ダウンタウンから北へ21km行ったところにあるブッチャートガーデンは、年間100万人以上が訪れるビクトリアの観光名所です。
1904年ブッチャート夫妻が所有する石灰岩採石場近くに住まいを移し、邸宅を建てて草花を育てたのが始まりで、その後、夫婦が世界を旅しながら集めた異国の植物を庭園に配置。その美しさが評判を呼んで1920年代には既に年5万人が訪れる庭園となったそうです。
今はその子孫が腕利きの庭師とともに四季折々に花や植物が彩る美しい永遠を守っています。その面積実に7万坪。
入ってすぐ八重桜が迎えてくれました。
入るとすぐにインフォメーションやお土産物屋さんなどがあります。今回は帰りにここで絵葉書を買い、インフォメーションで切手を買って即、投函しました。帰国後2日ほどして到着したのは、これまでの中でもかなり早いです。
イタリア庭園から回りました。
このイノシシはタッカ像といい、鼻をなでると幸運なれるとかで金ピカに光っていました。
ここからは広々とした庭園の様子が眺められました。チューリップがいっぱいで、去年行ったオランダのキューケンホフ公園に勝るとも劣らない美しさ。
庭園内にはレストランやカフェもあり、アフタヌーンティはホテルよりも安価で人気です。私も狙っていましたが、朝早くから到着してその時間まではちょっといられませんでした。
庭園内のゴミ箱です。ゴミ箱にも花が植えられているので、誰もが公園をきれいに保とうという気になれます。

ここはスターボンド。ブッチャート氏がアヒルを飼うために作ったという星形の池です。回りをぐるりと花で囲った美しい池です。
お天気にも恵まれ、チューリップいっぱいのイタリア庭園を楽しみます。
イタリアテインを抜けると、日本庭園に入ります。当時ビクトリアで人気だった横浜出身の日本人造園家、岸田伊三郎によって作られた日本庭園は人気を集めました。
海外で日本庭園をわざわざ見るのもヘンな感じですが、その良さも感じました。この落着きは欧米の庭ではまったく見られないものですもんね。
紅葉はジャパニーズ・メープルと言いますが、ここでは実際にふつうにそう呼ばれているのを何度か聞きました。ここがメープルの国だけになんとなく親しみがわいて嬉しかったです。
これも桜だったはず。向こうに朱色に塗られた橋があるのが日本庭園らしさです。
日本庭園からは入り江を覗き見られる場所があります。すごく雰囲気がいいですよね。
入り江へ行くと、ボートが停泊していました。5月19日から9月15日まではここからクルージングができます。ブッチャート夫妻もお気に入りの場所だったようです。
竹林も少しありました。この木の組み方は和モダンでステキ。
苔むした様子からもわかるように、他に比べてちょっとジメっとしたのが日本庭園。
この松の傍には「従業員専用」の文字がありました。日本庭園ですもんね。日本人の庭師がきっと今も働いていらっしゃるのでしょう。
先へ進んだ道案内にも「日本庭園」の文字がありました。
チョウザメの噴水です。ここは30年前に来たときカジキマグロみたいと言って笑われたので、よく覚えています。
ここからはローズガーデン。両脇にバラがたくさん植えられていました。やっと芽吹き出したところで、開花までには1ケ月以上かかると思います。代わりにチューリップで彩られていました。上手な庭造りですよね。
ドラゴンの噴水。
芝生が広がった向こうにある木の根元にもデイジーやチューリップの花壇があります。こういう細かいところまで手入れがされているのが素晴らしい。
この建物は乳牛舎だったと書いてあったかな?写り込んでいるお2人は、長いあいだここで建物を眺めて話し込んでいました。
小高くなっているここからは、あたりを眺められるようになっていました。と言っても、そちら側は芝生が広がっていて向こうに池があるだけ。夏には花火大会があるので、このあたりが会場なのかもしれません。
カナダですね~ トーテムポールのある広場です。左奥にちらりと見える建物の中ではメリーゴーランドが回っていました。
芝生の広がる公園を見ていると、先ほどの日本庭園は海外の人には新鮮に映るのだろうなぁという気がしました。こちらは果てしなく「陽」の世界ですもんね。
サンケンガーデン(沈床庭園)を見下ろす小路を歩きます。採石場だったことがわかるブッチャートガーデンの象徴的な場所です。
高低差をうまく活かした庭造りです。
一番奥には、ロス噴水があります。これはブッチャートガーデン創建60周年のお祝いに孫が作ったもので、この噴水は21mの高さまで噴き上がります。
チューリップが咲き乱れていますが、それでも上手に時期をコントロールしていて、絶えず花が咲いているように管理されているのがよくわかりました。バラの時期に来られたら最高だろうなぁ。
サンケンガーデンの展望台へ向かいます。小高く緑で覆われているところに人が見えますね。
どこを歩いても美しくて、あちこちで撮影会。でも、まだ時期的に観光客も少ない上に朝だったので、のんびりと歩くことができました。
展望台から見下ろしたサンケンガーデン。採石場だった場所をここまで整備するのは並の労力ではなかったことでしょう。
展望台からの景色です。展望台を撮ったのは向こうに見える階段の上からですが、どちらからもサンケンガーデンが俯瞰できます。
手を入れ始めたころのサンケンガーデンの様子です。右の写真では真ん中に展望台があるのがよくわかります。よくここまで手を掛けましたね~
レストランが見える場所まで戻ってきました。ここのチューリップはもう少し先に咲くようです。バラも誘引されていたので、6月半ばごろにはもっと違う風景になっていることでしょう。
たっぷり1時間半の見学で終了です。そのあと、お土産物屋さんをブラブラして、絵葉書を選んで書いていたらバスの時間が過ぎていたので、12時半のバスになりました。バスの時刻表等は、前日にアップした通りです。
途中、車窓からブッチャートガーデン入口の看板が撮れました。
本当に美しくて見応えのある庭園でした。どの季節に来てもまた違った花を楽しめるので、繰り返し訪れても新たな感動がある場所だと思います。年間パスポートは私たちのように遠く離れた国から行くのは無理ですが、なんと2回分の入場料相当額という破格の安さでしたよ。