英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【スペイン】世界遺産トレド旧市街「Asador a la Brasa」でランチ&フラメンコ鑑賞

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街で見学したトレド大聖堂について書きました。

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ランチはあちこち覗いてみたけれど、いまひとつしっくりくるところがなくて、最後に選んだのがAsador a la Brasa

 

なぜレストランが選びにくかったかというと、スペイン語メニューだったから。せめて英語メニューじゃないと何がなんやらわからないのだ。イタリア語ならまだ想像がつくんだけど。

 

そんなわけで、決め手は英語メニューがあったこと。

 

カウンターのある1階から2階へ案内されました。

 

階段途中からカウンターを見下ろすと、なんとなく雰囲気のいいお店って感じがわかるかと思います。でも調べてみたら、向かいにも同じ名前の店舗を持つお店があり、そこは観光地のド真ん中だから避けようと言っていたところでした(笑

 

開店間もなくだったので一番客でした。でもその別棟のお店は既に満員だったから、まぁ流行ってるんじゃないの。

 

この明かりの赤が画像に反映するので、やたら赤い画像が以下に続きます。

 

CAVA20EUR(3,240円) まぁお手頃価格です

 

ブッラータのサラダ16EUR(2,590円) ブッラータが丸ごと入っていて食べごたえあり。

 

ARROZ NEGRO23EUR(3,720円)

パエリアではなく、アロスをわざわざ頼んだんです。ほかのはすべてパエリアと書いてあったけど、これだけはARROZだったから、スペイン雑炊のカルドソみたいなのだったらなぁと期待したのだけど、いや、やっぱりパエリアだったよ。でも、搾ったレモンがよく効いてめちゃ美味しかったからいいや。

 

59EUR(9,550円) ところがここでは、どれを使ってもカード決済ができませんでした。諦めてセゴビアで高額紙幣を崩した残りなどを足して現金決済だったので、当時のレートの7,130円換算となりました。やっぱり現金を持っていないのもアブナイですね。

 

ちなみにトイレも潜入しています。レストランのトイレでいまひとつだった経験はナポリぐらい。たいていどこも及第点です。

 

ほら、ね。ナポリはたぶんスタッフに鍵を借りていかなくちゃいけなかったんだと思います。汚れているというよりは、鍵なしでハラハラでした。

 

さて。トレド大聖堂とランチですっかり満足して旧市街を後にしてしまった私たち。15:25の電車に乗ってマドリードへ戻ります。21:30まで電車があるので、夜景を見ても日帰りで行けるところが魅力かも。

 

トレドの手荷物検査はホームにて。

 

いつだったかのテロのあと、取り入れられるようになった手荷物検査に最初に遭遇したのは2016年1月ローマからナポリへ行くときだったと思います。ほとぼりが冷めて止めるのではなく、すっかり定着なのね。

 

さて。この日はマドリードで2回目のフラメンコ鑑賞でした。前回がいまひとつだったので期待して向かったのはEssential Flamenco

 

1ドリンクがついて35EUR+税(6,179円)。前回の25EURに比べてぐんと高いし、期待していいよね。ただ懸念は1公演目は35EURだけど、2,3公演目は40EURと高くなるところ。体が温まってからの公演は高いと聞いたことがあるし、ダンサーのレベルも違うかも。

 

絵はがきとチケットをもらって中に入り、公演までドリンクを飲んで過ごします。

 

1ドリンクの考えも様々で、グラナダでは中にテーブルがあったし、セビリアでは飲み物を持って中へ入りました。ここはロビーでいただきます。

 

赤ワインを頼むと、お腹いっぱいになるサイズのナッツ類がついてきました。

 

時間になると階段を降りて洞窟のような会場へ。

 

雰囲気、あるでしょ。思ったよりも狭い空間で、ダンサーは近いけど踊れるのかな。

 

結論から言うと、このタブラオもよくありませんでした。スペイン語と英語の2ヶ国語でフラメンコの歴史を説明して、そこから公演に入るのだけど、うーん。いかにも観光客向け。

 

それにしてもフラメンコって、スペインに辿り着くまでにこんなに多くの国の影響を受けてきたということなのね。英語ではジプシー、イタリアではロマ、スペインではヒターオと言われる民族はインド北部の音楽に影響を受けてきたそうだし、そもそもイスラム教徒に統治されていたイベリア半島は、その文化にもルーツを持つものね。

 

打楽器にカホンがあったのは珍しかったです。ペルー発祥のこの楽器を知ったのは、デビューしたての→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)の演奏を偶然ネットで見つけて聴き衝撃を受けたのですが、彼らは今も活躍しているのかな。

 

フラメンコを見終えて夜のマドリードの街へ繰り出します。でも、やっぱりすぐに文字が読めないのがネックで、レストランへ行くのが億劫になってしまいました。考えてみると日本にいてもメニューを選ぶのは昔のように楽しくありません。ましてやスペイン語・・・

 

結局、Sol駅近くにあるショッピングモール「El Corte Inglés」のフードコートで足が止まりました。

 

日本でお惣菜を買うことはないのですが、こうして並んでいると味のイメージがしやすいので、選びやすい。

 

種類も豊富だし、もうこれでいいや、と。

 

結局かったのはこちら。左はビーフンっぽい麵ですが、誤算だったのは甘かったこと。右はタコのマリネ。日本でも食べるような組み合わせですが、スペインはタコを食べる数少ない仲間なので選んでみました。こちらはふつうにマリネ。

 

このショッピングモールに入っているスーパーでは、他よりもチョコレートの種類が豊富でおしゃれでした。

 

ちょっと高級に見えるのに、高くないのでおススメです。

 

翌朝は5時前にホテルを出なければならないので、早くにホテルへ戻ってワインを飲んで軽くつまむのもアリでした。でも、なーんとなくこの旅行では食事に重きを置けずに悶々。次の国はフランス、美食の街リヨンです。次こそは、頑張れるかな。

【スペイン】世界遺産トレド旧市街 スペインカトリックの総本山「トレド大聖堂」

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街について書きました。

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スペインカトリックの総本山であるトレド大聖堂に来ています。チケットはオンラインで予約済み12EUR(1,930円)で、他の大聖堂より高い。でも、ここもセゴビアローマ水道と同じく、前回のスペイン旅行で断念した場所でした。「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言われているのに、2度目もなお計画から外れてしまったので、今度こそは。

 

トレド大聖堂の内部見取り図はこちら。クエンカ大聖堂、セゴビア大聖堂と同じく、主祭壇と聖歌隊席があり、側廊に沿って各礼拝堂、そして中庭のある造りです。

 

ただ入口の箇所が他とは違ったので、いきなり主祭壇と聖歌隊席へやってきたよ。1226年カスティーリャ王フェルナンデス3世の命を受けて建設が始まり、1493年に完成したというトレド大聖堂は、ブルージュ大聖堂を模して造られたと言われています。

 

聖歌隊席は2台のパイプオルガンが向き合う造り。金色に装飾された豪華な造り。これまであまり見かけなかったと思っていたせり出したパイプオルガンですが、スペインの大聖堂はすべてこのタイプでした。

 

真ん中には16世紀に製作された美しいゴシック様式のトレドの守護神、白いマリア像が立っています。

 

聖歌隊席の彫刻がとても細かい。

 

背もたれに描かれているのは、レコンキスタ終結したグラナダ征服の物語をモチーフとしています。

 

ひとつひとつ物語を辿っていきたいほど、人や馬の細かな描写が生き生きと描かれています。

 

座面に描かれた彫刻も表情豊か。クマや猿などの動物や食べ物も多く描かれていました。

 

聖歌隊席に向き合う主祭壇はゴシック様式

 

柵から手を入れて中を取りました。最も高い場所にキリスト。

 

高さが約30mもある主祭壇に描かれているのは、新約聖書によるキリストの生涯です。

 

最上段のキリストまで見上げると、美しいステンドグラスも目に入りました。

 

リブ・ヴォールト天井の際まで埋め尽くされたステンドグラス。

 

身廊をを真っ直ぐ見ると、天井のアーチが並び厳かな印象です。

 

壁面に描かれているのは、幼子キリストを運ぶ聖クリストバルの絵なのだけど、これじゃわからないね。子どもだったキリストが川を渡りたいと頼んだときに応じた人で、それ以来、旅行者の守護神とされているそう。

 

聖職者の間に入ると、聖母の生涯とキリストの受難からの13のシーンを描いた漆喰壁のフレスコ画に囲まれます。

 

天井はイスラム文化の入った豪華なムデハル様式

 

正面には1509年作の大司教の椅子。そして、気になるのはフレスコ画の下の方々。

 

歴代の高聖職者の肖像で、一番新しいのが下段右端のBraulio Rodríguez Plaza(ブラオリオ・ロドリゲス)で、2009-2019年にトレド大司教を務めていた人でした。現在の大司教は退任後ここに連なるのでしょう。

 

そして主祭壇の裏側の回廊にはトレド大聖堂の見どころのひとつ、スペイン・バロックの傑作といわれる大理石のトラスパレンテが見えてきます。
 
1721-1732年建築家ナルシソ・トメが建てたバロック様式の祭壇です。上部に楕円形の窓があり、柔らかな光に包まれています。

 

大天使に囲まれた祭壇画の細やかな彫刻と柔らかな表情に誰もが足を止めています。

 

聖母の座る椅子を支えるのもまた天使。両端の金のレリーフは左側では旧約聖書の一シーン、Abigail(アビゲイル)ダビデ王にパンとワインを捧げ、右側ではAjimelec(アヒメレク)ダビデにGolyat(ゴリアテ)の剣と聖別されたパンを手渡すところが描かれています。

 

側面の彫刻も精巧です。テーブルを囲んでいるシーンが描かれているので最後の晩餐なのでしょう。圧倒される作品です。

 

側廊には礼拝堂もいくつかあったようですが、他の大聖堂に比べて見られたとしても入られるところが少なく、印象に残っていません。

 

そんな中で見たのは、7世紀のトレド大聖堂San Ildefonsoに捧げられたサン・イルデフォンソ礼拝堂で、創設者の大司教など聖職者らが埋葬されています。

 

そしてまた聖具室では、天井に聖母の降臨が描かれた見事なフレスコ画が見られました。

 

正面の絵は、1587年El Greco(エル・グレコ 1541-1614年)の代表作のひとつ「聖衣剥奪」で、他にゴヤやカラヴァッジョなどの絵画が掲げられ、さながら美術館のよう。

 

残念だったのは宝物室を見損ねていたこと。ゴシック様式聖体顕示台コロンブスの持ち帰った金で制作されたもので、高さ2.5mもの眩い作品だったようです。

 

これはどこにあったのか記憶にありません。パティオがどこかにあるはずだと思っていたので、ここをそれだと思ったのかもしれません。

 

実際には、トレド大聖堂のパティオはもっと壮大な回廊に囲まれていました。壁一面に宗教画が描かれ、トレドの栄華が感じられます。

 

真ん中に噴水があり、石造りのカテドラルの中で憩いの場所。

 

回廊からは鐘楼が見えます。90mの高さを誇る鐘楼は、別の見学ツアーで上ることもできます。

 

聖歌隊席の裏側は静謐な空間。こちらからもパイプオルガンが向き合っているのがわかります。

 

観光客は他に比べれば多いのかもしれませんが、全体に落ち着いた雰囲気でした。礼拝堂は柵越しに見るだけなので印象に残りにくかった点はありますが、精緻な彫刻にはどれも目を奪われます。

 

ことにバラ窓をはじめステンドグラスは750枚のステンドグラスの美しさは必見。

 

市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)でクリスマスマーケットを開催中だったので、全景を撮れる場所がなかなか見つからなかったのだけど、ツアー民が何組も集まっていたのでここがベストなのでしょう。鐘楼と対を為す場所にあるのはモサラベ礼拝堂。当初は2つの塔が立つ予定でしたが、地盤に問題があって断念したそうです。

 

大聖堂はみるごとに規模が大きくなっていったので、逆に私はコンパクトでありながら礼拝堂も開放されていたクエンカ大聖堂の印象の方が深く残っています。トレド大聖堂の彫刻は他を圧倒するものではあったけれど、結局それを見る目がないのが残念です。

トレドはイスラム教、ユダヤ教キリスト教が緩やかに共存していた地で、大聖堂にもその影響が見られるはずなのですが、聖職者の間の天井ぐらいしか私にはわかりませんでした。こういうとき、ツアー参加の旅行はいいなと思います。

 

【スペイン】世界遺産トレド旧市街「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はピカソの代表作、ゲルニカを観にソフィア王妃芸術センターを訪れた話を書きました。

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マドリード拠点の観光も残すは1日。チャマルティン駅から中心部に近い場所にホテルを移動しましたが、そこまでこの界隈で過ごさなかったので、あのまま同じホテルに泊まっていた方が良かったかもしれません。それでも、マドリード-アトーチャ駅に近いホテルに移動したのは、トレドへ日帰り観光するためでした。なんといってもトレドは「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言わしめる場所なのです。

 

アトーチャ駅で地下鉄を降り、国鉄駅へ向かいます。なかなかこれが難しい。長距離列車の乗り場へ行くと、1時間に1本走っているはずのトレドの文字が見当たりません。

 

聞いてみると、近郊列車の乗り場が別にありました。手荷物検査がどこでもふつうに行われています。

 

ヨーロッパの鉄道によくあるように、手荷物検査を受けてもまだホームがどこかは決まっていません。本当に直前になってようやく表示されるので、ぼっとしていられない。

 

トレド行きもセゴビア行きと同じで運賃は定額の11.1EUR(1,785円)

 

トイレも完備でとりあえず車内も清潔と言っていいと思います。

 

座席は中央だけが4人掛けで、あとはこの向きに倣った方向に固定されており、座席の向きを変更することはできません。

 

アトーチャ駅からトレドまでは30分ほど。

 

素晴らしいのがまず駅舎。ムデハル様式の駅舎はイスラムの香り。

 

馬蹄形のステンドグラスから差し込む光が美しい。タイルの青もイスラム

 

外から見るとステンドグラスの色はまったく見えないので、あんなにも華やかな駅車内が不思議なぐらいです。スペインってほんとヨーロッパでもイスラム色が濃く異色。

 

駅舎全体を見ると時計台もあります。ここからトレド旧市街までは徒歩10分ほど。

 

2階建て観光バスで巡る乗り降り自由のトレドシティーツアーに参加することも可能です。

 

徒歩で旧市街へ向かうとタホ川の蛇行に囲まれるように聳え立つトレド旧市街。

 

ひときわ高いところに見える四角く囲まれた尖塔を持つ建物はアルカサル。3世紀のローマ帝国時代に宮殿として建設された建物で、今は軍事博物館として公開されています。

 

タホ川の先には旧市街と対面するようにトレドのパラドールがあり、絶好の展望箇所になっています。

 

タホ川を渡すアルカンタラ橋。まだ開店前のクリスマスマーケットが並んでいました。

 

旧市街へ入る門です。

 

馬蹄形の門を抜けて歩いて行くと、いくつか分かれ道がありました。

 

アルカサルへ行くには左のルートを通ると近いのですが、GoogleMapでは高低差もあるのでいまひとつわかりにくい。

 

前を歩く人に連れられるように右側の階段を上がってしまいました。

 

そこから広がる風景を眺めていると、向こうにある建物が気になりGoogleMapで探してみました。

 

向こうに見えるドームのある建物はタベーラ施療院で、カスティーリャ王アルフォンソ10世の系列であるメディナセリ公爵家にゆかりの建物で、今は所蔵するエル・グレコなどの絵を展示する博物館として公開されているらしい。近くにはトレド闘牛場もあり、旧市街だけでなくそこここに見どころがあるのが、さすが世界遺産数5位というスペインの凄さ。

 

栄えた都市でも、隣接して農地があったりさもなくば荒野となっているのも特徴で、住宅地を拡張していかないので、いつまでも古くからの景観を保てるのでしょう。

 

ちなみに、途中で左折した場合は、もう少しなだらかな階段を上ります。

 

修道院の建物の脇から上がっていくとサンタクルス美術館へも行けたようだけど、私たちはアルカサルすら素通りで戻ってしまいました。

 

こちらの道を通った場合は、対岸が見渡せます。向かいに見える建物はサン・セルバンド城(Castillo de San Servando)で、現在はユースホステルとして利用されています。

 

帰りにホステルへの坂道を上ってみましたが、小雨が降ってきたので途中で引き返しました。でも、アルカサルがさらによく見えたので、パラドール方面にあるミラドール展望台とはまた違ったトレド旧市街の展望台としても利用できるかもしれません。

 

さて。観光の中心となるソコドベール広場に到着しました。残念ながら、トレド大聖堂とアルカサル以外には特に何を見るべきか調べずに来ています。歩けば自ずとわかると思っていたのです。

 

そんなわけで、建物の重厚さに釣られて私たちが入ってしまったのは図書館。手荷物検査を受けて入ったものの、ごくふつうの図書館でトイレだけをお借りして失礼したのでした(笑

でも、重厚だったはずなんです。ここはアルカサルの一部だったのよ。今の今まで気づいていなかった私、どおりで人がたくさんいたはずだわ。アルカサルからはもっと離れた場所にいると思い込んでしました。

 

11時予約のトレド大聖堂。狭い路地から見えている尖塔がそれかしら。

 

ぐるりと大聖堂を取り囲む塀に沿って歩いて行くと、入口を見つけました。でも、ほとんど観光客はいないし、入口には物乞いもいる。んん?入ってみるとここは「時計の門」と名付けられた裏口(でも時計は止まっている)。一応内部が見られるようになっているので、入場見学しない場合はこの裏口を探すといいです。

 

入れるのは柵で囲まれているところまで。主祭壇などは見えませんが、リブ・ヴォールト天井や中の雰囲気はわかります。

 

正面を探しながら通りを歩いていると、武器を扱うお店がいくつもありました。トレドは刃物の町として有名で、中世の雰囲気のする剣や盾などがお土産として売られているのです。それにしても人物が生々しい。

 

トレド大聖堂への入口は、市庁舎前にあるその名も市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)の脇道から。

 

開催中のクリスマスマーケットでは、私の天敵であるBACALAO(鱈の塩漬け)も山積みだったよ。

 

もうすぐ11時。今回のスペインでの大聖堂はマドリード、クエンカ、セゴビアに続き4つ目。スペインのカトリック総本山のカテドラルです。

 

入口はその角を曲がったところ。この入口の彫刻には最後の晩餐が描かれていて必見だったのに、見落としてたんだよね。でもま、とにかく入るよ。

 

【スペイン】首都マドリード ソフィア王妃芸術センター「ゲルニカ」

2024年(令和6年)1月3日(水)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はマドリードに戻って移った2軒目の5つ星ホテル「Hotel Villa Real」の宿泊記を書きました。

 

小雨の降る日夜、ピカソの代表作のひとつゲルニカを見にソフィア王妃芸術センターへ向かいます。マドリードにはいくつもの美術館があるのですが、いくつかは無料で開放している時間帯を設けていて、この美術館は19時からの2時間が充てられています(日曜日12:30-14:30)。ホテルからは徒歩15分ですが、地下鉄10回券もあるので1駅だけど乗車。

 

マドリードでの電車はどれも乗降時には自分で扉を開けなければならないのですが、この電車の場合は取っ手をスライドさせるタイプ。

 

駅構内には既に所蔵の作品があちこちに貼ってあるので、美術館巡りが好きな人ならテンションの上がる空間になっています。

 

ところが。19時の到着では遅過ぎたらしい。既に長蛇の列どころじゃないのです。センターの前は広場で冬季はスケートリンクが設置されているのですが、それをぐるりと3/4周囲んで並んでいるではないですか。

 

相棒は行列が嫌い。しかも入場料を払えば並ばずに入れる時間帯があるならそうしたいタイプ。でもこの日しか空き時間はないし、ましてや全館鑑賞するタイプでもありません。

 

20人ずつほどが許可されて入場していきます。不機嫌な相棒をよそに待ち続けること1時間。寒い寒い中、ようやく入場です。

 

チケットはそれぞれ違うものが渡されます。スペイン人画家Ángeles Santosと、ペルー人アーティストMaría María Acha-Kutscherの作品。

 

さて。ゲルニカの場所はどこ?2階ということはわかっているのだけど。そもそもどこから上がればいいのかも謎。でもこういうときは、まわりの方がよく知っているのでついて行くのが近道。

 

ああ、ゆっくり見られたら楽しそうだな。

 

1937年 死んだ子供を持つ母親(I)「ゲルニカ」あとがき

 

1937年 ハンカチで泣く女の頭部(I)「ゲルニカ」あとがき

抽象画って不可解だよね。3次元を2次元にしてと言うんだろうか、横顔も正面も立体的にじゃなくて平面に同時に描いちゃうから、こうなると聞いた覚えがるんだけど。

 

う、うわ。近い。一応ここまでってロープだったか張ってあったのだけど、すごく近くまで行けるのね。つい最近まで撮影禁止だったというピカソの代表作、ゲルニカ

 

1937年にパリ万国博覧会のスペイン館に出品するために生まれた縦349.3 x 横776.6 cmという巨大な作品。何しろ作品が大き過ぎて1枚では撮り切れない。

 

正面からでは到底人の頭が入って無理なので、端から攻めてみる。

 

これで一応全部入ったけど、これではわからない・・・

 

じっと見る。ただ、見る。

 

ほとんどの人が言葉を発することなく、ただ立っている。

 

ちょうど描かれた時代は、ドイツがヒトラー政権でスペイン内戦が起きていた時期。

 

ゲルニカの前での滞在時間は、わずか数分。

 

1929年 ダリの作品。作品名は伏字でお願いしますっていうものでした(汗

 

夜の街を散歩したいぐらいだったんだけど、相棒はそんな気分ではないだろうし。ブルーに光るのはたぶん、トロピカル・デ・アトーチャ庭園だったと思うのだけど。まだまだマドリードには見どころがたくさん。

 

オランダでハーグに泊まったとき、レンブラントフェルメール真珠の耳飾りの少女も見ずに帰ったことをとても後悔していたから、とにもかくにも今回は見られてよかったよ。

 

【スペイン】首都マドリード 5つ星ホテル「Hotel Villa Real」宿泊記

2024年(令和6年)1月3-4日(水-木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は世界遺産セゴビア旧市街でのランチで名物の仔豚の丸焼きをいただいた話を書きました。

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マドリードーチャマルティン駅へ戻ってきました。ホテルを移動する前に、スーパーでワインを調達。スペインは本当にワインが安く、2EUR(320円)なんていうのもふつうにあるの。日本でも500円以下の料理酒のようなワインもあるから、飲むにはどうかなとは思うのだけど。

 

トマトの種類の多さには本当に驚いたな。

 

りんごも種類が多いけど、どこが産地なんだろう。やっぱり冷涼な北部だよね。あとはユーロ圏だから他国からも入ってくるかな。

 

ルクセンブルクでも南国フルーツが揃っていたし、食文化の充実した国らしいスーパーマーケットでした。

 

魚介をよく食べるのも日本と通じるところがあるかな。右手前は海外でいつもハズレを引いてしまう私の天敵、BACALAO=鱈!!!そのうしろはアンコウだと思うのだけど、これも食べるのか。

 

ムール貝イカ。日本人と食文化は割と共通していると私は思います。だからこそ、クエンカのパラドールで食べられないものが出てくるとは想像だにしなかったのよ。

 

さて。ホテルで荷物を引き取ったあと、地下鉄に乗るのが正解でした。でも、空港へ行くときに空港バスか国鉄かを決めきれていなかったのと、クエンカから戻ってきたときに無料で乗り継げたので国鉄で次のホテルへ向かうことにしました。これが失敗。

 

クエンカは中距離か長距離の部類になるのでしょう。それに比べ、特急といっても30分足らずのセゴビアは近郊列車の括りになるのか無料にはなりませんでした。前回降りたと同じRecoletos駅で改札が開きません。外に警察官か警備員がいたので助けを求めると、端にあるインターホンを押して話すと良いと教えてくれました。地下鉄なら10回券が残っていたのに、この窓口で2.2EUR(351円)払うことに。これがここでの2度目のトラブル。でも、こんなのはたいした話ではありません。

 

駅からプラド通りを南下してシベーレス広場まで来ました。出発日のフライトが早朝で、空港バスの始発がこの広場にあるバスターミナルだったので、下見をしたかったのです。バス停はいくつもありましたが、空港行きはたぶん北西の角。

 

この立派な建物は1917年完成したコムニカシオネス宮殿と呼ばれる旧中央郵便電話局で、今はマドリード市庁舎となっています。1777-1782年にかけて作られたシベーレス噴水も見えているんだけど、はっきりしないのが残念。プラド通りとそれに沿って建つプラド美術館やレティ―ロ公園などを含めて世界遺産に認定されているのにな。歴史、自然、芸術を調和させた計画都市という点で評価されたのだそう。

 

駅からホテルへは18分と書いてありましたが思った以上に遠く、相棒がすっかり不機嫌になってしまったのが誤算。地下鉄でも最寄駅が3駅あるのに、どれも6,7分はかかるという中途半端な場所。今回はこちらも5つ星のHotel Villa Realを予約しています。ざっくり言うと中心部のSol駅の隣駅付近。

 

クラシカルなホテルですが、その分、全体的に暗め。

 

部屋も暗め。そして部屋には段差があるの。これが難点で。

 

上段はベッドルーム。

 

下段がリビングルーム

 

サイドテーブルにはコーヒーの用意。センターテーブルはガラス製。

 

とにかく暗いの。つるつるの光沢ある独特の鏡面仕上げの家具って、なんて言うんだっけな。全然好みのインテリアじゃない。

 

ほら、あのクローゼットの鏡面がすべてに通じているの。薄暗い部屋でつるつるで、冷たい感じ。しかも寒い中を長々歩いてきて相棒も不機嫌だし、部屋に入ればもっとテンションが下がるしで、最悪。

 

たぶん、クローゼットはここだけだったんだと思う。スリッパはなかなか良質でした。

 

冷蔵庫においてはどこにあった顔記憶なし。金庫があるならクローゼットの中だったのかな。ドアのそばだったかも。スペインではどこもドリンクが入っていました。

 

洗面所はツインボウルなのはいいんだけど、ビデがそばにあるのでふたつあっても立てないという謎。

 

ほら、これね。立つほどの空間なし。しかもこのトイレットペーパーの位置も大弱り。

 

それでもツインボウルの色が違うということは、お手入れをして取り換えているのでしょう。

 

アメニティは、ネイルケア・シューミット・シャワーキャップ・バスソルト・バニティセット(開けていないが綿棒とコットン?)・ボディローション。

 

シャワーヘッドは可動式で問題なし。

 

翌朝の朝食も続けます。

2泊朝食付きでしたが、2日目は早朝発なので食べられず。でも朝食をつけたほうが安いという奇妙な料金設定があったのでそちらで予約。それでも65,320円という今回の最高値でしたが、マドリードの中心部だから仕方がないよね。

 

朝食会場は7時半からだったと記憶しています。一番客でした。平日なのにほんとみんな遅い。

 

鏡張りなので奥行きのある雰囲気に仕上がったレストラン。お好きにどうぞという雰囲気ではありません。

 

なるほど、ここはハーフビュッフェなのね。今回はクエンカのパラドールもこのスタイルでした。

 

ハムやチーズなど、ヨーロッパお決まりの品揃え。違いは種類ぐらいね。

 

野菜やフルーツもあるのは高ポイント。でも、私たちしかいないので、視線が注がれていてなんだか取りにくい。

 

スイーツもあったのに行き着かなかったのには理由がある・・・

 

これです。オーダー式のメニュー。

 

相棒が頼んだオムレツは良かったの。

 

私の頼んだポーチドエッグが大問題。だってこの量なんだもの。卵はふたつ来るかもという予感はあったんです。いつもそうだから。確認すればよかったのに、再度のベーコンなども付けてくれたので、これをこなすのに精一杯。

 

ただし、良かったのはCAVAがあったこと。注ぎに来てくれるので2杯のみにしたけれど、それでなんとか食べ切れたよ。翌朝も食べられなかったのは残念でした。BOXを聞いてみるべきだったかなと思います。ただこのホテルのフロントがいまひとつだったのもあって、尋ねる気になれませんでした。前泊を思うと残念な2日間だったかな。

jp.hotels.com

 

【スペイン】世界遺産セゴビア旧市街「Asador David Guijarro」で名物仔豚の丸焼き

2024年(令和6年)1月3日(水)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は世界遺産セゴビア旧都市の構成要素のひとつ、約2千年前に建てられたローマ水道橋をご紹介しました。

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セゴビアでの最後はランチ。レストランの予約は13時半です。開店時刻がその時間でした。セゴビア大聖堂へ行く道すがらに位置しているのは確認済み。

 

階段下に赤い庇が見えますが、そこがお店。メイン通りから階段を下ります。

 

パッと見ると住宅地で、きちんとチェックして行かないとレストランの存在には気づきにくい。もはやGoogleMapは必須です。

 

オンライン予約をして行ったのですが、はじめは満員だから13時半しか予約できないと思っていたのです。でも、何度通っても人の気配がなかったので少なくともこの日は13時半が開店時刻。

 

セゴビアの名物、仔豚の丸焼きが評判だというAsador David Guijarroです。

 

13時半になる少し前に覗くと、すでに数組が来店していました。

 

地下の席へ案内されます。今回はメニューも事前にGETして翻訳し、準備万端。

 

ランチメニューは一択。前菜、メイン、デザートの構成で29.9EUR(4,800円)。ボトルワインがついていると書かれていたので高くありません(飲み物は水のみの24.9EURもあり)

 

右奥の壁に建物の写真があるところがトイレ。

 

食事の前のご紹介でごめんなさい。あとで入ったけど今回の旅行で便座なしのトイレはありませんでした。

 

まずパンとミネラルウォーターが運ばれ、メニューからそれぞれチョイス。

 

メニューは季節によって変わるのか、今のものは違っていました。英語訳で載せておきます。

 

というのは、日本語訳にするとめちゃ変なの。喫煙者からってなに?スペイン語では「De Nuestro Ahumador」と書かれていたけど、それもよくわかりませんでした。燻製かと想像したんだけど、でもハンバーガーだしなぁ、と。

 

現メニューの豆のスープやポーチドエッグは、画像でも紹介されているので定番なのでしょう。当時は「Empanadilla de rabo de toro y chipotles con arena de mantequilla」というメニューがありました。翻訳によると「牛テールとチポトレのパイ バターサンド添え」でアンダルシアの郷土料理ラボ・デ・トロのパイ包みだろうと想像します。出てきたときには自分が何を頼んだかも記憶から抜け落ちていましたが、揚げ餃子みたいなものでした。油がいまひとつなのか3個も出てくると多過ぎだったことは覚えています。

 

相棒はおそらく「Ensalada templada de gambones y vieiras maceradas en anchote pan de arroz」と書かれていたものぐらいしか、該当する食材がありません。海老の入った生春巻きのようなものでした。こちらはアジアンテイストであっさりしていたのでOK。食器は蒸し器のように蒸気が出てくるようになっていて、真ん中のたれをつけて食べるスタイルだったと思います。

 

で、メインはこれがセゴビア名物の仔豚の丸焼きCochinillo asado(コチニージョ)。コチニージョを名乗るには、セゴビア産の生後3週間までの乳飲み仔豚で、体重4.5-6.5kgなどの厳格な決まりがあります。もし、それを感じながら食べていたら、なんとなくちょっとつらかったかも。柔らかくてジューシー、そしてこの量にしてボリューミーです。

 

もうひとつはたぶん、牛肉だったと思います。でもあんまり覚えてないの。というのは、他にはボトルワインが配られているのに、私たちだけグラスワインだったんです。言えば注いでくれたんだけど、それじゃペースを掴めないよね。ムッときてしまって楽しめませんでした。右手前に空のボウルがあるけどコチニージョについていたのかな、サラダも忘れられていたし。

 

デザートはこれも名物のPonche(ポンチェ)。シロップを含ませた生地にカスタードを挟んだセゴビア伝統のお菓子。

 

相棒はアップルパイにしていました。カスタードを挟んであって、ポンチェと似ているけどこっちもとても美味しかったです。甘みも抑えめ。

 

コーヒーは別料金2.2EUR。わからずにハイって言っちゃったパターン(恥

でもねぇ。私、ちょっぴり仕返ししてきました。実はルクセンブルクのホテルで50EUR紙幣100EUR紙幣は受け付けないとフロントに書いてあることを思い出していました。でも手元には、4年前娘が海外旅行から帰ってきた先輩にユーロ紙幣を両替してほしいと依頼されたときの高額紙幣があったのです。当時のレート1EUR=121円162円にもなっている今回使うべきだけど、使えるところがないなんて。でも合計62EURに対してだったら出してもいいよね、ここで出しちゃえ。

 

実際、このお店でも断られたんだけど、カードは持ってないと言って突っぱねました。スペイン語も英語も通じないし何を言っても無駄だと思ったんでしょう、たぶん、近くの銀行に走って行って確認したと思う。それぐらいは待たされました。斯くして、100EUR紙幣は手元を離れ、10,000円の食事代は7,500円換算となりました~

 

バス停から見るローマ水道橋。念願だったセゴビアに来られて満足です。もっとゆっくり街歩きもしたかったな。1泊ずつスーツケースを引いての移動を相棒は嫌うので断念しましたが、やっぱりセゴビアもお泊まり推奨です。

 

バスにも仔豚の丸焼きの宣伝が載っていました。食べさせる店はあちこちにあるようだけど、有名店はMesón de Cándido(メソン・デ・カンディド)。ここはコチニージョの柔らかさを証明するために、テーブルで切り分けるというパフォーマンスをするらしいです。

 

場所はここ。誰しもがそばを通る絶好の位置にあります。

 

鉄道駅までバスで20分2EUR。途中でコロッセオのような円形の建物を見かけました。慌てて撮ったけどちょっと遅かったです。19世紀初めに建てられたセゴビア闘牛場で、今も毎年6月末のお祭りのときに使われているようです。

 

Segovia Guiomar駅到着です。駅のまわりは笑えるほどなんにもない場所。

 

だってほら、隣は放牧地なんだもの。クエンカもそうだったけど、長距離列車の駅周辺が発展しないってことは、地元民は鉄道に縁がないってことなのかな。

 

元日でなければちゃんとタクシーも常駐しているようだし、バスに乗り遅れても荷物が多くても心配なし。

 

駅ではやっぱり手荷物検査があります。でも、乗客もそこまで多くないのでスムーズ。

 

15:57発でマドリードへ戻ります。

 

途中停車駅もなく30分足らず。旧市街まではバスに乗り換えるというのがネックだったけど、バスはピーク時には1時間3本出ているし早朝から夜遅くまで走っているので、ハードルは低いと思います。

 

これでマドリード・チャマルティン駅を拠点にするエクスカーションは終わり。まだマドリード滞在は続きますが、ホテルは中心部へ移ります。

 

【スペイン】世界遺産セゴビア旧市街 約2千年前建築「ローマ水道橋」

2024年(令和6年)1月3日(水)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は世界遺産セゴビア旧都市の構成要素のひとつ、ディズニー映画白雪姫のお城のモデルとしても知られているアルカサルについて書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

前回5年前のスペイン旅行でサン・セバスチャンからの帰路、セゴビアローマ水道橋に寄るかどうかとても迷っていました。でも、鉄道駅からバスに乗り換える必要があったので、断念したという経緯があります。満を持してのスペイン再訪、絶対に外せなかった場所です。ほとんどが橋の画像で終始するのであしからず(笑

バスを降り、念願のローマ水道橋を間近に見た感想は「意外と華奢」でした。このときは雨も降っていたので、素通りしてセゴビア大聖堂とアルカサルの見学に急いでいます。

 

そしてアルカサルの見学を終え、素通りしたローマ水道橋へ戻ります。スペインの建物はどこでも茶系。西欧の中でもイスラム色が色濃く異色です。

 

ここは回廊の扉と呼ばれ、旧大聖堂の門があった場所です。アーチの上にはキリストの横たわった体を抱きかかえる聖母ピエタの小さな彫刻が置かれています。

 

アーチから向こうにアルカサルの塔が見えます。

 

スペインの司教、十字架の聖ヨハネ像。後ろの建物の漆喰壁が美しい。

 

50m以上の高さを誇る鐘楼を持つサン・エステバン教会

 

広場ではストリートパフォーマンスが披露されていました。これがスゴイの。バイオリンを弾く指まで1本ずつ動かし、表情も豊か。素晴らしい演奏でチップを集めていました。

 

さて、ローマ水道橋まで戻ってきました。観光客が集まるPlaza del Azoguejo(アソゲホ広場)です。画像は前後しますが、まずは正面の階段を上って上からの水道橋を眺めに行きます。階段の左隣は観光案内所。

 

紀元前80年にセゴビアを制圧したローマ帝国は都市開発に着手し、その一環で作られたのがこの水道橋。ローマのコロッセオより少し後にできたと推測されています。恐るべき建築技術。

 

まずは中段からの長め。橋の先が坂になっているので橋脚の高さも違っているのがわかります。

 

上部まで上がってきました。石畳なので、雨のあとは滑りやすいので注意。

 

バス停のある東側からの眺め。水源のグアダラマ山脈の方角です。向かい側に見える階段へもあとで上がります。

 

さらに城壁を上がります。

 

もうちょっとで水道橋の水路が見えそうな位置。思い返してみると、この後方にももう少し水路が続いているので、気をつけていれば見えたのかも。

 

バス停のある広場が見えます。ちょうど帰りのバス停に青いバスが停まっているのが見えます。

 

階段を降りてきました。17km先のフリオ川から水を引き、ここが市街地への最終地点のようです。

 

城壁側と反対へ上がります。こちらはなだらかな階段。

 

石材は5kmほど離れたところで産出する花崗岩が用いられ、およそ2万個の石がモルタルなどの接着剤なしに積まれているのだそうです。そして、石の表面に残った窪みなどから簡単なクレーンも使われたと推測されています。

 

120本以上ある柱に支えられ、全部で166本(167本の表記のところもあり)のアーチで構成されていますが、徐々にアーチの高さが変わっています。

 

勾配1%で水を流す設計だったそう。レコンキスタで敗れ、セゴビアを撤退することになったイスラム勢力がこの橋の重要部であるアーチ35個を破壊したため使用不能になっていましたが、のちにイザベラ1世が修復を指示し、その後19世紀まで使用されていました。

 

アルカサルはエレスマ川とクラモレス川の合流地点に建っているので、水には困らなかったのでは?と思うのですが、セゴビア旧市街は急峻な崖の上に立っているので、当時はポンプなどで水を汲み上げる技術がなかったので、町と同じ高さの導水路を給水源から通すほかなかったということなのでしょうか。

 

展望だからこちら側までの直線で300mもの長さがあります。圧倒されるというよりは、逆にこの細さで2000年もの年月、崩れ落ちることがなかったの?という気がしませんか?

 

実はこのローマ水道橋は直線で終わりませんでした。曲がった先にまだ続くのです。

 

ガイドさんに解説を受けているらしいグループがいました。この人たちの背と比べると二重アーチの最後がいかに低くなっているかがわかると思います。

 

こちらは市民のための水汲み場かしら?などと想像しましたが、あれこれ調べても出てこないということは、ローマ水道橋とは無関係かも。

 

曲がった先に続くローマ水道橋。この先はすべて一重アーチですが、むしろこちらの方が長く、この先700m向こうまで続きます。時間があれば、そちらをスタート地点として歩いてきたら、到着したときに感慨深いんじゃないかな。

 

アソゲホ広場へ戻ります。東側は緩やかな階段でしたが、西側は車道なのでベビーカーでもOK。

 

水道橋がもっとも高いのがアソゲホ広場の位置で28.1mあります。

 

水道橋が曲がる位置と比べると、その高さの違いがよく分かります。上段がすべて同じ高さとすれば、下段は4つの区切りがある柱になっています。これを目安に見ると高低差がわかりやすい。

 

西側の下に十字架が置かれています。そしてその上段にスペイン国旗色が見えます。

 

国旗ではないのですが、スペイン色の布にくるまれた聖母マリア像が納められていました。ちょうどここだけ下段のアーチ上部も太くなっているのでそれが目印です。

 

ランチの予約があったので、少し駆け足の見学でした。セゴビアの名物は豚の丸焼きらしい。観光地でレストランに入ろうとすると満席だったり並ぶことが多いので、珍しく予約して行っています。次回はその話を。