2024年(令和6年)1月4日(木)
年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はピカソの代表作、ゲルニカを観にソフィア王妃芸術センターを訪れた話を書きました。
マドリード拠点の観光も残すは1日。チャマルティン駅から中心部に近い場所にホテルを移動しましたが、そこまでこの界隈で過ごさなかったので、あのまま同じホテルに泊まっていた方が良かったかもしれません。それでも、マドリード-アトーチャ駅に近いホテルに移動したのは、トレドへ日帰り観光するためでした。なんといってもトレドは「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言わしめる場所なのです。
アトーチャ駅で地下鉄を降り、国鉄駅へ向かいます。なかなかこれが難しい。長距離列車の乗り場へ行くと、1時間に1本走っているはずのトレドの文字が見当たりません。
聞いてみると、近郊列車の乗り場が別にありました。手荷物検査がどこでもふつうに行われています。
ヨーロッパの鉄道によくあるように、手荷物検査を受けてもまだホームがどこかは決まっていません。本当に直前になってようやく表示されるので、ぼっとしていられない。
トレド行きもセゴビア行きと同じで運賃は定額の11.1EUR(1,785円)。
トイレも完備でとりあえず車内も清潔と言っていいと思います。
座席は中央だけが4人掛けで、あとはこの向きに倣った方向に固定されており、座席の向きを変更することはできません。
アトーチャ駅からトレドまでは30分ほど。
素晴らしいのがまず駅舎。ムデハル様式の駅舎はイスラムの香り。
馬蹄形のステンドグラスから差し込む光が美しい。タイルの青もイスラム。
外から見るとステンドグラスの色はまったく見えないので、あんなにも華やかな駅車内が不思議なぐらいです。スペインってほんとヨーロッパでもイスラム色が濃く異色。
駅舎全体を見ると時計台もあります。ここからトレド旧市街までは徒歩10分ほど。
2階建て観光バスで巡る乗り降り自由のトレドシティーツアーに参加することも可能です。
徒歩で旧市街へ向かうとタホ川の蛇行に囲まれるように聳え立つトレド旧市街。
ひときわ高いところに見える四角く囲まれた尖塔を持つ建物はアルカサル。3世紀のローマ帝国時代に宮殿として建設された建物で、今は軍事博物館として公開されています。
タホ川の先には旧市街と対面するようにトレドのパラドールがあり、絶好の展望箇所になっています。
タホ川を渡すアルカンタラ橋。まだ開店前のクリスマスマーケットが並んでいました。
旧市街へ入る門です。
馬蹄形の門を抜けて歩いて行くと、いくつか分かれ道がありました。
アルカサルへ行くには左のルートを通ると近いのですが、GoogleMapでは高低差もあるのでいまひとつわかりにくい。
前を歩く人に連れられるように右側の階段を上がってしまいました。
そこから広がる風景を眺めていると、向こうにある建物が気になりGoogleMapで探してみました。
向こうに見えるドームのある建物はタベーラ施療院で、カスティーリャ王アルフォンソ10世の系列であるメディナセリ公爵家にゆかりの建物で、今は所蔵するエル・グレコなどの絵を展示する博物館として公開されているらしい。近くにはトレド闘牛場もあり、旧市街だけでなくそこここに見どころがあるのが、さすが世界遺産数5位というスペインの凄さ。
栄えた都市でも、隣接して農地があったりさもなくば荒野となっているのも特徴で、住宅地を拡張していかないので、いつまでも古くからの景観を保てるのでしょう。
ちなみに、途中で左折した場合は、もう少しなだらかな階段を上ります。
修道院の建物の脇から上がっていくとサンタクルス美術館へも行けたようだけど、私たちはアルカサルすら素通りで戻ってしまいました。
こちらの道を通った場合は、対岸が見渡せます。向かいに見える建物はサン・セルバンド城(Castillo de San Servando)で、現在はユースホステルとして利用されています。
帰りにホステルへの坂道を上ってみましたが、小雨が降ってきたので途中で引き返しました。でも、アルカサルがさらによく見えたので、パラドール方面にあるミラドール展望台とはまた違ったトレド旧市街の展望台としても利用できるかもしれません。
さて。観光の中心となるソコドベール広場に到着しました。残念ながら、トレド大聖堂とアルカサル以外には特に何を見るべきか調べずに来ています。歩けば自ずとわかると思っていたのです。
そんなわけで、建物の重厚さに釣られて私たちが入ってしまったのは図書館。手荷物検査を受けて入ったものの、ごくふつうの図書館でトイレだけをお借りして失礼したのでした(笑
でも、重厚だったはずなんです。ここはアルカサルの一部だったのよ。今の今まで気づいていなかった私、どおりで人がたくさんいたはずだわ。アルカサルからはもっと離れた場所にいると思い込んでしました。
11時予約のトレド大聖堂。狭い路地から見えている尖塔がそれかしら。
ぐるりと大聖堂を取り囲む塀に沿って歩いて行くと、入口を見つけました。でも、ほとんど観光客はいないし、入口には物乞いもいる。んん?入ってみるとここは「時計の門」と名付けられた裏口(でも時計は止まっている)。一応内部が見られるようになっているので、入場見学しない場合はこの裏口を探すといいです。
入れるのは柵で囲まれているところまで。主祭壇などは見えませんが、リブ・ヴォールト天井や中の雰囲気はわかります。
正面を探しながら通りを歩いていると、武器を扱うお店がいくつもありました。トレドは刃物の町として有名で、中世の雰囲気のする剣や盾などがお土産として売られているのです。それにしても人物が生々しい。
トレド大聖堂への入口は、市庁舎前にあるその名も市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)の脇道から。
開催中のクリスマスマーケットでは、私の天敵であるBACALAO(鱈の塩漬け)も山積みだったよ。
もうすぐ11時。今回のスペインでの大聖堂はマドリード、クエンカ、セゴビアに続き4つ目。スペインのカトリック総本山のカテドラルです。
入口はその角を曲がったところ。この入口の彫刻には最後の晩餐が描かれていて必見だったのに、見落としてたんだよね。でもま、とにかく入るよ。