英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【屋久島】周遊ツアー④ 神秘の世界「ヤクスギランド」後編

2021年(令和3年)8月

 

負傷した足も回復していないのに、無理矢理屋久島行きを決行しています。緊急事態宣言中ですが、一応ワクチンは全員接種済み(言い訳)

前回は屋久島観光のハイライト、ヤクスギランドの前編でした。

fuwari-x.hatenablog.com

 

引き続き、ヤクスギランドをご案内します。

ヤクスギランドは遊歩道を歩く30分と50分のコースと、トレッキングコースの80・150・210分コースがあります。私たちは30分コースをガイド付きで1時間ほどかけて歩きました。

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朽ちない森、屋久島ではどこにでも植物が芽を出しますが、こちらは切株更新。一見、1本の木に見えますが、これはちょっと違います。

貧しかった屋久島では、かつて林業を発展させようとしていた時期があります。ふつう伐採すれば根元は枯死しますが、ここでは切ったからといって寿命は尽きません。花崗岩の上のわずかな表土に根を下ろしている杉は、土からの栄養がほとんど得られないないため、もともとがほとんど水耕栽培状態。成長が非常に遅く、年輪もみっちりで、樹脂が濃縮された状態で育っています。だから、切っても朽ちる要素がない。伐採した上に苔が生え、そこに杉の種が落ち、新たに育くそのパターンの中で、切株の上に新たな杉が育っているのを切株更新といいます。

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特にこちらは、2本育ったので双子杉と呼ばれています。まるで枝分かれした1本の木のようですが、元の木は伐採された古い木です。しかも根元は洞になっているので、何かの上に立っていた杉なのでしょう。今は、その「何か」が朽ちてぽっかり空洞になっています。

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屋久杉の伐採には試し切りが必要でした。屋久杉の主な用途は屋根用の平木だったので、外観上、表面がきれいで、均等に薄く割れる木がいい。手斧で伐採していた当時、大きい屋久杉に苦労していたので、必ず木の途中を一部切り取って割りやすい木かどうか試し切りをしていたのだそうです。そんな残りも土埋木として放置されています。

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前回、屋久島では樹齢千年以上を屋久、それ未満を小杉(こすぎ)と呼ぶという話を書きました。ヤクスギランドで見られる屋久杉はこちらの千年杉です。

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見上げると、枝葉を広げすくすくと育っていることがわかりますが、千年も経っていることを考慮すると、一般に見る御神木と変わりません。御神木が台風で倒れるのは、既に寿命を迎えているから。それに対して屋久島の杉は、時間をかけて成長し、その分、樹脂が多く寿命が長いのが特性です。

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こちらはねじり杉。光を求めてゆっくり育った杉の表皮がねじれているのがわかります。すくすく育つはずの杉がこのような姿になるのもまた、成長が遅い屋久島ならではのものなのでしょう。

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名のつけられた杉の最後は、こちらのくぐり杉。前回ご紹介したヒメシャラもそうでしたが、倒れた杉が寄りかかってそのまま生きています。朽ちない森。太古の昔から生き続けている木々。パワースポットと言われても???の鈍い私でも、呑み込まれそうな息遣いが聞こえてきそうな気配があるのはそのせいでしょう。

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苔マニアの人も屋久島に魅せられるそうです。なんとも美しい色を、ずーっと眺め続けているんだそうです。

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わかりやすいのは、その名から連想できるコスギゴケ

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その傍にも、苔らしき仲間が何種類も見つけられます。

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確かにヤクスギランドでは、杉に並んで苔も主役でしょう。どこにでも、なんにでも寄生し、秘かにその存在感を放っています。多くの杉と、苔生した森。私たちの知る屋久島らしさのように思います。

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苔の緑を反射して、水滴さえも緑に見せてしまいます。キラリときれいな水の色も、不思議な世界を醸し出していました。

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ほかにもいろんな植物を見つけました。これは、ナチシダ

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下の方にはちらりとキノコ。

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赤く見えるのは、ツチトリモチ。これはちょっと不気味な花を咲かせるんですよ。

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屋久島の杉と共存していることで知られるヤマグルマが根を伸ばしています。別名トリモチノキといい、トリモチが取れるそうです。さきほどのツチトリモチも同じくトリモチが取れることからその名がついていますが、取れるのは根茎からだそう。被子植物という以外に共通点はなさそうです。f:id:fuwari-x:20210910130740j:plain

 

ただ、あとで調べたヤマグルマは私が撮っているこれとはちょっと違う気が・・・根を伸ばしている木をヤマグルマと思っていましたが、明るい幹の木がそれなのかもしれません(汗

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この吊り橋、清涼橋を渡ると、そろそろ30分コースも終了です。短いコースでしたが、案内を受けての散策はとても充実していました。これでやっと屋久島へ来た実感が湧きました。怪我を押してきた甲斐がありました。

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昨今、世界の各地で森林火災が多発し深刻化していますが、日本は湿度が高いのが幸いしているのでしょう。中でもこの屋久島は空気中の湿度でも植物が水分を吸収できるほど。その代わり、水害は増えていますね・・・

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ガイドさんが繰り返し言われていた、土もなく、よって微生物も育たず、栄養もない屋久島の森。緑は多くても、決して豊かではない。それでも、その緑が多くの酸素を生み出しているんですね。