英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【スペイン】世界遺産セゴビア旧市街 約2千年前建築「ローマ水道橋」

2024年(令和6年)1月3日(水)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は世界遺産セゴビア旧都市の構成要素のひとつ、ディズニー映画白雪姫のお城のモデルとしても知られているアルカサルについて書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

前回5年前のスペイン旅行でサン・セバスチャンからの帰路、セゴビアローマ水道橋に寄るかどうかとても迷っていました。でも、鉄道駅からバスに乗り換える必要があったので、断念したという経緯があります。満を持してのスペイン再訪、絶対に外せなかった場所です。ほとんどが橋の画像で終始するのであしからず(笑

バスを降り、念願のローマ水道橋を間近に見た感想は「意外と華奢」でした。このときは雨も降っていたので、素通りしてセゴビア大聖堂とアルカサルの見学に急いでいます。

 

そしてアルカサルの見学を終え、素通りしたローマ水道橋へ戻ります。スペインの建物はどこでも茶系。西欧の中でもイスラム色が色濃く異色です。

 

ここは回廊の扉と呼ばれ、旧大聖堂の門があった場所です。アーチの上にはキリストの横たわった体を抱きかかえる聖母ピエタの小さな彫刻が置かれています。

 

アーチから向こうにアルカサルの塔が見えます。

 

スペインの司教、十字架の聖ヨハネ像。後ろの建物の漆喰壁が美しい。

 

50m以上の高さを誇る鐘楼を持つサン・エステバン教会

 

広場ではストリートパフォーマンスが披露されていました。これがスゴイの。バイオリンを弾く指まで1本ずつ動かし、表情も豊か。素晴らしい演奏でチップを集めていました。

 

さて、ローマ水道橋まで戻ってきました。観光客が集まるPlaza del Azoguejo(アソゲホ広場)です。画像は前後しますが、まずは正面の階段を上って上からの水道橋を眺めに行きます。階段の左隣は観光案内所。

 

紀元前80年にセゴビアを制圧したローマ帝国は都市開発に着手し、その一環で作られたのがこの水道橋。ローマのコロッセオより少し後にできたと推測されています。恐るべき建築技術。

 

まずは中段からの長め。橋の先が坂になっているので橋脚の高さも違っているのがわかります。

 

上部まで上がってきました。石畳なので、雨のあとは滑りやすいので注意。

 

バス停のある東側からの眺め。水源のグアダラマ山脈の方角です。向かい側に見える階段へもあとで上がります。

 

さらに城壁を上がります。

 

もうちょっとで水道橋の水路が見えそうな位置。思い返してみると、この後方にももう少し水路が続いているので、気をつけていれば見えたのかも。

 

バス停のある広場が見えます。ちょうど帰りのバス停に青いバスが停まっているのが見えます。

 

階段を降りてきました。17km先のフリオ川から水を引き、ここが市街地への最終地点のようです。

 

城壁側と反対へ上がります。こちらはなだらかな階段。

 

石材は5kmほど離れたところで産出する花崗岩が用いられ、およそ2万個の石がモルタルなどの接着剤なしに積まれているのだそうです。そして、石の表面に残った窪みなどから簡単なクレーンも使われたと推測されています。

 

120本以上ある柱に支えられ、全部で166本(167本の表記のところもあり)のアーチで構成されていますが、徐々にアーチの高さが変わっています。

 

勾配1%で水を流す設計だったそう。レコンキスタで敗れ、セゴビアを撤退することになったイスラム勢力がこの橋の重要部であるアーチ35個を破壊したため使用不能になっていましたが、のちにイザベラ1世が修復を指示し、その後19世紀まで使用されていました。

 

アルカサルはエレスマ川とクラモレス川の合流地点に建っているので、水には困らなかったのでは?と思うのですが、セゴビア旧市街は急峻な崖の上に立っているので、当時はポンプなどで水を汲み上げる技術がなかったので、町と同じ高さの導水路を給水源から通すほかなかったということなのでしょうか。

 

展望だからこちら側までの直線で300mもの長さがあります。圧倒されるというよりは、逆にこの細さで2000年もの年月、崩れ落ちることがなかったの?という気がしませんか?

 

実はこのローマ水道橋は直線で終わりませんでした。曲がった先にまだ続くのです。

 

ガイドさんに解説を受けているらしいグループがいました。この人たちの背と比べると二重アーチの最後がいかに低くなっているかがわかると思います。

 

こちらは市民のための水汲み場かしら?などと想像しましたが、あれこれ調べても出てこないということは、ローマ水道橋とは無関係かも。

 

曲がった先に続くローマ水道橋。この先はすべて一重アーチですが、むしろこちらの方が長く、この先700m向こうまで続きます。時間があれば、そちらをスタート地点として歩いてきたら、到着したときに感慨深いんじゃないかな。

 

アソゲホ広場へ戻ります。東側は緩やかな階段でしたが、西側は車道なのでベビーカーでもOK。

 

水道橋がもっとも高いのがアソゲホ広場の位置で28.1mあります。

 

水道橋が曲がる位置と比べると、その高さの違いがよく分かります。上段がすべて同じ高さとすれば、下段は4つの区切りがある柱になっています。これを目安に見ると高低差がわかりやすい。

 

西側の下に十字架が置かれています。そしてその上段にスペイン国旗色が見えます。

 

国旗ではないのですが、スペイン色の布にくるまれた聖母マリア像が納められていました。ちょうどここだけ下段のアーチ上部も太くなっているのでそれが目印です。

 

ランチの予約があったので、少し駆け足の見学でした。セゴビアの名物は豚の丸焼きらしい。観光地でレストランに入ろうとすると満席だったり並ぶことが多いので、珍しく予約して行っています。次回はその話を。