英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【スペイン】首都マドリードの見どころをサクッと観光

2024年(令和6年)1月1日(月)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。前回はトラブルで夜中着となった2ヶ国目スペインの首都マドリードでのホテル「バルセロイマジン」の部屋について書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

日の出時刻が8時半のマドリードの朝はとても寒いです。観光地が動き出しそうな時刻を狙い、ホテルに荷物を預けてマドリード市内の観光に出掛けました。マドリードの観光は唯一この日だけ。しかも14時にはチャマルティン駅に戻らなければならないので、主要な観光地を簡単に見るだけです。

 

ホテルから徒歩3分ぐらいで国鉄やメトロなどの駅があるチャマルティン駅に到着です。実はマドリードの交通については調べられないまま現地へ来てしまったので、とにかく空港で10回券を購入してしまったMetroを目指しました。

 

目的地へ行くには1号線か10号線に乗ると良さそうですが、ホームの移動はわかりそうでわかりにくい。前夜、チャマルティン駅ではなく隣駅着の乗り換えパターンを選択しましたが、チャマルティン駅はかなり大きい駅なので、結果的には早く駅を抜け出せたかもしれません。

 

レトロな車両が停まっているホームがありました。かつての地下鉄車両のようです。

 

1号線と名がつくからにはもっとも便利だろうと見当をつけてみました。観光の中心となるSol駅を目指します。

 

でも、意外と電車の間隔は長く、電光掲示板に次の到着予定がなかなか出ません。

 

Sol駅までは12駅20分ほど。結局、到着は10時半になってしまいました。あまり観光する時間はなさそうです。

 

駅を出たところがPuerta del Sol(プエルタ・デル・ソル)。カウントダウンが行われた広場です。

 

大きなツリーが飾られていました。夜に来ると良さそうだよね。

 

2018-2019年年末年始、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラTIO PEPEを製造しているボデガ(醸造所)を見学したことがありますが、ここでティオペペと再会しました。あのときも帰りの電車の時刻にギリギリになり、テイスティングを切り上げてタクシーで戻ったな。

fuwari-x.hatenablog.com

 

ソル広場での必見はふたつの銅像。ひとつがクマとイチゴノキ。渋谷駅のハチ公像のような存在です。

 

もうひとつが1759 年-1788 年スペイン国王だったカルロス3世

 

ソル広場から5分ほど歩くと、マヨール広場へ到着です。こちらにも大きなツリーとクリスマスマーケットが出ていました。市場などが開かれていたかつての商業の中心地です。

 

広場の整備は16世紀後半から計画が進められ、火災などを経て現在の形になったのが18世紀も終わりごろ。3階建ての建物がぐるりと広場を囲み、カフェやショップが入っています。

 

広場の中央には1848年に設置されたフェリペ3世騎馬像がシンボルです。トスカーナ大公から贈られ別の場所に長く据えられていたものを、イザベル2世の命を受け移動させたものです。

 

マヨール広場へ入るには10の門がありますが、そのうちのひとつArco de Ciudad Rodrigo(シウダー・ロドリゴ凱旋門)です。電飾されているのを見に、後日また通ります。

 

マヨール広場を抜けると、すぐそこに有名な観光客向けフードコート、サン・ミゲル市場があります。開店準備に追われているところでしたが、時間もないのであとで戻りましょう。

 

王宮へ向かってマヨール通りを歩きます。マドリードにはあちこちに広場がありました。ここはPlaza de la Villa。左の建物は1644年築のマドリード市庁舎です。

 

さらに先には軍人のための大聖堂なんでしょうか、Cathedral Church of the Armed Forcesが続きます。

 

その向かいでは、金光りしたお尻のおじさんの銅像がありました。見ているのはマドリード最古の教会の遺構。

 

傍らには遺構の説明が書かれた青銅模型もありました。1868年、マヨール通り拡張のために取り壊されてしまったようです。

 

この遺跡を過ぎるとアルムデナ大聖堂が現れました。元日でも開いているようだったので、必ず訪れようと思っていた場所です。

 

階段を上って敷地内へ入ると、彫刻が横たわっているベンチがありました。触れられて金光りしている彫刻が多い中、毛布を頭から被り、打ち捨てられたような姿。

 

すぐそばにあるローマ教皇ヨハネ・パウロ2世像の慈悲を受けようとしていたのでしょか。調べてみるとカナダ人の敬虔なクリスチャンである彫刻家Timothy Schmalzの「Homeless Jesus」という作品で、足には磔の刑である楔の痕があります。2013年トロント大学に設置したのが最初で、それ以後、世界各地に100体ほどが設置されているそうです。

 

厳かというよりは、新しいというのが第一印象でした。柱などはバルセロナサグラダファミリアのように近代建築の雰囲気。調べてみると、16世紀に建築計画が始まったにもかかわらず、なんと完成は1993年のこと。

 

直前に見たマドリード最古の教会を取り壊して建てる計画だったのに、充分に寄付が集まらなかったり、スペイン内戦などで中断した時期もあり、その間に外観の構想もがらりと変わったそうです。外にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世像があったのは、完成後にスペインを訪れて大聖堂として聖別したからなんですね。

 

前後しますが、アルムデナ大聖堂の入口には美しいブロンズ彫刻が施されているのですが、描かれているのは1993年6月15日教皇ヨハネ・パウロ2世が訪れた日の様子だそう。

 

聖母アルムデナの祭壇は階段の上にあります。誰もが聖母像まで上っていくことができます。祭壇の下には、スペイン王アルフォンソ12世の最初の王妃マリア・デ・ラス・メルセデスが埋葬されています。

 

パイプオルガンも美しいけれど、それよりも天井が気になります。

 

ほら。このカラフルさ。緑を基調とし、伝統的な教会とは異なる美しい天井の模様はとても印象的でした。

 

アルムデナ大聖堂の脇から外へ出ると、そこは王宮。元旦は王宮内の見学は休みなので入れません。ヨーロッパ最大の床面積を誇る宮殿で、バッキンガム宮殿やベルサイユ宮殿の2倍もの広さがあります。

 

アルムデナ宮殿と王宮の位置関係。アルメリア広場を挟んで向き合っています。ここで毎月第一水曜日には厳粛な衛兵交代の儀式のほか、毎週水・土に衛兵交代が行われます(7・8・9月、公式行事開催時や悪天候のときは中止)

 

アルムデナ大聖堂の右奥にはアルムデナ大聖堂美術館の入口がありますが、こちらは元日は休み。

 

アルムデナ大聖堂と王宮はバイレン通りに沿って歩きます。これはアルムデナ大聖堂から王宮を通り過ぎ、振り返ったところ。

 

通りの反対側はオリエンテ広場が広がっています。その向こうに見えるグレーの建物はテアトロ・レアル(Teatro Real)、オペラハウス。

 

王宮はカルロス3世からアルフォンソ13世(在位1886-1931年)まで国王の住まいとして使用されてきたので、比較的新しい絢爛豪華な部屋の様子が見学できると思います(2024.2月現在20EUR+オンライン予約手数料0.77EUR)。現在はマドリード郊外のサラスエラ宮殿にお住まいですが、今も公式の行事では使用されています。

 

王宮に隣接するのはサバティーニ庭園。

 

もともと王室の厩舎があった場所で、庭園に整備されたのも1930年代と新しい。そもそもフェリペ2世が宮廷をトレドからマドリードに移し、実質的な首都となったのが1561年というのに、1993年まで大聖堂のない首都だったなど、マドリードの整備にはかなり時間がかかったようですね。

 

主要な場所を抜け、スペイン広場へ入る一角に位置しているのがロイヤル・アストゥリアナ鉱山会社の建物。存在感のある建物です。

 

スペイン広場に入らず、王宮から見えた虹色のドームを持った建物を探して彷徨います。GoogleMapでデボー聖堂と出てくるのがそれかと思っていたのですが・・・

 

でもいつのまにかその建物は視界から消え、GoogleMapに導かれるままに歩いて行くと、モンターニャ公園に入っていきました。

 

腑に落ちないままGoogleMapに従って歩いて行くと、あ!!!デボー神殿って、これか!!!親愛なるブロ友、こにゃくうさんのブログで世界遺産創設となったUNESCOの国際キャンペーンの話を読んだ記事が蘇ってきました。

 

1960年代、エジプトでアスワン・ハイ・ダムが建設が進む中で多くの貴重な建築物が水没の危機にさらされた際、UNESCOの呼びかけでそれら遺跡保存の国際キャンペーンが行われたのですが、そのひとつアブ・シンベル神殿の移築にスペインが協力したお礼に寄贈されたのがデボー神殿です。

 

ところで、私たちが探していた虹色ドーム型の建物は、このあとに見つけました。すぐそばを通っていたのに建物の陰になっていて気づかなかったのです。聖テレジア教会と聖ヨハネ教会(The Church of Saint Theresa and Saint Joseph of Madrid)というながーい名前。リンクをスクロールしていくと最後に虹色に輝くドームが確かに紹介されていました。

 

最後にスペイン広場に鎮座する近世スペインの小説家セルバンテスの石像と、代表作の主人公ドン・キホーテの騎馬像を見たら、ランチの時間。

 

後ろの広場は冬季スケートリンクになっていました。像から離れずしぶとく写真を撮り続けているのは、もちろん某国の旅行者。

 

ざっと見ただけでしたが、広場だけでもプエルタ・デ・ソル、マヨール広場、スペイン広場、そして大聖堂や宮殿など見どころの多い街でした。この後、また戻ってきますが、他の観光地への拠点として過ごすので、主なマドリード観光はこれでおしまい。とにかくランチへ行きましょう。ハシゴします(笑