでそれに従っています。
この旅行で最後のランチです。GoogleMapで探してみると、旧市街のレストランは観光地の割にどこも高評価だったのですが、食べたかった料理を確実に提供しているお店を探しました。それがバス停近くの「Sergiana」で、降車したバス停から3分ほどという位置。

お店が地下階というのがちょっとハードルが高い。想定外だったわ。

それでもまた旧市街中心部へ戻るのは大変なので、意を決して下りてみます。

この画像は帰りのものでドアが開いていますが、行ったときは閉まっていました。木のドアで中が見えないので結構勇気が要ります。

入ってみるとスタッフは皆、民族衣装を着ていていかにも観光客をターゲットにしているレストラン。民族衣装は地域ごとに異なる刺繍などが施されるようですが、男性は腰に太い革ベルトをしていて狩猟民族を感じさせます。

アーチで分けられた空間は広い店内に落ち着きをもたらし、他の人の気配をそんなに感じないので、全体にどれぐらい人がいたのかすら不明。

トイレに行くときに様子を窺ってみると、どの部屋にも人がいて、思った以上に賑わっているようでした。

テーブルクロスの模様も素敵。メニューも重厚感があるビロードのような表紙がついていたと記憶しています。

堅そうに見える木の椅子は思いのほか座り心地がよく、寛げます。

パンの入ったバスケットと突き出しが提供されるのは、この旅行ではなかったパターンです。

パンは素朴な味で、この量は多すぎて到底食べられないけど、私たちが頼んだ料理には必須でした。

突き出しは、豚の角煮を揚げたようなもので、からい生の紫玉ねぎとの組み合わせがイケる。豚肉もしつこそうな揚げ物なのに、ついつい手が伸びる美味しさでとても気に入りました。豚の角煮揚げをこれだけの量、出すなんて太っ腹だわ。

肉料理を予定していたので、赤ワインから選びます。地元産を中心にずらりと並んでいるけれど、ま、目指すは安価なワイン(笑

最安値のTOHANIをチョイス。ブカレストから少し北へ行ったところのワインです。105RON(3,713円)だったら、もう少しいいワインにすればよかったかな。

あれこれ調べて行ったものがこのお店ではふたつ見つかりました。メニューがとても多かったので、ゆっくり探せばまだあったと思います。そのひとつが、このページのスープ。ボルシチやグヤーシュなど、中欧からロシアにかけて伝統的なスープがありますが、ルーマニアも種類が豊富。それにしてもこのグラム数の表示ってどういう意味だろう?全体量と具材とか?

もうひとつがルーマニアの代表料理と言われるサルマーレというロールキャベツに似た煮込み料理で、お祝いごとには欠かせない料理として親しまれているそうです。

突き出しにも赤ワインが合うわ~

Ciorbă de perişoare 29RON(1,025円)
Ciorbăはスープの意味で、具材が見えていないけどミートボールが入った具だくさんのスープでした。

サワークリームがどうとか言われたのですが、7RON(247円)で追加できるものだったようで、それを入れて酸味とクリーミーさをプラスするとより美味しいということみたい。このスープは特に酸味好きの相棒が気に入っていました。

Sarmale sulemenite cu kaiser, mămăligă şi smântână 29RON(1,025円)
Sarmale(サルマーレ)というのは詰め物という意味で、キャベツは酢漬けを使うそう。ドイツのザワークラフトをイメージするといいね。そこにカイザーハムとポレンタに似たルーマニアの国民食のとうもろこし料理のmămăligă(ママリーガ)が添えられています。ロールキャベツよりも小さくてキャベツも薄く、食べやすい。ママリーガもお肉も美味しかったわ。
それにしても180/70/30/200/50gとは、どれを指しているんだろう。

お店を出て信号を渡ればバス停というロケーション。

ボトルワインを頼んでも合計193RON(6,825円)というお手頃さで、しかも美味しい。突き出しもパンも別料金ではなかったことも驚き。今回の旅行を通して、東欧の料理は日本人の口に合いやすいのではないかと思いました。観光客をターゲットにしているとしても、その期待を裏切ることはありません。
さて。これであとは翌朝早朝に出発です。アンリ・コアンダ国際空港に隣接するホテルを予約していますが、ここからの戻りがまた大変でした。