英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【オーストラリア】Sirromet Wineryの現地集合ツアーはランチも最高!

2024年(令和6年)8月9日(金)

 

夏休みはオランダ、ベルギーへ再訪しようと計画していたのですが、1ヶ月前にシドニー往復の特典航空券が取れてしまいました。せっかくなので、キャンセル料を支払い急遽オーストラリアに行先変更。前回はゴールドコーストから参加したマウント・タンボリンでのワイナリーツアーの話を書いています。

fuwari-x.hatenablog.com

 

今回の要注意日はこの日でした。VELTRAからシロメィワイナリーのツアーを予約したのですが現地集合です。前日に利用したGetYourToursでも取り扱いがありますが、日本語ツアーと同額だったので、それなら日本語の方がいい。ただ日本語ツアーは平日にしかなくいので、連チャンになってしまいました。しかもワイナリーの位置は、ゴールドコーストブリスベンの中間よりブリスベン寄りで、公共交通機関では行けません。送迎付きはゴールドコースト往復しかなく、しかも現地集合よりも10,000円ほど高い。ふたり参加なら20,000円高くし、Uberで行くのがいいのでは?

 

ところが、日本でインストールしておかなければならないと聞いていたUberが最終設定までどうしても完了できず、見切り発車で渡豪したもののやはり現地では無理。電車を乗り継いで最寄駅からタクシーに乗るか、ホテルでタクシーを手配してもらうかの2択になってしまいました。交通費嫌いの私は最後まで迷って前者を選択し、トラム終点のHelensvale駅で乗り換え、電車で最寄りのBeenleigh駅へ移動しました。

 

乗換駅のHelensvale駅は学生の多いそこそこに賑わいのある駅です。出発の朝まで行き方を悩んだのは、果たして駅にタクシー乗り場があるかどうかがどうしてもわからなかったのです。

 

トラムは15分毎にありますが、その先の電車は30分に1本しかありません。どの駅ならタクシー乗り場がありそうか、9:50の集合時間に間に合うか、ケチったことで参加できないということはないか随分迷いました。下車にBeenleigh駅を選んだのは、時刻表を見る限り幹線道路に近い駅の中ではもっとも大きそうだったからです。

 

そして仮にタクシー乗り場がなかったとしても、徒歩5分ぐらいのところにタクシー営業所があったことも決め手でした。駅の壁画を見ながらそこを目指します。

 

でも、この壁画を過ぎたところにあった駅ロータリーにタクシー乗り場がありました。良かった!乗車時間は30分ほど。Uberよりは高いですが、クレジット利用手数料を入れて67.62AUD(6,716円)。ホテルからタクシーであればこの2,3倍はしたはずです。

 

ワイナリーには予約前にメールでスーツケースを預かってもらえるかどうか質問していました。ゴールドコーストへ戻って移動するよりも、このままブリスベンへ向かうほうがずっと効率的です。

 

9:15に到着したので、集合時間までは時間がたっぷりあります。朝はワラビーがいるかもしれないと、その場所まで連れて行ってもらいました。

 

ただの広場のように見えますが、なんとなく気配がわかるでしょうか。

 

ほら。この画面だけで5匹います。でも地面は奈良公園の鹿じゃないけど糞だらけ。

 

広場へ下りてワラビーに近づいても逃げないのもいました。この広場は、年に数回コンサート会場として貸すのだそうです。収容人数は12,000人。

 

せっかくワイナリーでコンサートを行うなら飲み物を提供してほしいと言われ、通常価格より2倍で販売するそうですが、あるときは3つのブースのうちもっとも売り上げたひとつだけで1億円にもなったんですって!

 

ワラビーは昼にはいったん森へ帰っていきます。グランピング施設もあり、週末はいつも大賑わい。だから、日本語ツアーは平日にしか開催されていないのです。

 

試飲会場に掲げられているポスターは、コンサートを行ったことのあるアーティストのもの。

 

真ん中にマライア・キャリーが見えます。ロッド・スチュアート、スティング、あとエルトン・ジョンも来たようです。

 

さて、ゴールドコースト送迎付きのツアー参加の1組が到着し、ワイナリーツアーの開始です。送迎なしで3コース付きのツアーは1人140AUD(14,503円)

 

少し向こうに葡萄畑が見えるのですが、形式だけのものだそうです。ここでは暑すぎていい葡萄ができないんだって。前日に行ったマウントタンボリンよりもさらに3時間ほど奥地にあるGranite Belt(グラニットベルト)が葡萄の産地として適地なのだそうです。広大な敷地は葡萄栽培には適していませんでしたが、これだけの私有地はもうこのあたりにどこにもないそう。

 

Sirromet Wineryの主な価格帯は36AUD22AUD。今すぐそこそこ飲ませるワインと、10年経って熟していくワインの2種類です。前日のワイナリーツアーに比べ、ワインの価格が抑えめなのを感じます。

 

ワイナリーの名の由来は、創業者のテリーの名前に由来するのですが、不動産王の彼はワインについてはライフワークとして取り組んでいて、儲けは度外視なのだそうです。それでも、先に挙げたコンサート会場としても結婚式場としても人気で、本業以外での稼ぎがかなりあるそう。お金があるところにお金は生まれるのよね。

 

下の階も同様に結婚式に利用できるそうです。

 

わざわざ取り寄せたというヨーロッパの木製葡萄圧搾機。

 

こちらは醸造長の部屋。テーブルも床も真っ白なのは、やはりワインの色を見るため。

 

貯蔵されているワイン3,600本。ここで行われるソムリエ試験でも使われています。

 

シロメィワイナリーではコルクを使用せずにブショネの起きにくいスクリューキャップを採用しているので、保存が難しくありません。

 

階下へ降りて、醸造所へ向かいます。明日の結婚式に向けての準備が整っています。

 

ワイン樽は非常に高価で、なかなかいいものが入ってこないそうです。左がヨーロピアンオーク、右が近年採用を試みているアメリカンオークだったかな。樽は4,5回しか使わないので、この価格を抑えることもワインの価格にとって重要。


シーズンになるとワインの香りが漂う場所ですが、今は空のままひっそりとしています。いい時期に来てみたいな。

 

醸造の仕方の違いや特徴などを聞きながら30-40分案内していただき、最後は試飲会場へ。

 

22AUD36AUDの違いを感じてくださいと、テスト形式での試飲もありました。これから味の変化が楽しめるもの、いまが完成されていてやがて下降線を描いていくもの。2組であれこれ話をしながらの試飲も楽しかったです。

 

8種類ぐらい試飲させてもらったでしょうか。その後は昼食会場に移ります。

 

木には4羽鳥が留まっています。2羽はマグパイ(Australian Magpie)という白黒のカラスに似た鳥で、真ん中に番でいるのがクッカバラ(Kookaburra)。和名はワライカセミで、鳴き声に特徴があります。体長45cmほどもありカワセミの中では最大。「楽しい森の住人」とも言われており、見るとラッキーと思われている人気の鳥だそうです。

 

ランチは2コースと3コースがあり、2コースはグラスワイン杯付き。3コースはペアリングされているので、当然3コースを選びました。

前菜 Byron Bay Burrata-Nudja, roasted peppers & parsley oil / paired with 2023 granit Flano

Nudjaはイタリアカラブリア州の香辛料が利いた豚肉のソーセージで、それをペーストしたもの。ブッラータと絡めていただきます。

 

Chargrilled Octopus-Romesco, pickled chili, pistachio chorizo crumb & paprika / paired with 2023 Seven Scenes Rosé

相棒が選んだのは蛸の炭火焼きです。これがめちゃくちゃ美味しくて、蛸好きの相棒が大絶賛していました。炭火焼という発想もなかったし、オーストラリア人が蛸を食べるということも知りませんでした。

 

Main Free Range Duck Breasts-Quince emulsion, charred whitlof, roasted pumpkin, duck croquette & jus

鴨の胸肉に、焦がしチコリ、かぼちゃとマルメロ、鴨コロッケのボリューミーな一品。鴨肉大好きです。

 

ペアリングワインはもちろん赤で、2019 granit Nebbiolo。相棒の白ワインも見えています。こちらは2023 Sirromet Verdelho。

 

Market Fish 本日の魚は紫芋の上に盛り付け。

 

食事中にやってきたのはブッシュターキー。こんなに大きな鳥がふつうに庭にもやってくるそうですが、穴を掘りまくるので迷惑らしい。翌日も遭遇しました。

 

Dessert Texture of Chocolate-Sacher biscuit, Bavarian cream, milk chocolate coffee mousse, chocolate sauce, red fruit pastel, mirror chocolate glaze, roasted almond seeds & aniseed / paired with The Clyde NV Tawny

長々書いてありますが、要はザッハトルテタルト。めちゃ濃厚で甘かったです。

 

Crumble-Warm cinnamon apple, rhubarb & almond crumble, served with vanilla ice cream & raspberry shard
paired with 2019 Late Harvest Viognier

熱々の鉄板で作られたシナモンアップルクランブルにブラウンバターアイスクリームが乗っかっています。断然こっちのほうが好みでした。

 

料理も美味しかったしスタッフもフレンドリー。何よりもよかったのが、同じツアーに参加していたもう1組とはまったくテーブルも別だったこと。初めてのオーストラリアだったメルボルン以来、10年以上にわたって何度もワイナリーツアーは参加してきていますが、前菜はたいていシェア。テーブルも別で気兼ねなくいつまでも食事をしていていいのはとても寛げました。

注文したワインは12本、送料込みで406AUD(40,198円)。旅行ハイという財布の緩み方ですわね(笑

 

帰りはお願いしてタクシーを呼んでいただきました。20分以上待ったかな。到着したタクシーのドライバーさんが、ターバンを巻いていたのでちょっと驚き。オーストラリアの多国籍を感じました。調べてみるとどうやらこの巻き方はインドのシーク教徒のものらしい。丸く仕上げるのではなく、真ん中の人のようにちょっと頭頂部が平たくなるような巻き方でした。これも流行り廃りがあるんだって。

(画像はお借りしました)

 

公共交通機関が0.5AUDで利用できるので、ブリスベンまで行くよりも最寄り駅でいい。バスルートをチェックしていたらもっと安かったかもしれませんが、電車での最寄り駅はCleveland駅で20分ほど。クレジットカード手数料込みで40.64AUD(4,036円)でした。交通費込みでツアー代金と考えるなら140×2+67.62+40.64=388.26AUD(39,758円)。このツアーが1人2万円のツアーであれば決して高くないと思います。

 

現地集合だし、参加するのはハードルが高めだったけど、たっぷり試飲できて、ペアリングされたコース料理がいただけたので、とても満足度が高かったです。そして、ワインを格安で送ってもらえるのも、日本人スタッフがあってのこと。おススメです!