2022年(令和4年)8月
2年半ぶりの海外旅行で、シドニーへ来ています。感染拡大が著しかったこの時期、主目的はホテルステイでしたが、無料で楽しめる美術館・博物館を4ヶ所ピックアップして出掛けました。前回はその第2弾NSW州立美術館を取り上げました。
今回は第3弾。
サーキュラーキーからほど近い場所に位置しています。ボンダイビーチからの333バスの終着駅でもありました。
この地図はエレベーターホールにありました。サーキュラーキーとミセス・マッコリーの椅子のある岬など、シドニー中心部を描いています。
かなり印象的な博物館でしたが、写真や映像の展示が多かったこともあって、あまり写真を撮っていませんでした。2023年5月までは1900-1940年代のシドニーの様子が公開されています。1932年ハーバーブリッジ開通のセレモニーの様子や、当時の車などが写っていますが、90年前だともうかなりの歴史感がありますね。
当時の採掘の様子もありました。でもなにより興味深かったのが、シドニーの開発には政府や関係各所が協議して街づくりを行ったという話でした。シドニーの高層ビル群に圧迫感がないのは、ビジネス街はここ、公園はここ、人が住むのはここというように、計画的に開発していった成果なのだと思います。
私の英語の講師のひとりにシドニー出身者がいて私よりも年上なのですが、この博物館は知らなかったそうです。そして、そういった計画をもとに街を作ったということも、まったく教わっていないと言っていました。もしかすると、日本でも近代史を勉強するころには3学期の受験前で、ほぼ流して終わりだったように、キャプテンクックの時代ばかりをみっちり勉強しているのかもしれないですね。
数多く展示されていた帆船の模型は、イギリスから囚人を移送した船です。数ヶ月に渡る航行は過酷なものだったことでしょう。上陸した後、さらに開拓のために働いた彼らも絶望的な日々だったかもしれませんが、監督するほうも大変だったに違いありません。ただ、囚人でありながら有料で特別な仕事を任されたり、刑期を終えて土地をもらい永住したケースもあるようです。
この博物館は、他に比べるとこじんまりしていましたが、もう一度ゆっくり訪れてもいいと思える施設でした。どこが常設展でどこが企画展か定かではありませんが、是非一度足を運んでみてください。