2023年(令和5年)7月1日(土)
最後の全国旅行支援を使って、所用で長男に会いに大阪へ行ってきました。まだ開業後、数年だったころに泊まって以来だったホテルニューオオタニ大阪について前回ご紹介しています。
大阪駅から地下道を通って福島駅へ向かいます。東京へ引越ししてから気づいたことですが、大阪の地下道はたいていどこにも段差がありません。フラットな道のまま目的地まで行けることが多くとても便利で快適。対して東京では上り下りが必須の場所が多く、地上を歩く方が快適なこともあると思います。
福島駅方面まで、かなり遠くまでそんな地下道が通っています。最後に階段を上ると高速道路の高架下。ビルの中を高速道路が突っ切っている不思議な場所です。いやたぶん、高速道路が先、ビルがあとなんでしょう。
福島駅を通り過ぎると、福島聖天通商店街。
今でこそ地価の安い福島駅近辺にいいレストランが進出してきていますが、ちょっと前までは柄が悪いので有名だったこの界隈。そんな一角に、この日のイタリアンレストランは位置しています。
かつてこのあたりは、大阪高等裁判所に隣接する西天満一丁目を起点として、尼崎まで通じる明治期の物流道路だったそうな。
少しはおしゃれな界隈になっているのかと思いきや、こてこての大阪っぽさが漂う看板が立ち並んでいます。
via del emme(ヴィア・デル・エンメ)、一休.comレストランから予約しています。
ミシュランガイド2022イタリア料理ビブグルマンにも掲載されたというお店。
イタリアの市場、メルカートのポップな絵が掛かっています。
厨房の雰囲気もとてもいい。セミカウンターで仕切られていて中から店内の様子がうかがえるようになっています。
シェフは陽気なイタリア人といった雰囲気を纏った日本人。カメリエーレは生粋のイタリア人かという濃い顔立ちの日本人(たぶん)。ここは本場か?といった風貌のおふたり。
ワインやグラスの見せ方も好き。ペアリングも頼めるので、種類は豊富。今回はランチというのに、5種類のペアリングをお願いしています。
ランチは4,400円のコース。5種類のペアリング込みで8,400円なので割安感があります。
1杯目 SOFIALVENTO VINO SPUMANTE BRUT イタリアトスカーナ州 辛口のロゼスパークリング
インカの目覚め風味のビシソワーズ ローズマリーの風味が効いています。
2杯目 CAMPARO BARBERA D’ALBA イタリアピエモンテ州のミディアムボディ
長崎 夏鹿肉のタルターラ
春のあいだ若草を食べて育つ鹿肉に、アメリカンチェリーとパルメジャーノを絡めて。ターメリックのような香辛料をほのかに感じる味付け。
フォカッチャのようなパンはおかわりなしが残念。
3杯目 Terramonte Verdicchio di Matelica イタリア中央部マルケ州の白
稚鮎にきのこのペーストを塗った生地で包んでフリットに。鮎はキュウリウオとも言われることから、すりおろしたキュウリに鮎の魚醤で風味をつけてあります。正確にはキュウリウオと稚鮎は違う魚ですが、チカ、ワカサギなども同じ仲間です。
4杯目 LUNELLI Villa Margon 山岳部トレンティーノ州のワイン
イタリア最高峰のスパークリングワインの造り手として有名なフェッラーリ社のオーナー、ルネッリ家がトレンティーノ、トスカーナ、ウンブリアに所有する葡萄畑のうち、トレンティーノのヴィラ マルゴン産のシャルドネで作られたもの。
鰯のアルフォルノ トマトソース タプナード
カッペリーニのあとにさらにスパゲッティーを続けるところが謎。鰯は若干レアめに仕上げてありました。
相棒が選んだのは、仔羊肉のラグー。ズッキーニとの相性も良く、かなり美味しかったようです。
5杯目 LUNELLI CARAPACE 先ほどと同じフェッラーリ社がウンブリア州で手掛けた赤ワイン
豚肩ロース肉のロースト 赤ワインソース 山形豚に姫人参、じゃがいも、カリフラワー、エリンギ、椎茸を添えて
とても美味しかった豚肉ですが、唯一残念だったのが粒マスタードを添えてあるところ。ここはソースを頑張ってほしかったな。このランチ価格でそれは贅沢かもしれませんが、せっかくのこのクオリティを平平凡凡に仕上げてしまったところがなんとも惜しい。
ピスタチオのジェラートにハーブミルクのアイス カルダモなども入れて。
食後のお飲み物は紅茶を選択。
ランチコース+ペアリング5種8,400円×2=16,800円