2021年(令和3年)10月
緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。
前回は、朝ご飯の讃岐うどんと直島行きフェリーからの様子をお伝えしました。
直島は、三菱マテリアルの精錬所を引き受けたことで一時的には繫栄しますが、一方で近代化による合理化で、従業員数や住民は減り続けています。そのため、島南端の風光明媚な地区を観光地に育てようと考えた町長と、㈱福武書店(現㈱ベネッセコーポレーション)創業者である福武哲彦が直島文化村づくりで意気投合。島全体をアートの村として変貌させていきます。
2010年からは3年ごとに瀬戸内国際芸術祭を高松港周辺と直島周辺の島々で開催し、国内外から多くのアーティストや観光客が訪れています。私が直島を知ったのも、2年前芸術祭を見に行った英語講師からの紹介でした。
まずは、屋外作品を見てきます。フェリーから見えたのは草間彌生の赤かぼちゃ。『太陽の「赤い光」を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の海の中で赤かぼちゃに変身してしまった』と語ったそうです・・・さっぱりわかりませんが。
いくつかの水玉はくり抜かれていて中に入ることもできます。子どもたちが入っていたので、大人の私はなぁ・・・と思っていたのですが、水玉部分に外からの光が入り込み、内部にそれが映し出されるさまを見るとよかったみたい。内部も水玉になるって楽しい発想ですよね。
港から少し行くと、直島パヴィリオン(藤本壮介)が見えてきます。直島町町制施行60周年記念で制作されたオブジェで、こちらも内部に入ることができます。ちょうど若いカップルが撮影を楽しんでいました。
27島からなる直島諸島の28番目の島をコンセプトに制作された作品で、約250枚のステンレス網で構成されています。
内部は三角形の面が組み合わされて座れるようにもなっています。
ちょうど直島パヴィリオンがみえるように撮ったこちらの作品は、BUNRAKU PUPPET(ジョセ・デ・ギマランイス)。香川県の無形文化財に指定されている直島女文楽のの動きや着物の裾さばきの美しさに着想を得たそうです。ふむ。
こちらの案内板も同じ人の作品。男木島にもありましたね。
直島の町へ入っていきましょう。
お目当てはこちらの直島銭湯「Ⅰ♡ 湯」(大竹伸朗)。
なかなか全体を写すのが難しかったのですが、反対側から見るとこんな感じ。
カラフルなタイル、写真の入ったパネルなど、奇抜な世界。
小屋の載せられた天井部分は、アーティスト自らがわざわざ壊してこんなふうにしたそうです。建築基準法、大丈夫か?
屋上にはちらりと地球儀も見えます。島民の活力源として、また国内外から訪れる観光客と島民との交流の場としてつくられたこの銭湯は、なんと実際に営業しています。
外観・内装はもちろん、浴槽、風呂絵、モザイク画、トイレの陶器にいたるまで大竹伸朗の世界が反映されています。
昼からの営業なので入れなかったのですが、公式HPを見ると浴室にはなんとゾウがいました~ ぶっ飛んでいますよね!
町にはあちこちにカフェもあります。
オレンジのものとテントの下には黒いカエルがいますが、これはブイから作られています。さすがアートの島、直島。このなおしま浮き玉カエルは、島内に300もいるそうです。
ちょっと入りにくいのが難点。コーヒーのいい香りはしていましたけど。
軒下に浮き玉かえるがぶら下がっているんだけど、黒くてわからないなぁ・・・
当初はベネッセ主導の美術館など直島文化村だけのアート活動だったのが、次第に直島の古民家を改装するなど島全体に波及していったそうです。
歩いていると、すぐにでも改修してアートやお店になっていきそうな建物がそこここにあります。
うまく町に新しい店やアートが溶け込み、活気のある町になっている片鱗が窺えました。
そろそろ時間です。海の駅「なおしま」へ戻って来ました。
私たちはツアーに参加しますが、自力で回る人たちは町営バスを利用します。バスには草間彌生の南瓜が描かれています。
ツアーの集合場所は、島の反対側にある本村港近くにある施設。ツアーの主催者であるベネッセのバスが迎えに来てくれました。本村港のバス停そばにあったアートは、駐輪場。ふつうに利用されていました。
これも新しいアート、漣(さざなみ/木村翔太)。縄が巻かれた船の竜骨を模した樟の木彫です。かつて船大工が暮らしていた家の前に設置されており、すぐ前にあった海との関係性や、縄の持つ意味などを重ねてイメージしている作品のようです。
まだ開店前のお店の前を通ります。なんとなくいい雰囲気の町の雰囲気を感じます。
待ち合わせはこちらの本村ラウンジ&アーカイブです。
かつて農協のスーパーだった建物で、今は家プロジェクトの鑑賞チケットと関連書籍やグッズ販売のほか、インフォメーションセンターとして利用されています。
さて。ツアーに参加して、その家プロジェクトの見学に向かいましょう。続きはこちら。