2023年(令和5年)12月31日(日)
年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。前回はルクセンブルクの世界遺産の構成要素「ボックの砲台」の話を中心に書きました。
ギヨーム広場で丸鶏のローストチキンなどを買い込み、夕方には寝てしまった私たち。ふと目覚めると、スマホに届いた翌日搭乗予定のLUXAIRからチェックインの案内が入っていました。次の目的地はスペインの首都マドリード。ルクセンブルクは隣接するベルギー、フランス、ドイツに主要な国際空港があるので、便数はそう多くありません。マドリードへはライアンエアー9:00発かルクスエアー17:15発の2択しかありませんでした。
オンラインチェックインしたはずが、完了メールが届かない。そんなことあるかな?と思っていたら、3時間ほどのちにもう1通メールが届きました。件名は「Change of your reservation」。はぁ?飛び起きました。変更されたフライトは、16:50発ルフトハンザ航空でいったんミュンヘンに飛び、そこからマドリード行きへ乗り継ぐというもの。23:35着?!。もしくは航空券+10%のバウチャーを発行するからルクスエアーの別の便を予約して、と。いやいや、ルクスエアーはマドリードへ1日1便しか飛んでないでしょ。
再びミュンヘンへ戻るのも嫌だけど、せめて昼便に乗れないか交渉してみようと思い、9:00発のバスで空港へ向かうことにしました。
バス網は充実しています。でも日曜日で大晦日なので、減便が心配でした。到着先のマドリードの交通はもっと不確定で、当初予定の19:45着でさえ心配だったのです。かつて娘はクリスマスのヒースロー空港で、一切の交通機関が止まっていたことがありましたから、かなり警戒していました。
心配をよそに定刻通りバスは到着。空港までは20分足らずです。もし、フライトの変更が適わなくても戻ってくることも可能。
ルクセンブルク空港はなかなか美しい空港です。トラムの座席のように透けた緑の明かりが印象的。
便数も多くないのに、隣で新しい建物を建築中。なにができるんだろう。
クリスマスツリーもまだ飾られています。ハンガリーへ行ったとき、ブダペストではクリスマスマーケットは1月2日に解体されていましたが、各国少しずつ違うようです。
さて。問題のルクスエアー。早い便への変更を交渉してみましたが不可でした。できるとしたら、指定された16:50発ルフトハンザ便に乗り、ミュンヘンで交渉して、と。
へ?16:50ルクセンブルク発→17:55ミュンヘン着→乗り継ぎ→20:50ミュンヘン発→23:35マドリード着。乗り継ぎ1:55のあいだにほかの便があるわけないやんか。
外は雨。旧市街へ戻るにもスーツケースがあるし、空港に残ることにしました。ラウンジ、いくらルフトハンザ航空に振り替えられたからって使えないよね。空港内をウロウロしましたが、小さい空港なので見るところは限られています。
こうなったら、レストランに居座るしかありません。ホテルの朝食を食べたばかりでお腹も空いていない上、ちょっとしたものが何でもかんでも高い。ならばいっそ2時間過ごそうと決め、ボトルワイン1本のみ頼みました。
というのも、見回すとみんな平気でうたた寝したりしているんです。混んできても立つ気配なし。大きいソファを占領していても譲ることもなし。じゃ、ワイン1本29EUR(4,691円)頼めば文句ないでしょ(笑
ワイン1本でほぼ2時間、そして丸1日を棒に振るハメになりました。でも、空港に到着したときにはかなり強く雨が降っていたので、街歩きは難しそうでした。よくよく調べるとルクセンブルクの見どころはまだあったし、晴れていれば郊外のお城も行きたかったです。なにより「いわゆる観光地」は少ないものの、居心地の良い街だし美味しい食べ物も多いようなので、近隣国へお出かけの際は是非1泊して過ごされることをお勧めします。ことに初ヨーロッパだったとしたら安全だし、高低差も印象的でかなり好印象じゃないかな。
時間を潰してようやく搭乗。スーツケースは外に置かれているカートに載せるよう指示があり、誰ひとりとして持って入ることはできませんでした。ジェラルミンケースを持った男性が必死に頼んでいましたがダメ。いかにも厳格なドイツの航空会社っぽい。
それにしても、キャンセルされたにもかかわらず代替のルフトハンザ航空も満席ではありませんでした。たぶん、わずかの人数のために飛ばすのは経費が掛かるから、よそに割り振る方が経済的という事情だったんでしょう。
再びミュンヘンに戻ってきました。イルミネーションにはクリスマスらしい輝きのある場所がいくつもありました。
到着は定刻どおり。2日前に乗り継いだのに、またかい。こんなことなら電車でベルン大聖堂を経由してフランクフルトへ行き、そこから飛ぶプランを立てたのにな。
何が不安って、マドリード空港からホテルまでの移動なのです。日曜日でかつ大晦日、空港バスの減便がどの程度か予想できなかったので、電車の最寄駅のホテルを予約していました。でも、GoogleMapで検索すると乗車予定だった国鉄は終電が22:47に出てしまっています。地下鉄を乗り継げばなんとか到着できそうでしたが、とにかく大晦日。かといってタクシーを探してうろうろするのもリスク。
さらにもうひとつ問題が浮上しました。ホテルの案内に、最終チェックイン時刻が0時と書いてあったのです。5つ星ホテルでそれはないだろうと思いましたが、最短でも到着は0:30。果たして泊まれるのか?大きなチェーンホテルだったのでダイレクトに送信できるメールアドレスがなかなか見つけられず焦りましたが、ミュンヘン空港でとりあえず遅くなる旨の連絡を入れました。もう21時だよ・・・
大晦日だからでしょうか、搭乗後の飲み物はオレンジジュースかシャンパンから選ぶことができました。心細い身には、チョコレートも嬉しい。
到着してすぐメトロを目指します。ホテルからは返事が届いていて、24時間レセプションは開いているから心配ない、とのこと。ひとまず泊まる場所が確保できているなら安心です。
それでも、長い上りのエスカレーターがもどかしい。
地下鉄に乗るにはICカードの購入が必須です。しかも空港税をonして購入しなければならないらしい。10回券11.6EUR(1,860円)を2人共有するつもりが、なぜか2人目は改札が開きません(今でも謎。たまたま接触が悪かったのか。他の改札も試すべきでした)。仕方がないのでもう1枚買うにも券売機の種類が違い、相棒は手間取っていました。
ようやく購入して電車に乗ると、一緒に乗った人が逆方向だと教えてくれました。がーん。しかも次の駅では車掌さんがドアを開け忘れて発車(乗客が声を掛けに走り、途中で停車して開きました。日本なら事故報告されてるよね)。もちろん電車はもうガラガラ。
そして最寄駅へは乗り換えが必要です。乗り換えパターンはふたつあり、自分の直感よりもGoogleMapを信じたら、これまたかなり待たされ、空港からかれこれ1時間もかけてようやく最寄駅に到着したのでした(涙
しかもそのパターンの場合、メトロ駅からホテルまで10分以上かかりました。それでも、大きい駅は出口を間違えると時間のロスが大きいので、これもまた良しだったと思います。
マドリードでカウントダウンのはずが、時刻はすでに0:40。観光の中心部から離れているのでひっそりしていましたが、それでも何人かとすれ違ったのは大晦日だったからかもしれません。治安の悪さはまったく感じなかったことが幸いでした。
フライトキャンセルは初めての経験で、まったくの想定外でした。でもまだまだこれは序盤。もう少し先に、もっと大きなトラブルに見舞われますが、それはしばらくあとのこと。