英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【青山】囲炉裏でジビエの炭火焼「たでの葉」再々訪問

2023年(令和5年)3月

 

予約困難店の囲炉裏端でジビエ料理のお店「たでの葉」再々訪です。前回11月に予約して帰りました。初回が4月末だったので、ちょっとでも違う時期にしようと考えての3月予約。

fuwari-x.hatenablog.com

 

近ごろ、ジビエの危険性についての記事がちらほら出ています。野生の動物から感染する病気はすぐに発症せず、年月を経てから表れてくるというもので、慎重な性格の相棒がここヘの訪問にも難色を示すようになっていました。

それでなくともお目当てだった八寸がなくなってしまったということもあり、この日で最後にしようね、ということで向かった小雨降る南青山。

 

雑居ビルの2階へ上がると、むむ?赤ちゃんの泣き声と子どもの声が聞こえるが・・・気のせい?いえいえ、ベビーカーの中に乳児、そして就学前の女の子が店内にいるではないですか。正直、げんなりです。私は子どもが小さいあいだは、大人の店に出入りさせないのがマナーという考えです。決して安くはない20,000円コースのお店に、そりゃないでしょ。ぐんとテンションが下がりました。

 

座ると敷き紙には以下の言葉。含蓄のあるお言葉で。でも、客人に受け入れさせるんですか?この店を最後にするのは正解ですね、というスタート。

 

日本酒にすべきかボトルワインにすべきか悩みつつも、飲むのすら気乗りがしない私たち。

 

とりあえずエビス生ビール800円に致しましょう。憧れていた八寸は、ここを紹介してくださったブロ友さんのその後談で、はっきり止めたと書かれてあったので、期待せずにいられるのはかえっていいかも。

 

さて。1品目は熊本県球磨川のすじ青のりの茶碗蒸し。お腹がいっぱいになると言われて八寸を止めているのに茶碗蒸しなのね。私、これが一番満腹中枢を刺激するのよ、と内心毒づきたくなったところ、なんとまぁこの青のりの風味豊かなことといったら。お、おいしい・・・♡

 

具はなにもないのに、だからこそ感じられる青のりの味わい・・・あぁでも、赤ちゃんの泣き声が響き渡る・・・みぞおちで泣き声を受け止めてしまう私、勘弁して・・・

 

2品目 天然のマガモのタタキです。薬味と醤油でとのことですが、いずこ?

 

そう、タタキの後ろに隠れて盛られていた貝割れや大葉などの薬味を引っ張り出して一緒にいただきます。この食べ方は初めて。皮部分の香ばしさや脂身が活きています。

 

ひとつずつ丹念に焼き上げていく店主の仕事を見るのも楽しみのひとつ。

 

火に近づけて仕上げに入っているところです。魚は炭火焼がもっとも美味しいとはよく聞くこと。都会のど真ん中でいただけるのはなんたる贅沢。

 

焼き上がりを待っているあいだに、端から順にお猪口が配られていきます。骨酒を振舞っていただけるよう。

 

前回もいただいたタカハヤの骨酒です。覚えていますとも、タカハヤ。ヤマメを釣るときに一緒に捕れる魚ですよね。

 

3品目 熊本県川辺川の天然のヤマメは、花山葵の醤油漬けが添えられています。2尾ずつは嬉しい。頭と尾と骨は食べられないので残してくださいと説明がありました。塩加減が絶妙で炭火焼ならではの魚の仕上がりに感嘆・・・あぁでも、子どものけたたましい声。そしてなんたるお箸の持ち方よorz

 

気を取り直して食事に集中しようとトライします。左隣のお客さまが4人グループで、結構話題に花を咲かせてくれていたことが逆に救い。全員がいつものように静かだったとしたら、もっと胃の痛い思いをしていたことと思います。

 

こりゃもう、酔うしかないでしょ。栃木県㈱せんきんモダン仙禽亀ノ尾2023を頼みました。2合お願いしましたが、1合しかなかったので、違う仙禽をこのあとに出してくださると。いいね、飲み比べができるのも。

 

4品目 秋田県産蕗の薹の天ぷら。蕗の薹の苦味が大好き。薄い衣で蕗の薹の風味を包みつつ、過分でないところがいい。

 

蕗の薹の天ぷらをいただいているあいだもじっくり焼き上げていたのは、5品目 すっぽんの炭火焼。手前にはレバーも添えられています。粉山椒との相性が抜群。どちらかというと鶏っぽい食感でタレの加減もいい。

 

もうひとつの仙禽はクラシック仙禽無垢。ブロ友さんが、ここのお料理にはクラシック仙禽無垢よりも、モダン仙禽の方が合うんじゃないかとの感想を漏らしていらっしゃいました。でも、お酒としては私はこっちの方が好み。ただ、もしかすると料理に合わせて飲んだのではなく、待ち時間にお酒だけで味わっていたからかも。もしくは、がっつり肉類ではなく魚だったこともあるかもしれません。いや、そこまでわかるほど私は繊細じゃない(笑

 

次に囲炉裏に並べられているのは、もしかするとここでいただく中でもっとも好きと言っていいあれでしょうか。

 

6品目 静岡県浜松産鰻の炭火焼。私の知る鰻の味とはまったく異なる味わいがあるところがなによりも気に入っている点。筒焼きだからなのか、炭火焼だからなのか、ほぼ蒲焼きか白焼きにしか出会って来なかった私の鰻の経験値をぐっと引き上げてくれた逸品。

 

さて。眠たくなってきた乳児は寝入るまでのぎゃん泣きで、絶賛大暴れ中。すこぶるお行儀の悪い女児にも目を遣らないように気をつけつつ、このお店で気になっていることはもうひとつあるのです。

シンクに見える水色のものはコップ洗い専用のスポンジ。すぐ隣の配膳台にはお皿が並べられ、まさに盛りつけ中のその横でグラスを下げるたび洗うんですね。私、これがとても気になるのです。どんなに気をつけていても泡も水も跳ねるものだからね。

 

そろそろ終盤とは思いますが、そこに焼かれているものがあるのなら、まだ飲みましょう。新潟県青木酒造㈱純米吟醸鶴齢愛山

 

待っているあいだに、7品目 鹿児島蒲生産の筍、編笠茸、菜の花が登場しました。編笠茸とはその名のとおり、笠のような形。食感はどちらかというとエリンギ寄り?傘の部分に個性の強いあじがあるので、ちょっと違うんだけど。

 

このビジュアル。食感もしっかりしていて忘れがたい食材です。筍も新物らしいえぐみが少し残っていて、筍好きの私たちにはGOOD。春らしい取り合わせです。

 

8品目 天然の鴨のつくねが、ネギをしょってやってくるという新バージョンでお目見え。鴨のつくねは鴨にしか出せない食感があるとつくづく思います。しっかりとしていて、そう・・・お箸遣いを失敗したら飛んでいきそうな強さがあって、それに見合う味わい(意味不明)。だいたい鴨肉をつくねにしちゃうという贅沢さは、家庭ではなかなかできません。

 

まだ続く囲炉裏端での饗宴。まだ飲みたいところだけれど、そろそろ終わりが近いことは明白なので、ここらで日本酒も終了。最後の1杯を大事に残しています(笑

 

9品目 蝦夷鹿ヘレ肉。添えられたホースラディッシュ、もしくは蕗の薹の天ぷらのときから残されているお塩でいただきます。クセや雑味のない鹿肉。どちらを合わせてもいい!

 

最後の鍋は、猪鍋です。お腹がいっぱいになっていても、汁物とご飯も楽しみのひとつ。

 

なめこなどの茸類と猪。地味豊かな味わい。さりげなく使われている猪は、やはり脂身の美味しさが際立っていると思います。お高めのブランド豚バラ肉をベースに想像すると、なんとなく味の雰囲気が掴めるかと。

 

ご飯の写真をアップして、はたと手が止まりました。なんだったんだろ、これ。山椒が散らされているということは筍ですよね。相棒に聞いても記憶なしだと。そんなに飲んでいないつもりだったのだけど、産地を聞こうとすらしなかったとはかなり回っていたのでしょう。

 

よくよく見ると、むかごも入っています。そこまで特徴的な味ではなかったのか。

 

というよりも、お代わりが気になっていたというのもあるのです。もうひとつ用意されたお鍋の中身はすっぽん。先ほどのすっぽんからスープを取り、2杯目のご飯にはそれをかけてお出ししますと言われていたので、気が急いたか(笑

 

すっぽんのスープだなんて、なんたる贅沢。でも、そこまで強く印象に残っていないのは、やはり酔っていたのだと思います。残念。しっかり味わいたかったな。

 

お約束の店主が打ったお蕎麦で〆です。最後に炭水化物オンパレードでも全然もたれない。前回、実はそこまで感動的ではなかったこともあって、今回で終了しようと決めたことも、さほど残念ではありませんでした。でも、今日のコースには大満足。

 

最後のいちご大福も、ジューシーないいいちごが使われており、大福は好きでもいちご大福は敬遠する相棒ですら感嘆。

 

私たちが会計を済ませる前に、ガキ連れ、いやお子さま連れのご夫婦は次回予約を取っていました。え、また来るんだ。このお店はそれを歓迎しているんだ・・・うーむ。これでいいと思えているんだ・・・

 

なんたらかんたら文句を書き連ねましたが、それでも次回予約を取ってしまいました。それほどまでに今回の満足度は高かったです。ただし、お子さんがいない日というのは伝えました。半年以上先なので、どうなるかはわからないけど。

というのも、真夏の予約を希望していたのですが、直近でも10月以降の予約しか取れませんでした。3ヶ月に1度しか予約できないルールを設けたそうですが、それでも予約が埋まってしまうのだそうです。予約サイトOMAKASE向けには1日2席空けるようにしているとおっしゃっていましたが、秒殺みたいです。

 

お手洗いもきれいで、ジビエから想像する無骨さを上手に払拭し、かつワイルドな囲炉裏を据えたたでの葉。春も夏も過ぎて秋までお預け。楽しみに待っていることにしましょう。

 

20,000円×2+生ビール800円×2+日本酒1,300円×2+1,500+サービス料8%+???=51,520円

なお、OMAKASEには「ベビーカー可」と明記されていました。私の方が覚悟を決めないといけませんね。

*2023.6.1より25,000円に再値上げです。2人で行くと+1万円。ただでさえ高額なので、そろそろ私には厳しくなってきました。

omakase.in