前回、リフォーム工事を計画しているという話を書きました。
それに先立ってハウス・インスペクションを受けることになっていましたが、その前にもう一度家を見せてほしいということで、事前訪問に来られました。
それに合わせて、実は前にリフォームしてくれた会社に工事中の写真を送ってくれるように頼んでいました。柱の補強がしてあるか、断熱はどのようにしてあるか、写真から判断できることが多くあるという助言をいただいて、問い合わせをしたのです。
ところが、のらりくらりと返事を先延ばしにされます。どのような施工をしたかもいくつか問いましたが、一向に答える様子がありません。
しかし茶を濁すかのようにわずか送ってきた写真からでも、まさかの手抜き工事だったことが判明しました。そして、それを直すならば相当な費用が掛かるので、もはやハウス・インスペクションすら不要だ、と言われてしまいました・・・
地域に根付いた自然派を謳う工務店にも、こんなことがあるんだ。
有名な雑誌に何度も取り上げられている家を建てていても、こんなことをするんだ。
のらりくらりとしている理由は明白です。
工事から来月で10年。そこまでは保証すると言っていました。その日まで何とか引き延ばそうとしているのでしょう。
おそらく、新築工事ではこんな杜撰なことはしないでしょう。でも、リフォームの場合は蓋をしてしまえば見えませんから、断熱材など昔のものを使いまわしていても、不十分な量を入れていても見えないのです。
然るべきところへ出たいところですが、リフォームの場合、10年保証はそもそも口約束。新しく頼む予定だった工務店の方がおっしゃったのですが、何をどこまで保証するか明示されてもいません。期限を目前にして争う気力もなく、自分の見る目のなさを悔いるばかりです。
さて。強度も不十分、断熱も不十分、この家でいったい何ができるでしょう?
しかも、古い住宅地なので、強度不足は擁壁にもあります。
建て替えるなら、擁壁の補強工事も必要で、それには数百万円を要します。
諦めてほかの地で新築するとしても、年々厳しくなっている建築基準を前に、こんな今の土地の価値も下がっていることでしょう。
● 前回の大規模リノベーション工事の費用
● 新しい土地の購入費 or 今の土地の擁壁工事
● 新築費用
1軒の家にいったいいくら掛けるのかと考えると、気が遠くなりそうな話ですよね。かといって放置しておいても、この問題は私たちが死んでも続くわけで、価値のない土地を子どもたちに遺してしまうことにもなるのです。
手持ち資金を考えるまでもなく、費やした費用を考えると諦めて住み続けるほかありません。そして、もはや1円たりともかける価値はない。
あ~あ、楽しみがなくなったなぁ・・・
しかもこんな話、実生活では到底できないよ。
なにもかもすっかり忘れて現実逃避したいわ~