2021年(令和3年)10月
緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。
前回の記事はこちら。
もともとフェリーへの乗り継ぎはタイトだったので飛行機の15分の遅延は致命的。2時間も高松で時間ができてしまいました。商店街を歩いてもつぶせる時間は知れている。高松城跡へでも行きましょう。
血屋敷井戸趾から数分で、高松城跡が見えるところまで出てきます。香川県の私鉄、通称ことでん沿いを歩いているとカメラを持った中高生ぐらいの2人が線路脇に立っているので、これは撮り鉄だと私もスマホを構えてしまいました。
動いている電車をベストポジションで写すって案外難しい。取り敢えず、両方収めただけで私の場合は上出来(笑
高松城跡は玉藻公園として公開されています。入場料は200円。
私が高松城跡を歩いて感じたのは、石垣の積み方の美しさ。大小の切石が精巧に組み合わされていてどこもぴったり合っているのです。
入ると右手に見えるのが高松城埋門(うずみもん)。石垣や塀の下に穴を開けるように抜いて作られている門を埋門といい、現存しているものが少ないのでこれはとても貴重なものだそうです。そしてここも、ビシッと組み合わされていますね。
撮り鉄くんたちと撮ったのは、旧東之丸艮櫓(うしとらやぐら)。櫓が所在する場所が高松城の丑寅(うしとら)にあたることに由来した名前です。三重三階の総塗籠で、初重には二重の屋根を貫く千鳥破風が見られ、城外側の隅には袴型の石落としが設けられています。ここを記念写真スポットにしているのは、艮櫓だけでなく美しく積み上げられた石垣も撮ってほしいからなのでしょう。
さらに奥に入ると、ひときわ広い庭園藩主の生活の場所であった披雲閣があります。
現存する建物は1917年(大正6年)に高松松平家12代当主松平賴寿が松平家別邸及び香川県の迎賓館的役割として再建したものです。
披雲閣の隣に資料館である陳列館が見えたので、覗いてみました。
海に面していた高松城の模型を見ると、今とあまり変わっていないことがわかります。天守閣は海上からはぐんと存在感があったことでしょう。
さぬきで有名なのが、和三盆。砂糖や塩の製造図が展示されています。
陳列館を出て、天守台に向かってみました。この天守台は、崩壊の危険があるということで積み直して再建されました。
さらに、天守閣も復元しようという取り組みがあるようです。そのイメージ図が置かれています。
日本三大水城のひとつと言われる高松城(あとのふたつは今治城と私の行けなかった大分県の中津城)。そのお堀には、瀬戸内海の海水が引かれ、鯛などの魚が泳いでいます。約370年前の江戸時代の古図に描かれた船に見立てた和船の上から、魚へのえさやりが楽しめる上船体験もあります。
城舟体験は、この水門のところから。3月1日~11月30日30分おきに運行しています。所要時間は15~20分。舟から見上げると天守台はかなりの迫力のようです。
お堀の水位は干潮によって変わりますが、こちらの水門でも調節できます。海上から見ると、高松城の威容は素晴らしいものだったようで、与謝野晶子も「わたつみの 玉藻の浦を前にしぬ 高松の城 龍宮のごと」と詠んでいます。
水門の傍には盆栽の展示がありました。ふだんはまったくその良さがわからない盆栽ですが、なんとなくいい感じ。
そそり立つ岩場を連想させるような、なんとなく素人にも雰囲気のわかる盆栽に、思わず足を止めてしまいました。
続いて天守台へ向かいます。天守台へ上がるには、お堀にかかっている鞘橋を渡ります。
この鞘橋がまた美しい。ここが天守閣へ渡れる唯一の通路になっています。
屋根が設けられたのは江戸中期のことのよう。
城としては珍しく、景観的要素をも加味して庭園構造物を城郭に取り入れたことを示す珍しい橋となっています。
再建された天守台は上ることもできます。
2005年度(平成17年度)から2012年度(平成24年度)にかけて再建工事が行われた天守台。
さらに上がると、瀬戸内海まで見渡せます。
北側は外海を外堀に見立てた高松城は難攻不落の水城と言われていました。瀬戸内海の島々も見渡せ、絶好のロケーションです。
天守台から見た鞘橋です。鞘橋と並行して向こうにも白い屋根が見えますが、そこはもう城外で高松築港のバス停です。聳え立つ白いホテルはJRホテルクレメント高松。その左側の白い低めの建物が、本日の宿JRクレメントイン高松です。
高松築港バス停の隣には、ことでんの高松築港駅もあります。いずれも、玉藻公園西門を出てすぐ。バス停は空港行きも通るので、高松城跡を見学するときにはこちらで乗降するのもおススメ。
でも、私は今回の目的のひとつであるアートの島を巡るために、そろそろ高松築港フェリー乗り場へ向かいます。
次回の女木島アートの記事はこちら。