英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

高知県安田町 南酒造場【南】

2022年(令和4年)2月23日(水)購入

 

アンテナショップが集結している東京駅周辺。せっかくここを通ったなら、一升瓶を買って帰ろうと思って探したのに、四合瓶がほとんどで一升瓶は案外置いていない。その中で、品揃えが良かったのが高知県

高知18蔵のうちの数種類を扱っていましたが、できるだけ知らないお酒を飲もうと考えているので、悩んだ末にに決めました。

 

高知県安芸郡安田町 ㈲南酒造場【南】

【南】無濾過特別純米中取り
  原料米 愛媛県産松山三井100%
  精米歩合 60%
  アルコール度数 17度
  酵母 高知酵母
  製造年月 2022年2月
  2,860円(税込)
 
でもねぇ・・・残念なことにまったく口に合わなかったんです。生酒だったらたいていのものはいけるのに・・・と思っていたら、私の舌も捨てたものではなかった。調べてみると、これは一回火入れだったみたい。

生酒は生酒のラベルが貼られているようだったので、これは火入れバージョン。無濾過だからといって生酒とは限らないのか。知らなんだ。やっと好みのお酒を見つけるヒントを得たと思っていたのに、難しいわ。

ということは、逆に生酒バージョンを試してみたらいいってことよね。

 

秋田県大仙市 刈穂酒造【刈穂 六舟】

2022年(令和4年)2月22日(火)購入

 

飲み過ぎもあったのか、年が明けてから買った2本を飲み終えるころには日本酒に飽き、珍しく2人揃って日本酒を遠ざけていました。それを打開したのはやっぱり相棒。大好きな刈穂に出会ってしまったのです。

 

でも、調べていくと記録を残す前にはよく飲んでいた刈穂も、私が飲んだことのないお酒にこだわり始めたことで登場しなくなり、最後に飲んだのは4年も前のことでした。しかも、何度も飲んだはずの六舟はどこにも見当たらず。そんなにご無沙汰していたとは気づかなかったな。

fuwari-x.hatenablog.com

 

【刈穂 六舟】純米吟醸無濾過中取り生原酒

  原料米 美山錦
  精米歩合 55%
  アルコール度数 16-16.9度
  日本酒度+2 酸度1.7
  製造年月 2022年2月
  3,143円(税込)
 
ラベルの記載は以下のとおり。
秋田県産の「美山錦」を使用し、小規模仕込で醸造した純米吟醸生原酒です。みずみずしい香味とさわやかさを感じる旨味が特長です。全量槽掛けしぼりで上槽し、香味芳醇な中取りの部分だけを瓶詰めいたしました。
 
香り豊かで好きなお酒。新酒の季節にはまた登場させようっと。
 

【代々木上原】花山椒のしゃぶしゃぶを食べに「割烹 茂幸」再訪

2022(令和4年)4月

 

先日訪れた割烹 茂幸で、花山椒の季節はいかがですか?とおススメされ、その場で再訪を決めた私たち。楽しみにしていたその日がやって来ました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

桜の見ごろはそろそろ過ぎたという頃。

f:id:fuwari-x:20220411131727j:plain

 

ほぼ時間ちょうどに到着すると奥さまが迎えてくださいました。お店のつくりからいくと、少し気にかけておけば道行く人の様子が見えるんですね。計ったようにドアが開いたので驚きました。一番乗りの到着です。

f:id:fuwari-x:20220411131736j:plain

 

今日のお客さまは3組のようです。示された席から、前回と同じ場所を選んで座ります。明るい店内の雰囲気は、このご夫婦のお人柄が作り出すもので、とても居心地がいい。

f:id:fuwari-x:20220411131755j:plain

 

カウンターには本日の食材が準備されています。そう。主役の花山椒が待ち構えてくれています。

f:id:fuwari-x:20220411131746j:plain

 

思った以上に花山椒は繊細できれい。これだけ入手するとなると○○万円かかるそう。

f:id:fuwari-x:20220411131805j:plain

 

こちらの魚はなんだろう?この黄色味がかった色はもしや・・・?

f:id:fuwari-x:20220411131814j:plain

 

まずは瓶ビールから開始です。目の前の揚げたじゃがいものようなものも気になる。正統派の和食でじゃがいもって、あんまり馴染みがないような。ましてや揚げてあるって・・・興味津々。

f:id:fuwari-x:20220411131823j:plain

 

食前酒のために12ヶ月分揃えた酒器が霧箱に入れてあるのを、前回もご披露いただいています。今回は訪れた4月をチョイス。桜餅のような香りのする桜のお酒が注がれました。桜の花びらがちらりと浮かんでいるのが見えます。

f:id:fuwari-x:20220411131834j:plain

 

スタートはホタルイカの酢味噌和えホタルイカはボイルしたての温かい状態で提供されました。柔らかくぷっくりとしたホタルイカは絶妙の茹で時間。お馴染みの食べ方でも、全然味わいが違う。

f:id:fuwari-x:20220411131843j:plain

 

さっさと日本酒に入ります。スタートに勧めることが多いという新潟県青木酒造の「鶴齢純米吟醸

f:id:fuwari-x:20220411131852j:plain

 

続く茶碗蒸しは、ちょっと珍しい取り合わせ。

f:id:fuwari-x:20220411131902j:plain

 

蛤のお出汁蕗とわらびが入っています。山菜の味がよく効いてるのだけど、ちょっと勝ちすぎかも。

f:id:fuwari-x:20220411131911j:plain

 

掬ってみると、ぷるんとやわらかい茶碗蒸し部分と具材を合わせた食感が楽しい。蛤の味をもう少し感じたかったかな。

f:id:fuwari-x:20220411131920j:plain

 

明石の鯛のお造り生海苔酢と薬味には独活と茗荷がのせられています。なかなか冒険しますね。淡白な鯛に個性的な味。

f:id:fuwari-x:20220411131928j:plain

 

サクサクと日本酒も進みます。宮城県新澤醸造店の「伯楽星」。特約店のみで販売されている純米大吟醸で、究極の食中酒を意識してつくられたお酒です。その名は知っていても、なぜか縁のなかったお酒。嬉しい。

f:id:fuwari-x:20220411131937j:plain

 

そしてこの酒器は、もう覚えましたよ。澤 克典 作だ~!前回のペンギンとはまた違って、カタツムリ?鳥?なんだろう?でも、めちゃかわいい。

f:id:fuwari-x:20220411131946j:plain

 

さて、カウンターに用意されていた魚は果たして琵琶湖の稚鮎でした。徳島のスダチが添えられていますが、まずは絞らずに食べてください、と。おススメのとおり、スダチがないほうが美味しいかも。質のいい鮎なのでしょう、苦みも少なく川魚が苦手な人でもまったく気にならない、むしろ大ファンになるんじゃないかというお味。

お高いスダチももったいない。せっかくなので搾ったバージョンも食べてみましたが、スダチなしの方がやっぱり美味しいと感じました。

f:id:fuwari-x:20220411131955j:plain

 

食べ終わった後のお皿は、カボチャの柄。食器にはまったく明るくありませんが、どこか見る楽しみのある器を選んでいらっしゃる。

f:id:fuwari-x:20220411132004j:plain

 

続くこちら。残念ながら螺鈿が施された美しい蓋は撮り損ねました。ただ、季節は違うけれど同じ器が使われているこのお料理の記事を見つけました。ピンク色のきれいないちご煮にその場でお出汁をサーブしてもらっていただきます。

f:id:fuwari-x:20220411132014j:plain

 

いちご煮とは青森の郷土料理で、この素麺の色を指すのではなく、鮑で取った乳白色の濁った出汁に浮かぶウニの黄金色が、朝露に霞む野いちごのように見えたことに由来しているのだそうです。そう、底に見えるのは鮑のすり流し梅の素麺とその上には雲丹という贅沢なお料理です。なにもそんなに高級食材を混ぜなくったって、と思うかもしれませんが、どちらも負けていません。よく混ぜて素麺と共にいただくその至福。

このお料理は既に茂幸の看板メニューのひとつのようです。

f:id:fuwari-x:20220411132024j:plain

 

折敷も変わって後半戦突入です。引き出しのついた二段重の登場。

f:id:fuwari-x:20220411132033j:plain

 

引き出しを開けると、じゃじゃ~ん!ワクワクしますよね。

f:id:fuwari-x:20220411132042j:plain

 

下の段は独活のきんぴらうるいの胡麻出汁。我が家でも、季節になれば必ず食卓に登場させる春の食材。うるいの味は好みだなぁと思って声を掛けると、お弟子さん作だそう。「ほら、ちゃんと作っていればこうして評価してもらえるだろ?」

近ごろの若いお弟子さんを育てるのは、なかなかの苦労だそう。草食系が多く食いついてこないもんね。せっかくいいお師匠さんのお店に入れたんだから、頑張ってほしいな。

f:id:fuwari-x:20220411132101j:plain

 

ところで、うるいってギボウシの仲間なんですね。日影に植わっているホスタともいう、あれ、です。調べて見ると、庭に植わっているホスタでも、葉がまだ開かない若いうちだったら食べられるみたい。へぇ~!!!

f:id:fuwari-x:20220411143920p:plain

 

そして上の段は、野甘草(のかんぞう)豆腐のたれ。これも、まずはたれはなしで食べてみてください、と。おお~ 確かに。そのものの味を楽しむ方が向いている気がする。さすればお豆腐はどうすべきか?そのまま単独で楽しんでもいいと教わったので、あれこれ試していただきました。

f:id:fuwari-x:20220411132051j:plain

 

次に勧められた日本酒は宮城県川敬商店の「黄金澤純米吟醸美山錦100%。はじめて見るお酒です。でも、全国新酒鑑評会で何度も金賞を受賞している名酒造のようですね。

f:id:fuwari-x:20220411132110j:plain

 

京都の筍は炭火焼きで出していただきました。うちは筍LOVERです。そうそう、前に筍の下処理が悪かったお店の話を書いたことがありますが、ここではそんな心配はまったく不要。春の食材が次々出てきて嬉しい限り。

f:id:fuwari-x:20220411132119j:plain

 

でも、そんな楽しみもそろそろ終わりの模様。今回のメインディッシュ、花山椒のしゃぶしゃぶが始まりました。いかにも美味しそうな牛肉が並んでいますが、お肉はそこまでこだわっていないんだそう。

f:id:fuwari-x:20220411132129j:plain

 

グラグラと目の前でお鍋がそのときを待っています。山椒の入ったお出汁。嗚呼!

f:id:fuwari-x:20220411150359j:plain

 

ひとりぶんずつ、しゃぶしゃぶ、と。噂に聞くお師匠さんの麻布幸村や、その店主が修行していたという和久傳から受け継がれてきただろう花山椒のしゃぶしゃぶ、どんなお味なんだろう?

f:id:fuwari-x:20220411132138j:plain

 

たっぷりのせられた花山椒。口どけのいい柔らかいお肉と絡み合って、まぁなんという!!!そこまで山椒のピリ感は強くないので、山椒が苦手でも問題ないんじゃないかな。来てよかった。本当にこれを絶品と言わずしてなんと言おうか。

茂幸への取材記事をあれこれ見ていると、ふだんのコース+5,000円で花山椒のしゃぶしゃぶがつくと書かれていたのですが、充分その価値があると思います。←この日のコースがいくらなのか確認しないまま予約している

f:id:fuwari-x:20220411132150j:plain

 

お料理もそろそろ終わることはわかっているのだけど、やっぱりお酒が足りない。もう1杯いっちゃいます。ラストのおススメは「智則」。島根県吉田酒造の「月山」のうち、中取純米吟醸無濾過生原酒が「智則」と名付けられているよう。前回のスタートのお酒がこれでした。

f:id:fuwari-x:20220411132158j:plain

 

ラストはこちら、肉のない肉じゃが。カウンター上の揚げたじゃがいもをどうするんだろうと気になっていました。そして、大きくざっくり切って置いてあった春キャベツも。キャベツは炭火で焼いたあと、アルミホイルで包んで残り火に突っ込んでいました。それらを合わせて、しゃぶしゃぶの残りのお出汁をかけたのがこちら。お肉がなくても肉じゃがというのはそれゆえです。春キャベツがこんなに美味しいとは知らなかったし、じゃがいもの香ばしさもまた全体を引き立てていて、感動的な美味しさ。余すところなく花山椒も味わえて、堪能させていただきました。

f:id:fuwari-x:20220411131513j:plain

 

さて、今回の炊き込みご飯は筍ご飯

f:id:fuwari-x:20220411131522j:plain

 

そしてもうひとつは、前回と同じウスイマメのご飯。あ、前回と同じでしたか!とおっしゃったので、できるだけ重ならないようにチェックしていらっしゃるのかもしれません。

f:id:fuwari-x:20220411131532j:plain

 

どちらも少量ずついただきます。

f:id:fuwari-x:20220411131549j:plain
f:id:fuwari-x:20220411131557j:plain

 

かなりの量を出していただいていると思うのですが、変化に富んだお料理なので気がつくといい頃合いに食事が終わっているという感じ。途中で無理をするとか、逆に足りないということもなく、まさにちょうどいいところに行き着くところも嬉しい。

f:id:fuwari-x:20220411131540j:plain

 

お茶碗も、はじめの酒器と合わせて同じ月のものが用意されているので、いつか制覇したいかも(笑

f:id:fuwari-x:20220411131605j:plain
f:id:fuwari-x:20220411131614j:plain

 

御湯呑みは辻村 隗 作だそう。以前行ったふしきののギャラリーでも扱っていますが、さりげなく出されているこちら、どなたのものか知ると持つ手が緊張するわぁ・・・^^;

f:id:fuwari-x:20220411131623j:plain

 

デザートはいちごのシャーベットのソーダです。

f:id:fuwari-x:20220411131632j:plain

 

ソーダで割ってさっぱりさせたシャーベットは食後にとてもいい。お盆はこれも最初の酒器に合わせて選ぶようにしているのかしら。前回とまた違うわ。

f:id:fuwari-x:20220411131641j:plain

 

さて、大満足で終わった茂幸での食事ですが、もともとのコースのお値段も確認していなかったので内訳はさっぱりわかりません。でももし前回の食事が16,500円(サービス料のみ込み?)で合っていたとして、上記紹介記事のとおり花山椒のしゃぶしゃぶが+5,000円(+税サ)なのであれば、このあたりかと。

24,200円×2+黒ラベル小瓶+日本酒4種=62,315円(税・サ込)

うーん、前回のアルコール代から考えるともう1,000~2,000円お料理が高いかな?いずれにせよ、好きにお酒を飲んでこれぐらいに収めていただけるのは良心的だと思います。

f:id:fuwari-x:20220411131651j:plain

 

炊き込みご飯のお土産も楽しみのひとつ。ただ、実は少し気になったことがありました。お店で食べていたときにも気になったのですが、相棒はわからないと言っていたので、私の味覚の問題かもしれません。詳細は伏せますが私の備忘録として。

f:id:fuwari-x:20220411131700j:plain

 

もうひとつ、私たちふたりともが帰路に同じ感想を漏らしました。ちょっとしたことで感じられる自宅感がもったいないよね、と。ちょうど直前に行ったお店がビシッとしていたので、知らずうちに比べてしまったこともあるかもしれません

f:id:fuwari-x:20220411131718j:plain

 

だって、帰りには迷わず次回の予約をしているんです。私のほうがお店のコンセプトから外れた考えをしているのかもしれない、まだまだこの価格帯のお店の暖簾を気軽にくぐれない私たちが過分な目を向けてしまっているのではないかと考えあぐね、このレビューは幾度となく書き直しています。

f:id:fuwari-x:20220411131709j:plain

 

再訪決定するほどの前提なら書いていいかも?という気持ちと、だったらそこは飲み込むべきか?という気持ちが未だ錯綜しています。いずれにせよ次回行けばはっきり決まるかと思うので、このあたりの感想はそれまでの備忘録とするつもりです。

tabelog.com

 

長野県大町市 北安醸造【北安大國】

2022年(令和4年)1月8日(土)購入

 

前回の東力士と共にもう1本購入しています。ところが、この2本を飲み終えたころ、突如としてふたりして日本酒がほしくなくなり、1ヶ月ほど飲みませんでした。美味しくなかったというわけではないはず。でも、ひとことで言えば「日本酒に飽きた」状態に陥ってしまったとでも言うのでしょうか。初の経験でした。

でも、ここのお酒は違うシリーズで偶然再会します。

 

長野県大町市 北安醸造㈱【北安大國】

【北安大國】純米無濾過生原酒

f:id:fuwari-x:20220302085837j:plain

 精米歩合 59%
 アルコール度数 16度
 製造年月 2021年12月
 2,860円(税込)
 
 

栃木県那須烏山市 島崎酒造【東力士 どすこい】

2022年(令和4年)1月8日(土)購入
 
また溜め込まないうちに、日本酒の記録を少し残します。
今年初めの日本酒は東力士(あずまりきし)。4度目の登場ですが、展開するシリーズが違うため、同じものを飲んだことはありません。
【東力士】純米吟醸伊勢光 どすこい無濾過生原酒速詰

f:id:fuwari-x:20220302085827j:plain

 原料米  酒母・麹 栃木県産五百万石 / 掛け米 伊勢光
 精米歩合 55%
 アルコール度数 17度
 日本酒度 -5.5 酸度 1.8
 製造年月 令和3年12月
 2,992円(税込)

 

売店の紹介には、以下のとおり書かれていました。

平成元年。伊勢地方一帯を二度の大きな台風が襲いました。他の水田と同様に、神に捧げるお米を作っている伊勢神宮の『御神田』でも多くの被害を受け、収穫間際の稲がなぎ倒されてしまいました。そんな中、黄金に輝く二株の稲が立ち上がったのです。
この稲のDNAを調べた所、過去のどの品種にも該当しない偶然に生まれた新種である事が分かったのです。この奇跡のような米は、後に宮司さんにより『イセヒカリ』と名付けられました。

このイセヒカリを掛け米にしたお酒です。

 

【岡山】2日目-5 アートの島を巡る旅 綱渡りの帰路&お土産編 

2022年(令和4年)3月

 

今年初めての旅行は、去年最後まで回れなかったベネッセアートの続きを見学しようと、豊島と犬島を巡りました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

無事ツアーは終了したものの、最後の難関は乗り継ぎ。犬島から豊島、直島と渡って解散のところを豊島で離脱し、豊島から岡山県宇野港を経て岡山空港へ行く予定を立てていました。ベネッセのツアーに参加した場合、高松港から高松空港へ行くにしても、空港バスの乗り継ぎには10分程度しかなく、タイトなスケジュール必須です。

 

豊島の家浦港に到着しました。港は固定ではないようで、今回は到着も出発も遠い方のの発着で、チケットセンターは向こうに見える白い建物です。

f:id:fuwari-x:20220331112038j:plain

 

そうでなくとも犬島からの船は四国汽船、次に乗る船は小豆島豊島フェリーで会社も違い、まったく双方の事情は無視。船は若干の遅延はふつうにあるので、13分の乗り継ぎは危うい。しかもチケットは出発1時間前しか発売しないので、事前準備も無理。

f:id:fuwari-x:20220331112029j:plain

 

私以外にもスーツケースを引きずりながら走っていた人もいましたが、結果的には問題なく第一関門突破。次は宇野港から宇野駅への移動が待っています。

f:id:fuwari-x:20220331112051j:plain

 

家浦港から宇野港へは高速艇で25分、フェリーだと40分で繋いでいます。小豆島から乗っている人もそこそこいたので、船内は賑わっていました。

次の宇野港から宇野駅の移動は、GoogleMapで見ると徒歩5分の距離。でも、方角がわかりにくいのと駅舎が目立たないので、16分の乗継時間は若干の不安がありました。

f:id:fuwari-x:20220331112100j:plain

 

岡山側でもベネッセの展開する瀬戸内アートに参加していて、正面に見える宇野駅もそのひとつ。エステル・ストッカーの作品で、線が見えるのはフェンスが立っているのではなく、駅舎に描かれたものです。

f:id:fuwari-x:20220331112110j:plain

 

駅前広場のオブジェも白井美穂「海からの贈り物」という作品。海の生き物やサーファーなどが乗っかっています。

f:id:fuwari-x:20220418135528j:plain

 

その向こうにもドルヴァ・ミストリーの「海の女神」。ほかにも、宇野港には地域のごみや不用品を利用して作った魚のアート「宇野のチヌ」などもあるので、もう少し時間があると良かったな。

f:id:fuwari-x:20220418135519j:plain

 

宇野駅のすぐ近くには2021年7月にオープンしたばかりのUNO HOTELがあり、とても雰囲気が良かったです。3年に1度開かれる瀬戸内芸術祭は、今年2022年は開催年。春タームは5/18まで続き、夏(8/5-9/4)・秋(9/29-11/6)にも会期があるので、ここを拠点に回るのもいいんじゃないかな。

f:id:fuwari-x:20220418140035j:plain

 

宇野駅から岡山駅までは所要時間50分余り。

f:id:fuwari-x:20220331112120j:plain

 

電車は途中の駅にもアートがあったり、高架線のところもあったりで、思いの外、変化に富んでおり、退屈しない道中でした。

f:id:fuwari-x:20220331112131j:plain

 

岡山駅にはお土産物やフードコートが揃ったさんすて岡山があって便利でした。特色に欠ける点もあるけど、時間のないときには助かりますね。

f:id:fuwari-x:20220331112141j:plain

 

空港バスは、減便中の今、18:40が最終。乗り遅れのないよう、繰り返しアナウンスがありました。座席はほぼ満席。

f:id:fuwari-x:20220331112151j:plain

 

岡山空港にはANAラウンジがあります。夕食を食べる時間はなかったし、戻ってからでは遅すぎるので、さんすて岡山でお弁当を調達しました。

f:id:fuwari-x:20220331112201j:plain

 

帰りはビールも飲めるので嬉しい。これなしにお弁当はキツいもの。バス同様にラウンジも満員で、座席に荷物を置かないよう、何度もアナウンスがありました。でも、あくまで譲らない人っているのね。

f:id:fuwari-x:20220331112211j:plain

 

岡山なので、ままかり、鰆、黄ニラのお寿司1,080円とごま鯖しらす丼810円。ままかりはニシンっぽい癖があっていまひとつ。黄ニラが予想外の美味しさでした。このお弁当をどちらか選ぶなら、断然、ごま鯖しらす丼源ちゃんの店内でも食べられるのだけど、ちょっと微妙な価格帯のお寿司やお弁当系の割に、及第点だったな。

f:id:fuwari-x:20220331112223j:plain

 

2度目のアートの島を巡る旅で感じたことですが、解説なしにここを訪れたとしたら、私の場合は各1分で立ち去っていただろうと思います。それぐらい、謎。でも、ほんの少しの背景やヒントがあると、自分の中の感性が呼び起こされるかのように、深い興味が湧きあがってくるというのを感じました。

もちろん、もともと芸術への感性が高い人であれば、自分で見て回るのといいと思います。でも、もしそうでない人でもこんな現代アートへの入口が開かれている、そして、それはおばあちゃんしかいないような島でもその住民たちが感じていました。言葉ではなく伝えるものって、人を繋ぐんだなぁ・・・

 

お土産編

サンポート高松にある四国ショップ88で購入したのは、ままかりのオリーブオイル漬け2種(各594円)、山椒ちりめん360円、鬼びっくり一味唐辛子200円。いずれも前回からのリピート。ままかりはオリーブオイル漬けだと癖もなく、オイルサーディンと間違うぐらい。残念だったのは是非リピートしたかった四万十川青さのり入りつまみのりがなかったこと。あれ目当てだったのに。

f:id:fuwari-x:20220418132950j:plain
f:id:fuwari-x:20220418133002j:plain

 

思いから避けていた讃岐うどん550円はやっぱり必須と思い直してGET。業務用500g、こんなにたくさんどうすりゃいいのって感じだけど、日を開けずに食べれば大丈夫。思った以上に讃岐うどんを感じさせるコシがあって美味しいです。讃岐うどんはしっかり茹でるほうがいいのだけど、それでもくたらないのが魅力。

f:id:fuwari-x:20220418133152j:plain

 

小豆島オリーブ園で買ったのが、ランチのひしお丼で使用したオリーブ香草塩370円、おりーぶぐらっせ3個1,080円、完熟オリーブ漬け600円。香草塩はなにに使ってもしっかり味が出るのでアクセントになるので利用率高し。おりーぶぐらっせは、オリーブを砂糖漬けに仕立てるというのが目新しい。案外オリーブの味に甘さって合うんだね。

f:id:fuwari-x:20220418133022j:plain

 

マルキン醤油では、つぶもろみ320円と生しょうゆ363円。まだ使っていません。まだ去年に行った柳井の甘露醤油も使ってるしね。

f:id:fuwari-x:20220418133031j:plain

 

小島酒造で買った本醸造酒びびび1,361円は、まったく口に合わず。火入れだから余計に私たちには難しいのもあるんだけど。

f:id:fuwari-x:20220418133106j:plain


金両醤油で買ったがぁりっく油1,728円は、あんまりガーリックを感じないので残念。塩を入れたオリーブオイルも興味深かったので、そういう使い方に発展させた方がいいかも。

f:id:fuwari-x:20220418133043j:plain

 

お醤油を作っているということは佃煮も美味しいと思って買ったこの2点(各320円)は大失敗。まぁ値段から考えて当然かな。

f:id:fuwari-x:20220418133054j:plain

 

道の駅では、娘へのお土産にハーブクッキー540円、オリーブマヨネーズ540円。マヨネーズはどう使えば味の違いが実感できるだろうかと、未だ思案中(笑

f:id:fuwari-x:20220418133124j:plain

 

ギリシャ風車の絵葉書2枚(各120円)。でも、小豆島ってわからないね。

f:id:fuwari-x:20220418133143j:plain

 

オリーブハンドクリーム660円は、まだ使用していません。

f:id:fuwari-x:20220418133133j:plain

 

豊島港のショップで買ったレモンの塩650円は、香草塩に比べて効かせるのが難しい。れもんげ430円は名前のまんまレモン風味のメレンゲなのだけど、ちょっとした酸味が美味しくておススメ。

f:id:fuwari-x:20220418133214j:plain
f:id:fuwari-x:20220418133201j:plain

 

さんすて岡山では岡山銘菓ということで大手まんじゅう340円をGET。でも、餡の味がいまひとつ。

f:id:fuwari-x:20220418133223j:plain

 

お土産がつい調味料に偏りがちな私。そのくせ買った後、活用できているかといえば、手こずるものも多々あり。未使用のものについては、またアップして記録を残しておこうと思っています。

 

 

【岡山】2日目-4 アートの島を巡る旅 犬島家プロジェクト

2022年(令和4年)3月

 

今年初めての旅行は、去年の12月に予約していた高松行き。まずは、数10年ぶりに小豆島を訪れましたが、本命はアートを巡る旅の続きです。去年10月、ベネッセコーポレーションが瀬戸内の島に展開するアートを巡るツアーに参加したのですが、船舶のトラブルで2日目が中止になってしまいました。

その続きが見たいとやってきて、ひとつめの島、豊島を巡ったあと、岡山を住所地とする犬島へ渡り、見学を開始しています。前回はたった10年稼働しただけで操業停止に追い込まれた犬島精錬所跡と美術館を回りました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

続いては、犬島にある家プロジェクトを見学します。家プロジェクトとは、使われなくなった家をリノベーションしてアート作品を組み込んだもので、島全体を美術館と考え、暮らしに生命力を与えるものとしてのアートを展開しています。

巨大な岩の上に祠が見えます。犬島は御影石で有名な島ですから、採石業者の守り神としての信仰があったのでしょう。山神社といいます。

f:id:fuwari-x:20220331111439j:plain

 

ん?見えない?これではどう?表に回るときちんと鳥居もお社もあるみたい。

f:id:fuwari-x:20220331111448j:plain

 

その山神社のすぐ近くに最初の作品、F邸があります。

f:id:fuwari-x:20220331111457j:plain

 

建築家妹島和世がリノベーションしたF邸に、名和晃平のアート「Biota (Fauna/Flora)」。でも、正直なところ家プロジェクトはさっぱりわからないんですよね^^;

f:id:fuwari-x:20220331111507j:plain

 

坪庭も併せて作り変えられていますが、その片側には子どもが立っています。暮らしに融合させるアートというコンセプトのとおり、人の像にはモデルの子がいて、その子の成長に合わせて像も成長させたそう。

f:id:fuwari-x:20220331111524j:plain

 

反対側の庭には・・・なんだろ?芸術家の考えることはさっぱりわかりません。それらしい解説がベネッセのHPに合ったので、ご興味があればそちらを。

f:id:fuwari-x:20220331111534j:plain

 

木塀で囲まれている場所が、あとほうの坪庭の場所です。

f:id:fuwari-x:20220331111544j:plain

 

こちらは石職人の家跡。淺井裕介のアートで 「太古の声を聴くように、昨日の声を聴く」という名がついています。

f:id:fuwari-x:20220331111618j:plain

 

生き物が描かれ、確かにここに誰かがいたという生命力を表しているようです。

f:id:fuwari-x:20220331111555j:plain

 

足跡や、植物の化石のようなモチーフも。

f:id:fuwari-x:20220331111607j:plain

 

この傍に建つ家は住民がいて、作業をずっと見守っていたそうです。住人は私が見かけた限りは手押し車を押しているおばあちゃんたち。そのおばあちゃんもここに描かれていますが、ご本人はこんなんじゃないよ、とおっしゃったそう。だってちょっとかわいくないんだもの(笑

f:id:fuwari-x:20220331111629j:plain

 

集落を歩いて行くと、次の作品群が同時に見られる場所を通ります。手前の透明なアートのS邸と奥のカラフルな色合いが見えるA邸

f:id:fuwari-x:20220331111639j:plain

 

作品は一定時期が来ると入れ替わるそうですが、この作品は島民にも評判が良くて、このままにしておいてほしいという要望が出ているという話でした。

f:id:fuwari-x:20220331111649j:plain

 

このS邸荒神明香コンタクトレンズ」という作品。レンズを通して見ることで、違った世界が見えるということを表しているようですね。大きさも焦点も違ったレンズから多様性を感じてほしいそうです。リンクさせた記事の中に、前の作品の写真も載っていましたが、これもまた島を明るくさせるものでした。

f:id:fuwari-x:20220331111659j:plain

 

広場側から見ると、ほかの家が映し出されてまた違う景色になります。それより、ここはS邸と言われているのだから、どなたかの家の跡地に造られているのでしょう。

f:id:fuwari-x:20220331111710j:plain

 

斜め向かいにあるA邸も同じなんでしょうね。ベアトリス・ミリャーゼス 「Yellow Flower Dream」という作品。犬島で見た花や波、葉などを抽象化して描き込んでいるそうです。

f:id:fuwari-x:20220331111720j:plain

 

色によって犬島のエネルギーを表現できるし、17枚の絵を構成しました。

f:id:fuwari-x:20220331111730j:plain

 

この作品の面白いところは、真ん中に置かれた椅子に座って外を眺めると、透明に外が見えるところだというので、座ってみました。ほんとだ!犬島の自然の中にある風景とともに、集落もまた存在することを気づかせてくれる作品なのです。

f:id:fuwari-x:20220331111740j:plain

 

A邸を抜けて坂を上っていくと、雰囲気のいい建物の傍を通ります。不定期に営業する犬島ホッピーバーで、クラフトビール会社であるホッピービバレッジ株式会社の社長、石渡美奈がこの地を気に入って、島民の憩いの場所になるようにと古民家のリノベーションを考えたそうです。

f:id:fuwari-x:20220331111752j:plain

 

印象的なのが犬島の御影石で、雨水が屋根を伝ってここへ流れるだけでなく、屋根を支える梁の一端も支える構造になっています。

f:id:fuwari-x:20220331111805j:plain

 

このあたりで振り返ると、犬島精錬所の煙突、S邸の「コンタクトレンズ」が見えるいいスポットでした。

f:id:fuwari-x:20220331111815j:plain

 

中の谷東。ウサギの椅子に座ると声が大きく反響する仕掛けになっています。

f:id:fuwari-x:20220331111826j:plain

 

このC邸半田真規 「無題(C邸の花)」だけが撮影不可でした。ビビッドカラーで色づけられた木彫りの切り花が置かれた大胆な作品。ここは集会所だったそうです。

f:id:fuwari-x:20220418115928j:plain

 

最後はⅠ邸。ベルリン在住のアーティスト、オラファー・エリアソンSelf-loop」。中は題が表すとおりの作品です。ちょっと見てみましょう。

f:id:fuwari-x:20220331111847j:plain

 

ふたつの部屋に鏡が3ヶ所置かれていて、丸い輪のスタンドのところに立って鏡を覗き見ると、自分の姿がすべてに映されます。どこを見ても自分がいて、その自分を見てる自分が別の鏡にいる、その無限ループを感じる作品で、こういう視点はベネッセアートでよく感じさせられました。

f:id:fuwari-x:20220331111858j:plain

 

庭は犬島の植物が植えられていますが、これらの拡大版ともいえるくらしの植物園が、島西部につくられています。

f:id:fuwari-x:20220331111908j:plain

 

最後に、ぐるりと回って犬島の見学も終わり。ここで石職人の家跡と同じアートに再び出会いました。

f:id:fuwari-x:20220331111919j:plain

 

敷地を飛び出し、路地にまで発展したアート。島にあふれる生命力は、こうして更なる展開を果たしています。

f:id:fuwari-x:20220331111931j:plain

 

なんともキュートな生き物たち。犬島アートは、明るく朗らかなものが多かったという印象があります。

f:id:fuwari-x:20220331111944j:plain

 

海岸には大きな御影石がごろごろとしていました。残念石といわれるそうで、採石したもののいまひとつだった石が捨てられているんだって。

f:id:fuwari-x:20220331111955j:plain

 

犬島精錬所から見たと同じような池がこちらにもあります。小さな島のあちこちを掘り起こして採石してたんですね。大阪城以外にも、江戸城岡山城にも運ばれていたそうですよ。

f:id:fuwari-x:20220331112006j:plain

 

さぁ、これで犬島見学もおしまい。ぐるりと回ったその先には、中の谷東屋にあったと同じウサギの椅子が置いてありました。

f:id:fuwari-x:20220331112018j:plain

 

ツアーは直島へ戻って解散ですが、帰りの飛行機が岡山発しか取れなかったので、私たちは豊島でツアーを離脱して岡山の宇野港へ向かいます。乗継時間は13分。宇野港到着後も電車出発まで16分というタイトなスケジュール。無事、成功するんでしょうか。