2024年(令和6年)1月1日(月)
年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はマドリードからクエンカの列車移動で、遅延につき乗り継ぎのバスに間に合わなかった話を書きました。
タクシーを降りたPlaza Mayor(マヨール広場)では、タクシー代を負担するという2人から明るく辞退するために、そばに建つクエンカ大聖堂は撮らず、急いでホテルへの道に見当をつけて下ると広場に出ました。騎馬像は1177年にクエンカを奪取したAlfonso VIII(アルフォンソ8世)です。
17時半ごろクエンカ。歴史的城塞都市として旧市街が世界遺産に登録されています。東京に比べると日が長いです。
クエンカの中で象徴的に出てくるのが「宙吊りの家(Casas Colgadas)」。このあたりが入口のはずなんだけど・・・
宙吊りの家はカフェとして営業していると読んだ気がしたのだけど、今回、行先を決めたのが出発1ヶ月を切っていたので調べ不足。翌日この扉が開いているときに見ると、現代美術が展示してあり美術館のようでした。でも左側にCasas Colgadasと書かれていたので間違いなくここが宙吊りの家です。
さらに下るとやっとその姿を現します。翻訳ソフトで調べるとCasas Colgadasは、「Casas=家」「 Colgadas=吊る」。でも全貌はちょっと待って。まずはここからの景色を堪能します。
まずは、サン・パブロ橋と旧サンパブロ修道院。サン・パブロ橋は向こうに見える修道院と街を繋ぐために造られたもので、当時は石造りでした。
橋を渡った先の山の頂上には記念碑が見えました。イエス像があるようです。登れると書いてあったのだけど、翌朝、登山道を見つけられませんでした。どっちみち登頂には40分程度かかるようで時間的にも厳しかったのですが、もっと季節が良ければ絶景が見られるので、是非登りたいところ。パラドールの道をもう少し下ったところが登り口のようです。
旧サン・パブロ修道院は1993年にスペイン国営ホテル「パラドール」に生まれ変わっています。でも、そこへ行くにはサン・パブロ橋を渡らねばならない。ワタクシ、高所恐怖症ではないのだけど、なかなか不安定感があってこの橋は端を歩けませんでした。
橋の長さはゆうに100m以上あります。吊り橋ではないので揺れないのだけど、なんとなく心許ない。
でも、橋の途中からの景色は絶景です。崖上に建つパラドール。
そしてこちらが宙吊りの家(Casas Colgadas)。ん?どれって?
木造りのバルコニーがあるこの建物です。でも、なかなか宙吊りっぽく撮るのが難しい。
これだとどうかしら。宙吊りっぽく見えるかな。実際のところ浮いているわけではないけれど、こんな崖の際に建てていること自体がすごいよね。
宙吊りの家だけでなく旧市街は奇岩の上に建てられた家ばかりで、殊更Casas Colgadasだけを取り上げなくてもいいのでは?というほど圧巻の景色です。
ほら。ちょっとズームして撮るとどれもすごいところに建っているでしょう?ルクセンブルクと同じく天然の要塞で、しかもこんな際に建てられると攻め込むのはさらに厳しいだろうと思います。事実、クエンカの歴史を調べてみても、アルフォンソ8世が奪取してカスティーリャ王国に組み込んで以来、争奪戦が繰り広げられたという史実は見つけられませんでした。だからこそ、こうして当時の街並みも残り得たのでしょう。
サン・パブロ橋がかつては石造りだったことがわかる画像です。橋脚に当時の面影が残っています。
ここからは、ホテルにチェックインして荷物を置いたあと、18時過ぎからの画像です。サン・パブロ橋にも人が少なくなったので、宙吊りの家を独り占めして撮れた画像。
なんとかその宙吊り感を出したかったのだけどなかなか難しい。翌日にかけても、まだまだトライしています(笑
ここマヨール広場はタクシーを降りた場所。広場にはクエンカ大聖堂が建っています。翌日の見学を予約済み。
今回はいくつも大聖堂に入りますが、ここはファサードのバラの窓が美しい。見学が楽しみです。
マヨール広場の下手には、通りを塞ぐように建物があります。新市街からやってくるとこの建物の下をくぐって広場に入ってきます。ここを閉じればマヨール広場から上は護られるよね。GoogleMapによると正面の建物は市役所と表示されるのだけど、かっこよすぎじゃない?
門を抜けて下りました。今夜のワインをゲットできるお店を探していたのです。元日だけど開いているお店があり、ワインの栓を抜いてもらって持ち帰りました。
日没直後の濃紺の空を背景に美しく映えるサン・パブロ橋とパラドール。
すっかり観光客がいなくなり、ここからは宿泊するものだけが知れるクエンカ旧市街。
宙吊りの家も存在感を放っています。
日没からの30分ほど、こうして暮れゆくクエンカの旧市街を楽しみました。
パラドールに到着。崖の上の旧市街に対面しています。
調達したワインでディナータイムまで時間潰し。5EUR(802円)と安かったのですが、それでも最安値ではありませんでした。ルクセンブルクに比べ、スペインではぐんとワインが安かったです。
さて。1時間もすれば間が持たなくなり、しつこくも19時半、もう一度旧市街へ繰り出しました。え?ディナーはまだ?・・・そうなんです。パラドールのディナータイムは、一番早くて20時半から。スペイン時間って遅過ぎるわ~
パラドール側からまたもやサン・パブロ橋。寒いのは寒いのだけど、これだけ出歩く気になれる程度の気温です。橋を渡るときに風があると相当怖いと思いますが、このときは高さも気にならず楽々歩いて旧市街へ向かいます。
つくづく宙吊り感を出すのが難しかった宙吊りの家。
ライトアップされたサン・パブロ橋とパラドールを振り返ります。日帰りでも充分回れる規模の街だけど、そんな場所に泊まる贅沢もまたいいよね。スーツケースを置きっぱなしにできるなら、他にももっと泊りに行きたい近郊都市があったよ。
細い路地が魅力の旧市街。たぶん、ヨーロッパの古い街並みは攻め込まれないために複雑にできているのだろうと思う。それを何度もうろうろしていくうちに覚える楽しみも、宿泊者ならでは。
静まり返ったクエンカ大聖堂に見入る。
大聖堂の前のマヨール広場にはクリスマスツリー。昨夜はここでもカウントダウンが行われたのかな。コロナ禍以外、年末年始はいつも海外だったけど、ほとんどその時間は寝ていました。でも、起きていた今年はホテルにも辿り着けていなかった・・・珍しくカウントダウンを楽しみにしていたのに。
元日の夜、ほとんどのレストランは開いておらず、やはりこの日の宿泊をディナー付きで予約して正解だったなとこのときは思っていました。
そろそろ戻りましょう。サン・パブロ橋を渡る手前の坂道。ひっそりとしています。
崖の上の街もライトアップされ、妖しく建物が浮かび上がっています。
ようやくディナータイムが近づいてきました。今回の旅行で楽しみのひとつだったパラドールでの食事です。
でもディナーの前に、次回はまずパラドールの施設内をご紹介します。