英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【青森】1日目-3 憧れの弘前さくらまつりへ!弘前城本丸から眺める岩木山

2022年(令和4年)4月

 

いつかは桜を見に行きたいと思っていた弘前城のさくらまつり。1ヶ月以上前に航空券を予約したあと予想に反して気温が低い日が続いたので、果たしていい時期に咲いてくれるのか開花状況を毎日のようにチェックしていました。運よく弘前公園は期待をはるかに超えた美しい満開の桜で出迎えてくれました。

前回は無料見学区域のさくらまつりの様子を書いています。

fuwari-x.hatenablog.com

 

有料区域に入ると、弘前城石垣普請番屋と書かれた建物がありました。入ってみると、石垣の修理箇所が見学できるようになっています。

 

グレーのシートが張られているのが石垣、奥の足場が組まれている場所が天守台の位置なのですが、そこを含めた石垣全体の耐震性が確保できていないということで、100年ぶりに10年がかりでの改修事業が行われています。

 

工事の解説があります。その前は明治中期から大正にかけて改修が行われているそうですから、なかなか進歩的ですね。

 

これが石垣の反対側から見た天守台です。階段は天守に入るためのもの。真下の石垣も改修工事の対象なので、天守は2015年に簡易的にここから下がったところへ仮置きされています。

 

工事箇所を石垣普請番屋と反対側から見ると、足場のところが天守台で角に建っています。右手の通路は本来お濠で、改修工事のために埋め立てられています。

 

今、曳屋された天守が仮置きされているのは、天守台から30mほど内側。しだれ桜の向こうに見える天守は、1810年に築かれた2代目のもので3層構造の小さなものです。

 

その当時、現在の場所にあった本丸辰巳櫓を解体して新造されたもので、あくまで天守の代用だったと言われています。仮置きで天守台もないので、さらに小さく見えます。

 

本丸の西側へ行くと、岩木山が見渡せる絶景の場所がありました。後日、青森がご実家という人に聞いたところによると、岩木山の頂上は雲に隠れることが多いそうで、こんなにきれいに見られるとは素晴らしいと感嘆していました。

 

この位置はちょうど蓮池の上になるので、夏の蓮の時期はここから眺めるのも悪くないかもしれません。

 

でも、桜とともに岩木山を眺めるのであれば、もう少し南側にある展望デッキからの眺めも素敵です。(岩木山弘前城の西にあるので、南側=上記画像位置より左側)

 

お濠から一段と高い位置にあるので、有料区域に入るとぐんと見晴らしがよくなります。案内板には五層の天守と書かれていますが、初代の天守は五層構造でした。

 

天守に入る人たちの行列が見えます。こんなに天守が小さいとは知らなかったので、わざわざ櫓に入ることもないと素通りするつもりでした。

 

でも、有料区域内にある建物がこれしかないということはこれが天守なのだ気づき、入ることにしました。人数制限をしているので並んでいますが、待ち時間は10分程度だったと思います。

 

初代五層の天守が築城後たった16年で落雷によって焼失したあと、幕府からの2代目新造許可までは180年以上もかかりました。地方に力を持たせないため、築城には厳しかったようです。

この天守も辰巳櫓の改修を名目にしており、幕府への配慮から天守とはみなさず御三階櫓と呼び、事実上の天守ではあったものの櫓として扱っていたそうです。なるほど、これまで他所で見てきたお城とは規模がまったく違うので、天守と気づかなくても仕方ない。それでも東北地方に唯一残っている江戸時代建築の天守です。

 

中は耐震工事がされ、天守曳屋の資料を展示するなど簡易的な公開となっています。

 

石落としが見られましたが、地面のタンポポが見えるほど低い。でも、弘前公園をぐるりと歩いた感想としては、幾重にもお濠がめぐらされているので、そもそも本丸に近づくのが容易ではなかったです。

 

この位置に天守があるあいだに楽しめるのはなんといってもこの景色。元の場所よりもたぶんさらに正面に岩木山が見えるので、あと数年、ここからの眺めも見どころのひとつでしょう。

 

模型をもとに説明すると、本来の位置は、模型にあるように左手前の角に建っています。今の仮天守は、天守の後ろにある広場の右端あたりに曳屋されています。

 

天守岩木山が一望できる展望デッキがあるのですが、さくらまつり期間中は混雑を避けるため、閉鎖されていました。

 

本丸をあとにするところに、印象的な形をした松の木があります。弘前公園内の古木のひとつ、樹齢300-500年と推定されるアイグロマツで、優美な老鶴形に仕立てられていることから鶴の松と名付けられています。

 

有料区域を出て二の丸東門へ向かいます。目当ては門の左側に見えるソメイヨシノ

 

1882年(明治15年)に植栽されたという、樹齢140年の弘前公園最長寿ソメイヨシノです。ソメイヨシノは成長が早い割に寿命が60-80年と言われているのですが、前回も書いたとおり、弘前公園では同じバラ科のりんごの剪定技術を活かした手入れにより長寿化に成功しており、樹齢100年を超えるソメイヨシノが400本以上今も立派に花をつけています。

 

二の丸丑寅天守への新造に使われた辰巳櫓と規模は同じぐらいじゃないかと思います。これを見れば、どれぐらい小ぶりな天守かがおわかりいただけることでしょう。

 

最後に、日本一太い幹周のソメイヨシノを見に行きましょう。

 

環境省が実施している全国巨樹巨木林調査により、日本一太い幹周のソメイヨシノを認められています。地上1.3mのところが幹周5.73mで、植樹時期は少なくとも1901年(明治34年)とのこと。高さは10mありますが、枝葉はほかのものに比べちょっと寂しめ。

 

外濠へ出てきました。水面に桜が映ってきれい。最後に見たこの逆さ桜は、桜の色こそ陰っていますが、この日に見た中で一番美しい光景ではないかとすら思いました。2018年にオランダへ行ったとき、こういうのをあちこちで見たなぁとと思い出しました。弘前の桜を満喫でき大満足です。

 

広大な弘前公園、足早に見学することが多い私たちでも2時間経っていました。まっすぐ先へ進めば元の位置に戻るので、共通券を購入した弘前植物園や藤田庭園を見学できるかな、という残り時間。でも、反対側へ進むと津軽ねぷたがあります。五所川原立佞武多館へ行った私たちとしては、ねぷたはやっぱり見ておきたい。こちらを優先することにしました。

fuwari-x.hatenablog.com