英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【長野】初の山小屋泊で北アルプス縦走 一ノ沢登山口~「常念小屋」泊

2023年(令和6年)10月27-28日(金-土)

 

10月21-22日の縦走が適わなかったことを聞いた別の方から、今週末なら行けそうだけど?という連絡が届いたのは24日のことでした。今回の縦走路にある山小屋は11月3日に常念小屋、大天荘が閉まり、11月3週目の燕山荘が最終です。でも11月に入ってしまうと降雪確率が高くなるので、ほぼラストチャンスでのお誘いでした。

仕事を終え、特急あずさに乗車します。夕食はなだ万のお弁当。

 

ええ、撮っていませんがもちろんいつものスパークリングワインも持っています。

 

松本駅でJR大糸線に乗り換え、前泊のホテルに泊まります。前回の日帰りのときと同じ豊科にあるビジネスホテル。駅近と大浴場があるのがメリットで、他は・・・

 

中止になった前回予定では大天荘1泊でしたが、今回は余裕を見て2泊の行程での提示を受けています。初日は常念小屋泊なので、出発も少し遅めの7時。ホテルの朝食を食べての出発が可能です。

 

車で下山後の最寄駅となる穂高駅近くの駐車場へ向かい、そこからタクシーに乗り継いで一ノ沢登山口へ向かいます。7:52登山届を出し出発です。

 

8:14 山の神到着。私は登山口からここまでの道がとても苦手です。細くて狭く、木の根が出ていて躓きやすく、谷側は急峻で滑落への恐怖心が湧きます。でも前回歩いてコツは掴みました。

 

なにがコツかって?下を見ないようにすることだけ。ひたすら前に集中していると気にならなくなりました。山ノ神で安全を祈願して先へ進みます。この先、短い脚には骨の折れる大きな段差がある岩の道を登り、水にも少し浸かる沢を越え、私にはどこが登山道か判別できない道を歩きます。

 

やっとそれを過ぎると次は胸突八丁と呼ばれる急な階段をひたすら上り、11:35 最終水場で休憩しました。このあたりは安曇野方面の視界が開けています。スマホ電波のアンテナも立ちました。

 

12:17 常念乗越標高2,460m到着です。右が横通岳から大天井岳へ抜ける方で、左が常念岳という分岐点です。

 

常念乗越でテント泊をする場合はこちら。前回、物資を運ぶヘリを見たあたりです。前方に見えるのが横通岳。緩やかに見えますが、前回かなりキツかった記憶が鮮明に残っています。

 

今日泊まるのは赤い屋根の常念小屋。向こうに槍ヶ岳が見えるはずですが、ガスがかかって隠れています。体力的には先へ進んでもまったく問題なかったのですが、横通岳トラバース道から先を知らないので初日はこれで良しなのでしょう。

 

常念小屋は1917年(大正6年)、北アルプス南部の最初の山小屋として若い青年たちによって作られました。修繕を重ねながら築100年を過ぎています。現在の天皇陛下が1992年(平成4年)独身時代最後の登山でここに宿泊されています。

 

土日でしたが冬季に差し掛かっている山小屋はかなり空いていて、グループごとに一部屋を使うことが出来ました。

 

繁忙期は屋根裏のような上部も使います。2泊目の燕山荘は人気の山小屋なので、こういった箇所も使われていました。

 

いずれにせよ、まさか私が山小屋泊を経験するなどとは思っていませんでした。お風呂に入らずワイルドな2泊3日は、大袈裟だけれど人生における想定外。行く怖さと行かない後悔でかなり揺れました。

 

部屋に入るとコロナ対策なのでしょう、とりあえず仕切りはありました。6-7人部屋だったと思います。

 

消灯まで時間はたっぷり。仮眠は逆に不眠へつながるので起きていることを選択し、下へ降りて食堂でお茶をいただきます。前回はここでランチにカレーをいただきました。今回は持参の行動食を食べているので、小屋にある本を読んで過ごしました。

 

売店では飲み物やアイスクリームも取り揃えているだけでなく生ビールも置いています。登山のあとに生ビール!1,000円だけど3,000m級の山の上で飲めるなら、山小屋への協力金としてもいいですよね。

 

刻々と変わる山の天気。何度か外へ出て周囲の様子を確認しました。こちらは小屋の入口から見た常念岳方向です。

 

まずは翌日歩く横通岳方向を見ていきます。視界はまったく開けませんでした。見てのとおり緩やかで、山小屋からの上りは250m足らず。この見た目が油断させるのか、常念乗越より先で私がもっともキツく感じた箇所でした。

 

14:38 もう一度横通岳。青空が安曇野側に少しだけ見えます。繰り返し書きますが、ハイマツのあいだを地味に登り続け、そのあと踏み抜きそうな岩場をしばらく歩くので緊張が解けない道です。

 

トラバース道がどの高さにあるのか、私には目視ではわかりません。地図上では分岐点から頂上まで92mの標高差なのですが、思っているよりも高い位置なのか低いのか。左手に見える稜線は確か登山道ではなく、途中で先へ進めなくなっている尾根だったはず。

 

14:42 常念岳は、同じ時刻とは思えないほどの青空。手前の前常念にはほとんど積雪は見られません。後ろ側の常念岳も前週に登山口から見た雪はかなり解けているようです。

 

16:05 再び常念岳。一部雲がかかっていますが、一貫して晴れ間が覗いていました。蛇行した登山道が見えます。一切の日影がないので、暑い季節になればきつい上りとなるでしょう。

 

安曇野方面です。14:38 青空は見えるものの、ガスはかかったまま。

 

16:05になっても安曇野方面の視界は開けないままでした。空は青いけれどすっかり夕方の様相です。

 

テント場付近で雷鳥を見かけました。木の上にとまっているのがわかるでしょうか。

 

夕食時間は17時です。4つのテーブルで収まるだけの宿泊客でした。

 

どの方も慣れており、ご飯とお味噌汁を皆の分取り分け、流れるように連携して渡していきます。

 

メニューはハンバーグ。結構な量ですが、明日に備えて完食です。

 

翌朝の出発は早いので、食べ終えると早々に解散して準備を進めます。私はどうすれば素早く身支度が整えられるかわからず格闘。汗をかかないよう、重ね着した服を手早く脱ぎ着しなければならないので、そもそもどれを選択しようかというところから迷いました。防寒着が足りないのも心配ですが、手持ちが多くて重くなってもいけないので、そもそもの準備から難しかったです。