冷たく降ろされた終点のチェスキー・クロムロフのバス停、朝10時。
空は快晴ですが、寒いのなんのって地面から冷気がブーツを突き刺すよう。
もちろん、足裏にはカイロ。
なにより顔が凍りそう。
少しでも空気が動くと、表情そのままで固まりそうな感じです。
凍った左側の道を歩いていきます(涙
この坂に続きます。
寒さも吹き飛ぶ景色ですよね。でも、ちなみに川は凍っています。
じっと写真を撮っていると寒いので、どんどん歩くに限ります。
橋を渡ると中心部へ入ります。
右側の建物は地域博物館なのですが、この隣の公園もビュースポット。
さっきより近づいたのがわかりますよね。
屋根にはうっすら雪が積もっていますが、道路に積雪は見られませんでした。
バス停は日当たりが悪かったので特別ですね。
チェスキー・クロムロフの町はこんなふうになっています。
お城を建てるには理想的な地形ですよね。
攻め入るには、最初に渡った橋を通るしかありません。
ちなみにこの川、ヴルタヴァ川(=モルダウ川)なんです。
バスで3時間離れたこの地とプラハとを繋いでいるなんて。
さすがはチェコ国内最長の川ですね。
途中、聖ヴィート教会はミサの最中だったのであとにして、
スヴォルノステイ広場を通り、ランチの場所を確認することにしました。
小さな広場ですが町の中心部。
朝食がクッキーと果物だったので、開店したら即ランチにしようと決めていました。
ガイドブックからふたつピックアップし、店の前までメニューを確認し、そのうちのひとつに満場一致で決めました。
ジビエ料理がウリのその店で、食べたいものもばっちり決定。
現金のない私たち、カード払いができるかもしっかりチェック。
さぁ、あとは30分ほど時間を潰し、店へ行けばいいだけです。
その間、昔のお店の博物館を見学しました。
ふつうのお店の奥が博物館になっていて、見学自由です。
ここはなかなか面白かったです。
さぁ、時間!待ちに待った食事!
・・・のはずが。
開店時刻の11時、目当ての店へ到着しました。
私たちの横をすり抜けてお店の人が入っていきますが、なんの声もかけてくれません。
中を覗いてみると、まだ掃除中で、こちらへ一瞥もくれません。
さらへ娘が奥へ進んで聞いてみると・・・冷たくひとこと。
今日は予約で満席
がーん・・・
もうひとつのお店へ行ってみると、そこも同じくリザーブの札がかかっていました。
元日ってこうなのか(涙
どこへいっても、どこへいってもダメで、いけたとしても現金のみでカード払いができません。私たちの所持金は400CZK(1,800円)ぽっちり。
どーいたしましょー
地域博物館あたりまで戻ればATMがあったので、現金を調達すべきか。
でも、最低出金額は5,000CZK(22,870円) 。
このあとはプラハ空港近くのホテルへ泊まるのみ。使えっこない。使いたくないっ
いくらなんでも、どこもかしこもカード払い不可というわけではないだろうから、もう少し探してみるのが最善ですが、
お腹がすくと機嫌の悪くなる相棒
しかも、残り時間は3時間
しかも、クロムロフ城へはまだ行っていない
チェスキー・クロムロフまでやってきて、食事場所を探しまわった挙句に、
クロムロフ城を見学せずに終えたら、なんのために来たのやら。
でも、スヴォルノステイ広場周辺のレストランも軒並み閉まっているか、現金。
あっちの路地を走っても、こっちの路地を走ってもダメ。
元日でもお店は開いていると安心していた私たちも、なにやらだまされた気分。
ここだってレストランなんです。でも、現金しかダメ。どこへ行ってもダメ。
クロムロフ城へ行く途中の橋のそばのホテルで、ようやくカード払いできるレストランを見つけました。
ただし、中国人向けとおぼしき店(表記が中国語)。
でも、とりあえず見つかったことに安堵。これで食べ損ねることはなさそう。
橋の上からクロムロフ城をパチリ。
お城はずーっと続いていて、左に見える白い建物(実は屋根付の橋)まで行けます。
ここから先、強硬手段に出ました。
さらに他に店はないかと言いつつそのまま進み、そのままクロムロフ城見学に突入。
とりあえず、お城は必見ですもんっ
しかも、朝ご飯をまともに食べていないとはいえ、まだ11時半にもなってない。
のんびりしているとランチ時刻になって混むだろうという相棒の意見ももっともだけど、クロムロフ城を見損ねるのは困るっ
見学は走るように終えましたよ。
相棒はあくまでも食事が優先だし、元日は塔へも登れないので、まぁこんなもんでしょ。
クロムロフ城入口には熊がお出迎え。
クロムロフ城入口。
有名なだまし絵。えぇ。壁はレンガ造りではなくそれっぽく描いてあるだけです。
プラハにも多くありましたが、立体的に見える外壁装飾です。
奥の屋根付き橋(上の写真のお城に続く左側の白い建物に見えるところ)も観光客が多くて先へ進めないほどの大混雑。
橋から見えるモルダウ川は凍っていました。
逆光ですが本当に美しい景色でした。
私、このあと走って戻りました。さっきの中国語表記のお店、私は嫌だったんです。
だって、せっかくチェコへやってきて中華料理を食べるなんて、私でなくても避けたいと思いますよね?
まだまだ通っていない路地を相棒がやってくる前にリサーチしたい。
食事って外れたときほど悔しいことはないんです。
お腹いっぱいで食べ直すわけにもいかないし、なのにお支払いもしなくちゃいけないし。
だから、走る走る。
それでもまだ、だまし絵を撮ってマス。
あれもこれも全部描かれたものですが、重厚そうに見えますよね。
で、気になっていたレストランがここ。
あの階段を上ったら、何かあるんじゃないかというような雰囲気の階段があって、そこをちょっと上ってみたその途中のお店。
なんか良さそうでしょ?
少なくとも、世界遺産の町で中華料理っていう事態は避けられる。
【SVEJK RESTAURANT CESKY KRUMLOV】
カード払いもばっちりOK。Trip Advisorのステッカーも見えます。
追いついてきた相棒にに、どう?ここ?と威張って案内してみました。
ところが、一歩入って見ると、 すんごいカジュアルなんです。
しかも、ここはアメリカか!というようなドリンクカウンターもあって、すごく軽いノリの店。
メニューもわずか。
数か国語で書かれているので、ひとつがとても長いんですよ。
でも、空白から空白まででひとつのメニュー。
スープは2種類で、その続きからメインの3種類。
右のページに移ってさらに5種類あって、それですべて。
おねーさんたちも若くて、あなたが料理するわけ?って考えると、まったくもって絶望的な雰囲気。どう見ても、ウサギだの仔牛だのを捌けるようにはとても思えないんだもの。
口には決して出せませんが、あっちの店のほうが良かったのかもしれないと後悔。
聞いてみると、表記が中国語名だけで料理はこっちの料理だったみたいで。
だいたい諦めの悪い私は、まったく気分ダダ下がり。
そして、ながーいながーい時間、待たされたあとに運ばれてきました。
本日のスープ
ウサギとマッシュポテト
クセがなくてマッシュポテトとの相性も抜群
仔牛の脚のロースト
これがもう、ほんとにとーっても美味しかったんです。
特に仔牛のソースがホースラディッシュだったのですが、そのピリッとした感じも良かったし、バゲットもあまりものをまとめてかためて焼いたような風貌ですが、あいだにハーブ系のソースが入っていたようで、美味しいのなんのって。
ビールを頼んで、計553CZK(2,560円)という安さにもまたびっくり。
食事を終えるとバスの発車時刻まで、残りあと1時間ほどになりました。