2021(令和3年)7月
ワクチン接種をまずは1回終え、そろそろ出歩いてもいいのでは?と目論んであれこれ探しましたが、宿泊するまでには気持ちも入らず日帰り旅行を計画しました。
特典航空券をプレミアムクラスへグレードアップできることを確認して、とりあえず行先は福岡空港と決定。
行先を探していくと、大分県中津市にある羅漢寺が急浮上しました。20年ほど前に大分県国東(くにさき)半島を回ったとき、次回大分は耶馬渓(やばけい)へ行きたいと相棒が言っていたことを思い出したのです。
1年半ぶりの飛行機。空港の人出はそう多くないように見えます。
それでもやっぱりPREMIUM CHECK-INを使います。
ANAのラウンジにはアルコールは提供していないと案内に書いてありました。一旦、上へ上がりましたが、そうなるとカードラウンジのほうが私は好き。
カードラウンジへ移動すると、座席はひとつ置きに座るように示されていました。
カードラウンジの難点は、搭乗案内のアナウンスがないところ。ゲートへ行くとほとんどの人が搭乗を終えていました。
上空からの見通しはとてもよく、宮ケ瀬湖のある丹沢山系から伊豆半島までのぞむことができました。
驚いたのが富士山。雪がないと赤いんですね。
左手に見えるのは山中湖でしょうか。
手前に河口湖や西湖、本栖湖も見えます。九州は天候があまり良くないという予報だったこの日に、上空からこれだけきれいに見えるとは!
さんざん地上を眺めたころ、機内食が運ばれてきました。7:30のフライトだったので、朝食は食べずに来ています。こういうときにプレミアムクラスは助かる。
●白身魚のエスカベッシュ マンゴー風味 ●ペッパーチキンと野菜のデニッシュサンドイッチ
●柔らかタマゴとトリュフマヨネーズソース ●野菜とタラモサラダのサンドイッチ
●リンゴ・パイナップル・グレープフルーツ
上空ではアルコールがOKだったので、シャンパンと赤ワインをいただきました。
2本飲み終わったころには、離陸に向けて高度が下がり始めていました。福岡沖に浮かぶ相島が見えます。
1:50のフライトのはずが、1:30ほどで到着しました。
福岡空港もそう人は多くありませんが、思ったよりも飛行機の座席は埋まっていたように思います。
福岡空港の便利なところは、地下鉄2駅で博多駅に到着できるところ。この便利さは他ではなかなかありません。車内もきれい。
今回は時間配分を考えると必然的に特急列車に乗らなければ、日帰りが難しかったので特急ソニックを予約しています。
飛行機の到着が早かったので、博多駅でお土産を物色しながら時間つぶしをしたあと上がったホームには、見るからに高級っぽい787系の回送の特急列車が停車していました。AROUND THE KYUSHUと書かれています。
でも私が乗るのは、885系かもめ特急ソニック15号大分行き。同じく、車体にはAROUND THE KYUSHUの文字があります。


乗り込むと、2号車は曲線で構成された壁面を利用したアートギャラリーになっていました。
グリーン車ではないのですが、ゆったりの指定席。車内も木目調の落ち着いた雰囲気です。
ポイントは切符を入れて置く場所が設けられているところ。検札時に寝ていても大丈夫。
2日前の予約時には、グリーン車の座席がかなり少なくなっていたので、マニアの人も多いのでしょう。でも普通の指定席でも引けを取りません。
座席間には充電できるようにコンセントも配置されています。
今から向かうのは、福岡と大分県との県境にある中津市。笑えることに、小倉へ着くと進行方向が変わるので、笑えることに自分で手回しで座席を回転させます。
朝っぱらから飲んでいた私は、小倉ではほぼ夢の中。車掌さんが手伝いましょうかと相棒に声を掛けてくれているのを遠くで聞きながら寝ていて、到着直前に起きました。焦るわ~
11:41に中津駅に到着です。交通費嫌いの私が珍しく、耶馬渓羅漢寺へは予めタクシーを予約済み。片道30~40分かかるそうで、昼食の予約最終時刻13:30までに戻るためです。名前を書いたプラカードを持って出迎えてくれましたが、果たして2時間足らずでどれだけ見られるでしょう。
途中には、青の洞門と呼ばれる岩壁が川沿いにあります。
江戸時代、荒瀬井堰が造られたことによって川の水位が上がり、通行人は高い岩壁に作られた鉄の鎖を命綱にした道を通らざるを得ない状況になっていました。そこへ 諸国巡礼の途中に耶馬渓へ立ち寄った禅海和尚が、この危険な道で人馬が命を落とすのを見て心を痛め、享保20年(1735年)から30年余りかけて、雇った石工たちとともにノミと鎚だけで掘り続け、144mの洞門を完成させました。
(観光協会HPより)
明治39年から翌40年にかけて行われた大改修で、完成当初の原型はかなり失われてしまいましたが、トンネル内の一部や明かり採り窓などに、当時の面影を残す手掘り部分が残っているそうです。
(観光協会HPより)
時間があれば寄れるかも、と思つつまずは羅漢寺へ。
到着直前が写真スポット。左手の山には厳しい修行のための石壁を鎖を使って上ったりする道があるとタクシードライバーが教えてくれました。
さもありなん。怪しげな雰囲気が漂っています。いや、厳かなる場所と言うべきか。
ただ、リフトで上がるというお手軽な上り方もあり、時間がない私たちはこちらを選びました。
片道6分600円。往復で800円です。
歩いて下ったらどれぐらいかかるか聞くと、13分と言われたので、帰りは歩くことにしました。時間はないけれど、やっぱり歩く方が雰囲気が感じられるでしょう。(と、このときは思っていた)
コロナ禍の今、頂上まで登ることはできず、途中の羅漢寺で降りなければなりません。
伝承では大化元年(645年)、インドから渡ってきた仙人の創建と言われていますが、このハナシは伝説の域を出ていないとか。でも、ね?魅力的でしょう?
(観光協会HPより)
雰囲気をお伝えするために、以下の3枚もwikiから羅漢寺の画像を拝借しましたが、行った甲斐があると思える不思議な空間でした。
上の写真の中央あたりにある屋根がこちらの門。
(wikiより)
そこから画像右へ続いていく岩盤の下には洞窟があり、3,700体の石仏が安置されています。中でもこの無漏窟(むろくつ)にある五百羅漢は、各地にある五百羅漢の中でも最古のものだそうです。
(wikiより)
このおしゃもじの向こうに五百羅漢が安置されているんだけど・・・わからないよね。リフトのチケットにちらりと載っています。
先にも書いたとおり、なーんとなく怪しげな雰囲気。
(wikiより)
このあとさらに本堂では、参拝料の300円を払って中へ入ります。でもなーんか厳かとは言うにはちょっと違うような微妙な雰囲気のあるお寺。(誤解を恐れずに表現すれば、怪しげな新興宗教的空気とでも申しましょうか)
サイトを調べていても中津といえば羅漢寺!のような推しは感じられなくて、詳しい情報はあまり出てきませんでした。もしかすると、観光地として積極的に人を呼ぼうと考えていないのかもしれません。
さて。余裕を見て下山を始めましたが、前日の大雨で石畳が滑る滑る!
楽々と13分で降りられると思っていたのに、こけないようにかなり注意して降りる必要があり、景色や雰囲気を楽しむ余裕など皆無でした。こんなに怖いんだったら、下りもリフトにすればよかった~!!!
写真禁止区域を終えた仁王門から撮った向こうに見える石畳がそれ。上るには問題がないと思いますが、下りには恐怖。見た目のなだらかさなんてまったく感じられません。もうツルッツル。
しかもこの仁王門で終わりと思っていたら、さらに続く石畳。でも、走れない。急げない。13時までに戻ってほしいと言われていたのに、5分ほど遅れて駐車場に戻りました。
時間があったら、青の洞門も通ってもらおうと思っていたのに。そしてたぶん、タクシードライバーもそのつもりにしてくれていたと思うのに。残念・・・所要時間2時間ほどで、貸し切りタクシー料金は1万円。高い?安い?
でも、羅漢寺までのバスは1日10本。しかも、特急ソニック到着直前に出発しており、次のバスまでは2時間半待ちだったうえ、途中でコミュニティバスに乗り継ぐのですが土日は運休なので、止むを得ません。乗り継ぎの「中島」バス停から羅漢寺までは徒歩25分ぐらいでGoogleマップは示していましたが、タクシーで通ったらかなり遠かったです。 (時刻表HP本耶馬溪)
それでも、コロナ禍で観光客が少ないおかげでこの短い時間でも観光できたようです。紅葉シーズンなどは、大渋滞でまったく車が動かないとタクシードライバー談。そして暑くなかったことも幸いだったので、これで良しとしましょう。
昼食は、中津市の名産と言われる鱧料理を食べに行きます。
鱧といえば京都と思っていましたが、日本一の鱧料理はここだと謳われているので、素通りするわけにはまいりません。
次回記事はこちら。