2024年(令和6年)1月1日(月)
年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は世界都市の城塞都市クエンカの旧市街の暮れゆく様子を中心に書きました。
時間が前後しますが、マドリードからの列車が遅延し、タクシーで到着したクエンカ旧市街。宙吊りの家を通り、サン・パブロ橋を渡り、スペイン国営ホテル「パラドール」に向かいました。
スペインには各地に政府によって運営される国営ホテル「パラドール」があります。正確には国営ではなく、国が出資して主導した半官半民のホテルチェーンで、観光誘致を目的として始まりました。
多くは教会、修道院、古城、貴族の大邸宅などを改修・改築したもので、歴史的建造物に泊まれるのが魅力です。
ウエカル川の渓谷を挟んで、クエンカ旧市街に向き合う位置に建っています。バスで来ることしか考えていなかったのでマヨール広場までタクシーに乗りましたが、ダイレクトにパラドールを目指した方がウエカル川沿いを走り、早く到着できると思います。
なんといってもクエンカのパラドールの魅力は、旧市街からのアクセスの良さと手ごろな価格。ルクセンブルクでは2泊朝食付き52,448円、マドリード5つ星ホテル1泊朝食付き42,275円に泊まりましたが、元日泊にして1泊2食付き39,037円!!!
パラドールの始まりは1928年。ベガ・インクラン伯爵が自分の所有するグレードスの狩猟のための山荘を改装して公開したのが第1号で、以来国内やスペイン語圏に約100軒が展開されています。
レセプションは質素。廊下は市松模様が基調となっています。
1523年後期ゴシック建築のサン・パブロ修道院。パティオをぐるりと囲んだ建築はスペインに多く見られるスタイルです。
パティオを囲んで回廊があり、その美しい内部や外観はパラドールの公式HPの動画でも見ることができます。
私たちの部屋は1階。日本でいえば2階にありました。
途中の空間からパティオが見えます。憧れのパラドール。ワクワクします。
103に到着しました。重厚な扉。ちょうどレセプションの上あたりに位置しています。
扉を開けると正面がバスルーム、右側がベッドルーム、左側の扉は・・・?
開けてみるとクローゼット。入口扉も部屋の扉もクローゼットの扉もすべて同じ重厚なデザイン。
鍵は真鍮でずっしりとした重みがあります。オートロックでした。
驚いたのが、前回も書いたように食事は一番早くて20時半から。遅く到着したと思っていたのに、そこからさらに3時間待ち。
ベッドルームは素敵でした。重厚な家具がパラドール泊の雰囲気を盛り上げてくれます。
天井の布って天蓋になるのかしら。日本人の一般庶民にはわかりませんが、なんとなく貴族気分。
テーブルにはミネラルウォーターが1本。コーヒーメーカーやポットなどが揃っていました。
冷蔵庫は飲み物が揃っています。スペインでは用意されているところの方が多かったかな。気軽にスーパーに行ける場所ではなかったので有効だと思います。
バスルームは案外広々とまとまっていました。突き当りのトイレの中に暖房用のヒーターが入っています。
ツインボウルは気兼ねなく使えて嬉しい。
石鹸は出したあとですが、靴拭き用の布がこんなところに備えられていたのが珍しい。
ディナータイムが遅かったので、中途半端な時間になってしまったためシャワーは使いませんでした。
ハンドタイプのシャワーだったので使い勝手は良かっただろうと思います。
古い造りのパラドールでトイレを暖房しているというのは細やかなこだわりだと思います。
ビデがあったのはここだけ。何度か使い方を調べたのだけど、ウォシュレットの日本人には馴染みがないかも。でもタオルが掛けられていたのは初めてで、なんとなく納得できました。
建物はパティオを囲んだ造りなので、部屋は四方にあると思います。でもこの部屋は宙吊りの家が見える位置でした。
でも光の加減で宙吊りの家は真っ暗。サン・パブロ橋もはっきりしません。翌朝再トライすればよかったな。
ひととおり部屋を見てから、ワインを買いに出掛けたときの画像です。階段を降りると見える回廊の市松模様が素敵。
階段の傍らにはクリスマスツリー。左に曲がると、ディナーと朝食会場です。ちょうど木枠のついた壁の内側がレストランスペース。
次回は、いよいよそのディナーの話です。完敗でした(涙