英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【香川】2日目-6 アートの島を巡る旅 李禹煥美術館&地中美術館

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。

前回はベネッセミュージアムをご紹介しました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

李禹煥美術館へ移動します。李禹煥はリ・ウーファンと読みます。韓国生まれで日本に拠点を移し活動しています。

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道路から階段を下りていくと、なにやらわからない現代アートが転がっているのが見えます。

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わ、わからない。

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安藤忠雄のコンクリート造りの建物と李禹煥のコラボだそうですが、私にも何か感じるものはあるんでしょうか。

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通路の壁にあるこんなものも、きっとしっかりした意味があるのでしょうけど・・・

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屋内は写真不可でした。なんかね、点とか線とかそういった世界。それぞれ感じることを感じればいいと言われたけど、わかる人ってどう感じるんだろう。ただ、屋外作品の解説を聞きながら、私なりにちょっと感じたことがあります。

向こうに見えるアーチは門で、海から迎え入れるイメージで作られています。

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そう思って近づいていくと、なるほどそうだな、と思います。敷かれているのは金属物で、手を叩きながら歩いて行くと門の下では音が変わります。ツアー参加者にヒールを履いた人がいたのですが、その人が歩くと手を叩かなくても音が変わって不思議な世界観を感じます。

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実際に迎え入れられたと思って門から中を見ると、それぞれのアートに意味があるような気がしてくるのがまた不思議です。この道を歩けば門の下で音が変わる。それはきっと歓迎の意味を為すと感じるだろうし、出迎えてくれるアートもまたその目を楽しませてくれるのでしょう。

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角度を変えてみれば、美術館に足を踏み入れたときとまた違う表情が見えます。コンクリートだけの美術館の印象が、自然と融合したものにも感じられる。

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近づいてみれば、美術館の建物は壁の向こうで存在感を消しているし、ひとつの作品の一部ともなっています。

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こちらのアートは石の上に誰かが寝そべっているようにも見え、呑気に海を眺めている気分にもなれます。ふーん。なんだかわかないけど、ちょっと楽しいかもしれない。

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そんな気持ちで向かったのが、最後の地中美術館。ここは、チケットセンターから美術館までちょっと距離があります。

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地中美術館にはクロード・モネの睡蓮が展示されているのですが、そのモネの世界観を表すために、道中にその作品をイメージした地中の庭があるのです。後年に描かれた睡蓮は、もはや睡蓮そのものではなく水面に映った水の揺らめきを描いていたそう。それを感じるための小径です。

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5分ほど歩いて地中美術館の建物にやって来ました。

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中の撮影は禁止です。作品はクロード・モネジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの3作品のみ。

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こちらももちろん安藤建築の神髄であるコンクリート造り。長い廊下を通っていきます。

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暗い廊下を通ってきて、もう美術館に入っているつもりでいるのに、ぽんとまた屋外に放り出される。晴れていればそれそれでその外の明るさか妙な感じがするし、雨や風だと一層戸惑う。そんなふうに感覚が変わることが安藤建築の考えていることなんでしょうか。

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しかも、階段を上がっていくと見える緑。無機質なコンクリートに突如と現れる緑には、逆になんとなく落ち着かない気分にさせられました。

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睡蓮は、この距離から見るのがベストという位置があるという話を聞きました。コンクリートの部屋の入口から離れ、その入り口の枠を額縁に見立てるかのように見るのです。

 

跡のふたつの作品のうちのひとつは、家プロジェクトで経験した南寺の暗闇アートを作ったジェームズ・タレルのもので、こちらは青い空間の中に入って行くと、光の中にいるのに立っている足元には自分の影すら映ることがなく、まるで空か海かの上に取り残されたように感じさせられる作品でした。無限に広がる青い世界が永遠に続くような錯覚に陥る、そんなまた違った光のアート。そうか、やっぱりアートなのか。

暗闇でも、光の中でも、自分の存在がおぼつかないもののように感じるのはタレル作品の共通の印象で、あれは是非経験してみてほしいと思います。

 

1日かけて回った直島のアートツアーも終わり。ベネッセハウスで宿泊です。

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【香川】2日目-5 アートの島を巡る旅 ベネッセミュージアム

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。えぇ、待って良かったです。特に前回の家プロジェクトは歩いて回るので、季節を選んだ方がいいと思いました。

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昼からは直島にある3つの美術館を見学します。途中で、草間彌生黄かぼちゃ「南瓜」のあった海沿いを通りました。2021年8月9日に台風で流され割れてしまったので、今はありません。いつも悪天候のときはベネッセの職員が移動させていたそうですが、このときは予報が外れてもはや引き取れない状態だったそうです。

news.yahoo.co.jp

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(画像はベネッセ教育サイトから転載)

 

まずは、ベネッセが最初に手掛けたベネッセミュージアムに到着しました。

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安藤忠雄らしいコンクリート造りの建物は複雑な形状で、いったいどこにいるやら迷子になりそう。館内は一作品を除き撮影可能です。

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まずは屋外作品をひとつ。シップヤード・ワークス 切断された船首/ 船尾と穴(大竹伸朗)直島銭湯「I♡ 湯」のアーティストです。作品名のとおり、船の船首と船尾を置いたもので、向こうに海が見えるように配置されています。

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屋内には参加アーティストの写真が掲げてあります。

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草間彌生、キュートです。

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コンクリート造りの美術館ですが、コンクリートの隙間には植物も育っています。ほら、ガラス枠の隅にも。

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なーんてね。こちらは前回紹介した家プロジェクトの中の碁会所のアーティスト須田悦弘の作品、雑草です。碁会所では椿だけでなく手前に置かれていた竹もアートだったと書きましたが、これも同じ。たまに来れられてメンテナンスして行かれるそうですが、雑草の数が増えているとかいないとか(笑

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モナコを讃えてMC12(セザール)

ブリキのように見えますが木製で、水差しと書かれていました。すごい質感。

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瀬戸内海の流木の円(リチャード・ロング)

こちらは廃材を用いた作品。ガラスの外には同じ人の作品で、石を置いて円が描かれている十五夜の石の円、壁にも瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環が展示されています。アーティスト自身が材料を揃えると思いきや、助手にイメージを伝えて集めて来させて、本人はここで並べるんだって。そんなものなのかぁ。

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度肝を抜かれたのがこちらの壁の国旗が並んだザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990(柳幸典)

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各国の国旗にひびが入っているでしょう?注目すべきはそのひび。

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これ、アリの巣なんですって。今はもう生存していないようですが、当時は刻々とこの作品が育っていくというか、崩壊していったようです。アリには国境など関係ない、砂を運び国旗の模様を崩壊させて、そのことを訴えている作品なんだそうです。

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3人のおしゃべりする人(ジョナサン・ボロフスキー)

全員が前向いてしゃべってるんかい?コロナ禍で休止中だけど、どうも電動で動く仕掛けにもなっているみたい。

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ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990と、3人のおしゃべりする人の向こうにはもうひとつ作品があって、ガラスの向こうはコンクリートに囲まれた外。屋根がなくて空がぽかりと開いて見える空間でした。

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天秘(安田侃)

その空間に、つるりとした大理石の作品。靴を脱げば上ってもよく、座ったり寝転んだりして感触を楽しんだり、空を眺めたりして鑑賞する作品です。

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黄色と黒のボート

この作品のアーティスト、ジェニファー・バートレットは、作品をここへ置いてみたら、窓の外に同じ景色が見えて驚いたと語っていたそう。で、外にも同じように黒と黄色のボートを置いたんですって。

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こちらがその外の風景。外のボートは、向こうの砂浜にちらりと見えるんですが、どうかな?現地へ行くと、中と同じ風景が実際に見られるという楽しさ。

さらに左側の岩場にも一対となった作品があって、写真が一枚貼り付けられているんです。拡大してもちょっとわからないのだけど。

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それと同じ写真が、こちらのタイム・エクスポーズド(杉本博司)。これらの写真はどれも同じじゃないと聞いたと思うんですけど、杉本は風雨にさらされて経年劣化してこそ完成という考えだそうで、これじゃまだまだ、なんておっしゃっているとか。杉本ははじめに見た護王神社の設計者ですが、この人のテーマは光と影なんでしょうか。

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それぞれの作品の位置関係はこんな感じ。振り返ると黒と黄色のボートの作品が見え、海の写真とともども外と一対の作品になっています。

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エコ・エコー Ⅲ(ロバート・ラウシェンバーグ)

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最後が、建物の中心の空間にある100生きて死ね(ブルース・ナウマン)

消費社会を象徴するかのようなネオン管を用いて人間の行動、感情、人種、生理現象などを表す100個の言葉をand liveand dieで組み合わせ、feel and liveeat and dieなどと描かれています。ランダムに点滅を繰り返したあと、最後に全部点灯するんだって。

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ベネッセハウス宿泊者は、23時までこのミュージアムに再訪することができます。真っ暗な部屋の中で点滅するネオンを見てみたい。送迎もしてもらえるようなので、夜間鑑賞も楽しみです。この作品のことは、そのときにもう少しご紹介します。

次回記事はこちら。

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夜間鑑賞の記事はこちら。

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【香川】2日目-4 アートの島を巡る旅 直島「家プロジェクト」ツアー

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。満を持しての今回は、直島・豊島・犬島の3島を回るため、ベネッセに泊まる1泊2日のツアーに参加しています。

前回は、直島の家プロジェクトからガラスの階段を持った護王神社八幡神社をご紹介しました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

意表を突かれた神社の美しさに、ほかの家プロジェクトへの興味が膨らみます。家プロジェクトとは、この本村地区において1998年より始まったベネッセ主導のアートプロジェクトで、現在7軒が公開されています。今も生活が営まれる地域で、点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものを作品化しているのが特徴です。

 

家そのものを地域に溶け込ませたままでアートにする。いったいどういうことなんでしょう?まずは、ANDO MUSEUMに入ります。この暖簾は染色家加納容子の作品で、その場に合った暖簾を掛けるという暖簾プロジェクトのひとつです。この暖簾は柿。

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ベネッセの先代社長福武哲彦が直島に子どもたちのキャンプ場を作りたいという想いから始まった直島文化村構想は、哲彦急死後、長男の總一郎が引き継ぎます。建築家安藤忠雄と意気投合して直島国際キャンプ場を作ったあと、ミュージアムとホテルを融合させたベネッセミュージアムを作ることになりました。その構想が収められているのがこのミュージアムです。

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元の木造建築を活かしつつ、安藤忠雄が得意とするコンクリート建築を融合させたANDO MUSEUM、上部は梁を見せています。

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安藤忠雄が直島で手掛けた、ベネッセミュージアムをはじめとする建物の構想過程が展示されています。

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建設過程の写真がこちら。いったん山を切り開いて建物を建てたあと、埋め戻すという作業が行われました。

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ほぼすべて地中に埋められた建物は、外からほとんど見えません。海上から見たときに近代建築で景観を損ねない工夫だと聞きました。

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構想時の模型では、その断面が表されています。これらが埋め戻され島と一体化しているのです。

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天然光を取り入れるという手法は安藤忠雄の得意とするところで、その代表作のひとつである大阪の光の教会も紹介されていました。

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時間によって光がどう差すか検討を重ねた設計であることが、撮影時刻を見ることでわかります。

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ANDO MUSEUMでも光の演出がありました。門を入ってすぐに、こんな仕掛けがあります。

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地階へ下りていくと・・・

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真っ暗な空間に、先ほどのガラス部から取り入れられた光が差し込む部屋が作られていました。

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光の演出という点では、次に行った南寺には驚かされました。お寺があった場所に建てられた建物なので南寺と名付けられていますが、これは前回の護王神社とは違いお寺ではありません。安藤忠雄には珍しい木造建築です。

中はアメリカ合衆国現代美術家ジェームズ・タレルの作品で、一度に入れるのは20人程度。どんなアートかあるのかわからずに待っていたのですが、係の人の誘導で壁を伝いながら真っ暗の部屋に入って行き、その声を頼りにベンチに座ります。閉所・暗所恐怖症の私には拷問のような話。それでも戻ることもできないのでじっと待っていると、やがて目が慣れて光のスクリーンが見え、室内を歩けるまでになるのです。天地も空間も認識できない中に身を置かれ、宙に浮いているようにすら感じられる不思議な感覚は、体験してみないとわからないだろうと思います。

この人の作品はあとにももう一度体験しますが、でも、これがアート?こういうのもアートと言うの?なんとも妙な感じです。

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町にはあちこちに工夫を凝らした演出があります。ここで電話をしながらポーズを取ってみたり・・・

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彼女たちと一緒にバスを待ったり・・・

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昔あった屋号がわかる家には、その屋号を掲げてあったりもします。

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横から見ると、光を通して文字が映し出され、柔らかい雰囲気が素敵。

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コロナによる休業で見られなかったThe Naoshima Plan「水」(三分一博志)の作品は、白砂の中庭を水盤として利用するもので、体験してみたかったひとつです。

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次の作品は角屋。200年ほど前に建てられた家屋を、漆喰仕上げ、焼板、本瓦を使った元の姿に修復しています。

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中へ入ると、畳があるべき場所が水盤になっており、灯りが燈されています。

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灯りには数字が記されているのですが、1~9の数字を順にカウントするようになっています。そのカウントのスピードをどうするかは、公募により参加した直島在住の5歳から95歳までの島民125名が参加し、思い思いのスピードに設定しました。この角屋は、島民も参加したことで、現代アートを地域や島民の生活に根付かせた家プロジェクト最初の作品です。このタイムセッティングは、最初に発表されてから20年後の2018年に、タイムセッティング2018〜継承〜という取り組みでそれぞれが再セッティングしています。ご興味があれば読んでみてください。

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このアーティストの作品はデジタルカウンターを用いたものが多いのですが、0を表示しないのが特徴です。

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仏教の輪廻転成の思想に影響を受けており、LEDが刻む数字を個々の生命の時間であると見立てています。1から9へと時間が進み、また1へと戻るというのは、生と死の永遠性を表現しているのだそうです。

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ツアー参加者のひとりが希望し、見学ルートに予定されていない家プロジェクトを見に行くことになりました。その建物は町役場の向こうにあるのですが、直島の公共建物の多くは、安藤忠雄が直島プロジェクトに加わるまで主に石井和紘が設計していました。こちらの庁舎も安土桃山時代の名建築の意匠が採用され、近代的なものと融合させています。直島町の幼稚園~中学校の建物も同じ設計者石井和紘によるもので、そののびやかでモダンな建物は豊かな感性を育むような素晴らしい校舎でした。

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少し離れた場所に立つこの建物ははいしゃと呼ばれる建物です。

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以前歯医者だった建物で、この奇抜さはあの直島銭湯「Ⅰ♡ 湯」を作ったと同じ大竹伸朗によるもの。大竹はこの建物を舌上夢/ボッコン覗と名付けています。

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ガラス張りの入口で靴を脱いでから入ります。以前は内部の撮影は不可だったそうですが、要望が多く解禁になったそうです。

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床にはガラスが張られ、その下のコラージュはいったい・・・???

作品タイトルの舌上夢という言葉は、何かを口にしているとき、味や匂いなどの感覚からたどる夢の記憶のプロセスを表現しています。これらのスクラップもそれを表したもののよう。

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左の部屋は、真っ暗で凹凸があります。それをボッコン覗と表現しているんでしょうか。あとで外から見るとその姿がわかります。

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右の部屋は青く塗られ、天井をぶち破って2階が見えます。

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階段を上がって2階から部屋を見下ろしてみましょう。

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1階から見上げた障子のところから吹き抜け部分を見ると、かつてあった窓がそのまま残されています。

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隣の部屋には自由の女神のパロディ版。こんなもの、1階で見たっけ?

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ええ、ありました!黒い部屋の奥にすっくと立っていました。

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トイレにもスクラップがいっぱい。大竹伸朗っていったい・・・

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建物の裏側に回ってみると、黒い部屋の凹凸が外に飛び出していました。なんというか、鉄腕アトムとかそういった雰囲気に私には感じられたのだけど、船尾を表しているそうです。

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門のところには、歯も埋め込まれていました。銀歯もあって妙にリアルだったのですが、これは偽物だそう。実物を集めたかと思ったよ。

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はいしゃを見に行ったことで時間切れになり、ランチのあとの空き時間で行ったのがこちらの碁会所(須田悦弘)。碁会所とはその名のとおり、囲碁をするために島の人たちが集まった場所ですが、解説なしだとまったくわかりません。

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真ん中の通路を挟んで左右同じ大きさの部屋が並んでいるのですが、全体は撮れませんでした。

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右の部屋はこのとおりなにもありません。

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左の部屋には椿の花。

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庭に植えられている本物の椿との対比が狙いなんだそうですが、ふむ。あとで聞いたところによると、なにもない部屋に置かれている竹は、本物の竹ではなくアートなんだそうです。この人の作品はベネッセミュージアムで再会するのですが、その作品を見るとちょっと意味がわかるはず。

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食事は玄米心食あいすなおでいただきました。

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時間が押したせいもあって、店内は満員。

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食事は玄米ご飯と素朴なお惣菜のセット。肉魚なしでベジタリアンやビーガンもOK。ちょっとこの島で1,000円というのは高いようにも思いますが、直島を応援という気持ちでいただきましょうか。

tabelog.com

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ツアー料金には飲み物も含まれていたので、物珍しさからオリーブサイダーを頼みました。でも、ご飯には合わないかな。

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午後からは、直島にある3ヶ所の美術館を見に回ります。

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【香川】2日目-3 アートの島を巡る旅 直島「家プロジェクト」スタートはガラス階段の護王神社

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。

前回は、直島の屋外アート作品をご紹介しました。

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本村ラウンジ&アーカイブはツアー参加者の集合場所です。夏に訪問を検討したとき、直島・豊島・犬島に点在するアートをすべて見るには自力ではなかなか難しいとわかったので、今回はベネッセハウスに宿泊する1泊2日のツアーに申し込みました。朝夕食+ツアー付き55,000円/人です。(11-2月は3島を回るツアーは休止)

www.benesse-artsite.jp

 

多くの人で賑わっていたのでツアーもすごい人数で回るかと思いきや、もう一組のご夫婦と4人でした。他の人は家プロジェクトのチケットを購入しに来ていたようです。

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家プロジェクトはこの本村地区において1998年より始まったベネッセ主導のアートプロジェクトで、現在7軒が公開されています。今も生活が営まれる地域で、点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものを作品化しているのが特徴です。

チケットはパンフレットを兼ねており、地図も載せられているのでわかりやすいです。ツアーではすべて回れないのですが、混雑時でも優先的に入れるのがポイントです。

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元気なあいだに行った方がいいと、まず神社へ向かうことになりました。

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予備知識を入れずに参加したので、アートといいながら神社?いまひとつ事情が呑み込めないまま歩きます。

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5分ほどで到着した神社では神事が行われていました。実際に使用されているのを見るのは非常に珍しいんだそうです。

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Appropriate Proportion(杉本博司)

この神社は、江戸時代から祀られている護王神社を改築したものです。

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本殿と拝殿は、伊勢神宮など初期の神社建築の様式を念頭に、設計者自身の美意識に基づくものとなっています。でも、ここからでは少しわかりにくい。

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足元を見ると、玉石の大きさに気づきます。直径10cmはあろうかという大きさ。

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さらに本殿に近づいていくと、驚いたことにはその階段。

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なんとガラスでできているのです。透明のきらきらしたガラスが美しい。神主さん、この階段を上っていってたのね。ちょっと滑りそう・・・

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さらに驚きは続きます。この神社には石室がある、と。ぐるりと回っていくと石室の入口がありました。本当に狭くて、閉所恐怖症+暗所恐怖症の私には恐怖。でも、好奇心の方が勝る。通路は10mもないのかな?本当に狭くてお相撲さんは通ることが不可能なサイズ。

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一番奥の様子は真っ暗でよくわかりません。ひとりだけ懐中電灯を持たされて中に入り、その灯りで照らした先には先ほどの階段が石室まで続いているさまが見えました。これはなんと美しいことか。本殿からガラスの階段が続き、その隙間からわずかに光を取り入れた作品は、まさしくアート。

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さらによくできた演出が石室を出るときにもありました。通路の壁に外の光が映し出され、一枚の絵画のように見えるのです。

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出てすぐのところにある木を少し切り払って、海が見えるように作られていました。これは素晴らしい。

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護王神社からぐるりと回ると八幡神社を通ります。こちらはアートではなく、昔からある神社です。

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なかなか美しい設計で、鳥の彫りものなど小さな島にしては豪勢な造りです。

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神社を下っていくと随神門を潜ります。

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邪悪なものが本殿の神様に近づかないように弓を持って見張っている門が随神門なのですが、中においでのお一方がなんと笑っているんですよ~ 2006年に新しく作られたものですですが、それにしても笑っているなんて珍しいですよね。

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八幡神社の鳥居は直島産の花崗岩でできており香川県指定有形文化財に指定されています。高さ385m柱の直径50cmでどっしりとした重厚な印象を与えるのは、桃山から江戸初期の作風の特徴だそう。

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護王神社のガラスの階段に魅せられた直島アート、次回記事から本格的に開始です。

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【香川】2日目-2 アートの島を巡る旅 直島アートの屋外作品

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。

前回は、朝ご飯の讃岐うどんと直島行きフェリーからの様子をお伝えしました。

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直島は、三菱マテリアルの精錬所を引き受けたことで一時的には繫栄しますが、一方で近代化による合理化で、従業員数や住民は減り続けています。そのため、島南端の風光明媚な地区を観光地に育てようと考えた町長と、㈱福武書店(現㈱ベネッセコーポレーション)創業者である福武哲彦が直島文化村づくりで意気投合。島全体をアートの村として変貌させていきます。

 

2010年からは3年ごとに瀬戸内国際芸術祭を高松港周辺と直島周辺の島々で開催し、国内外から多くのアーティストや観光客が訪れています。私が直島を知ったのも、2年前芸術祭を見に行った英語講師からの紹介でした。

 

まずは、屋外作品を見てきます。フェリーから見えたのは草間彌生赤かぼちゃ。『太陽の「赤い光」を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の海の中で赤かぼちゃに変身してしまった』と語ったそうです・・・さっぱりわかりませんが

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いくつかの水玉はくり抜かれていて中に入ることもできます。子どもたちが入っていたので、大人の私はなぁ・・・と思っていたのですが、水玉部分に外からの光が入り込み、内部にそれが映し出されるさまを見るとよかったみたい。内部も水玉になるって楽しい発想ですよね。

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港から少し行くと、直島パヴィリオン(藤本壮介)が見えてきます。直島町町制施行60周年記念で制作されたオブジェで、こちらも内部に入ることができます。ちょうど若いカップルが撮影を楽しんでいました。
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27島からなる直島諸島28番目の島をコンセプトに制作された作品で、約250枚のステンレス網で構成されています。

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内部は三角形の面が組み合わされて座れるようにもなっています。

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ちょうど直島パヴィリオンがみえるように撮ったこちらの作品は、BUNRAKU PUPPET(ジョセ・デ・ギマランイス)。香川県無形文化財に指定されている直島女文楽のの動きや着物の裾さばきの美しさに着想を得たそうです。ふむ。f:id:fuwari-x:20211125124025j:plain

 

こちらの案内板も同じ人の作品。男木島にもありましたね。

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直島の町へ入っていきましょう。

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お目当てはこちらの直島銭湯「Ⅰ♡ 湯」(大竹伸朗)

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なかなか全体を写すのが難しかったのですが、反対側から見るとこんな感じ。

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カラフルなタイル、写真の入ったパネルなど、奇抜な世界。

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小屋の載せられた天井部分は、アーティスト自らがわざわざ壊してこんなふうにしたそうです。建築基準法、大丈夫か?

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屋上にはちらりと地球儀も見えます。島民の活力源として、また国内外から訪れる観光客と島民との交流の場としてつくられたこの銭湯は、なんと実際に営業していますf:id:fuwari-x:20211125123859j:plain

 

外観・内装はもちろん、浴槽、風呂絵、モザイク画、トイレの陶器にいたるまで大竹伸朗の世界が反映されています。

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昼からの営業なので入れなかったのですが、公式HPを見ると浴室にはなんとゾウがいました~ ぶっ飛んでいますよね!

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町にはあちこちにカフェもあります。

島食Doみやんだ

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オレンジのものとテントの下には黒いカエルがいますが、これはブイから作られています。さすがアートの島、直島。このなおしま浮き玉カエルは、島内に300もいるそうです。

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アカイトコーヒー

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ちょっと入りにくいのが難点。コーヒーのいい香りはしていましたけど。

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ミカヅキショウテン

軒下に浮き玉かえるがぶら下がっているんだけど、黒くてわからないなぁ・・・

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当初はベネッセ主導の美術館など直島文化村だけのアート活動だったのが、次第に直島の古民家を改装するなど島全体に波及していったそうです。

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歩いていると、すぐにでも改修してアートやお店になっていきそうな建物がそこここにあります。

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うまく町に新しい店やアートが溶け込み、活気のある町になっている片鱗が窺えました。

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そろそろ時間です。海の駅「なおしま」へ戻って来ました。

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私たちはツアーに参加しますが、自力で回る人たちは町営バスを利用します。バスには草間彌生南瓜が描かれています。

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ツアーの集合場所は、島の反対側にある本村港近くにある施設。ツアーの主催者であるベネッセのバスが迎えに来てくれました。本村港のバス停そばにあったアートは、駐輪場。ふつうに利用されていました。

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これも新しいアート、(さざなみ/木村翔太)。縄が巻かれた船の竜骨を模した樟の木彫です。かつて船大工が暮らしていた家の前に設置されており、すぐ前にあった海との関係性や、縄の持つ意味などを重ねてイメージしている作品のようです。

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まだ開店前のお店の前を通ります。なんとなくいい雰囲気の町の雰囲気を感じます。

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待ち合わせはこちらの本村ラウンジ&アーカイブです。

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かつて農協のスーパーだった建物で、今は家プロジェクトの鑑賞チケットと関連書籍やグッズ販売のほか、インフォメーションセンターとして利用されています。

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さて。ツアーに参加して、その家プロジェクトの見学に向かいましょう。続きはこちら。

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【香川】2日目-1 アートの島を巡る旅 「めりけんや」で讃岐うどんの朝食→直島行きフェリー

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除されました。ANAマイレージが余っているので、活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待っての出発でした。

前回は、期待せずに出掛けた夕食が思いかけず大ヒットだった話を書きました。

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朝。ホテルの部屋から玉藻公園が見えることに気づきました。JRクレメントイン高松、4,900円/人のリーズナブルなビジネスホテルなのに景色まで楽しめるとは。

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その向こうには、屋島も見えます。

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高松港は、男木島・女木島と直島・小豆島方面では乗り場が違い、さらにフェリーか高速船かによっても異なってくるので要注意です。今日乗るのは、左に見える直島行きのフェリー乗り場。

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フェリーの出発時刻は8時12分。その前に、せっかく高松に来たのだから讃岐うどんを食べたい。ハシゴ出来たらなによりと思って出掛けましたが、調べた場所に店はありません。もう一組探している人を見かけたので、おそらくコロナで閉店してしまったのでしょう。予定していためりけんやも開店直前まで気配がなかったので心配しましたが、7時に戻ってくると既に行列ができていました。

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東京や大阪にも店舗を出しているチェーン店ですが、なかなかの人気店です。各自トレーを持ってベースとなる麺を注文し、並べてあるトッピングを自分でのせたあと会計するシステム。

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私が頼んだ山芋ぶっかけうどんは330円という安さ。あげ110円を追加しました。あまりに大きくて半分に折り畳んでコレなので、かなり大きいあげです。コシのあるおうどんはさすが讃岐うどん。チェーン店でも侮れません。

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ハシゴしたかったけれど、近くに開いているお店はありません。フェリー乗り場へ向かいましょう。

今日から滞在する直島へは四国汽船㈱で向かいます。切符売場は女木島・男木島行きとは違いフェリー乗り場の待合室内にあり、支払いは現金のみ。片道520円ですが、こちらは往復割引があり990円です。もし、高速船に乗ることになっても差額を払えばいいのでおススメ。

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旅客定員500名は、きのうのフェリーの倍近く。

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船内は広く、この時期はまだ乗客が少なかったので、近くに人が座ることもありませんでした。

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乗船時間は50分。急いでいる場合は高速船に乗れば30分で到着しますが、料金は1,220円なので倍以上します。

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季節が良ければ屋上で過ごすのも気持ちいい。でも、この時期はそろそろ風が冷たくなっていました。

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遠くに瀬戸大橋が見えます。1988年(昭和63年)にはじめて本州側の岡山県倉敷市からと四国側の香川県坂出市を繋ぎました。

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真ん中に見える三角の島は大槌島。島の中央に岡山県香川県の県境があるという無人島です。

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直島の隣にある島は荒神。痛々しい岩肌が、これからの楽しい旅に影を落とします。直島は三菱マテリアルの製錬所を受け入れた島なのですが、この煙害で直島諸島のいくつかははげ山になっています。積極的な植林活動により、これでも荒神島は復活している部類。それでもはげて見える箇所は、2004年(平成16年)の山火事によるもののようです。

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直島の宮浦港に近づくと、船内から何やら見えてきました。そうそう、これ。直島アートの始まりです。

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次回記事はこちら。

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【香川】1日目-6 アートの島を巡る旅 高松「すし森山」は想像以上の人気店

2021年(令和3年)10月

 

緊急事態宣言が解除され、余っているANAマイレージを活用中。今回は、英語講師に勧められたアートの島を巡る旅を計画しました。当初、オリンピック時の3連休を利用する予定でしたが、たぶん暑くてバテるだろうと秋まで待ちました。

前回はリーズナブル過ぎて心配だったJRクレメントイン高松が、思った以上に満足度の高いホテルだった話を書きました。

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さて。ホテルでは食事なしのプランを選択しています。直前まで何を食べに行こうか悩んでいた高松の夜でしたが、迷っていた理由はつい目がいくのはお寿司屋さん、でも近ごろなかなか美味しいお刺身に出会えていなかったことと、せっかくの旅行先では郷土料理を優先したほうがいいのではないかということにありました。でも、それもなかなか難しい。とりあえず、食べログで検索して高評価だったすし森山に2日前やっと予約を入れました。

 

決めきれなかったのは、サイトでもチェックしたこの外観。ザ・昭和。しかも、高松のながーい商店街の一角に構えているというロケーション。

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予約時刻よりもかなり早く、17時半の開店と同時に到着してしまいましたが、快く入れていただきました。その店内を見て、さらに後悔が押し寄せる・・・寡黙な大将もまたなんとも言えない感じ。

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そのくせ、飲み物はお値段なしの寿司屋バージョン。

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恐る恐るだったので、注文していたのは最安値の豪華食材瀬戸内地魚コース5,000円その名もさらに昭和。「豪華」なんて付ける?

でも、子持ち昆布の出だしは悪くない。

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さらに驚愕は、お刺身盛り合わせ。この鰤の美味しいことといったら!!!こんなに美味しい鰤ははじめて遭遇したかも、というぐらい。脂がのっていて、とろりとしていて、生臭さがまったくない。もう、一挙にハートを鷲掴みにされてしまいました。

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続いて出されたのは帆立。軽く炙られた帆立は、中がレア。でも、冷たいんじゃない。これまた絶妙な炙り加減。只者じゃない、この大将。

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サザエの壺焼きはかなりサイズが大きい。わたの苦みは割と好きなのだけど、このサザエはわた嫌いの人でも食べられるクセのなさで、出汁もたっぷり。なにこれ~今までのサザエへの印象が変わるわ~

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ビールから始めた食事も日本酒に切り替えました。これは、カウンターに鎮座していた一品ですが、香川県の金毘羅さん近くにある㈲丸尾本店凱陣をいくつかピックアップしてもらって2種類ほどいただきました。

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焼き魚もプリップリ。鰆だったかな。

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茶碗蒸し

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そしてここから、にぎりに入ります。まずはサヨリ

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こちらは・・・残念なことに、あまりの美味しさに魚の名前はすっ飛んでしまってるんです。背の青い魚ということから考えると鰺だったような気がするのだけど、この厚みからいくとかなり大きい鰺になってしまうし自信なし。

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雲丹。もう少し室温に戻っていた方がいいかなという冷たさは気になったのだけど、臭みのない味わいはなかなかのものを仕入れてる。

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これ・・・鰤だったような。よく知るその魚とは似て非なる美味しさで、とろりと食べたという記憶。

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芽葱も侮れない。嚙み切れないといった食べにくさはまったくなくて、これもまた新鮮な出会い。

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大好きな穴子もまた美味しい。たれの甘さもいい加減にできている。永遠に終わらなければいいのにというにぎりのオンパレード。

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最後は、玉子。これで終わりかぁ・・・あとで考えれば、追加すればよかったんだ。でもそのときは夢中で、まったくそこに思い足りませんでした。残念。ここ目的で高松へ飛んでもいいぐらい満足度は高かったです。これで5,000円しかも税込み!

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6時を回るころから予約客が来店し始め、その他、私たちのような旅行客っぽい人から地元の人まで訪れては、満席だと断られていました。私たちに要した時間は2時間。まだ早い時間だったから、運が良ければそのあとに入れたかもしれません。それにしても恐るべしすし森山。予約必須。華やかさはないけれど、味は確か。ここ目的でリピしたいぐらいです。

 

ぶらぶらとホテルへ戻って来ました。歩いて15分ぐらいです。

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ライトアップされたシンボルタワー高松。高松の夜は更けていきます。

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前回書いたホテルの大浴場へ行って、この日は終了。ちょっと甘めのお酒だけれど、叔母がお気に入りだった川鶴酒造㈱純米吟醸さぬきオリーブ酵母仕込みというのを見つけたので購入し、部屋でいただきました。

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翌日からは、待ちかねていたアートの島を巡る旅に本格突入・・・の前の朝ご飯、讃岐うどんです。

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