英語も話せないし飛行機も苦手、それでも個人手配で海外旅行

交通費嫌い。飛行機は苦手だけどヨーロッパ大好き。空港ラウンジ目的でSFC修行済み。休暇の取れない勤め人。

【フランス】リヨン歴史地区「Mercure Lyon Centre Beaux Arts」宿泊記

2024年(令和6年)1月5-7日(金-日)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスです。前回はロストバゲージのままリヨン中心部に移動し、美食の巨匠ポールボキューズ市場でシーフードランチに舌鼓を打った話を書きました。

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ランチを終えてホテルへ向かいます。ローヌ川を渡るとホテルのあるリヨン旧市街。

 

美食の街として知られるリヨンだけど、ここを選んだ理由は他にもあって、アフロヘアの元朝日新聞記者、稲垣えみ子著「人生はどこでもドア リヨンの14日間」を読んだことがあったんだよね。住んでいたのはあのあたりかなぁ。  

 

たった14日間なんだけど、暮らすように住まうリヨンでの日常でのあれこれ。今回、メニューがフランス語だというだけで、怖気づいてしまっていた私には彼女の挑戦が少しわかる。ヨーロッパはあちこち行って、今に始まったことじゃなかったのに。

 

こんなアーケードの中のお店は見に行ったけど、近くに百貨店があることにすら気づかなくて、わざわざ2日とも初めに入ったショッピングモールまで行ってたわ。各国へ行ってる割に、旅行の経験値が低過ぎ。もちろんスマホで調べたんだけど、なぜかヒットしなかったんだよね。

 

興味深かったのはゴミ箱。「生ごみは紙袋に入れて」などの指示付き。

 

さて。リヨンもまた世界遺産の街。今回泊まるMercure Lyon Centre Beaux Arts(メルキュール リヨン センター ボザール)は、旧市街の一角に位置しています。ショッピングセンターに直結しているとあるが・・・どうやら背後にあったみたい。知らなかったよ~

 

フロントは狭くてあっさりしていて、ロビーもソファーが2組分ぐらいあっただけ。

 

エレベーターを取り囲むように階段が設置してあるという構造。何度かこのパターンはあったけど、エレベーターが一基なのでめちゃ混む。

 

フロントでロストバゲージである旨を伝え、手ぶらでチェックインする私たち。デポジット50EURが取られました(もちろん返してもらえる)。そして今回このホテルだけがチェックイン時にパスポート不要でした。

 

部屋が狭い。そうでなくとも荷物がなくて凹んでいるところへ、この狭さに詰め込まれるとは。

 

ほら、右に見える黒い扉が入口で、これっぽっちのスペースしかないのよ(涙

 

ベッドからデスクまでの距離もこれだけしかありません。侘しさ倍増。

 

ミネラルウォーターはサービス。

 

そして優秀だったのは、栓抜きが作りつけられていたところ。借りに行ったこともあったので、こんなことでも助かりました。

 

テレビとデスクに並んでバスルームへの入口があります。

 

とてもスタイリッシュできれいなのだけど、とにかく全体に狭い。

 

洗面所からトイレ、シャワールームがオールインワンなので1人でこのスペースを独占するのだけど、シャワールームにドアがないのでトイレがびちょびちょになりがち。

 

しかも、レインシャワーなの。このタイプはとても好きなのだけど、扉のないシャワールームで使うのはなかなか大変でした。

 

そして気づいたことには、化粧品類が皆無の現状。マイ歯ブラシをいつも持参するのですが、それすらない。着替えもない。パジャマもない。

 

歯ブラシは、どこで購入できるかフロントで聞いたところ、出してくれました。今、どこのホテルでもなくしていっているアメニティの代表格。以前は提供していたのでしょう。これだけでも気持ちが救われました。

 

夜のホテル前です。旧市街は南北にスカッと通る車道がないのですが、その中で比較的メインとなるとおりでした。

 

朝食編に続きます。朝食会場は2階だったと記憶しています。土日は7:30オープン。

 

待ち構えるように行くと誰もいませんでした。でも、すぐに2,3人やってきたので、これまでよりも出足早め。

 

品数は非常に少なくて、2日間物足りなさを感じました。ただ、ホットミールがあっただけマシかもしれません。

 

スクランブルエッグだけでなく、オムレツもありましたが作り置き。

 

でも、ゆで卵は作れるようになっていたので食べました。家でするのは面倒なんだよね(鰹節やチーズを削るのは面倒ではないので、そこまで好きではないということかも)

 

ハム類やフルーツなど、種類はとりあえずあると思います。ただ、ほら、あれがないのよ。泡。フランスなのに~ 美食の街なのに~

 

さすがフランス、パンはどれも美味しくいただきました。娘はいつもサンドイッチにしていたので、このごろ私たちもそれを思い出して倣っています。

 

カプチーノが飲めたので、とりあえずOK。焼き菓子などもあるし、4つ星レベルだとこれで及第点と言うべきかなと思います。なにより、旧市街の中心部にあるからね。

 

2泊2食付き55,749円ルクセンブルクよりは少し高く、マドリードよりぐんと安いという価格帯。マドリードとは星の数も違いますが、これをお得というのかどうかが判断の分かれ目になると思います。

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【フランス】美食の街リヨン ポールボキューズ市場「Chez Léon」でシーフードランチ

2024年(令和6年)1月5日(金)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。最後の3ヶ国目、フランスに到着しています。前回は電車の遅延や搭乗予定機に座席がないなどのトラブルを中心に書きました。

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無事に到着したリヨン=サン・テグジュペリ空港。中心部へのアクセスは往復26.7EUR(4,315円)もするトラム、ローヌエクスプレス(Rhônexpress)一択です。

 

流線型の屋根が見えるので駅はあそこよね。フランス国鉄を利用して地方都市へ行く場合の利便性はいいかもしれませんが、リヨン拠点はあまりないかな。小雨そぼ降る外へ出て、鉄道駅へ向かいます。繋がってないのか。スーツケースがないので、傘もありません(涙

 

帰りにわかったことですが、ぐるっと回れば雨に濡れずに移動できるルートもありました。ただ、リヨン空港は使用していないターミナルがあってそこを通過するのでちょっと無駄な距離を歩くことになります。

 

そして国鉄駅としては立派なのですが、ローヌエクスプレスの乗り場は建物の外。割と虐げられた場所にありました。

 

中心部までは27分。終点のLyon Part Dieu駅はトラム駅ということもあってあっさり。

 

広場を挟んでフランス国鉄駅があります。でも、リヨン空港からここへの国鉄は通ってないの。

 

国鉄駅からさらに道を挟んでWestfield La Part-Dieuというショッピングモールがあります。カラフルな階段がインパクトあり。

 

中はスーパーはCarrefour(カルフール)が入っていて、なかなかセキュリティ厳しめ。買わずに出たい場合は手荷物検査がありました。

 

ショッピングモールって、目当てのお店の存在を知らなければ広すぎて手に負えません。キッチン用品を探したかったのだけど、見つけられず。ただこのお店でBABAを買いました。この旅行の最後のお土産編で紹介しますが、フランスやナポリで見られる伝統菓子です。

 

ショッピングモールを出てさらに先へ進むと、ポール・ボキューズ市場に到着。元はリヨン中央市場で1859年に初めての屋根付き市場として建てられたのですが、100年を経て移転。2006年再改築時に、リヨン在住のフランス料理界の巨匠Paul Bocuse氏に敬意を表しポール・ボキューズ市場と名付けられました。

 

Paul Bocuse氏リヨン在住の3つ星レストランのオーナーシェフで、料理界のオリンピックと言われるボキューズ・ドール賞の創設者。向かいのビルの壁には似顔絵が描かれていました。

 

リヨン郊外にあるポール・ボキューズのレストランへ行くこともできたのですが、着ていく服などを持参すると考えるとハードルが高い。でも、ここなら気軽に楽しむことが出来ます。

 

市場といっても観光客向けに洗練された造りでいて、フランスの最優秀職人賞を獲得した職人がいるなど評判の高いお店が数多く入っています。

 

その数56店舗。

 

ワインなどの食材を扱うお店。

 

ブラッスリーショコラティエ

 

デリカテッセンも豊富な種類が並んでいます。ここで購入してホテルで食べるのも楽しいかもしれません。

 

鴨や豚などのパテを記事で包んで焼き上げたものなどは、これぞフランスを感じさせる手の込んだもの。

 

砂糖漬けの果物もなんだか高級菓子の位置付けっぽい。

 

キウイなら22.95/kg(3,700円)、生姜39.95/kg(6,470円)アプリコット29.95/kg(4,850円)など、高いのか安いのか。1kgってどれぐらいだろう?

 

オリーブの種類もこのとおり。ルクセンブルクで食べたときにも思ったのだけど、塩味控えめでいくらでも食べられるのだろうと思う。

 

肉売場も活気に包まれていました。

 

チーズ売場はよく見ると天井下のパネル裏にミルク、クリーム、バターなどの日本語も書かれています。読めるのかしら。

 

レストランもあります。どこにしよう?と思ってたら、雲丹を見つけました。マドリードサン・ミゲル市場で見つけられなかった雲丹!!! 

 

おお、牡蠣もある!海外で生牡蠣というのは、もしものことを考えると危ない気もするのだけど、残り日数もわずかだから、いいでしょ。

 

シーフードを見るとテンションが上がる。しかも食べそこなった雲丹に出会えた「Chez Léon」。わーい。ここで食べるの決定だよね!

 

時刻は13時。店内は満員でしたが、1席空いていました。

 

フードコートだけど、ちゃんとセッティングされたテーブル。手軽さと気楽さとともに品もある。ちょうど私たちが求めるレベルがこのあたり。

 

ただ、メニューを見てもフランス語のみで、思考回路停止。しょうがない、食材の前に行ってお願いしました。本当に食べたいものを目の前にしたらこういうことでもしちゃうんだ。

 

産地直送だのなんだの、あれこれあった模様。ロブスターや手長海老、蟹や浅利など時間をかけて翻訳すればわかったのだけど、そこまでの余裕もなく。でも、いいのだ。食べたいものは食べられる。

 

魚介だから、たまには白ワインで行きましょう。トゥールーズ産のワイン38EUR(6,140円)は、フードコート価格と考えると高めじゃないかな。

 

でも、よくよく見ると、白ワインのラインナップは28EUR(4,540円)からあったんだよ。落ち着いてみればこのページがワインリストとわかるのだけど、ぜーんぶフランス語メニューだったからギブアップしてしまっておまかせしたんだよね。ま、美味しかったからいいや。

 

男性3人でもプレート2段重ねで黙々とシーフード料理に興ずる。巨漢なんだけど、なんだかおっしゃれ~

 

待っていました。雲丹と牡蠣。下にはパンとバターもセットされました。

 

しっかりしたサイズ感の牡蠣と雲丹です。申し訳程度のレモンではなく、存分に絞ってOK。これもポイントが高い。

 

雲丹 4.95EUR×4=19.8EUR(3,210円) 改めて見ると1個800円って高い?安い?でも、国内で食べることないしね、いいよいいよ。甘くて美味しいし。

 

牡蠣 3.75EUR×6=22.5EUR(3,642円) 1個600円ちょっと。つるんと甘くてジューシー。あぁ幸せ。サイズによって価格も違ったようで、これは高い部類のもの。

 

まだ食べられるよね。というより、あちこちで見られるアレ、食べたいよね。

 

どーんと登場したのはムール貝の白ワイン蒸し。18.8EUR(3,040円)。安い~!!!

 

食べ終わって空っぽの鍋に残る極上のスープ。

 

パンに浸してしっかりいただき、満足度アップ。

 

なんといっても、この量。海外ではこれぐらいがふつうだけど、国内ではなかなかこんなに出てこない。2人で食べきれるの?というほどたっぷりのムール貝を食べられ、これまでのパッとしない一連の食事の鬱憤を吹き飛ばす充実したランチ。合計99.1EUR(16,037円)で見ると、そう高く感じないのではないかと思います。

 

さて、食べ終わって市場をさらに見て回ると、チェックインの時刻となりました。ランチで満足したので、晩ご飯はもう不要。ワインも調達し、美味しそうなパン屋さん、Boulangerie Malatierを見つけたので入りました。

 

こじんまりとした店内には、いかにもフランスっぽくフランスパンが充実しています。(ちなみにフランスで「ブーランジェリー」を名乗るには、店内で粉から製造し、冷凍生地を使用していないなどの条件があるそうです)

 

ワインのつまみになればいいので、オリーブのパンをひとつ。2.2EUR(356円)。塩味が強過ぎないオリーブがよく効いて、思った以上に美味しかった~ もっと買えばよかったです。

 

もうしばらく歩くと、2泊予定のホテルに到着。ロストバゲージは残念だったけど、手ぶらで歩けたのは良かったかな、なんてまだ気楽に考えてたんだけどね。

 

【スペイン&フランス】マドリードでもリヨンでもトラブル続出!飛行機に乗れない?!

2024年(令和6年)1月5日(金)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街でのランチと、マドリードに戻って2度目のフラメンコを鑑賞した話を書きました。

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さて。やっとこの話を書くところまでやってきました。今回の旅行は本当に大変だったんです。まずは朝。空港までの交通手段をマドリード市庁舎のあるシベーレス広場からエアポート・エクスプレス・バスに乗るか、国鉄で行くか直前まで迷っていました。

 

結局、国鉄で向かうことにするのですが、ひとえにそれは、私の交通費嫌いに起因する決断でした。エアポート・エクスプレス・バスは通常アトーチャ駅発で、深夜から早朝まではシベーレス広場発です。そのため、わざわざ広場近くのホテルに移動したのですが、所要時間30-40分運賃5EUR。対して国鉄は所要時間26分2.6EURでした。始発に乗れば7:15発フライトに充分間に合うし安い。そして、バスより電車の方が時間通りに到着しそうと考えて国鉄を選択したのですが、内心はなんとなくバスの方がいいような気もしていました。

このRecoletos駅の画像も3度目の登場です。1度目はフラメンコに行くときに下車し、2度目は近距離切符だったのに乗り継げると思って失敗して、ここで清算。そして3度目の出発日は、なんとどうやっても切符が買えなかったのです。

早朝で駅員もおらず、インターフォンを押しても返答なし。数人の地元民にお願いして見てもらいましたが、なぜかカード決済ができない。刻々と時間は過ぎていくし、乗り遅れるとフライトに間に合うかかなり際どい。確か現金も試したような気がするのだけど、とにかく買えなかったのです。

 

最後には、購入を手伝ってくれた男性が自分の定期券で改札口をあけてこっそり通してくれました。空港行きの場合、改札を通れたら降りるのは問題ありません。心底ホッとしました。男性も向かいのホームで手を振ってくれていました。本当に有難う。

でも、次は電車が一向に到着しません。次の電車の表示も出ないのです。予定時刻より遅れて反対側を電車が通過したとき、もしや?という予感がしました。きっとあの電車が折り返してくるんだろうと。ええ、そのとおり10分近く遅れてやっと乗れました。次には乗ったはいいが、チャマルティン駅付近で徐行を繰り返し、遅々として進まず。それでも改めて画像を確認してみると、空港着まで全体で15分ほどの遅れにしか過ぎなかったようです。

 

最大のトラブルはここからです。マドリードからはフランスのリヨンへ飛びます。マドリードからリヨンへはその曜日、イベリア航空とボロテア航空のみ飛んでおり、イベリア航空で予約していました。

 

誤算は荷物を預けるところから始まりました。予約したチケットでは機内持込みしかできないはずでした。でも無料で預けられると勧められたので、ついお願いしました。昨今、各航空会社は機内持ち込み荷物をできるだけ減らそうとしていることを感じます。

 

スーツケースは機内持込みだからと、せっかくワインの安いスペインで買わずにいたのに、手ぶらでマドリード=バラハス国際空港を見物するほうを取りました。早朝だったので結局お店はどこも開いていなかったのに(苦笑

 

電車の遅延でハラハラしたので、飛行機には乗り遅れないようゲート近くのカフェでパンを買い、軽く朝食にしました。ポルトガル銘菓Pastel de NATA2.2EUR(356円)とクロワッサンサンド3.9EUR(631円)。比較的物価の安かったスペインでしたが高いなぁと感じます。

 

カフェからは搭乗予定の飛行機も確認しました。天気は雨でしたが、無事に空港に到着した安堵もあってホッとしていたんです。

 

最後に空港のトイレへも行きました。

 

ヨーロッパの空港にもレベルはいろいろありますが、最新式の設備で使いやすかったです。

 

さて、いざ搭乗です。列に並び自分たちの番となりました。ところがそのゲート前で、止められてしまったのです。あっちで待っていて、と。他に4,5組の人たちが同じように待たされていました。なぜなのか、私たちにはまったく理解できませんでした。やがて待っていた人たちも1組呼ばれ、2組呼ばれ、残りは私たちと中学生ぐらいの男の子を連れたご家族のみとなりました。

 

でもまだ乗れません。スタッフは走ってくる人たちがいないか、遠くに目を遣っている。やがて、一緒に待っていた親子連れが悲鳴を上げ始めました。ようやく理解したことには、どうやら私たちには座席がないようなのです。

ん?このままいくと飛行機に乗れないの?

ダブルブッキング?いいえ。私は何度も現地の航空券を予約していますが、安さ重視でチケットを購入しているだけで、詳細はあまり気にかけていませんでした。チケットに書かれているSBYの文字とご覧ください。これはスタンドバイと言われるチケットでキャンセルを見越して発券しており、空きがあれば乗れるというものだったのです。そういえば、座席の予約には追加料金が必要だったことは覚えています。でも、そういったパターンはよくあったので、特に問題を感じていませんでした。

 

記憶によると、次の便は夜だったはず。このままマドリードの空港にいるわけ?次は乗れるの?手に汗をかきながら待っていましたが、こんなときに限って次々に乗客がやってくるのです。

もう諦めかけていたそのとき、2人なら乗れると言われ私たちの搭乗が許されました。親子連れの嘆きは本当に気の毒なものでした。でも、本当に気の毒だったのはどっちだったのでしょう・・・トラブルはまだ続くのです。

 

とりあえず乗り込んだ先は先頭の座席、なんとビジネスクラスでした。感染症対策のためか、3人掛けの真ん中を使用していなかったので、私たちが優先されました。

 

ところがボーディングブリッジも外され、出発を待つばかりとなったとき、突然機内の電気がパチパチとフラッシュし始めました。目を開けていられないほどの閃光が走り、誰が見ても電気系統の異常がわかりました。しばらくあとの機内アナウンスによると、修理をするか機体を替えるかの2択で、とりあえず修理を試みるので待ってほしいというふうに聞こえました。皆が落ち着いているので、とりあえず大丈夫なのでしょう。再度ボーディングブリッジが取り付けられました。

 

何人かが機内外をウロウロし、およそ1時間遅れで無事離陸してくれました。はぁ~ よかった。ビジネスクラスにはウェルカムドリンクが配られます。

 

前にも一度、ルフトハンザ航空でビジネスクラスに変更されたことがありましたが、乗れなかったかもしれない飛行機で優遇されるとは、なんたるラッキー。機内食までいただけるとは。

 

ええ。遠慮して1本にしましたが、ワインだっていただいちゃいましたよ。これだけの量でもお腹いっぱいでキツかったのですが、残すわけにはいきません。

 

飛行時間は2時間弱。焦ったけど、楽しかったね~なんて言いいながらフランス、リヨン空港に到着しました。

 

電車の切符が買えず、しかも遅延で焦り、飛行機に搭乗できるかどうかわからなかった、そんなトラブル続きのマドリード空港からの数時間を経て、最後の滞在都市、リヨンにようやくやって来たのです。

 

天候は小雨でしたが、そんなことなど無事の到着を思えば些末なこと。でも、そうは問屋が卸しませんでした。慣れた方ならお気づきかと思います。直前まで搭乗できるかどうかわからなかった私たちの荷物が、リヨンに運ばれているわけがないのです。ええ。いくら待てどもバゲージクレームに私たちのスーツケースが現れることはありませんでした。

 

私たちだけでなく、何人かが同様にロストバゲージでした。係の人を見つけると、機械で登録できるようでサポートしてもらえました。おそらくリヨン滞在中の2日間のあいだには届けられるのでしょう。でも、手元には何もありません。やっぱり荷物は機内持込みに限ると痛感しました。1時間以上遅れて、空港を後にします。

 

手元にあるのは、旅行の行程表と現金やクレジットカードのみ。夜の便があるのだから、遅くとも明朝には・・・届けられるよね?

 

【スペイン】世界遺産トレド旧市街「Asador a la Brasa」でランチ&フラメンコ鑑賞

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街で見学したトレド大聖堂について書きました。

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ランチはあちこち覗いてみたけれど、いまひとつしっくりくるところがなくて、最後に選んだのがAsador a la Brasa

 

なぜレストランが選びにくかったかというと、スペイン語メニューだったから。せめて英語メニューじゃないと何がなんやらわからないのだ。イタリア語ならまだ想像がつくんだけど。

 

そんなわけで、決め手は英語メニューがあったこと。

 

カウンターのある1階から2階へ案内されました。

 

階段途中からカウンターを見下ろすと、なんとなく雰囲気のいいお店って感じがわかるかと思います。でも調べてみたら、向かいにも同じ名前の店舗を持つお店があり、そこは観光地のド真ん中だから避けようと言っていたところでした(笑

 

開店間もなくだったので一番客でした。でもその別棟のお店は既に満員だったから、まぁ流行ってるんじゃないの。

 

この明かりの赤が画像に反映するので、やたら赤い画像が以下に続きます。

 

CAVA20EUR(3,240円) まぁお手頃価格です

 

ブッラータのサラダ16EUR(2,590円) ブッラータが丸ごと入っていて食べごたえあり。

 

ARROZ NEGRO23EUR(3,720円)

パエリアではなく、アロスをわざわざ頼んだんです。ほかのはすべてパエリアと書いてあったけど、これだけはARROZだったから、スペイン雑炊のカルドソみたいなのだったらなぁと期待したのだけど、いや、やっぱりパエリアだったよ。でも、搾ったレモンがよく効いてめちゃ美味しかったからいいや。

 

59EUR(9,550円) ところがここでは、どれを使ってもカード決済ができませんでした。諦めてセゴビアで高額紙幣を崩した残りなどを足して現金決済だったので、当時のレートの7,130円換算となりました。やっぱり現金を持っていないのもアブナイですね。

 

ちなみにトイレも潜入しています。レストランのトイレでいまひとつだった経験はナポリぐらい。たいていどこも及第点です。

 

ほら、ね。ナポリはたぶんスタッフに鍵を借りていかなくちゃいけなかったんだと思います。汚れているというよりは、鍵なしでハラハラでした。

 

さて。トレド大聖堂とランチですっかり満足して旧市街を後にしてしまった私たち。15:25の電車に乗ってマドリードへ戻ります。21:30まで電車があるので、夜景を見ても日帰りで行けるところが魅力かも。

 

トレドの手荷物検査はホームにて。

 

いつだったかのテロのあと、取り入れられるようになった手荷物検査に最初に遭遇したのは2016年1月ローマからナポリへ行くときだったと思います。ほとぼりが冷めて止めるのではなく、すっかり定着なのね。

 

さて。この日はマドリードで2回目のフラメンコ鑑賞でした。前回がいまひとつだったので期待して向かったのはEssential Flamenco

 

1ドリンクがついて35EUR+税(6,179円)。前回の25EURに比べてぐんと高いし、期待していいよね。ただ懸念は1公演目は35EURだけど、2,3公演目は40EURと高くなるところ。体が温まってからの公演は高いと聞いたことがあるし、ダンサーのレベルも違うかも。

 

絵はがきとチケットをもらって中に入り、公演までドリンクを飲んで過ごします。

 

1ドリンクの考えも様々で、グラナダでは中にテーブルがあったし、セビリアでは飲み物を持って中へ入りました。ここはロビーでいただきます。

 

赤ワインを頼むと、お腹いっぱいになるサイズのナッツ類がついてきました。

 

時間になると階段を降りて洞窟のような会場へ。

 

雰囲気、あるでしょ。思ったよりも狭い空間で、ダンサーは近いけど踊れるのかな。

 

結論から言うと、このタブラオもよくありませんでした。スペイン語と英語の2ヶ国語でフラメンコの歴史を説明して、そこから公演に入るのだけど、うーん。いかにも観光客向け。

 

それにしてもフラメンコって、スペインに辿り着くまでにこんなに多くの国の影響を受けてきたということなのね。英語ではジプシー、イタリアではロマ、スペインではヒターオと言われる民族はインド北部の音楽に影響を受けてきたそうだし、そもそもイスラム教徒に統治されていたイベリア半島は、その文化にもルーツを持つものね。

 

打楽器にカホンがあったのは珍しかったです。ペルー発祥のこの楽器を知ったのは、デビューしたての→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)の演奏を偶然ネットで見つけて聴き衝撃を受けたのですが、彼らは今も活躍しているのかな。

 

フラメンコを見終えて夜のマドリードの街へ繰り出します。でも、やっぱりすぐに文字が読めないのがネックで、レストランへ行くのが億劫になってしまいました。考えてみると日本にいてもメニューを選ぶのは昔のように楽しくありません。ましてやスペイン語・・・

 

結局、Sol駅近くにあるショッピングモール「El Corte Inglés」のフードコートで足が止まりました。

 

日本でお惣菜を買うことはないのですが、こうして並んでいると味のイメージがしやすいので、選びやすい。

 

種類も豊富だし、もうこれでいいや、と。

 

結局かったのはこちら。左はビーフンっぽい麵ですが、誤算だったのは甘かったこと。右はタコのマリネ。日本でも食べるような組み合わせですが、スペインはタコを食べる数少ない仲間なので選んでみました。こちらはふつうにマリネ。

 

このショッピングモールに入っているスーパーでは、他よりもチョコレートの種類が豊富でおしゃれでした。

 

ちょっと高級に見えるのに、高くないのでおススメです。

 

翌朝は5時前にホテルを出なければならないので、早くにホテルへ戻ってワインを飲んで軽くつまむのもアリでした。でも、なーんとなくこの旅行では食事に重きを置けずに悶々。次の国はフランス、美食の街リヨンです。次こそは、頑張れるかな。

【スペイン】世界遺産トレド旧市街 スペインカトリックの総本山「トレド大聖堂」

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はスペイン最後の観光となるトレド旧市街について書きました。

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スペインカトリックの総本山であるトレド大聖堂に来ています。チケットはオンラインで予約済み12EUR(1,930円)で、他の大聖堂より高い。でも、ここもセゴビアローマ水道と同じく、前回のスペイン旅行で断念した場所でした。「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言われているのに、2度目もなお計画から外れてしまったので、今度こそは。

 

トレド大聖堂の内部見取り図はこちら。クエンカ大聖堂、セゴビア大聖堂と同じく、主祭壇と聖歌隊席があり、側廊に沿って各礼拝堂、そして中庭のある造りです。

 

ただ入口の箇所が他とは違ったので、いきなり主祭壇と聖歌隊席へやってきたよ。1226年カスティーリャ王フェルナンデス3世の命を受けて建設が始まり、1493年に完成したというトレド大聖堂は、ブルージュ大聖堂を模して造られたと言われています。

 

聖歌隊席は2台のパイプオルガンが向き合う造り。金色に装飾された豪華な造り。これまであまり見かけなかったと思っていたせり出したパイプオルガンですが、スペインの大聖堂はすべてこのタイプでした。

 

真ん中には16世紀に製作された美しいゴシック様式のトレドの守護神、白いマリア像が立っています。

 

聖歌隊席の彫刻がとても細かい。

 

背もたれに描かれているのは、レコンキスタ終結したグラナダ征服の物語をモチーフとしています。

 

ひとつひとつ物語を辿っていきたいほど、人や馬の細かな描写が生き生きと描かれています。

 

座面に描かれた彫刻も表情豊か。クマや猿などの動物や食べ物も多く描かれていました。

 

聖歌隊席に向き合う主祭壇はゴシック様式

 

柵から手を入れて中を取りました。最も高い場所にキリスト。

 

高さが約30mもある主祭壇に描かれているのは、新約聖書によるキリストの生涯です。

 

最上段のキリストまで見上げると、美しいステンドグラスも目に入りました。

 

リブ・ヴォールト天井の際まで埋め尽くされたステンドグラス。

 

身廊をを真っ直ぐ見ると、天井のアーチが並び厳かな印象です。

 

壁面に描かれているのは、幼子キリストを運ぶ聖クリストバルの絵なのだけど、これじゃわからないね。子どもだったキリストが川を渡りたいと頼んだときに応じた人で、それ以来、旅行者の守護神とされているそう。

 

聖職者の間に入ると、聖母の生涯とキリストの受難からの13のシーンを描いた漆喰壁のフレスコ画に囲まれます。

 

天井はイスラム文化の入った豪華なムデハル様式

 

正面には1509年作の大司教の椅子。そして、気になるのはフレスコ画の下の方々。

 

歴代の高聖職者の肖像で、一番新しいのが下段右端のBraulio Rodríguez Plaza(ブラオリオ・ロドリゲス)で、2009-2019年にトレド大司教を務めていた人でした。現在の大司教は退任後ここに連なるのでしょう。

 

そして主祭壇の裏側の回廊にはトレド大聖堂の見どころのひとつ、スペイン・バロックの傑作といわれる大理石のトラスパレンテが見えてきます。
 
1721-1732年建築家ナルシソ・トメが建てたバロック様式の祭壇です。上部に楕円形の窓があり、柔らかな光に包まれています。

 

大天使に囲まれた祭壇画の細やかな彫刻と柔らかな表情に誰もが足を止めています。

 

聖母の座る椅子を支えるのもまた天使。両端の金のレリーフは左側では旧約聖書の一シーン、Abigail(アビゲイル)ダビデ王にパンとワインを捧げ、右側ではAjimelec(アヒメレク)ダビデにGolyat(ゴリアテ)の剣と聖別されたパンを手渡すところが描かれています。

 

側面の彫刻も精巧です。テーブルを囲んでいるシーンが描かれているので最後の晩餐なのでしょう。圧倒される作品です。

 

側廊には礼拝堂もいくつかあったようですが、他の大聖堂に比べて見られたとしても入られるところが少なく、印象に残っていません。

 

そんな中で見たのは、7世紀のトレド大聖堂San Ildefonsoに捧げられたサン・イルデフォンソ礼拝堂で、創設者の大司教など聖職者らが埋葬されています。

 

そしてまた聖具室では、天井に聖母の降臨が描かれた見事なフレスコ画が見られました。

 

正面の絵は、1587年El Greco(エル・グレコ 1541-1614年)の代表作のひとつ「聖衣剥奪」で、他にゴヤやカラヴァッジョなどの絵画が掲げられ、さながら美術館のよう。

 

残念だったのは宝物室を見損ねていたこと。ゴシック様式聖体顕示台コロンブスの持ち帰った金で制作されたもので、高さ2.5mもの眩い作品だったようです。

 

これはどこにあったのか記憶にありません。パティオがどこかにあるはずだと思っていたので、ここをそれだと思ったのかもしれません。

 

実際には、トレド大聖堂のパティオはもっと壮大な回廊に囲まれていました。壁一面に宗教画が描かれ、トレドの栄華が感じられます。

 

真ん中に噴水があり、石造りのカテドラルの中で憩いの場所。

 

回廊からは鐘楼が見えます。90mの高さを誇る鐘楼は、別の見学ツアーで上ることもできます。

 

聖歌隊席の裏側は静謐な空間。こちらからもパイプオルガンが向き合っているのがわかります。

 

観光客は他に比べれば多いのかもしれませんが、全体に落ち着いた雰囲気でした。礼拝堂は柵越しに見るだけなので印象に残りにくかった点はありますが、精緻な彫刻にはどれも目を奪われます。

 

ことにバラ窓をはじめステンドグラスは750枚のステンドグラスの美しさは必見。

 

市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)でクリスマスマーケットを開催中だったので、全景を撮れる場所がなかなか見つからなかったのだけど、ツアー民が何組も集まっていたのでここがベストなのでしょう。鐘楼と対を為す場所にあるのはモサラベ礼拝堂。当初は2つの塔が立つ予定でしたが、地盤に問題があって断念したそうです。

 

大聖堂はみるごとに規模が大きくなっていったので、逆に私はコンパクトでありながら礼拝堂も開放されていたクエンカ大聖堂の印象の方が深く残っています。トレド大聖堂の彫刻は他を圧倒するものではあったけれど、結局それを見る目がないのが残念です。

トレドはイスラム教、ユダヤ教キリスト教が緩やかに共存していた地で、大聖堂にもその影響が見られるはずなのですが、聖職者の間の天井ぐらいしか私にはわかりませんでした。こういうとき、ツアー参加の旅行はいいなと思います。

 

【スペイン】世界遺産トレド旧市街「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」

2024年(令和6年)1月4日(木)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はピカソの代表作、ゲルニカを観にソフィア王妃芸術センターを訪れた話を書きました。

fuwari-x.hatenablog.com

 

マドリード拠点の観光も残すは1日。チャマルティン駅から中心部に近い場所にホテルを移動しましたが、そこまでこの界隈で過ごさなかったので、あのまま同じホテルに泊まっていた方が良かったかもしれません。それでも、マドリード-アトーチャ駅に近いホテルに移動したのは、トレドへ日帰り観光するためでした。なんといってもトレドは「もしスペインで1日しかないなら迷わずトレドへ行け」と言わしめる場所なのです。

 

アトーチャ駅で地下鉄を降り、国鉄駅へ向かいます。なかなかこれが難しい。長距離列車の乗り場へ行くと、1時間に1本走っているはずのトレドの文字が見当たりません。

 

聞いてみると、近郊列車の乗り場が別にありました。手荷物検査がどこでもふつうに行われています。

 

ヨーロッパの鉄道によくあるように、手荷物検査を受けてもまだホームがどこかは決まっていません。本当に直前になってようやく表示されるので、ぼっとしていられない。

 

トレド行きもセゴビア行きと同じで運賃は定額の11.1EUR(1,785円)

 

トイレも完備でとりあえず車内も清潔と言っていいと思います。

 

座席は中央だけが4人掛けで、あとはこの向きに倣った方向に固定されており、座席の向きを変更することはできません。

 

アトーチャ駅からトレドまでは30分ほど。

 

素晴らしいのがまず駅舎。ムデハル様式の駅舎はイスラムの香り。

 

馬蹄形のステンドグラスから差し込む光が美しい。タイルの青もイスラム

 

外から見るとステンドグラスの色はまったく見えないので、あんなにも華やかな駅車内が不思議なぐらいです。スペインってほんとヨーロッパでもイスラム色が濃く異色。

 

駅舎全体を見ると時計台もあります。ここからトレド旧市街までは徒歩10分ほど。

 

2階建て観光バスで巡る乗り降り自由のトレドシティーツアーに参加することも可能です。

 

徒歩で旧市街へ向かうとタホ川の蛇行に囲まれるように聳え立つトレド旧市街。

 

ひときわ高いところに見える四角く囲まれた尖塔を持つ建物はアルカサル。3世紀のローマ帝国時代に宮殿として建設された建物で、今は軍事博物館として公開されています。

 

タホ川の先には旧市街と対面するようにトレドのパラドールがあり、絶好の展望箇所になっています。

 

タホ川を渡すアルカンタラ橋。まだ開店前のクリスマスマーケットが並んでいました。

 

旧市街へ入る門です。

 

馬蹄形の門を抜けて歩いて行くと、いくつか分かれ道がありました。

 

アルカサルへ行くには左のルートを通ると近いのですが、GoogleMapでは高低差もあるのでいまひとつわかりにくい。

 

前を歩く人に連れられるように右側の階段を上がってしまいました。

 

そこから広がる風景を眺めていると、向こうにある建物が気になりGoogleMapで探してみました。

 

向こうに見えるドームのある建物はタベーラ施療院で、カスティーリャ王アルフォンソ10世の系列であるメディナセリ公爵家にゆかりの建物で、今は所蔵するエル・グレコなどの絵を展示する博物館として公開されているらしい。近くにはトレド闘牛場もあり、旧市街だけでなくそこここに見どころがあるのが、さすが世界遺産数5位というスペインの凄さ。

 

栄えた都市でも、隣接して農地があったりさもなくば荒野となっているのも特徴で、住宅地を拡張していかないので、いつまでも古くからの景観を保てるのでしょう。

 

ちなみに、途中で左折した場合は、もう少しなだらかな階段を上ります。

 

修道院の建物の脇から上がっていくとサンタクルス美術館へも行けたようだけど、私たちはアルカサルすら素通りで戻ってしまいました。

 

こちらの道を通った場合は、対岸が見渡せます。向かいに見える建物はサン・セルバンド城(Castillo de San Servando)で、現在はユースホステルとして利用されています。

 

帰りにホステルへの坂道を上ってみましたが、小雨が降ってきたので途中で引き返しました。でも、アルカサルがさらによく見えたので、パラドール方面にあるミラドール展望台とはまた違ったトレド旧市街の展望台としても利用できるかもしれません。

 

さて。観光の中心となるソコドベール広場に到着しました。残念ながら、トレド大聖堂とアルカサル以外には特に何を見るべきか調べずに来ています。歩けば自ずとわかると思っていたのです。

 

そんなわけで、建物の重厚さに釣られて私たちが入ってしまったのは図書館。手荷物検査を受けて入ったものの、ごくふつうの図書館でトイレだけをお借りして失礼したのでした(笑

でも、重厚だったはずなんです。ここはアルカサルの一部だったのよ。今の今まで気づいていなかった私、どおりで人がたくさんいたはずだわ。アルカサルからはもっと離れた場所にいると思い込んでしました。

 

11時予約のトレド大聖堂。狭い路地から見えている尖塔がそれかしら。

 

ぐるりと大聖堂を取り囲む塀に沿って歩いて行くと、入口を見つけました。でも、ほとんど観光客はいないし、入口には物乞いもいる。んん?入ってみるとここは「時計の門」と名付けられた裏口(でも時計は止まっている)。一応内部が見られるようになっているので、入場見学しない場合はこの裏口を探すといいです。

 

入れるのは柵で囲まれているところまで。主祭壇などは見えませんが、リブ・ヴォールト天井や中の雰囲気はわかります。

 

正面を探しながら通りを歩いていると、武器を扱うお店がいくつもありました。トレドは刃物の町として有名で、中世の雰囲気のする剣や盾などがお土産として売られているのです。それにしても人物が生々しい。

 

トレド大聖堂への入口は、市庁舎前にあるその名も市庁舎前広場(Plaza del ayuntamiento)の脇道から。

 

開催中のクリスマスマーケットでは、私の天敵であるBACALAO(鱈の塩漬け)も山積みだったよ。

 

もうすぐ11時。今回のスペインでの大聖堂はマドリード、クエンカ、セゴビアに続き4つ目。スペインのカトリック総本山のカテドラルです。

 

入口はその角を曲がったところ。この入口の彫刻には最後の晩餐が描かれていて必見だったのに、見落としてたんだよね。でもま、とにかく入るよ。

 

【スペイン】首都マドリード ソフィア王妃芸術センター「ゲルニカ」

2024年(令和6年)1月3日(水)

 

年末年始、ルクセンブルクを皮切りにヨーロッパ10日間の旅行です。今は2ヶ国目のスペイン滞在中。前回はマドリードに戻って移った2軒目の5つ星ホテル「Hotel Villa Real」の宿泊記を書きました。

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小雨の降る日夜、ピカソの代表作のひとつゲルニカを見にソフィア王妃芸術センターへ向かいます。マドリードにはいくつもの美術館があるのですが、いくつかは無料で開放している時間帯を設けていて、この美術館は19時からの2時間が充てられています(日曜日12:30-14:30)。ホテルからは徒歩15分ですが、地下鉄10回券もあるので1駅だけど乗車。

 

マドリードでの電車はどれも乗降時には自分で扉を開けなければならないのですが、この電車の場合は取っ手をスライドさせるタイプ。

 

駅構内には既に所蔵の作品があちこちに貼ってあるので、美術館巡りが好きな人ならテンションの上がる空間になっています。

 

ところが。19時の到着では遅過ぎたらしい。既に長蛇の列どころじゃないのです。センターの前は広場で冬季はスケートリンクが設置されているのですが、それをぐるりと3/4周囲んで並んでいるではないですか。

 

相棒は行列が嫌い。しかも入場料を払えば並ばずに入れる時間帯があるならそうしたいタイプ。でもこの日しか空き時間はないし、ましてや全館鑑賞するタイプでもありません。

 

20人ずつほどが許可されて入場していきます。不機嫌な相棒をよそに待ち続けること1時間。寒い寒い中、ようやく入場です。

 

チケットはそれぞれ違うものが渡されます。スペイン人画家Ángeles Santosと、ペルー人アーティストMaría María Acha-Kutscherの作品。

 

さて。ゲルニカの場所はどこ?2階ということはわかっているのだけど。そもそもどこから上がればいいのかも謎。でもこういうときは、まわりの方がよく知っているのでついて行くのが近道。

 

ああ、ゆっくり見られたら楽しそうだな。

 

1937年 死んだ子供を持つ母親(I)「ゲルニカ」あとがき

 

1937年 ハンカチで泣く女の頭部(I)「ゲルニカ」あとがき

抽象画って不可解だよね。3次元を2次元にしてと言うんだろうか、横顔も正面も立体的にじゃなくて平面に同時に描いちゃうから、こうなると聞いた覚えがるんだけど。

 

う、うわ。近い。一応ここまでってロープだったか張ってあったのだけど、すごく近くまで行けるのね。つい最近まで撮影禁止だったというピカソの代表作、ゲルニカ

 

1937年にパリ万国博覧会のスペイン館に出品するために生まれた縦349.3 x 横776.6 cmという巨大な作品。何しろ作品が大き過ぎて1枚では撮り切れない。

 

正面からでは到底人の頭が入って無理なので、端から攻めてみる。

 

これで一応全部入ったけど、これではわからない・・・

 

じっと見る。ただ、見る。

 

ほとんどの人が言葉を発することなく、ただ立っている。

 

ちょうど描かれた時代は、ドイツがヒトラー政権でスペイン内戦が起きていた時期。

 

ゲルニカの前での滞在時間は、わずか数分。

 

1929年 ダリの作品。作品名は伏字でお願いしますっていうものでした(汗

 

夜の街を散歩したいぐらいだったんだけど、相棒はそんな気分ではないだろうし。ブルーに光るのはたぶん、トロピカル・デ・アトーチャ庭園だったと思うのだけど。まだまだマドリードには見どころがたくさん。

 

オランダでハーグに泊まったとき、レンブラントフェルメール真珠の耳飾りの少女も見ずに帰ったことをとても後悔していたから、とにもかくにも今回は見られてよかったよ。