英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【シドニー】無料で楽しめる施設-1「シドニー現代美術館」

2022年(令和4年)8月

 

2年半ぶりの海外旅行で、シドニーへ来ています。前回は、シドニーにある19世紀の歴史的建造物4選について書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

感染拡大が著しかったこの時期、主目的はホテルステイでしたが、無料で楽しめる美術館・博物館も4ヶ所ピックアップして出掛けています。まずはその第1弾。

シドニー現代美術館

 

この位置ならば、これまでシドニーを訪れたときにも美術館の前は通っているはず。でも、無料とは知らなかったし、旅先で美術館に時間を割くよりも観光を優先していたこともあって、これまで関心を寄せてきませんでした。

 

香川県の直島などに訪れるなど、最近になって現代美術に触れる機会もあったことから、身構えることなく美術館にも足を踏み入れやすくなっていました。

ロックス地区の入口、ハーバーブリッジが眺められるところにシドニー現代美術館は位置しています。

 

入口へ入ると階段脇にいきなりこのインパクトのある壁画が登場します。アボリジニの地をひくVincent Namatjiraの2021年の作品で、自身はタクシーの上に乗っています。

 

まずはエレベーターで4階にあるカフェまで上がってしまいましょう。

 

エレベーターの画像は2種類あるので、それを見るのもちょっと楽しい。4階はこれから見る風向計、地階はさっきの壁画になっています。

 

4階のカフェはほぼ満席。室内とテラス席がありますが、開け放っていました。

 

テラスへ出ると、ハーバーブリッジと豪華客船が眺められるロケーション。逆に船が停泊していなければオペラハウスも望めます。

 

テラスの端には、エレベーターの画像にもあった風向計。

 

3階から順に見ていきます。これは日本人の作品ではなかったと思うのですが、七転八起がの文字が見えます。ひとつ一つの箱はそれだけで作品として出来上がっていて、それを組み立てたというインパクトのある展示でした。

 

ポスターを作品として飾っているコーナーもありました。ワークショップの案内でしょうか。

 

Minding clouds Vivienne Binns

この作品の元は、オーストラリアのシンプソン砂漠上空の航空写真がもとになっているそうです。そこに様々な形の雲が配置されていて、それぞれに絵が描かれています。

 

例えばこれは、どこかのビーチ。

 

こちらもまた海。

 

ここには交差点が見えます。

 

でも、どの絵も同じ国ではなく、彼女が旅先で見てきた様々な出来事を描いています。海岸もまた彼女のテーマのひとつで、文化的分裂と争いの境界となる国境としてとらえているそうです。

 

Bonita Elyの作品は多く取り上げられていました。彫刻家でもあり、画家でもあり、写真家でもあるボニータの作品は、まさに現代美術。

 

1970年代から環境問題に高い関心を持って活動するようになったそうですが、ふむ、なにを表しているんだろう。

 

Goowoolem Gijam - Gija plants Shirley Purdie

子どものころに老婆から教わったという薬草を描いたんだそうです。全72種類。

 

Foundations III Megan Cope

下に見える作品は、ブリスベン沖にある世界2番目に大きい砂島ノース・ストラドブローク島の先住民族クアンダムーカ族のアーティストによるもの。アボリジニとはオーストラリアの先住民族の総称ですが、彼女もまたアボリジニアイデンティティなどをテーマにした作品を発表しているようです。

 

brumby mound  Rosemary Laing

エアーズロックにも共通する赤茶けた岩場の山が写った風景写真。オーストラリアの砂漠地帯に近い赤い土壌の平野が舞台だそう。作品名のbrumbyは野生の馬を指しています。このサイズだとわからないのだけど、荒野に赤い椅子がいくつも置いてあるの。こちらから、確かめてみてください。

 

Ground Plan Louisa Bufardeci

この作品も印象的でした。メルボルン生まれのデジタル画像制作を行うアーティストで、地球をシェアハウスと見立て、各国がどこに門戸を開いているかなどを描いているようです。国土の大きさではなく人口で面積は表しているのか、ロシアは中国の上に細長く横たわっています。

 

The Haunted Lotus Khadim Ali

仏陀が横たわるこの作品は、パキスタン生まれのアーティストの水彩画で、2001年タリバンバーミヤンの遺跡を破壊したことについて描いた作品です。

 

竹の枠組みは破壊された後にユネスコによって建てられたもの、そして天使のような羽を持つ悪魔は、善と悪と両方を併せ持つ曖昧な存在を象徴しています。そうだね、置かれた立場によって善と悪は表裏一体なのだものね。

 

na-djarnba Minnie Manarrdjala

ミニー・マナージャラは繊維をベースにした作品を制作していたアーティストでアボリジニアーティストのひとり。

 

Seine River Basin Yasmin Smith

アボリジニ由来の何かかと思っていたらセーヌ川流域という名前の作品でした。しかもこれは木ではなく、セラミックで作られているそう。

 

Kalyu Martu族9人による作品

西オーストラリアにあるカルラミリイ国立公園内とその周辺のルドール川集水域を描いています。いかにもアボリジニらしい、大地の色が伝わる作品。

 

これらは作品のほんの一部。無料で入れるだけでなく、写真もOK。アートが身近にあるのはいいですね。是非、オペラハウスへ行ったら帰りに足を運んでみてください。