英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【代々木上原】春のお楽しみ花山椒のしゃぶしゃぶ「割烹 茂幸」

2023年(令和5年)5月

 

2月にアラカルトでの割烹料理を楽しんだ後、次回はやはり花山椒を楽しんでいただきたいとおススメいただいたので、茂幸さんに5度目の訪問。

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去年も花山椒の時期に訪れており、初めて花山椒のしゃぶしゃぶを満喫させていただきました。この時期はあちこちの割烹で提供されている様々な山椒鍋も気になるところ。

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お隣のお宅のバラの花とクレマチス、プリンセスダイアナも彩りを添えているお店の入口。

 

梅が元気に育っています。あとで伺ったところによると今年は収穫もでき、梅を使ったお料理に使ってみたいとおっしゃっていました。

 

茂幸さんは一斉スタートではありません。私たちは18時の開店時刻に入店するためか、いつもだいたい奥の座席に案内されます。

 

始まりはいつも食前酒から。12ヶ月の盃から好きなものをチョイスします。

 

今回、季節外れですが娘の誕生月である11月を選びました。今回はお茶と柑橘じゃばらの食前酒です。じゃばらとはユズや九年母(くねんぼ)などの自然交雑種だそうですが、九年母って?さらにわからんがな。なんでも、日本の柑橘類の祖先のひとつなんだって。

 

時間潰しと腹ごなしに、新宿からてくてくと45分ほどかけて歩いて行ったので、喉が渇いているのでスタートはビールから。

 

スタートはアイナメの洗い。山うどとラディッシュを合わせ、木の芽味噌でいただきます。

 

次のお料理は、鰹のタタキにすべく目の前で炭火焼にしたあと、切り分けているところ。プロの包丁さばきを眺めるのも、ここでの楽しみのひとつ。

 

提供の仕方がまた粋。こいのぼりの矢車を思わせるお盆にのせて5月を連想させる演出。私はお茶のことはまったく分かりませんが、茶道では数人分のお茶請けを同じ菓子器にのせ、次の人へと渡していくのだとか。こちらは8人分がセットできるようになっています。

 

鰹は鰹でもスマガツオのタタキで、本鰹とはまったく別物だそう。

 

行者ニンニクを潰して醤油漬けにしたものとともにいただきます。こういうところに行者ニンニクを登場させるところが、なんともニクイ。

 

これは日本酒があると一層美味しさも増すはず。生原酒があると聞きつけて、新潟県魚沼市青木酒造の純米超辛口鶴齢をいただきます。

 

酒器はおなじみ澤克典作。ペンギンが描かれています。また会えたね。カワイイ。

 

お猪口はここから選びます。いつもと違って切子なんぞにしてみた私。

 

さてさて。次はお椀が運ばれてきました。中身は食べてからね、と。

 

ひとつの椀だねは麩と教えていただきました。もうひとつ。よーく脂ののったこれは、でした。このお店を紹介してくださったブロ友さんが、昨年「種明かしはしないでおきますね」と書いていらした気になる具材に1年越しで出会えました(で、私は種明かしてしまっているけど)

 

カウンター上で下拵えされて出番を待っていたのが気になっていましたが、鯉だったんですね。どこかで鯉の洗いをいただいたことがあるような気がしましたが、自ブログ内を検索しても出てきません。ということは、初鯉。こんなに存在感のある魚だったんですね。もっと淡白な印象がありました。

 

続くは太刀魚の磯辺焼きに山葵おろしを添えて。大根おろしが入っている分、山葵の辛味もマイルドです。香ばしく焼けた太刀魚に海苔がまた存在感を放っています。

 

日本酒はじゃんじゃん進みます。生酒縛りで栃木県小山市小林酒造の純米大吟醸無濾過本生鳳凰美田赤判

 

平貝(たいらぎ)浜防風(ハマボウフウ)ハマボウフウは海岸の砂浜に自生するセリ科の山菜で、前にもいただいた記憶があります。しっかりした味。

 

タイラギはカウンター上でその姿を披露されていましたが、とても大きな貝で時折百貨店などで見かけます。大味だと思っていましたが、繊細な下拵えがしてあるのか、味わい深い一品になっていました。

 

ハマボウフウは割と肉厚で、苦みや食感がしっかりと自己主張していました。山菜や香草の好きな私には好きな出会い。

 

螺鈿の大きなお椀が運ばれてきました。もしや・・・

 

ええ、いつものいちご煮です。今回はお出汁をサーブしていただいているところもGETできました。

 

鮑のペーストの上に梅素麺とたっぷりの載せられた雲丹をしっかり混ぜていただきます。雲丹が美味しそうだからといって単独で食べちゃダメ。究極の贅沢ですよね。

 

折敷が大徳寺に替わって後半戦へ。

 

空豆の春巻は、ホクホク。

 

日本酒は秋田県湯沢市の両関酒造、純米吟醸花邑に移ります。火入れ一回だけど、まったく気になりません。

 

あ、このお猪口のうさぎは・・・永楽善五郎作。このうさぎ、他のお店でも見かけた記憶があります。茂幸さんも永樂の器が多いとおっしゃっていました。

 

ヤングコーンと髭。髭まで食べられるのね。というか、髭のほうが美味しいかも。

 

二段重のお時間となりました。精進料理が収められています。春らしく山菜三昧っぽいですね。

 

まずはお豆腐のたれが添えられたこちら。虎杖、三つ葉、タラの芽、コシアブラ、芹。このお豆腐のたれは単独でいただくのも美味しい。

 

下段は、独活のきんぴらこごみ。大好きな山菜三昧が楽しい。

 

お手洗いに行く通路に新しく絵を描いてもらったので見ておいてくださいねと言われていました。自らを大和絵師と称している中沢梓というアーティストの絵です。戌年生まれのご夫婦も描き込まれているのは、盃を収めた霧箱の蓋絵と同じ。でも、猫ちゃんLOVEのご夫婦ですけどね。

 

さて。メインの花山椒のしゃぶしゃぶに向けてお酒を追加しようとしたら、まさかの赤ワインを提案されました。栃木県のCOCO FARM & WINERYピノ・ロワール。国産ワインもここまで優秀なのかという美味しいワインでした。

 

このころには、残りの6席に次のお客さまがお越しになり、いっきに忙しくなっていました。たぶん花山椒のしゃぶしゃぶの見せ方も、一斉スタートのときとは違うんじゃないかと思います。

 

今回は、目の前にお鍋を持ってきてプレゼンするということはなく、ふつうにひとりぶんずつ作って提供。

 

たっぷりの花山椒はこれからも折に触れ、茂幸さんのお料理に添えられるはずですが、確かこれで〇〇万円と去年伺った記憶があります。いや、そりゃそうでしょうね。

 

花山椒のしゃぶしゃぶ。お肉もたっぷり、花山椒もたっぷり。とろける牛肉にピリリと花山椒が絶品。

 

そしてその山椒鍋のお出汁を使って春キャベツと揚げたじゃがいもの肉のない肉じゃが。素材はシンプルなのに、じゃがいもの香ばしさや食感がいいし、余すところなく山椒鍋を活かしているところがなんとも贅沢な一品。

 

最後は、筍とウスイマメの炊き込みご飯です。

 

ほんのわずかよそっていただいて、ご飯は終了。実に14品、2時間半の饗宴でした。

 

デザートはいつものとおりシャーベットです。最後の炭酸を注いでいるところ。

 

今回はいちごのシャーベット

 

シュワシュワとしたソーダ割はお口直しにぴったり。

 

いつものとおり、残った炊き込みご飯はおにぎりのお土産です。翌朝のお楽しみ。

 

今回は初めてお弟子さんが握ったおにぎりでしたが、うむ、おにぎりも握り方で違うかも。

 

ミシュラン獲得もあるかもしれませんが、それがなくともこれだけのお料理を出すお店ですから、予約困難店へとなっていくのは仕方のないことでしょう。次回は訪問したことのない6月7月の予約を目論んでいましたが、8月まで空きがありませんでした。8月はまたアラカルトの月にするということでしたからそれもまたいいのですが、うーん、初夏の茂幸も初体験したかったな。このペースだと、通常のコースとアラカルトが交互になって1年を終えちゃうもの。

 

お会計の内訳はわからないけれど、山椒鍋の季節はちょっとお高めです。

コース×2+瓶ビール1本+日本酒3種+ワイン各1杯=62,000円

 

ところで予約サイトのOMAKASEから、初回のたでの葉の予約、富小路やま岸のおうち懐石を注文したことがありますが、このOMAKASEは自分から加入できないんだそうです。向こうからオファーがあって初めて入会できるため、料理人にとっては一種のステータス。さすがの茂幸さん、オファーをいただいたそうですが、お店の方向性を示すことでもあるので考え中だとおっしゃっていました。さらに予約困難店になるのかなぁ・・・

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