2022年(令和4年)4月
いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつりを見たいと計画した今回の旅行。満開の桜を堪能したあと1泊し、翌日はバスで十和田湖へ。そこから奥入瀬渓流を散策しました。
帰りは三沢空港からのフライトです。八戸行きのJRバスに乗っても空港連絡バスには間に合わないので、十和田市街で下車してタクシーを利用することにしていました。十和田市は碁盤の目に整備された美しい街並みが特徴で、官庁街通りの桜並木は青森有数の桜の名所です。出発の5日ほど前に満開のニュースを見たので間に合わないのはわかっていましたが、十和田春まつりが開催されていたので、少しは名残りがあるかもしれないと思ったのです。
春まつりの会場である十和田市中央公園では屋台などが出て、地元の人たちが楽しんでいました。めちゃローカルで和気藹々とした雰囲気。でも桜はとうにピークを過ぎ、官庁街通りの人はまばらです。
十和田市の周辺はかつて馬の一大産地で、この通りには旧陸軍軍馬補充部が設置されていたことから駒街道や駒通りと呼ばれ、親しまれています。春まつり期間中には女流騎士による流鏑馬のイベントが開催されるなど、流鏑馬競技の普及にも力を入れています。
歩道には蹄鉄が埋め込まれていたり、鞍があったり、馬関連のオブジェが多くあります。


歩道の杭にも馬。
そしてもうひとつ、ここにはかねてから行きたかった十和田市現代美術館があります。これもまた入館時刻には間に合わないとわかっていましたが、外にもアートがあるというので見に行きました。一見魚のように見えるこれはいったい?
ヒプノティック・チェンバーという作品で、中に入って穏やかに語り掛けると催眠(ヒプノティックな)状態へと誘われるんだそうです。ちゃんと調べてから入ればよかった(←いつもこの後悔)。
アート広場の方には見たことのある黄カボチャ。草間彌生の愛はとこしえ十和田でうたうという作品で、8つの彫刻群で構成されています。
彫刻群のひとつは、十和田で発見された私の黄カボチャと名付けられた黄カボチャ。直島で見たのは赤カボチャでしたが、こちらは黄色。よそで見たものとこうして繋がる経験もまた楽しい。
そうそう、中に入って内側の光を見るのも必須だった。表面にいくつか開いている穴から入ると、外の陽の光と中の灯りとが合わさったこんな空間。外から見ても中に入っても水玉です。
水玉の傘を被ったきのこは、それぞれ太陽のキノコ、キノコの精、愛の神様と名付けられていて、三匹いる犬にもリンリン、ケン、トコトンという名前があります。
女の子も水玉。十和田のハナコちゃんです。これで全8彫刻。
広場の向こうには巨大な白い彫刻、その名もゴースト。私はムーミンの登場人物を思い出したんだけど(よく知らないので調べて見るとニョロニョロでした)。
ゴーストは、向かいの建物に映っているのも発見しました。そう。この建物こそが十和田市現代美術館です。
アート広場から見た十和田市現代美術館。入館時刻までわずか10分ほど間に合いませんでした。昨年だけでなく何度も計画しては頓挫していたこの場所に、ようやく来られました。感無量。
美術館の外にある作品がいくつか見られます。赤い巨大な蟻はアッタ。そして、建物内に見える六角形は光の端という作品。内部から見ると、歩道の桜の1本をちょうど額縁に入れたように見せる配置のようです。
フラワー・ホース。十和田と馬の関わりや四季折々駒街道を彩る花々などを象徴した作品で、5.5mもの大きなモニュメントです。
この特徴的な目の女の子はもちろん奈良美智の作品、夜露四苦ガール2012。隣の面の風景画はオクリア。りんごの木をモチーフにしています。違うアーティストの作品でもうまくマッチしていて素敵。
手前にもりんごのオブジェ。やっぱり青森、ですよね。
内部を除き見れば、チケット売場の床もゾボップというカラフルな作品。
人形がずらりと連なって下がっているコーズ・アンド・エフェクト。
直島で現代アートに触れたおかげで、こういった作品もずいぶん楽しめるようになりました。ほかにもアデレードで見た赤い糸を用いる塩田千春の作品や、4m近くもある巨大なスタンディング・ウーマンなど、見たい作品がいくつもありました。
いつかは訪れたかったとはいえ、アートに造詣が深いわけでもない私がわざわざ足を運んでも、期待外れかもしれないという気もしていました。でも、なんのなんの!いつかきっと再訪するぞと誓ったぐらい魅力的な空間でした。青森には青森県立美術館もあり、こちらも先の奈良美智をはじめ、棟方志功、寺山修司など青森出身のアーティストを中心に、シャガールやマチス、ピカソの作品までも所蔵する芸術の宝庫の県。ただ、中心部からはちょっと離れているので、旅程を組みにくいのが難点。三内丸山遺跡に隣接しているから、それとセットかな。
十和田市現代美術館前からは事前にタクシーを手配していました。十和田市内で流しのタクシーは1台も見かけなかったので、予約は必須でしょう。定額タクシーのサービスがあり、十和田市現代美術館あたりからは5千円(2022.5月現在)。空港連絡バスを利用すると乗り継ぎが必要なので、むしろ割安かもしれません。三沢空港へは車で30分。信号もほとんどないので、体感ではかなり遠く感じます。
軍民共用の小さい空港ですが、思ったよりもお土産物屋さんは広め。
ゲートはひとつ。JALに割り当てられた枠は1日7便で、東京4便、札幌2便、大阪1便です。
昼食を食べ損ねた私たち。ひとつだけ残っている鯖押し寿し(1,300円)を見つけました。酢〆、梅シソ、炙りの3種が入っていて、これが美味しいの!!!八戸前沖鯖はブランド化しようと頑張っているようです。帰宅後、取り寄せしようと思ったぐらいなのだけど、賞味期限が到着日の翌日までというのが、これからの季節はちょっと心配かな。


お土産編
時間がないと焦っているのに、津軽ねぷた村の近くにあった津軽塗の源兵衛で買った帆布のトート2,970円。津軽塗にはなんにも関係ないけど(汗
弘前駅前ではこのふたつ。りんごがゴロゴロ(560円)は粉っぽさがあって期待外れ。らぷる(108円)はりんごの果肉がよく効いていて美味しい。昼食を食べ損ねた奥入瀬渓流で食べ終えてしまったので、もっと買っておけばよかったと思ったよ。ばら売りの方が安かったりするので要注意(笑
ワラッセで買ったほたて十万石(780円)。こちらも奥入瀬渓流で食べたもの。中のマヨネーズとの相性も良くて気に入ったのに、三沢空港ではこの手のものに出会えなかったな~
ワ・ラッセで買った日本酒、七戸町の㈱森田庄兵衛の純米吟醸 駒泉 サーモン(1,650円)は、日本海深浦サーモンに合わせて美味しいお酒を、というコンセプトで作られたもの。冷暗保管と書いてあったので生酒かと思ってたら違ったのが残念。でも、奥入瀬渓流でのお供に活躍したよ(笑
右はA-FACTORYで醸造しているシードル(935円)。7%の辛口ならいけるかな?買ってみたら、キリリとしてて大当たり。青森県産のふじとジョナゴールだけを使ったもの。


A-FACTORYではほたての正直(972円)、鯖のパストラミ(410円)、鯖のスモーク(410円)。
ほたては冷凍品で自然解凍して食べるのだけど、あ、冷凍もイケるんだという感動の一品。パストラミはそれぞれふつうに美味しい。
あおもり林檎セミドライ(270円)、青森りんごあめ(432円)、青森にんにくラーメン(648円)。にんにくラーメンはニンニクの風味が効いていていました。
そしてなんといってもこちら。青森市役所地下にあるアウガ新鮮市場で買ったメバチマグロの中トロ(2,200円→値引で1,800円)。半分に切ってもらっています。漬け丼にしたり、ガーリックでさっと焼いたりして楽しみました。
しまほっけ(800円)は巨大だったので2日に分けて食べました。脂がのっていてとても美味しかったけど、よく見るとアメリカ産と書いてありました(笑
期待外れだったのが北寄貝(600円)。湯がき過ぎなのか、ゴムっぽかったのが残念。
三沢空港で青森りんごキャンディ(216円)と、焼山売店で買った焼ばらのり(500円)。のりは青のりみたいに使えるかと思っていたら全然ばらばらにならない。汁物に入れよと書いてあったわ。
青森のホテルは目ぼしいところがないのが難だけど、秘湯好きならより楽しめるかも。次回行くなら、十和田湖現代美術館を堪能して、八戸グルメを楽しみたいな。
以上、とても充実したいい旅行となりました。