英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【スペイン】3日目-4 グラナダのハイライト!アルハンブラ宮殿ナスル宮-前編

2018年(平成30年)12月31日(月)
 
アルハンブラ宮殿のハイライト、ナスル朝時代の宮殿の予約時間まで1時間。
暑さに疲れていたので、水を買いました。
この自動販売機の使い方には、みんな困っていましたね~ クレジットカードの表示もあるのですが、現金1.2EURをどこに入れるか。 

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右側の栓抜きのように見える丸い穴にコインを入れて押し上げると入金でき、入れ終わったらその下にある数字を押す。ペットボトルがさっき押した数字の下に運ばれていくとそこがパカッと開く。
って、この説明じゃわからないな 。みんなオタオタしていました。 
 
前日に下見に来たとき、どこからナスル宮に入るのかわかりませんでした。というのも、アルカサバとカルロス5世宮殿のあいだに道があり、下って行くと入口があるのです。表示は「GROUP」になっているので、そこは団体用の入口のはず。でも、個人がどこから入るのかわからないのです。
 
あとでわかった場所ココ。カルロス5世宮殿の向こう側です。
ちょうどこのあたりで木登りネコを撮っていたのにわからなかった・・・
並んでいなければ、まったく気づかないような場所にあります。

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並んでいるのは15:30予約の人たち。この人たちが入場したあとに、トップバッターで並んじゃいました。
何人か時間外だけど入れてもらえないか聞いているようでしたが、一切融通は利かせてもらっていませんでした。
入場時には、荷物を椅子の上に順番に並べさせられます。警察犬がやってきて、臭いをクンクン。そのチェックが終わってから、入場です。 
まずはメスアール宮

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イスラム建築ではタイルが欠かせませんが、アラビア半島での青が基調とは違い、スペインでは多彩な色が使われています。

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メスアール宮の奥には 祈祷室 があります。壁には対をなしたアーチと小さな窓がついたバルコニーがついています。イスラムでは偶像崇拝を禁じているので、人や動物ではなく、直線や曲線、植物や花などを組み合わせ、反復して描くアラベスクというイスラム美術や、装飾文字カリグラフィーを用いて描かれています。

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ここの透かし彫りの窓も、光の入り具合でステンドグラスのように見えます。

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メスアール宮を出ると 黄金の間の中庭 です。まさに黄金を連想させる装飾ですが、この向こうにある 黄金の間 の名の由来は、天井を残留イスラム教徒の建築様式とキリスト教建築様式が融合したムデハル様式に塗り替えたことから来ているそうです。 

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黄金の間がどれか私には特定できなかったのですが、途中に通った小さな部屋でも、アラベスクに埋め尽くされています。

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天井は木工象嵌と金箔を使った美しい装飾がされていました。これもムデハル様式になるのでしょうか。

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アラヤネスの中庭
後方にドでかく見えるたてものはカルロス5世宮殿ですが、キリスト教支配下になってからの建築物なので、まわりとは建築様式が異なります。視界に入ってくる違和感のある建物を、邪魔!と書いている人がいました。なるほど、邪魔ですね~

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中庭に面した柱廊の両端のアルコーブを見るとイスラム建築の特徴が表れています。スペインのイスラム建築には、こうしたアーチを描いたものが多く見られますし、はじめの部屋でも見たタイル。 

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アルコーブの中を見ると、細かな鍾乳石飾りと呼ばれる漆喰細工で装飾され、独特の見た目を作っています。そして壁には壁を埋め尽くす装飾文字カリグラフィーや、この同じ図柄を反復して描くイスラム美術アラベスク。圧巻ですね。

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アラヤネスの中庭の周りにはいくつかの部屋があります。このコマレス宮にある 大使の間 は宮殿の中で最も広く、各国の大使と謁見する際などに使われていました。部屋は詩、神やイスラム教国の首長への賞賛、ナスル朝のモットーやコーランの言葉等、文字装飾で満ちているそうです。透かし彫りのバルコニーや窓も美しいですね。 

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部屋の真ん中が保護されているのは、当時のタイルが残っているからだそうですが、残念ながら、そのときには気づかなかったので撮り損ねています。木組みの天井は星空をイメージしているそうです。

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壁のアラベスクは気が遠くなるほど細かい。

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アラヤネスの中庭と並んで有名な ライオンの中庭 にやってきました。124本の白い大理石の柱で囲まれた中庭はキリスト教の回廊のようになっており、 アラヤネスの中庭 とは、様式が随分違います。

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この噴水を見上げると、やはりアルコーブには美しい漆喰細工が施されています。

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この中庭を取り囲む ライオン宮 は王とそのの家族のプライベート空間。その名はもちろんこの12頭のライオンに由来してつけられた名前です。キリスト教の回廊のように柱廊で囲まれた様式ですが、ここを建てたムハンマド5世が、キリスト教の王ペドロ1世との親交が深めたため、ライオン宮 はその影響を多く受けているのだそうです。

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ライオンの上には大きな十二角形の水盤があります。17世紀の初めには現在の水盤の上にもうひとつ水盤があり、前回ご紹介したアルカサバの アダルベの庭園 にある最後の画像のものが、それだそうです。

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ライオンの中庭 からアーチをくぐると 鍾乳石飾りの間 があります。 

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ライオン宮で一番素朴な部屋で、天井が鍾乳石でできています。 

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アベンセラヘスの間
この部屋でアベンセラヘス家の男性たちが打ち首にされたという言われています。ここは部屋の真ん中に水盤があったのですが、ここに錆によるシミがあり、アベンセラヘス家の男性たちの血の跡だとか。でも、この部屋の美しさには圧倒されます。  腰壁の美しいタイルは16世紀のルネッサンス様式 。

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そして、上に目をやると漆喰の壁に鍾乳石飾りが張り出してきて・・・ 

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さらに天井を見ると・・・ 

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壁からせり出している八角形の鍾乳石飾りの上に、素晴らしい飾りの丸天井。 窓からの光が装飾を淡く照らして、言葉を失うほどの美しさです。   
ライオン宮の贅沢な装飾はまだまだ終わりません。 続く 諸王の間 は、中央の丸屋根に描かれた王たちに由来しており、 ナスル朝の最初の十人の王たちだそうです。

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王たちの絵のほかに、イスラム教徒の王たちの伝説や冒険についての絵があります。

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それにもかかわらず、絵は明らかにキリスト教徒たちによって描かれたものだそうです。

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部屋はいくつかに分けられており、アーチで繋がっています。
 
天井はいずれも美しい装飾。 

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両端にはアルコーブがあります。 

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二姉妹の間
部屋の水盤の左右にある2枚の大きい大理石の敷石に由来しています。

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天井は アベンヘラセスの間 と同じく八角形の鍾乳石飾りが施されていますが、窓からの光を受けて、まるで美しい花のように見えます。

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特徴的なのが真っ白な壁でした。腰壁の緑を基調としたタイルも効いています。

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奥にはバルコニーがあり、緑豊かな リンダラハの中庭 を臨むことができます。

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このバルコニーにあるアーチの天井には、ステンドグラスが嵌め込まれていました。ちょうどガイドさんが説明しているところを通ったので見ることができましたが、どこもきれいな天井ばかりを見てきた最期だったので、見過ごすことも多いのではないかと思います。 

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最も豪華絢爛な装飾を擁したライオン宮は、これで終わりです。  一番に入場したので、あとから押し寄せてくる人を避けるように先を急いだので、ここまでをたった30分で見学してしまいました。むしろ、列にすら並ぶことなく少し時間を遅らせて入場した方が、ゆっくりできたかなという気がします。