英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【長野】初の山小屋泊で北アルプスパノラマ銀座縦走 横通岳~大天井岳~表銀座ルート

2023年(令和6年)10月27-28日(金-土)

 

10月21-22日の縦走が適わなかった直後、同じ週末からの北アルプス縦走のお誘いを受け、一ノ沢登山口から常念乗越まで登ってきました。前回は常念小屋での滞在記を中心に書いています。

fuwari-x.hatenablog.com

 

5:24 常念小屋での朝食です。こんなに早くから準備してくださって感謝。魚はきっと信州サーモンだよね。

 

5:47 槍ヶ岳のそばから陽が昇ってきました。明けの明星がまだ見えています。

 

6:06 安曇野方面はこれだけ晴れているのにガスに埋もれて見えません。

 

6:07 常念小屋を出発です。奥穂高方面が見えています。積雪量が半端じゃない!そして、槍ヶ岳が見えるとやっぱりテンションが上がります。

 

常念岳の南側にある蝶ヶ岳から燕岳までのコースはパノラマ銀座と呼ばれています。そのうち途中の大天井岳から燕岳まではさらに表銀座と名付けられている人気ルートの一部を通ります。ハイシーズンなら子どもでも歩けるようだけど、大天井岳だけは前週の雪が残っている恐れがれあり、ちょっと弱気のスタートです。

 

6:41 横通岳のハイマツ帯のあいだを歩きます。一ノ沢から常念乗越の上りに比べると歩きやすいのですが、変化がなくて地味につらい上り。槍ヶ岳の姿に励まされます。

 

6:56 横通岳登頂ルートは今回もやはりスルー。さらに上るルートをわざわざ選択する余裕は早くもありません。かといって、ここからは岩盤上を歩くので、私のスキルではかなり神経を使います。2度目になってもどうしてこんな岩場が登山道と言えるのか、理解に苦しむ。危険箇所で封鎖してほしいぐらい怖いし、これを前に迷わず歩を進められることにも謎。登山する人ってすごい。なお、ここで涸沢カールが見えると教わりました。

 

その位置を確認すると、正面左から前穂高岳3,090m、涸沢岳3,110m、北穂高岳3,106mだったと思います。涸沢カールは、その三つの谷間で白くすり鉢状になっているところ。山岳小説でよく出てくる場所です。奥に見えているのは乗鞍岳かな。

 

8:04 なだらかな道で気持ちの良い登山道。東天井岳が近づいてきました。

 

ここからはより涸沢カールがはっきりと見えます。

 

8:15 振り返ると横通岳山頂が見えます。歩いてきたトラバース道は画像右側に細く見えているのですが、困難だった岩盤は確認できません。足元を撮っておけばよかった。あれが登山道だなんてまったくわからないんだもの。雲海に沈んでいるのは松本方面。

 

8:39 2,774m東天井岳分岐点付近まで来ました。東天井岳へは40m登れば登頂できますがスルーします。

 

9:01 確かこれから向かう大天井岳方向のはず。山といえば、富士山とか男体山とか聳え立っているイメージがあるので、こんなふうにちょこっと尖った先が山頂と言われてもなかなかピンときません。

 

槍ヶ岳が隠れてしまっているけれどその方角。積雪量が他を凌駕し、一線を画している地帯です。

 

10:45 さほどの高低差はなかったはずですが、ただただ歩き続けてようやく大天井岳(おてんしょうだけ)に到着しました。なぜか山頂下にある山小屋大天荘の画像が皆無ですが、建物脇に荷物を放置して大天井岳を登頂します。

 

10:52 ここらあたりの最高峰、大天井岳頂上2,922mです。大天井岳へ直接上るルートはなく、常念岳方面か燕岳方面などから縦走するしかありません。

 

こちらがこれから向かう燕岳(つばくろだけ)方面。表銀座コースと呼ばれる槍ヶ岳から続く人気のルートに合流です。なんてことない道に見えますが、気の張る場所がいくつかあります。

 

少し向こうには裏銀座コースのスタート地点となる高瀬ダム調整湖が見えています。ガスがなければ左側に野口五郎岳烏帽子岳などルートにある山も見えたはず。

 

大天井岳は春から秋にかけては登頂するだけの山ですが、積雪後の冬道では、登頂してから右に見える祠の脇を下るルートに変更になります。

 

こ、これを下るのかというほど急峻で下が見えません。

 

大天井岳山頂から引き返すところで雷鳥に遭遇しました。

 

かなり近くにいますが、警戒心はありません。登山者たちが大切に見守ってきているためでしょう。

 

雷鳥とはここでお別れ。呑気にスマホを向けているように見えますが、大天井岳の登頂ルートは足場が悪く、40mそこそこの上りですが私にはなかなか厳しいコースでした。

 

11:24 大天井岳から下るトラバース道です。ここが最大の関門でした。積雪量はさほどないように見えますが、狭い登山道をかなり覆っています。30-50cmほどの道幅を下るのですが、かなり急峻で滑り落ちると数100m流されていきます。

 

11:54 左上から緩やかに蛇行して下っていくのですが、上りであれば怖さは感じなかったかもしれません。でも下りは谷底が見えるので恐怖心に駆られるのです。

 

11:57 切通付近で振り返っています。左手斜面が特に雪が張り付いているのがわかります。JR大糸線からいつも積雪が認められるのはきっとこのあたりなのでしょう。岩肌が見えますが、実際は東側斜面に限ってはかなりの積雪量で地面が見えることはありませんでした。同行者がサポートしてくれたので下れましたが、中止して帰りたかったぐらい怖かったです。

 

上記の画像と、この画像が同じ時間の同じ場所のものとは思えないぐらいの違いがあります。ほんの少し移動するだけで雪はありません。でも、谷底へ落ちるような感覚が少しわかるかもしれません。道幅があれば気にならないのですが、狭いうえに雪に覆われていると奈落の底に見えるのです。

 

進行方向の燕岳方面にはもう雪はありません。穏やかな登山道に見えますが、いくつか難所があります。しかも出発から8km7時間半、大天井岳のトラバース道で精神的にもかなり疲弊し、周りの景色を楽しむよりほとんど無になって歩くだけの後半戦でした。

 

13:21 大下りノ頭から大天井岳を振り返りました。怖かったトラバース道の斜面が見えます。

 

大天井岳だけが雪に覆われていると言っていい縦走路でしたが、私には難所でした。もし燕岳側から縦走していれば上りなので、そこまで感じなかったかもしれません。事実軽装の外国人登山者ともすれ違っています。

 

山頂から左へ少し下ったところに大天荘が見えますが、このサイズではちょっとわからないかな。翌週に営業が終了ですが、スタッフの下山のためにはそれが限界だろうと思います。

 

14:28 1時間ほどのち、2泊目の山小屋、燕山荘に到着しました。9.8km8時間半の縦走、大天井岳からの記憶はあまり残っていません。二度と勘弁と思う反面、もう一度歩いてきちんと場所を記憶したい気持ちもあります。ただ、上りのしんどさもさることながら、下りの危険も気になるんですよね・・・健脚な方とは思うのですが、山登りとなるとなかなか難しいです。