英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【秋田】はじめての秋田2日目-2 いつか桜の季節に訪れたい角館武家屋敷

2017年(平成29年)3月18日(土)
 
今まで足を踏み入れていない都道府県は、北から青森・秋田、南が愛媛・佐賀・宮崎・鹿児島と残すところ6県。今回はそのうちのひとつ秋田県を訪れています。
前回記事はこちら。
はじめての秋田で、角館に来ています。
武家屋敷のひとつ西宮家に到着しました。いくつかの武家屋敷は有料ですが、ここは無料で開放しています。今はシーズンオフなので無料のお屋敷のほとんどが休館中。 
 
早速見せていただくことにしました。 
角館城下町は、北は佐竹北家家臣団、南は佐竹本家直臣の西宮家家臣団が統治していたそうです。西宮家には5つの蔵がありましたが、時間が早かったので見れたのは文庫蔵のみ。 
 
雪の深いところだからなのでしょう、蔵の入口は建物の中。中にはまず保存の協力金として募金箱が置いてありました。維持するのは大変ですもんね。蔵の中は数々の道具や文献などが展示されていました。 中央にカメラ、左にはミシン。

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西宮家家紋入り陶磁器や漆器

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興味深かったの百人一首。古さだけではなく使い込まれ感がありありとしていました。

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蔵の2階も開放されています。昔は入れてあるものを書いて、こうして蔵にしまってありましたね。今もまだまだ田舎の家にはそうかな~

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蔵のある家に住んでみたかったんですよね。でも、生き物、特に爬虫類が怖いので、実際にはダメかもしれない・・・
 
母屋やガッコ蔵も見てみたかったのですが、あと20分もあるのでひとまず先へ。なぜなら、在来線で今日の宿泊地である田沢湖駅へ行くには、11時43分発に乗らなければなりません。残り時間はあと2時間。それを逃すと15時25分発になってしまうので、急いていました。 
 
武家屋敷通りに近づいてきました。それっぽい通りは見えるものの、テントで野菜を販売しているのを発見。最近、各種スプラウトが出回っていますが、中でもニンニクが気になっていました。ここのは1袋150円と安い!2,3日持ち歩いても大丈夫ということで買ってしまいました。天ぷらのほか、素揚げでも美味しいそう。

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テントの後ろの建物は食彩 町屋館。2014年のグーグルマップでは更地だったので、まだ新しい施設なのですね。お土産物店ですが、ちょっと垢抜けたいい感じでした。思わず買ったのが、角館名産の孟宗竹の塩だれ笹竹。この笹竹は黒胡椒が効いて美味しい。お土産物店の山菜は外国産も多いですが、これは地元産だそうです。 

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秋田特産品ハタハタ各種

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お土産を買い終えて武家屋敷通りへ来ました。
こここそメインの桜の名所と思いきや、川沿いはもっともっと桜並木らしいのに、知らずに帰ってきたそのマヌケな話は昨日書いたとおりです。でも、各お屋敷に数本ずつは植えられており、番号が振ってありました。100本以上あったはずです。ってことは、川沿いはもっとスゴイってことです。 

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敷地面積三千坪を誇る青柳家など佐竹北家に仕えた名家の屋敷が並び、一般公開されています。こちらは有料で500円。お屋敷を維持するには妥当でしょう。冬のあいだ、無料のお屋敷は非公開。時間のない本日はすべて割愛して、必ず桜の時期に再訪すると誓いました。

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一角に稲庭うどんの老舗七代 佐藤養助の物販店があります。到着の夜、夕食を食べようかどうか迷った佐藤養助です。創業は江戸末期の1860年、店の前に35番と番号の付いたしだれ桜。そしてその前に立てられた口上によると、秋田藩主佐竹家より御用製造を仰せ使った門外不出の技法とありました。 

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秋田を回って何度も感じたのは「家」の誇りでした。このあたりを治めていたのは佐竹北家ですが、西宮家では、
 
うちは「佐竹家」と名は付いていないかもしれんが「佐竹本家」家臣だった
 
というキョーレツなプライドが滲み出ていましたもん。

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さて、店内。もちろん稲庭うどんが販売されているのですが、その中で、直売店限定だったのが太い乾麺でした。

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稲庭うどんは茹でると透き通る平たい麺が特徴ですが、太麺というのは珍しい。よっぽど買おうかと思ったのですが、旅の始まり。ずーっと持ち歩くには重いので、秋田駅へ戻ってからでもきっと出会えるだろうと断念しました。でも、秋田駅西武百貨店に出店している佐藤養助でも置いておらず、その後、駅ビルのお土産物売場でも、秋田名産品を取り揃えているあきた県産品プラザでも、秋田空港でも見つけることはできませんでした。ま、稲庭うどんはあの薄さがいいわけだから、わざわざ太い麺を買っても、なんてことない・・・ということにしておきましょう。 
 
角館樺細工伝承館もちらっと見学。

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角館はヤマザクラの樹皮を用いた樺細工の工芸品が受け継がれています。茶筒が多いですが、武士の手内職だったそうです。
しだれ桜がこうして見えますから、やっぱりここだって春の桜は素晴らしいのでしょう。 
 
このあと、無料公開の旧石黒家へお邪魔しました。昭和10年築のお屋敷ですが、西洋間も加えられた和洋折衷の建物で、案内していただきました。
雪囲いは4月にようやく片付けられるようですが、今年は雪が少なく、それでも1階窓の大半は埋まるんだそうです。広いお屋敷の家では、雪囲いをしまっておく場所もあるし、雪下ろしをしても屋敷内で事足りますが、一般のご家庭では雪の始末も必要なので、冬の出費が10万円以上(数10万円だったかも)かかるということでした。
 
それでも印象的だったのが、
 
「でもね、私、冬が好きですよ」
 
厳しい冬を超えてこそ、あのしだれ桜の美しさも格別なのでしょう。
 
角館に桜見物に行くのは、非常に難しいんだそうです。年によって咲く時期もマチマチ。何度も挑戦される方も多いということでした。
だから、
 
ニュースで取り上げられた翌日、
朝一番に来て、最終で帰るのが一番確実
 
新幹線も飛行機も、なるほど便はあるけれど、予約が取れるんだろうか?
 
旧石黒家をお暇したのが10時50分ごろ。11時43分発の列車に乗るには、11時開店のお店で食事が必須です。  ピックアップしていた角館そばへ開店直後に行きました。 

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シンプルな店内。 シーズンオフだからか、店主ひとりで切り盛りしているようでした。

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朝っぱらから日本酒を呑んでいるくせに、昼ご飯ではビールすら頼んでいません。ここではのんびりしていられないのです。
  
頼んだのは、二八そばと土日祝限定の十割そば。ともに750円。
そこで店主のひと声がかかりました。
 
「よかったら雛人形を展示していますので、ご覧になってください」
  
そういえば、看板に民芸品などのかねにの文字もありました。
引き戸を開けると・・・

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着物が見事でした。
このお雛様のさらに上に飾られていたのが、菅原道真公。 

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この雛壇のものは、お人形が立体というよりは薄っぺらくて、押し絵みたいな感じ。
  
鎌倉か室町時代のものと言われているそう 。表情も豊かで、楽しませていただきました。

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 そうこうしているあいだに、おそばも茹で上がり・・・
 なぜか二八そばしか撮れてなかった。

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十割そばのほうが太目。どちらも美味しかったです。ただ、8時半に駅弁を食べてから2時間半。しかもあいだになると餅も食べていたので、もう少しお腹を空かせてから食べたかったかも。
  
11時43分には楽勝。これから田沢湖へ向かいます。
次回の記事はこちら。