2024年(令和6年)1月2日(火)
年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回は思いのほか興味深い見学となったクエンカ大聖堂について書きました。
パラドールの前にある広場から、渓谷を眺めました。上流側に続く切り立った崖が見えます。そんなに遠くまでは行けないけど、左側にある旧市街を上がっていくと展望台があるらしい。
ちょうど奇岩が突出したあのあたりかな?上から見下ろすパラドールやサン・パブロ橋を見たいよね。13時発のバスまで、旧市街の散歩に充てられる時間だから出掛けるよ。
最後に渡るサン・パブロ橋。工事中の建物の右側がクエンカ大聖堂、左側のこげ茶色の建物が宙吊りの家です。
宙吊りの家はどう撮るといいのかさんざん考えたのですが、私の場合は最後までいまひとつ。右側に工事中の建物があったので、避けたかったことも要因のひとつでした。
やっぱり崖の高さがわかるように撮るのがいいんじゃないかと考えたのがこちら。
横から撮る方が崖の際に建っているのがわかりやすくていいのではないかと考えたのがこちら。でも、下から見上げた画像を見つけたとき、いいなぁと思いました。まぁスマホでの撮影にはやっぱり限度がありますけどね。
展望台は、左手崖の上の旧市街を歩いて行くと到着するよ。クエンカ大聖堂からバスもあるけど、私たちは断然徒歩派。
サン・パブロ橋を宙吊りの家の方に渡り切ったところには、1931年マドリードの展覧会Círculo de Bellas Artesで金メダルを受賞した羊飼いの彫刻、Monumento Pastor de las Huesasがあるのだけど、アップで取らなかったから存在感が薄過ぎました(涙
羊飼いの彫刻のあたりからは、サン・パブロ橋の旧橋脚がよく見えます。渡るのにためらってしまう高さも、少しは想像しやすいかしら。橋脚は奥側はほぼすべて補強されており、手前は元の土台の強度が保たれているのでしょう、途中から鉄骨が組まれています。
マヨール広場に到着です。バス停はないけれど、Cuenca Fernando Zobel駅から乗るはずだったバスはここが終点。さらに先の展望台へは乗り換えが必要です。
バス停がないと不安になりますが、クエンカ大聖堂の前にいれば間違いなし。狭い広場なので気づかないということもないでしょう。定刻の10時に出発するところを見届けて、前回ご紹介したクエンカ大聖堂の見学を開始しています。
そのクエンカ大聖堂の見学を終え、展望台へ向かっています。これがメインの通り。でも、この狭い道を車が通るので、崖側の道を歩くことにしました。
人影が見えたので、覗きに行ったところ・・・
このお方は詩人なんだそうですが、重要なのはこの人よりも、今はバーのテラスとなっているここが、サン・パンタレオンという古い教会の遺跡だということらしい。
その教会の奥の通路を歩いて行きます。ここはパラドールから見ると崖の際という位置。通路のように見えるけど車も通るのよ。
方向転換は広場でしか行えない。ポルトガルへ行ったとき、リスボンのサン・ジョルジェ城界隈がこんな狭い道に車が通っていたことを思い出しました。
坂道だと思っていたら階段になるので、熟知せずに車で来たら大変。
石造りの両端は塀なのか家の壁なのか、そこへ木で梁を渡して上に家を建てるなんて大丈夫なのかしら。
ほら、しかも3階も積んでいるんだから。壁も支えにして耐えているとしても、そもそも危なっかしい。いや、宙吊りの家も含め、崖の際に建っているそのものが危険都市だわね。でも、一時は着々と壊して建て替えていたのを、その価値に気づいて保存するようになったそうだから素晴らしい。
マヨール広場から10分ほど歩けば、展望台に到着しなくてもこんな景色が広がります。快晴だったらどんなに素敵だったことか。
右手が歩いてきた崖のそばの様子。どれもこれも奇岩の際に建っているのがわかります。宙吊りの家はサン・パブロ橋の傍のこげ茶色の建物(←しつこくこだわる)。
パラドールは旧市街と比べて低いけど、それでも相当な崖の上の際に建っています。サン・パブロ橋側の部屋でなくこっち側も崖を感じられて楽しいかも。そして、パラドールを指定してタクシーに乗っていれば、この下の道を通ったはず。タクシー料金は一律だったけど、旧市街の狭い道を抜けるよりスムーズに到着できると思います。
さらに目線を落とすと畑もあって、旧市街に比べゆったり落ち着いて暮らしてそうな家がいくつか見えます。
さらに先へ行くと、奇岩が入り組んだ箇所を通ります。なだらかだけど、つい先へ足を進めて乗り出してしまうと危険なはず。遠く赤い屋根が見えるのが新市街。
私たちはこの展望台までで戻ることにしました。
クエンカ大聖堂からここまで820mと書いてあります。
もうほんの少し先にも展望台がありましたが、旧市街を眺めるより上流の渓谷がより見やすい位置になるんじゃないかな。
バス通りから戻ります。このサイズの画像では気づけないのですが、ガラス張りのお店の前に人影発見。
レストランの前にいたイケメンくん、クエンカを訪れている旅人の銅像らしい。
何が気になるって持っている本に何が書かれているか。
思わず背後に回り手元の本を覗き込んでみると、宙吊りの家でした。やっぱり旅人の目当てはここかぁ。
ちなみに、バスで上ったとしても駐車場あたりから充分景色を楽しめます。
パラドールやサン・パブロ橋、宙吊りの家、そしてもちろんクエンカ大聖堂のほか、マンガナの塔など私が知らなかった場所も記されていました。
特に見どころが多いわけではないけれど、宿泊してゆっくり過ごした場所というのは心に残ります。恐らくこじんまりとした旧市街で食事もしていたら、さらに思い出深かったんじゃないかな。ただ、ここでランチも可能だったけれどパラドールの食事に打ちひしがれていたので、とにかくマドリードに戻る一択だった私たち。
残念だったのはクエンカの情報は非常に少なく、GoogleMapでもなかなか見どころを探せなかったこと。たとえばこれ。クエンカの古い城壁とアーチなのだけど、上れることに気づいたのに、時間が急くから素通りしなくちゃいけなかったこと。
この右の六角形の屋根した建物も意味ありげだし(工芸品店らしい)、左に教会の十字架も見えるけど、それにも気づかなかったし。
道にはこんなプレートが埋められていました。クエンカの世界遺産登録25周年を祝しているようで、1996-2021と書かれています。やっぱりシンボルは宙吊りの家なのね。
市役所だというマヨール広場入口の建物。バスに乗らず、途中まで徒歩で下ります。
市役所の建物は、外から見ると黄色。このあたりの色遣いはなんとなくイスラム圏っぽく感じます。といっても、旧イスラム支配だったイベリア半島ぐらいしか知らないのだけど。
それでも、マヨール広場を抜けると俄然色彩が鮮やかになっていくように感じます。
街全体を見ると茶色のイメージしかないのだけど、歩いてみるとカラフル。ただ途中でお店は見かけなかったので、宿泊した場合のレストランは展望台付近やマヨール広場など、かなり限られてくると思います。
情報の少なかったクエンカで、いかにも名所っぽく書かれているように感じた橋を目指してここまで下ってきました。
クエンカはフカル川とサン・パブロ橋のかかるウエカル川の2本が流れていて、ここが合流地点。サン・アントン教会とサン・アントン橋が見どころかと思ったのですが、わざわざ見に来るほどではなかった・・・でも、川の水が緑色だったのが印象に残っています。
手前のトリニティ橋の下を流れるこの小川が、サン・パブロ橋の下を流れていたウエカル川の終着点です。
トリニティ橋の上にバス停がありました。結局、かなり時間を残してクエンカの観光を終えました。現金で2.15EURを支払い、鉄道駅へ向かいます。
30分ほどの乗車時間、新市街地を縫ってバスは走っていましたが、驚くほど茶系が基調。
建物も独特で、フランスと隣り合わせというのにスペイン文化がまったく異なることを感じさせます。
大地の色も同じく茶系。農地だと思うのですが、とにかく茶色い。
Cuenca Fernando Zobel駅へ戻ってきました。1本前の電車に乗れる時間に到着していますが、予約変更不可のチケットなので待つしかありません。
前日、バスが来なくてハラハラした駅前広場。あのあと17時半まで待っていれば、本当にバスは到着したのかな。
クエンカの駅にはこの売店しかありません。左側でコーヒーを購入中の人がいますが、相棒もこのマシーンに挑戦していました。現金で1EURです。
クエンカの駅でもやはり手荷物検査があるので、好きにホームまで行くことはできません。到着10分ほど前から改札が始まります。
帰りは特に問題なくマドリード、チャマルティン駅に到着しました。このあと、チェックインを終えたらマドリード中心部へ繰り出します。やっぱりスペインへ来たらフラメンコでしょ。前回のスペインでは、グラナダやセビリアで4度も見に行ったフラメンコ。いいダンサーはマドリードだと聞いていたので今回も2ヶ所予約しています。
この日の宿泊は、大晦日に泊まったバルセロ イマジン。いいホテルだったので足取り軽く戻ります。次回は2度目の部屋と朝食をご紹介します。