英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【オーストラリア】ブリスベンから日帰りしたGlass House Mountainsでの一期一会

2024年(令和6年)8月10日(土)

 

夏休みはオランダ、ベルギーへ再訪しようと計画していたのですが、1ヶ月前にシドニー往復の特典航空券が取れてしまいました。せっかくなので、キャンセル料を支払い急遽オーストラリアに行先変更。前回はHilton Hotel Brisbaneの朝食ビュッフェの様子を書いています。

fuwari-x.hatenablog.com

 

ブリスベンで過ごす3泊はじゅうぶんなようで短く、何を優先しようか迷っていました。街歩きを堪能するか、郊外へ足を延ばすか。でも、ウルル(エアーズロック)を断念したのでそういう風景を見に行きたいと決め、Central駅へ向かいます。

 

Central駅の時計が後方に見えています。ここはAnzac Squareで戦争記念碑のある場所です。

 

第一次世界大戦第二次世界大戦、そしてベトナム戦争戦没者を祀っており、メモリアルギャラリーは無料で見学することができます。

 

どうやらそのギャラリーはここみたいなんだよね。土日祝は休みなのでそんな施設があるとはまったく気づきませんでした。階段脇の入口から入って左側の建物に進むのかな。

 

ずんぐりむっくりな巨木はボトルツリー(ブラキキトン)かな。この後の旅行でも、たびたびこの手の木に遭遇します。

 

階段を上るとEternal Flameが燃えています。多くの国で慰霊の炎を見てきたけど、これって靖国神社のような位置付けかしら。

 

Central駅に到着しました。8:37発の電車で北上します。その先にあるサンシャインコーストまで行きたかったのだけど、電車は1時間半に1本ぐらいの間隔で少ないため、目指すはGlass House Mountains。12の岩山が連なるアボリジニの聖地の国立公園です。

 

ところが電車が遅延するんです。15分遅れぐらいで到着したんだけど、そこから一向に出発しないの。空港行きの電車もここから乗るんだけど、大丈夫かな。

 

結局、9:37に到着するはずだった電車は10時半ごろに到着。大幅に予定がずれ込みました。ここからGlass House Mountains国立公園の中でもっとも近く徒歩40分で登れるはずのMt.Ngungun(アンガン山)へ向かいました。ところが歩いている途中で男性がひとり車を降りてきて、Mt.Ngungunへ行くのか?とわざわざ尋ねてきます。なぜなら、崩落箇所があって今は立入禁止だということを知らせようと思って、と。

 

さらに男性は私たちに「案内するから良かったら乗っていかないか」と申し出てくれました。見ず知らずの人の車に乗るのは危ないかも?と思いつつ、これは旅におけるご縁だと信じることにしました。彼はMattという会計士で、日本が大好きなんだと言っていました。今日はおばあさまの家に来ていて買い物に出掛けた帰り、私たちを見かけたようです。

 

最初に訪れたのは、12の岩山の中でもっとも高い556mのMt.Beerwah(そうなのです!Mattは他へも連れて行ってくれました)Googleではビアーワ山とカタカナ表記されますが、ビアワーと書かれているものもあります。麓にはいくつも洞窟がありアボリジニの出産などの儀式に使われていて母なる山です。

 

登っている人たちが見えたのですが、標高が低いとはいえなかなかの難所のようで、案内板には滑落注意と書かれていました。

 

続いて見えたMt.Coonowrin(クーナウリンorクーノウリン山)は、頂上に岩盤部分があってもっとも印象的な377mの山です。アボリジニの伝説によると、先に見たMt.Beerwahの息子だと言われており、Crookneck(曲がった首)という別名を持っています。確かに。

 

続いてもう少し車を走らせ、Glass House Mountains Lookoutに到着しました。

 

左に見えるのがお母さんのMt.Beerwah、右が息子のMt.Coonowrinという位置関係。お父さんのMt.Tibrogargan(ティブロガルガン山)ももうすぐ登場します。

 

いくつか山を挟んでぐるりと右にある小高い山が364mのMt.Tibrogargan(ティブロガルガン山)で、Mt.Coonowrinの父親です。アボリジニの伝説によると、Mt.Tibrogarganは妻のMt.Beerwahを除いたすべてのグラスマウンテン山脈の父でした。ある嵐の日、父親がMt.CoonowrinMt.Beerwahを安全な場所へ連れていくよう命令したのに、彼はそれを怠ります。怒った父親が息子を棍棒で殴り、首を骨折させました(怖い~)。そのことからMt.CoonowrinCrookneck(曲がった首)という別名がつき、それ以降父親は息子に背を向けて海を向いたまま、二度と振り返ることはありませんでした(ただMattの話では、怒った父親が怖くてMt.Coonowrinが顔をそむけたままだったと言ったようにも思う)

 

Mt.Tibrogargan(ティブロガルガン山)もどこから見ても見つけやすい山です。息子のMt.Coonowrinは崩落の危険があり1999年に立入禁止になりましたが、父親のMt.Tibrogarganはロッククライミングにもトレイルにも人気の場所です。

 

アボリジニの聖地らしい風景。雄大なオーストラリアの大地が見られて大感激です。Mattがいなければ、決して見られなかった景色でした。

 

Fire towerからもう少しあたりを眺めてみます。

 

ほんの少し高いだけで、さらに広がりがあります。ここは車で簡単にアクセスできる展望台なのでとても人気でした。

 

さらに800mほどのトレイルコースがあるから歩いてみようと誘ってくれました。

 

途中で木の説明を受けています。Scribbly gumと言われるユーカリの木で、幹に落書きのような跡があります。蛾の幼虫が移動時に彫る模様なんだって(下のほうにNCWと見えるのは明らかに人為的なものだけど)

 

さて、最後の山に向かいます。お父さんのMt.Tibrogargan(ティブロガルガン山)です。この山は電車に乗っているときにも突然現れました。車で移動していても、まず目に飛び込んでくるのはこの山でしょう。

 

この山でもトレイルコースへ連れて行ってもらいました。45分ほどのコースです。

 

コースから、お母さんのMt.Beerwahと息子のMt.Coonowrinにも再会しました。これで首を垂れている背中側になるのかな。

 

半周回ったあたりで、ロッククライミング中の人を見つけました。

 

いくつも洞窟があるのですが、下のほうのひとつで手間取り仕切り直しているようでした。映っていたはずが今となっては確認できません。安全を見届けたいような、怖いような気持ちでほかの人たちと見守っていました。

 

ブッシュターキー(ブラシターキーと書かれているものも。和名ヤブツカツクリ)にも再会です。彼らはその和名のとおり古墳のように大きな塚を作って巣にするそうで、この近くにも直径1m大の塚を見つけました。出来上がりはもっと大きく、直径4m高さ1-2mにもなるそうです。卵はその中を適温にした発酵熱で羽化させるんだって。

 

トレイルコースは比較的なだらかで、周囲の岩山を視界に入れながら歩くことができます。一応真冬のオーストラリアですが、カーディガンを羽織るだけでじゅうぶんでした。

 

ハイキングを終え、最後に父親のMt.Tibrogargan(ティブロガルガン山)が見える線路沿いの場所へ連れて行ってくれました。電車では、いきなり登場したので撮るのに間に合わなかったんだよね。

 

駅に到着。3時間半も私たちを案内してくれたMatt。日本を5回も訪れていて、北海道と沖縄を除くかなりマニアックな場所を回っていました。いつも日本で親切にしてもらっているから、オーストラリアで出会う日本人にはお返ししたいんだと言っていました。いつか日本に来たら再会できるかな。メールアドレスは交換しています。

 

さて。ここで最大のアクシデント発生。どちらのホームがCentral駅へ向かうのかは、ホームにいた旅行者と地元中学生に確認しました。でも、到着した電車の行先を見ると逆なのです!!!反対側のホームにいた地元中学生は猛ダッシュでこちらへ走って間に合ったようですが、私たちは乗り遅れてしまいました。

 

仕方がない。次の電車まで1時間以上あるのです。駅のそばのカフェ「Glasshouse TAVERN」でランチにしました。開いててくれて助かったよ。

 

14時半の店内は閑散としています。パリ五輪の時期だったので店内テレビで放映中だったな。

 

メニューは大まかに分けてハンバーガーとピザぐらい。

 

生ビールがあるのは嬉しい。味がわからなかったので聞くと、試飲もさせてくれました。飲ませてもらったものはジンジャーエールだったのでパスし、ビールを選びます。左上の2種類にしたけど、GREAT NORTHERNゴールドコーストの「Baba Joon」で飲んでたな。

 

PEPPERONI(21AUD)をシェアして次の電車を待ちました。合計36.1AUD(3,585円)のランチです。

 

次の電車では、駅でホームを訪ねた旅行者に再会。彼は乗ってしまったクチで、私たちは乗り過ごしたというパターン。お互い災難だったねと慰め合いました。到着ホームが違うなんて、ひどいよね。ブリスベンまでも戻り、ショッピングの中心地Queen Street Mallを歩きます。

 

ブリスベンの鳥って、どうしてこうも大きいものばかりなんでしょうね。ド迫力。

 

ibis(アイビス)と言ってトキの仲間なんだって。ゴミ箱も荒らすし、害鳥扱いっぽい。

 

ブリスベン市内を散策するチャンスはあと1日半。Queen Street Mallもほとんど見ていないからもう少しチェックしたい気もするけど、私が候補に挙げていた郊外の場所はMattもイチ押ししてくれた場所でした。それなら行ったほうがいいよね。