英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【イタリア】3日目-4 マテーラの洞窟住居を臨むムルジャ公園展望台

 
アルベロベッロからマテーラへは、珍しくタクシーを使っています。
前に書いたとおり、この移動は列車移動するとバーリを経由して約5時間かかります。
  
イタリア旅行を個人手配で考えたことのある方なら、必ず一度はアーモイタリアのサイトに行きついているだろうと思います。
ここからアルベロベッロ⇒ マテーラ」 のタクシーを予約しました。
 
今はアルベロベッロ ⇒ マテーラ」「マテーラ ⇒ アルベロベッロ のどちらも100EUR(13,800円)で出てきますが、私が予約したときはなぜかアルベロベッロ発だけ90EUR(12,420円)になっていました。
 
それを狙ったわけではないのですが、こにゃくうさんのブログ にあったムルジャ公園展望台からの景色はどうしても見たい。マテーラのサッシと呼ばれる洞窟群を、対岸から見ることのできる展望台です。
 
その半面、amalfiさんのブログによると大雪だったマテーラは歩くのも困難だったよう。果たして真冬に行けるのかどうかわからなくてなかなかまで決断できなかったのですが、ムルジャ公園展望台へ寄っても撮影ストップ時間15分で+10EUR。これは行かない手はありません。
 
お迎えに来てくれたドライバーのコシモさんは、HPにも載っていますね。
コシモさんは、英語がほとんどわからないようでした。
だから、私のように話せなくても、かえって同じレベルで気楽。
それぞれ気ままに車に乗っていればOKです。
 
マテーラに近づくにつれ、風景に石灰岩が増えてきます。
マテーラのあるグラヴィーナ渓谷は、石灰岩の浸食により形成され、サッシ(石・岩を意味するサッソの複数形)が何層にも重なっています。
 
展望台までの道は、思ったよりも多くの車が行き交っていました。
大型のバスが通るたびに、道を空けなければ進めません。 
 
そうして到着したムルジャ公園展望台からの、世界遺産マテーラの洞窟住居です。

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おお~ これか~ これでしたか~
グラヴィーナ川を隔て、浸食された対岸に洞窟住居群が見えます。
 
やってきたのはあちら側の方角。
道中でやたら見えた風力発電が遠くに見渡せます。

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旧石器時代の化石も残っていることから、かなり昔から人々が住んでいたと言われるマテーラの洞窟。8世紀から13世紀には、当方からイスラム勢力を逃れた修行僧が住みつき、130以上の洞窟住居が構えられたと言われています。
 
15世紀から16世紀はオスマン帝国から追われたアルバニア人セルビア人が移住。
バジリカータ州の州都となって栄えた時期があったものの、やがて州都が移転してからは衰退し、長らく貧しい小作農民の住居となっていました。
 
衛生状態も悪かったので、乳児の死亡率も50%。南イタリアの貧しさの象徴と言われ、政府も放置できなくなり、集合住宅を作って強制移住させたそうです。
 
右奥に見える団地が、そんな一部となったんでしょうか。

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強制移住させられた住人は15,000人に上ると言われていますが、無人化したあとの150以上の石窟聖堂や3,000戸ほどの洞穴住居、地下水路で各戸の貯水槽に上水を供給するシステムなど、ユニークな文化的資産が見直され、1993年にユネスコ世界文化遺産に指定されました。
今では洞窟住居の1/5ほどが宿泊施設やレストランなどに再利用されています。
 
下には徒歩で行けそうな道もありますが、川はどうやって渡るんだろうなぁ。
岩場にも洞窟が開いているのが見えます。

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隣の岩場を眺めてみると、なるほど柔らかそう。
石器時代から、多くの人たちが住んできた歴史がある洞窟住居。
いくら見ても見飽きません。

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これらがすべて廃墟だったなんて。
独特の雰囲気ある「町」ではなく、一度は誰もいなくなり「廃墟」だったこのマテーラ。

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コシモさんは、ここでドライバーを交代すると言っていました。
そろそろ行かねばなりません。 
 
16時。夕日が眩しいムルジャ公園展望台とお別れです。

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展望台を下りてすぐに空き地でドライバーが交代し、女性に引き継ぎました。
あちらの車にも日本人が乗っていたので、これから長距離移動でしょうか。
私は夏前には打診して10月には確定させましたが、このころには年末年始の問い合わせが多く入っていると聞きました。冬とはいえ休暇なので、書き入れ時なのでしょう。
 
マテーラの洞窟住居を横目に、ハイ、ここよ。と停まりました。
どこ? 傍の階段を上がったところのようです。
 
ドライバーの女性からは帰りもタクシーにするなら空港まで70EURにするから、連絡してちょうだい、と言われました。再予約割引なんでしょうかね。