2023年(令和5年)8月10日(木)
去年娘が旅行したアイスランドを訪ねる夏の旅。前回は南部クラシック観光ツアーの最初のスポット、スコゥガフォスの滝をご紹介しました。
スコゥガフォスの滝を後にして、次に目指すは海岸です。
風の強い海岸で降車。後ろに見える黒い建物がカフェです。
中では、食事のほかベーグルサンドやケーキなどがありました。
もちろん、飲み物も豊富に揃っています。
中は満員で食事をするにも座席がないのですが、それでも行列しているのには訳がありました。
到着したここはReynisfjara Black Sanc Beach(レイニスフォラ ブラック サンド ビーチ)です。
この海岸にまつわる話がいろいろと書かれていますが、読んでいる場合ではありませんでした。
なにやら危険な注意書きがありますが、読む前に何が起こるか身を持って体験しました。
時折、猛烈な突風が吹くのです。その凄まじさはこの看板があってもなんの防護にもならず、まさに立っていられないほどの強風で、風のみならず砂も叩きつけてくるのです。
このときは黄色のランプが灯っていました。先の看板によると、この場合は洞窟エリアまでしか行ってはいけないということになっています。
早速行ってみましょう。左に見えるのが洞窟です。
こんなに青空が広がっている瞬間もあるのですが、全体的には曇天で雨もぱらつくような天候でした。
洞窟にいる人たちはのんびりとスマホで撮影中。でも、雲がかかってきていて、天気の移り変わりが早いことがわかるかと思います。
洞窟の右手には石柱が並んでいます。この石柱を見ると、ハットルグリムス教会の姿を思い起こされます。そう、この特徴的な石柱をイメージして設計されているのです。
この石柱は六角形の形をしていますが、火山岩がゆっくりと冷やされて固まることで形成されるそうです。
思い思いに石柱に乗ってのんびり撮影。でも、ほとんどの人が突風に備えてフードを被っています。突風は前触れなしなので、いつ何時襲いかかってくるかわかりません。
もう少し先へ進んでみましょう。黄色のランプが灯っているので、洞窟の向こうまでしか行ってはいけません。海岸沿いでは、不意に押し寄せる高波に観光客が犠牲になることも珍しくないそうです。
海の中に奇岩が見えてきました。北欧でよく出てくる妖精トロールです。
この地に言い伝えがあります。ここに住んでいたトロールたちは、岸まで大きな船を引きずり、歩いて渡っていたそうです。彼らは夜行性だったため、夜しか活動できません。もし太陽の光を浴びてしまうと直ちに岩になってしまうのでした。ある日、不幸なことにそうして船を運んでいる途中で太陽が昇り、彼らは岩になってしまったというお話です。
さあ、引き返します。こうして歩いているあいだにも、何度も突風が吹いてきて、何度も歩けなくなりました。ガイド氏が心配して近づいてきてくれたことには、歩くコツは海岸に背を向けて後ろ向きに歩くこと。そうすると砂が顔に当たるのも避けられます。
その名のとおり、ブラックサンドビーチは黒い砂の海岸。カフェに溢れんばかりの人が集まっていたは、きっと風を避けるためだったと思います。
容赦なく吹きつける風と砂の怖さは体験しないとわからないかもしれません。せいぜい10秒程度だけれど台風のさなかに放り出されている、そんな感じでした。
青空も顔を出すのに攻撃的になるブラックサンドビーチを後にして、まだまだツアーは続きます。