今回の旅行でオタワを最後に持ってきたのは、リドー運河が目的だったからです。
リドー運河はオタワからオンタリオ湖湖畔のキングストン間を結ぶ運河で、米英戦争のあとイギリスの植民地であったカナダが、アメリカからの攻撃に備え1826~1832年にかけて建設しています。
下の地図で見るとわかるように、オンタリオ湖からモントリオール方向にセント・ローレンス川が流れていますが、アメリカとの国境のそこが封鎖され、物資の輸送ができなくなることが懸念されたからです。
このサイズではどこを通っているか見えませんが、オレンジで囲ったあるところが途中の主要な都市です。
シーズンに入ると5~6日かけてオタワ~キングストン間をクルーズできるプランがあり、それに乗りたいとずっと憧れていました。航空券を取った去年の10月時点では、今年のシーズンがいつから始まるかわからなかったのですが、全行程乗れなくてもどこかでクルーズできるのではないかと、ちょっとでも遅い日程を組んだのです。
リドー運河周辺の主なクルーズ
- オタワ~キングストン 5~6日のクルーズのほか、都市間を結ぶクルーズ
- オタワ リドー運河、オタワ川のクルーズ
- キングストン・ガナノーク・ブロックビル サウザンド・アイランズクルーズ
リドー運河からは外れますが、ブルーで囲ったセント・ローレンス川沿いのふたつの都市ガナノーク(ガナノクエ)とブロックビル、そしてキングストンでは、美しい無数の島を縫って走るそれはそれは魅力的なクルーズがあります。
リドー運河のクルーズには、どれもスタートに1週間早かったのですが、唯一ガナノーク(ガナノクエ)だけがちょうど開始していました。でも、オタワからは本数の少ないVIA鉄道に乗り、さらに最寄駅からのアクセスも悪いうえに天候の予測もつかない。やむなく断念しましたが、この魅力的なクルーズ、ぜひ一目HPで見てください。きっとその魅力に釘付けになるはずです。
あぁ・・・夏に再訪しようかと思うぐらいだわ・・・
リドー運河やサウザンド・アイランドクルーズを諦めた私に、さらなる追い打ちをかけたのがCanadian Tulip Festival。1週間ほど早いのは分かっていましたが、それぐらいなら少しはチューリップの気配も見られると思っていました。
1953年から開催されているこのイベントは、オタワ市の4ケ所会場を中心に合計100万株以上の色とりどりのチューリップが咲き誇り、毎年65万人以上が訪れると言われています。
なぜ、オタワでチューリップなのか?
第2次世界大戦中、当時イギリスの自治領だったカナダにオランダ王女が亡命していました。妊娠中だったこの女王が出産することになったのですが「王位継承権はオランダ国内で産まれた者にのみ与える」という法律があったので、カナダ政府が王女の入院していた病室を一時的にオランダ領とする特別措置を取ったのだそうです。戦後、オランダ政府はこの措置への感謝として10万株のチューリップの球根を贈ったほか、翌年以降も友好の証として毎年1万株の球根を贈ることになったというのが、このイベントの始まりです。
とにかく、まず朝ご飯。品数はこのとおり少ない。トーストとクロワッサン、フルーツが少しとジュース、ヨーグルト。
ホットミールは紙に包まれている左端がマフィン、あとはベジタブルタルトとポテト、ベーコンです。
このマフィンが、とても美味しい。
早速、オタワの散策に繰り出したいところなのですが、あいにくの雨。でも、当初はほとんどの場所が雨天の予報だったので、まだマシだったかな。
バイワードマーケットを抜けて大通りから橋を渡ると、おお~?!これがリドー運河?
冬には凍りついて、全長7.8kmの天然スケートリンクになるというギネス黒くを持つ運河ですが、憧れてきた割にお天気のせい?これだけのために来たのか?と、ちょっとがっかり。
すぐそこに見えている国会議事堂に向かっていくと、なにやら記念碑。
国立戦争記念碑で、四方にカナダ軍が参戦した戦争の日付が入っており、両脇には兵士が警備に立っています。
右にちらりと見えるのはフェアモント・ホテル。ガイドブックでリドー運河を見たとき、必ず写り込んでいるホテルです。
フェアモントホテルがあるということは、その下に運河があるはずです。でも、あんまりよくわかってなくて、国会議事堂を目指して先へ進んでしまいました。
国会議事堂も見学ができるはず。観光案内所で整理券をもらえばいいのですが、今日はとりあえずパス。
国会議事堂の右には上院本会議場。
左には下院本議会場。
そして、5~8月の水曜日は国会議事堂前のこの広場でヨガクラスがあります。どっちみちクルーズがダメだったんなら、日程を調整しておけば出られたんだよなぁ~ 残念。
連邦裁判所はすっきり近代的。
このあたりは金融街。オフィスは、映画で観るとおりひとりずつのブースになっています。こんなところで仕事してみたいわ。
ダウンタウンのアパートメントにも注目。
なんとなく、殺風景?
このあたりになるとちょっといい感じ?
こちらは賃貸募集中でした。高いだろうな~
ぐるりと戻ってくると、リドー運河沿いにも政府系建物がありました。
これはオタワ裁判所なのですが、呑気に写真を撮っている自分が恨めしい。
今になってホテルでもらった説明書の裏を読んでみると、To do in Ottawaの欄に驚愕の発見。
まさに私が滞在していた期間、この裁判所の裏にあるオタワ市庁舎でプティンフェスティバルが開催されていたと書かれているではないですか!
プティンといればあれですね、ケベックシティで食べたカナダ人のソウルフード。これが各種出展されていて、ビールなんかも飲めたみたい。そんな賑わいがあったようには、まーったく見えなかったけどな~
裁判所を過ぎて通ったコンフェデレーション公園で、来週だったらチューリップが咲いていたはずだとぼやいていたのだけど、もっとぼやくことがここにあったとは。
コンフェデレーションには、戦争に駆り出された動物たちの像もありました。
コンフェデレーション公園を出たところから撮ったリドー運河です。こちらがオンタリオ湖へ続く側。
オタワ川に注ぐのはこちら。このあたりは翌週末にはクルーズ船の発着場所になるはずですが、このときは、まったくその気配もない・・・
はじめに写真を撮ったのは、向こうに見える橋の上からで、右奥にはフェアモントホテルが見えています。そちらへ向かいましょう。
なんのことはない。橋の向こう側を歩いていれば、私が思い描いていたリドー運河はそこにあったのです。水はないけど、これだよ、これ~
傍まで降りてみます。右にちらちら見えているのはフェアモントホテル。まさに隣接しています。
この水門をいくつも水で満たし、運河に船を運び入れるんですね。
水門ひとつずつに開閉装置がつけられています。
手作業で水門を開閉するところ、見たかったな~ あと1週間だったのにな~
下の水門を水で満たして船を上にあげ、また水を満たして次へあげていく仕組みが、なーんとなく見てとれますよね。
水門が階段状になっているのが下から見るとわかりやすいですね。そして、フェアモントホテルの存在感もばっちり。
オタワ川に一番近いところから撮るとこんな感じ。
右に見えているのは、バイタウン博物館。運河建設にまつわる資料や、オタワ市の歴史に関する記録文書などが展示されているのですが、開館していませんでした。かつて倉庫そして使われていた、オタワで最も古い石造りの建造物です。
オタワ川から橋を渡った対岸はケベック州です。手前の小高い丘はネピアン・ポイント。見えている像は、翌日に見に行きます。
オタワ川沿いに遊歩道があります。ちょうど国会議事堂裏。ケベックシティと同じくすごい高低差があります。
フェアモントホテル側を歩いていたら行き止まりになっちゃったので、水門の上を渡りました。通れるようになっているのも優秀。
午前中の散策はこれでおしまい。雨も上がって、午後からは天気も回復しそうな雰囲気でした。