2023年(令和5年)8月12日(土)
去年娘が旅行したアイスランドを訪ねる夏の旅。前回はアイスランド、ケプラヴィーク空港でのラウンジと、ビジネスクラス搭乗の話を書きました。
さて。フランクフルト空港着5:55、出発が12:10となると6時間あります。毎度フランクフルト空港で乗り継ぐので、ラウンジを楽しむには時間があり余る。前回はこの時間を利用してフランクフルトの街を始めて見学したのですが、今回もどこか適当な街がないかを調べました。
すると、電車で30分足らずにあるマインツを推している記事を見つけました。サッカーファンであれば、安藤律が所属しているチームの本拠地としてご存じでしょう。
ドイツの鉄道を利用するのは3回目。でも、毎度いまひとつはっきりわかっていなくて、切符を購入するにも往生しています。マインツへはSバーンで乗り換えなしに行けるはずなのだけど。
マインツで過ごせる時間は2時間~2時間半ほど。ただし、マインツ中央駅から旧市街の中心部まで徒歩18分ほどかかるのが気がかりでした。
ドイツの列車内は途中駅の表示もあるので間違えないだろうと思いつつ、やはり不安。だって、間違えるとそう列車の本数も多くないので、マインツを回り切るのには一気にハードルが上がるからです。
不安は的中。なにやら知らない駅に到着してしまいました。隣のWiesbaden(ヴィースバーデン)駅です。確かに予定していた6:30の電車は目の前で出発してしまっていたのだけど、停車駅にMainzなんちゃらという駅名があったので行けると思ってしまったのです。地図で確認すると、そこで降りても徒歩25分ほどでマインツ大聖堂に行けたみたい。
いっそヴィースバーデンを観光することにしようかと思ったのですが、どこを見ればいいのかもわからない。でも、一刻も早くマインツへ行くにはICEに乗る必要がありそう。私たちはSバーンの1日乗車券を持っているので、それでは乗れません。
間もなく発車時刻のICE。そこへ通りかかった女性の車掌さんに切符を見せて尋ねると、この切符では乗れないけどしょうがないわね、と言ってくれたのでICEに乗りました。いや、ドイツ語がわかったわけではないのだけど、雰囲気ね(笑
かくして15分ほどでマインツ駅に到着。マインツの観光は、ドイツ三大大聖堂のひとつマインツ大聖堂、その傍のマルクト広場、活版印刷を考案したグーテンベルク博物館、内部がシャガール・ブルーの聖シュテファン教会、そして木組みの町並みのKirschgarten(キルシュガルテン)をチェックしていました。
有名なマインツ大聖堂があるのなら、駅に到着したら観光客について行けばいいと思っていたら大間違い。だーれもいないのです。スマホの地図を頼りに約20分。アイスランドから移動して来た身には、夏の暑さを感じるドイツ。
バタバタするのを嫌がる相棒の機嫌は既に低め。せめて道を間違えないように気をつけて歩き、マルクト広場の朝市を見つけることに成功しました。
マルクト広場はマインツ大聖堂のそばにあるのに、この塔がどこからも見えませんでした。マインツ大聖堂はケルン大聖堂、トリーア大聖堂と並んで三大聖堂と言われているのに、8時だと観光客どころかほとんど道に人も歩いていませんでした。
マインツ広場では火・金・土曜日は朝市が開かれていあて、地元民らしき人がちらほらと買い物に来ています。
もう少し時間が遅ければカフェも開店していたはずですが、8時ではまだ営業時間前。
市場の品揃えは豊富。店舗も野菜に限りません。
こちらは果物1kg9€(1,460円)のチェリーは安い。
りんごの種類も豊富。プラムや洋梨も見えます。
大根もあります。調べて見ると原産国は地中海沿岸から中央アジアでした。エジプトではピラミッド建設のころに既に食べられていたそうです。
マッシュルームやエリンギ、人参、ネギ、ブロッコリーなど種類は日本とほぼ同じ。あまり見かけないものとしては、アーティーチョークやコールラビなどでしょうか。
ドイツの野菜はキャベツとじゃがいもしか印象にないのですが、葉物も含め相当豊富。もしかすると、ドイツ料理ももう少し期待してもいいのかしら。
朝市でありながら、生のお肉も扱っていたことにも驚き。
チーズの色もカラフルです。
しかもこのどぎつい緑のチーズには、Wasabiと書かれていました。そういえばオランダでも見かけたっけな。
オリーブオイルやバルサミコ酢は量り売り。でもMANGO GINやWHISKY KIRSCHなどと書かれたものもあるのだけど用途は何だろう?お菓子などの香りづけ?
マルクト広場滞在はほんの15-20分ほどですが、マインツ中央駅発9:32か9:58の電車を予定していたので、残すところ1時間~1時間半で戻らなければいけません。
マインツ大聖堂をぐるりと回っても朝市のトラックが遮っているのか、工事中だったからか、入口を探す時間もなく次へ向かいます。あとで調べて見ると9時に開くので早かっただけのようですね。じゃ、仕方がない。
博物館は見ている時間がないので、木組みの街並みだけは通りたい。気配を探しながら歩きます。
すぐ近くにいるのに、こんなふうにしかマインツ大聖堂が見えず、ましてや駅からは目印にして歩くということができないので要注意です。
まだ静まり返った道を歩き、Kirschgarten(キルシュガルテン)を探しましたが、これは裏通りになるようでした。
もう少し遅い時間に行けば、このあたりは観光の中心地で両脇にお店が並び、人通りも多い場所だったのに、この時間はまるでゴーストタウン。明かりすら漏れてきていません。
そんな中で、やっと見つけました。ここです。Kirschgarten(キルシュガルテン)です。
骨格となる木材がむき出しになった木組みの家の独特の構造は、ドイツ各地で見られます。木組みの色で印象も違ってきますね。
ほんの小さな一角なのですが、こうした伝統建築があるとメルヘンチックで一気に観光地になります。ニュルンベルクなどが有名ですね。
私が一度行きたいと思っているのはフロイデンベルク。フランクフルト北西部にあるちいさな町で、この木組みの家がモノトーンで統一されているのです。渋いでしょ。
ドイツ観光ではロマンチック街道やメルヘン街道が有名ですが、木組みの家街道というのもあります。木組み建築という文化遺産を残し、積極的に観光に活かそうとする取り組みで、総長3,000km100以上の町を結ぶものです。
キルシュガルテンとマインツ大聖堂はすぐそば。木組みだけでなくドイツらしい街並みの旧市街はコンパクトで、1日あれば充分満足の行く観光ができそうでした。
マインツ大聖堂の中に入れなかったのは残念でしたが、これからもトランジットを活かして恐れず外へ飛び出したいなと思っています。
さて。これ以上どこかへ回るより、夏の暑さを落ち着けて20分近くの道を戻ることを考えたほうが良さそうです。通りかかったWerner's Backstubeで少し休憩しましょう。
チェーン店のようですが、10分ほど滞在しているうちに次々と人が訪れ、店外の座席が埋まってしまうほどの人気のベーカリーでした。
カプチーノ(2.2EUR×2)をそれぞれと、ラムケーキ(2.1EUR)で6.5EUR(1,040円)。物価の高いアイルランドやアイスランドから戻ってきた私たちにはとても安かったです。
駅までは15分足らず。郵便か宅配便かは不明ですが、徒歩で配達していました。頑強なドイツ製カートといった感じです。
マインツ中央駅に到着。これから戻れば空港ラウンジも2時間ほど利用できます。
フランクフルトという大都市においても電車の本数はそう多くなく、ここに書かれているものですべて。
空港を通過する電車には飛行機マークがついているので間違えません。この時刻表はヨーロッパ各地で見てきました。
定刻通りに電車が来ました。海外では遅れることも見越して予定を組んでおかないといけませんが、またどこか楽しめる近場を探したいです。
長く書き続けたアイルランド、アイスランド旅行もトランジットを利用したマインツ観光で終わりです。あとは空港ラウンジとビジネスクラスを楽しみます。