2018年(平成30年)12月31日(月)
ランチのあと、いよいよアルハンブラ宮殿です。
またしてもこの急なゴメレス坂を上り、今度は正門から入ることにしました。
きのうの 裁きの門 を背に進めば、いい遊歩道がありました。
右手にあったこの道を行けば、どこに通じたのか知りたかった・・・
展望台かな?という気もしましたけど。
正門で有料ゾーンの入場券のチェックを受けました。
豆知識 : 私はアルハンブラ宮殿の予約後にパスポートの更新をしました。
パスポート番号が変わったら、
予約センターにメールして知らせなければなりません。
新しいパスポート番号のチケットが送信されてきます。
目指すはヘネラリフェ、夏のあいだの離宮です。
あれ? リスが走ってます。
こちらの下の庭園は、20世紀に整備されたものです。
中世の面影はもちろんありません。
でも、グラナダ伝統の石畳が伸び、泉水や水路、160種におよぶ草花や低木など、水と緑を惜しげもなく散りばめた庭園散策は気持ちのいいものです。
夏にここを訪れたら、きっと多くの人たちが涼を取り、水の音に癒されながらしばしの休憩をするに違いありません。
ここは離宮であると同時に、王家に食材を供給する御用農園でもありました。
宮殿を臨む位置に果樹園や農園があり、それらに囲まれるように建っています。
下の庭園を抜けると離宮に辿り着きます。
柑橘も多く植わっており、たわわに実をつけていました。
この入口で、2度目の有料ゾーンのチケットチェックを受けました。
13世紀の半ばに建てられたと言われています。
アセキアの中庭です。
よくガイドブックに載っているヘネラリフェの象徴ともいえる庭です。
「アセキア」とは、スペインの伝統的な水路の意味です。
庭も美しいのですが、建物のアーチがとても素敵です。
風景を楽しんだ様子がよくわかりますね。
ほら、王宮が美しく切り取られて見えます。
また、この回楼から外を見るとその庭もまた美しい。

宮殿を見渡すにも絶好の場所で、考え尽くされた離宮だと感じます。
また、光の入り方も美しい。
装飾も細かく美しいのですが、光を落としてみるとまるでステンドグラスのよう。
アセキアの中庭の反対側までやってきました。
キリスト教徒の時代には絶えず改装及び修復工事が行われたりしたので、本来のヘネラリフェの姿を知ることは困難です。ただ、しっかりした造りではありますが全体的に質素で、ヘネラリフェには過度の装飾や大きな建物は一切ないと書かれていました。
しかし、漆喰装飾だけはありました。
東屋風の建物ながら、イスラム独特の美意識を随所に感じることができます。
これで質素と言われたら、ナスル朝宮殿はどんなに美しいことでしょう。
この パビリオン と呼ばれる小宮殿の上からはグラナダ市街が一望でき、ロマの洞窟住居があるというサクラモンテの丘も望めます。
真ん中あたりに城壁が通っていますが、難攻不落だったというアルハンブラ宮殿、絶好の位置に建っていることがよくわかります。
またこのヘネラリフェ離宮は、ことごとく水が多く使われています。
こちらは スルタナの中庭。スルタナとは王妃の意味で、王妃と騎士が王の目を盗み、逢瀬を重ねていた場所と言われています。
庭園を満たす水は、シエラネバダ山脈の雪解け水。
土地の高低差で生まれる勢いを利用して噴き上げ、流れています。
こちらの 水の階段 は手すりの位置に水が流れているのですが、ヘネラリフェでは、水音の聞こえない場所はないほど水が配されています。
キョウチクトウで作られたアーチは、現在の観光客の涼のためでしょう。
大晦日というのに焼けるような日差しだったので、ヘネラリフェの水の音色が本当に心地よく響きました。
アーチを抜けると、さらにご褒美のような景色が広がっていました。
そびえ立つ糸杉のあいだを抜けていくと、きのう回った王宮やアルカサバのある場所に戻って行きました。
ヘネラリフェ離宮だけでたっぷり1時間以上見学しましたが、暑さがなければまだまだゆっくり見て回りたいほど、美しい場所でした。
もうひとつの有料ゾーン、アルカサバへ参ります。