英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【屋久島】周遊ツアー2 西部林道は動物に会えるよ

2021年(令和3年)8月

 

負傷した足も回復していないのに、無理矢理屋久島行きを決行しています。あ、緊急事態宣言中ですが、一応ワクチンは全員接種済み。

前回は樹齢300年の中間ガジュマルと、大川の滝の見学の様子をご紹介しました。fuwari-x.hatenablog.com

 

続いて訪れるのが、西部林道です。屋久島は、路線バスを利用して回ることもできますが、こちらの西部林道だけは抜けることができません。しかも、この西部林道こそが世界遺産となっている場所なのです。

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ツアーはから順にまで回っていきます。(ただし、前回も書いたように尾之間地区からの参加者は1の千尋の滝へは行けない)

ご覧のように、3・大川の滝を通り過ぎて4・西部林道へ入ったあたりから山間部が世界遺産に指定されている地域です。このあたりは、かつて人が住んでいたそうですが、ほとんど人の手が入っておらず、手つかずの原生林、しかも垂直分布が見られるということで世界自然遺産に指定されています。

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大川の滝を見終えて車に乗ると「これからは、屋久島の動物を探しましょう」とガイドさん。屋久島の動物はそう多くはなく、シカ、サル、イタチ、ネズミぐらいだったかと思います。そのうち、見られるのがシカとサル。

おお!早速、シカを見つけました。屋久島にいるシカはヤクシカと言います。

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森の中に逃げ込んでしまっているので姿はとらえにくいのですが、ヤクシカはかなり小ぶりです。屋久島に生まれ育ったというガイドさんが奈良でシカを見たとき、その大きさに驚いたと言っていました。

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道路脇にサルの集団を見つけました。こちらも同じくヤクシマザルと、屋久島の名前を冠しています。こちらも小ぶり。

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まったく警戒する様子もなく、親子で寛いでいます。グルーミングに没頭中。

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ここから、屋久島国立公園に入ります。世界自然遺産指定地域です。

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こちらの瀬切川を渡ったところからが世界遺産エリアです。

ガイドさんの話に繰り返し出ていたのは、屋久島は決して緑豊かなのではない、ということでした。屋久島は堆積岩でできていたところに花崗岩が隆起して山岳部をなしており、表面はカチカチ。いわゆる「土」の部分は表土から1mもないのだそうです。

だから、この瀬切川も水が浸透することも貯まることもなくただ流れており、栄養素はほぼゼロ。だから、前日に大川の滝のバス停そばにあった大川湧水(おおこゆうすい)も、ミネラルを含むような余地がないということでした。

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西部林道は、標高600mまでの照葉樹林となっています。植林をしていなければ、本来は日本の南西部は、これらシイ、カシ、イスなどの照葉樹の森になるはずが、今ではここに残された照葉樹林が日本で最大規模のものと言われています。

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おや、ここでもまたヤクシマザルに遭遇しました。

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すぐそばに車が停まっても怖がる様子はありません。そもそも、ヤクシマザルは人間が怖いという経験をしてきていないのだそうです。そしてまた、人間に食べ物を与えられるということもなくきているので、人間も自分たち同様に動物であるというだけの認識だろうということでした。

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どれだけ無警戒かと言えば、こちら。そうっと近づけば去って行きますが、この警戒心のなさって笑える。食べ物を与えずに今まで来た、というところが素晴らしいですね。観光客も心したいところです。

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シカとサルも仲が悪くないそうで、ヤクシマザルを背中に乗せたヤクシカを何度か見かけたとガイドさん。変わらぬメンバーでのんびりやってきたのでしょう。

ただ、今はタヌキがその生態系を荒らしているのだそうです。もともと屋久島にタヌキは生息していないのですが、外部から持ち込んだ人がおり、その生息数が激増。誰が持ち込んだかもわかっているものの、責任を追及できるところまでは行かず、雑食のタヌキによる農業被害と生息地の拡大が問題視されています。

 

さて。西部林道の景勝地は、こちらの立神岩です。ガイドさんはたちがみいわと教えてくれましたが、たてがみいわという地方もあるようです。というのも、立神岩というのはここだけではなくほかの地方にもあり、このようにぽつねんと三角に独立して海の中に立っている岩を指すのだということでした。

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「写真を撮ったらすぐに車に戻ってくださいね」と声を掛けられました。車道に出ちゃうからなのかと思っていたら違いました。「向こうに雨雲が見えますから」

屋久島は、雨が降っている様子が見られる場所でもあると説明を受けました。ちょうど赤く囲ったあたりに、確かに雨が見えます。そこから左にも、いくつか雨の塊が見えます。雨雲接近ではなく、まさに雨が接近してくるのです。

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西部林道を進みましょう。

あ!また、ヤクシカがいました。

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ヤクシマザルは、あちこちで見かけました。ちょっと堂々としたこちらは、ボスザルのようです。ヤクシマザルは、毛並みがフカフカとしているような気がするとガイドさん。

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毛づくろいに夢中の親子。サルもシカも小ぶりなのは、寒い地方の動物ほど体が大きいという「ベルクマンの法則」によるものではないかという話でした。いわゆるオランダ人の平均身長が世界一高いという話の逆バージョンですね。

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堂々とした角を生やした雄のヤクシカです。でも、大人ひとりでも抱えられそうなサイズ。

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ここからは、緊張の走る狭い西部林道を抜けていきます。対向車が来た場合は、バックで退避しなければならないのですが、慣れない観光客の運転者相手だと何百mも戻ることもあるんだそうです。

このころから、立神岩で予告されたとおりに豪雨となりました。西部林道を少し歩く予定にしていたそうですが、ちょうどそのときには車外に出られないほどの雨に叩きつけられていました。そして、残念なことにその先で倒木がありました。前夜の強風で倒れたようです。

西部林道を通り抜けるのは無理と判断し、時計で言えば10時の位置まで回った屋久島を反時計回りに戻ることになりました。

いなか浜には寄ることができません。ウミガメの産卵地として有名な浜。そして、そこを回れば屋久島を1周できるはずだったのに残念です。また違う景色が見れただろうに・・・

でも、もっとご苦労なのはガイドさん。10時から1時の位置へ行けば昼食会場なのに、

ぐるっと3/4周も回って戻らなければなりません。

 

1時間ほど走り、当初予定より30分ほど遅れてふるさと市場へ到着。

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ランチメニューは飛魚定食。

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飛魚を豪快に丸ごと揚げてあります。

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でも、残念なことに全体的にあまりおいしい定食ではありませんでした。屋久島はあまり沖縄の影響を受けていないと聞いたのですが、定食というのになんとなくバランスが悪い。

屋久島には、郷土料理がないと言っていいと聞きました。表土もたった1m、農業も難しい土地柄で、恐らく貧しかったのでしょう。移住してきた人たちのカフェやレストランで出される食事が、やがて屋久島の料理となっていくのではないかという話でした。現地の人が移住者の作るものを楽しみにしているのだとしたら、共存していくのにいい話です。

 

ランチの次はツアーのハイライト、ヤクスギランドへ向かいます。

次回記事はこちら。

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